絶海ジェイル Kの悲劇’94
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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戦時中にアカ華族の嫌疑によって絶海の孤島に建てられた「パノプティコン(一望監視獄舎)」に収監された天才ショパニスト八重洲清康は、3人の囚人仲間とともにどのように脱獄したのか?を清康の孫にして同じ天才であるイエ先輩が解き明かす、というハウダニットが本作のメインになります。そしてその脱獄方法には「超絶技巧練習曲にすぎますよー」と思う方法が一点含まれているものの、非常にユニークでとても面白いと感じました。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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「過去に何があったかを明らかにする」「極限状態からの脱出(脱獄)」がテーマですが、主人公および (過去にそれを成し遂げたとされる)祖父が万能の天才であり権力財力も絶大だという 前提がないと成り立たないのが残念な点です(「不可能とは言い切れない」ことを 連続で成功させる+下準備は獄外の人間が完璧に手配済み で成功しています)。 この他、(やや怪しげな)心理学や医学知識を羅列したり 「ある金属の融点以上の温度を得る手段がある=その金属製品を焼切ることができる」 と強引かつ短絡的な結論で謎解きを済ませているのも苦笑どころです。 「新たな殺人」に関する点もこの作品が書かれた時期の法改正を 知っていればそれを足掛かりとして見抜けてしまい、 中途半端に時事ネタを入れる必要性に疑問を感じました。 また、犯罪首謀者側のメリットが感じられず(特に部下たちはメリットゼロ) 単に波乃淵がイエ先輩を訪問して「祖父の情報と引き換えに謎を解いてください」で 事足りそうなのもマイナスですね(笑)。 | ||||
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ヒロインの恐ろしく寒い心中描写(今日の私はキャミワンピ。ぷんすか。等々)と,主人公のキャラクターを無理にクールに作りあげようとしているところが見え,鳥肌ものでした。頑張って途中まで読みましたが諦めました。 ガールミーツボーイ的な恋愛要素ありの作品を読みたい人を狙うのか,ミステリー好きを狙うのか,はっきりした方が良いかと思います。要は人物が全く書けていないので,ミステリー要素以外の部分はかなり無理があったのではないでしょうか。 | ||||
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勁草館高校元会計渡辺夕佳と元ピアニスト八重洲家康の、通称「イエユカシリーズ」第2作。 舞台は絶海の孤島の牢獄。八重洲家康は期限内にここを脱出し、夕佳の下に戻れるのか−。 フーコーの概念として有名なパノプティコン(一望監視装置)。 看守の姿は囚人から見えないが、囚人は常に監視されている(かもしれない)状態に置かれるため、気をゆるめることができない。 この、心理的にも死角の少ない牢獄を破ることはできるのか? これが「読者への挑戦」の中心である。 学校でフーコーに触れたことがあるのなら、無理無理無理!!といいたくなる。 でも、そこに合理的な解決が示されたときの快感といったらない。その手があったか!と思う。 物語にしかなしえない、エレガントな解だと思う。 さらに、パノプティコンが設置されているのは絶海の孤島なのだが、外部への通信手段も斬新。 こう書くとハードボイルドな脱獄もの?と思われるかもしれないが、 そこはイエユカシリーズ、ちゃんとガール・ミーツ・ボーイ的な青春小説としての要素もあり、 幾通りにも読める仕上がりになっている。 夕佳のけなげさと、家康のツンデレがいい感じのこの二人、これから幸せになってくれるんですよね? | ||||
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