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天帝のはしたなき果実
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天帝のはしたなき果実の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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昔、講談社版で読みました。改変はいらなかったんじゃないかな。傑作であることには変わりない。ちょっと小野不由美の東京異聞を思い出しました。 | ||||
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私は、表紙の絵に惹かれこの本を購入しました。 簡単に中身の構成をいうと序章は100ページ以上 とても厚い本なので時間をかけすぎると飽きると思います。 また、いろいろな国の言葉が入っていたりカタカナのものを感じで書いたりしているのでルビがとても多く 読みにくいです。 読書が好きならば読み応えがあり おすすめしますが、嫌いな人はやめておいたほうがいいです また、内容は1巻完結なのでシリーズを全てそのえなくても大丈夫です。 おもしろさは、人それぞれですね。 私は、いろいろ考えることもでき面白いと思いました。 | ||||
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2007年にノベルズで刊行された第35回メフィスト賞受賞作の文庫化。通称を「新訳」というらしい。その名の通り、キャラクタとプロットの整理が行われ、読みやすさは格段に上がった。 とはいえ、筆者の持ち味である多言語でのルビや衒学趣味は健在なので、そこが合わない人はいるだろう。確かに万人向けとは言えない。しかし読み通したあと、それがたとえ悪口であれ、レビューを書いたりつぶやいたりせずにはいられないような、強烈な「癖」を持つ作品でもある。 なぜなら、まず、これらの表現上の特徴は、筆者の趣味や単なるキャラクタの書き分けのためではなく、物語の謎を解くための伏線として、必然的にそうなっているからだ。 そう、『果実』の特徴を一言で書くならば、非常にフェアでロジカルな小説であることにつきる。事件を解決するための要素は、なにげない会話の中に、情景描写の中に、時に文字の中に隠される。一読しただけでそのすべてに気づくことはほぼ不可能だろう。ミステリ小説の醍醐味である、気持ちよくだまされる快感、驚きをもってページを繰り直す楽しみは、先達の傑作に勝るとも劣らない。 さらに『果実』は、「探偵小説」の系譜に連なる物語でもある。 有栖川有栖。綾辻行人。島田荘司。笠井潔・・・。古野まほろに、彼らが作り上げてきた謎と美しい解決の世界への愛と尊敬があることは疑い得ない。その世界に属する物語を書こうと切望し、そしてそれに見事に成功したからこそ、『果実』は、切なく、ほろ苦く、かつ探偵小説の「作法」に乗っ取った、正々堂々とした小説に仕上がっているのだと思う。私はそこに惹き付けられて止まない。 だから。「新本格」の魅力を感じてきた方、触れてみたい方に、ぜひ『果実』をお勧めしたい。 学園ミステリ、青春小説として楽しむも良し。 元ネタを探しながら、筆者の趣味を探ってみるも良し。 伏線を丁寧に拾い集めながら、謎解きの歯ごたえを楽しむも良し。 善と悪、人間の相互理解について考察にふけるも良し。 『果実』は、非常に多層的な楽しみ方ができる「癖になる」作品だと言える。 (ただし、表紙のイラストについては、講談社ノベルズ版の方が好みでしたので、評価は☆4.5にしたかったです) | ||||
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勁草館高校の吹奏学部がアンサンブルコンテスト優勝に向けて練習している中、事件が発生する。 吹奏楽の練習の部分やまほろ達の日常生活を見ていると、青春というものはこんなにも胸が痛くなるものだろうかと感じ入ったり、登場人物がみんな個性的で各々の味を出しているのに魅力を感じる。 事件が発生するまでのページ数が結構な分量であるにもかかわらず、飽きのこない展開で事件までを読ませてくれる。 事件発生から解決までの推理合戦やルビ、多言語、衒学趣味は人によっては好みはわかれるであろうけれど、この小説の本質は探偵小説であるということに尽きると思う。 装飾過多で読みづらいという声をよく聞くけれど、この小説の本質は探偵小説であり青春劇であるということ、その本質さえつかんでしまえば、多少の装飾に惑わされることなく、すらすらと読みいることが可能である 魅力的なキャラクタたちが織り成す先の見えない展開に胸を熱くされ、700ページオーバーの分量を感じさせない傑作だと思います | ||||
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ひとたび世界に没入すれば。二度と抜け出せない、それは本格の楽園で。 当該小説を求める人には、生涯かけがえのない出逢いが待っている。 「独特のリズム」は必ずしも「読みにくさ」と同義ではない。慣れれば薬物のような劇的効果に変貌する。 古今東西の言語と知識、執拗なまでのルビを駆使して描かれた、立派に過ぎる青春ミステリの新機軸。 洒脱な遊び心に満ちた饒舌さとは裏腹に、そこには揺るぎない堅牢な論理の砦が待ち構える。 「本格探偵小説の正統なる後継者」の覚悟と責務。孤軍奮闘の著者の後ろに道は続いている。 ある人物の弔い合戦。コンサートにかける、まほろたちの想いには胸を焦がされた。 かつて久生十蘭や中井英夫の創出した幻惑のノスタルジー。 かつて有栖川有栖が語った切なすぎる青春のノスタルジー。 衒学と青春。カフェオレのミルクのように溶け合った両者は、無二の世界を現出する。 探偵小説にココロを捧げた親愛なる皆々様。 どうか。古野まほろという真物に触れてみて欲しい。 ヒトとヒトとは分かり合えない。だからこそ、言葉は力と熱を帯びる。 俗世のまがい物に辟易した、あなたとなら。きっと、分かり合える気がしてならない。 | ||||
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他のレビューなどでも言及されているが、確かにこのデビュー作におけるルビやフォントの使い方、無秩序に挿入された衒学趣味的なネタはまるで玩具箱をひっくり返したかのようにまとまりがなく、荒削りである。荒削りではあるが、そこには作者も自覚的であり、だから『天帝のはしたなき果実』は大幅な設定の変更や改稿を経て、新約『果実』として再び天帝に差し出されることとなったのだ。この旧約『果実』がお気に召さなかった方は新約のほうも是非読んでみて欲しい。 さて、話が新約のほうに逸れてしまったが、本題はこの旧約『果実』である。荒削りであるだけに、むしろ作者の本質などよく現れているように思う。独特の世界観。キャラクター小説的な、ややエキセントリックに描かれている人物造形。エンタメミステリ的な、外連味のある推理の魅せ方。伝統芸的な探偵小説への意識。論理への執着。セカイ系的青春劇。幻想。SF。オマージュなど、枚挙に暇はない。先ほど「玩具箱をひっくり返したかのようにまとまりがない」と述べたが、おそらく旧約『果実』愛好者たちは「そこがいい」と答えるのだろう。減点要素も多い、というのが、評者たちがこの作品を手放しで評価することを躊躇ってしまいがちであることの理由なのではないか。しかし個人的には、この作品から少なくとも著者のポテンシャルを感じられないようなら、評価などやめてしまえ、というようなことを思ったりもする。点数や偏差値で評価することの難しい作品ではあるが、あえて言うなら、この作品は僕にとっての紛れもない傑作である。 | ||||
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読みにくさは200ページほどで慣れました。 そこまで読まないと駄目だというのは問題ですが、それからあとは世界観に没入できます。 ルビの煩雑さや多言語の混在などにどうしても目がいてしまいます。 しかし、これは立派な青春ミステリです。 ある人物の弔い合戦となるコンサートにかける、まほろたちの想いには胸を焦がされます。 癖のある探偵小説を希求している方にぜひとも最後まで読んでいただきたいです。 | ||||
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今迄で一番の馬鹿小説。圧倒的過ぎる情報量といい、キャラクタといい、文体といい、やりすぎですよ。萌え要素まで投入するとかどうゆうことだよ。 だがそれがいい。 | ||||
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ご存知、メフィスト賞受賞作です。 新本格推理小説と考えればよく出来ている作品です。 新書ですが二段組ではありません――でも厚いです。 しかし京極夏彦ほどのパワーはないかもしれません。 内容はライトノベルに近いです。 まあ、しかし濡れ場もありますからね。どうなんでしょう。 | ||||
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冒頭からあふれ出すカタカナ言葉と当て字に、多くの場合とまどい、たじろいでしまいそうになりますが、これは東野圭吾「超・殺人事件」中の短編「超理系殺人事件」の文系版のようなものです。全て無理をして理解しなくても話の大筋はつかめます。 その上で、この雰囲気を楽しんで分かる部分にほくそ笑むもよし、純粋に謎解きに挑戦し「読者への挑戦」を待ち構えるもよしと、好きな読み方ができる出来になっていると思います。今までのメフィスト賞を見てくれば、充分水準以上の作品です。 | ||||
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とにかく文体が個性的です。あらゆる言語のルビがカタカナでふられ、過剰に華麗で、饒舌で、衒学趣味。音楽や美術に詳しくなく、二ヶ国語以上をしゃべれない人間は、作中にひとりもでてきません。独特の美学に貫かれた世界が築かれています。読んでいて酔いしれます。キャラクタノベルとしても秀逸です。 ガンダムネタなど、オタク的、パロディ的なお遊びも随所に含まれています。岸部露伴が実在するまんが家として描かれているのと、菊地秀行ネタがでてきたときは感動しました。 部活ものの学園小説と思っていた内容が、主人公たちの推理合戦に雪崩れこみ、そして終盤でいっきに宇宙的なスケールへと拡大する。この圧倒的な展開には眩暈がおきました。凄く迫力のある一冊です。 | ||||
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