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シャドウ・ストーカー



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シャドウ・ストーカーの評価: 3.44/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.44pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(1pt)

重箱の隅のスミ

なんですか。これ。おそらく、ディーヴァーの中でも一番できのよくない作品じゃないですか(十七作品しか読んでませんが)。緊張感なし。人物描写にも深みなし。上っ面だけ。説得力のある知的推理も最低水準でしょう。プロの作家の匂いがしません。以前書いた習作にちょっと手を入れただけ。そんな印象です。人物設定にしても、ダンスを含めて、ほかの捜査官の設定もあまりに凡庸すぎます。単なるパトロール警察官ならともかく、厳しく審査されキャリアアップした捜査のプロたち。これではいくらなんでも……。シンガーソングライターも経験したという作者の百パーセント自己満足の作品ですね。作者だけ面白がって、読者は白ける典型的な作品だと思います。

 こんな作品だからというわけでもないでしょうが、日本語訳にも力がはいらなかったのでしょう。首を傾げる箇所が随所に目立ちます。
 
 P26下段〈コンサートに行ったとき、あるいはただフレズノまでケイリーに会いにきたとき、クマそっくりなビショップが〉とあるけど、ここは〈会いに行ったとき〉でしょう。この章の主体はあくまでダンス目線です。〈会いにきた〉はおかしいでしょう。〈会いにきた〉のはビショップから見てのダンスの行動です。いったい、いきなり、だれの目線になったんだよと突っ込みを入れそうになりました。〈(ダンスが)会いにきた〉では、ビショップ目線になってしまいます。

 P32上段〈『──念のためにメインの電源を落としておいたよ。今日の夜、戻ってきたら、もう一度、電球をよく確かめてみる──』〉とあるが、〈戻ってきたら〉って、だれが戻ってくるのだろうか。会話の話し手が〈戻ってくる〉のなら、〈戻ったら、もう一度〉でないとおかしい。違和感を覚えました。

 P40上段〈『もちろん。彼が金曜のコンサートに来るつもりでいたこともね』〉とある。ここは〈『コンサートに来るつもりでい《る》こともね』〉と、過去形ではなく現在形を使うべきでしょう。この会話をしている時点で、金曜のコンサートとはまだ先のことです。前後の文章から、〈つもりでい《た》〉という表現では、重箱の隅かもしれませんが引っかかります。

 P50上段〈しかし、目を閉じる必要はなかった。眠りがようやく訪れるのは、まだまだ先のことだろう〉とある。未来に対して〈ようやく〉はおかしいのではないか。この場合、この時点では当然、眠気は襲っていない。〈ようやく〉とは、過去の流れがあって、現時点に至って、〈ようやく〉と思うはずだ。未来の事象に対する予感として〈ようやく〉は、おかしい。〈眠りが訪れるのは、おそらく〉か、単に〈眠りが訪れるのは、まだまだ先のことだろう〉で、意味ははっきり通じる気がします。

 P69上段〈ただし、夫は犯罪に巻きこまれてではなく、ハイウェイ一号線で不注意運転の車にぶつけられて死んだ〉ってあるけど、〈ぶつけられて〉って文章の流れとして稚拙でしょう。〈不注意運転の車が原因で死んだ〉とか、もっといいようがあると思います。P82上段〈容疑者と話をしながら行なうものだ。〉とあるが、〈行《な》う〉は、範疇であるとはいえ、正しくは〈行う〉でしょう。P107上段〈『動かない証拠があるんだよ、エドウィン』〉って、ここは日本語の常套句として定着している〈動か《ぬ》証拠〉でしょう。語呂が悪いです。P128上段〈『毎週、何千通も同じものを発送してる。特別なのは、宛名だけ──その宛名にしたって、プログラムが自動的に挿入してるのよ』〉とあるが、〈特別〉って、おかしいでしょう。文意から別に〈特別〉じゃないでしょう。単に〈違うのは、宛名だけ──その宛名にしたって〉とかでしょう。

 P151下段
〈『ケイリーの家に。予告なしに行って驚かせたいの』
 『ああ、それは楽しそうだ』〉
 とあるけど、作者の表現として違和感あります。ケイリーは長年仕事をやってきたスタッフが殺害されているのだ。そこに弔問も兼ねて、実の姉がケイリーを訪れようとしている。悲しみに打ち拉がれている妹に対して、〈驚かせたいの〉〈ああ、それは楽しそうだ〉って、ケイリーに親しい間柄の人間同士の会話ですか。頭が混乱してしまいました。

 P222〈泥が跳ねた窓ガラスに、シャッターの光が次々と閃いた〉とあるが、シャッターは閃かねえよと、思わず突っこんでしまいました。シャッターは〈押す〉もの、閃くのは〈ストロボの光が次々と〉でしょう。この訳者さんで、他の作品にも同じ表現が出てきますが、P203上段〈心臓は激しく打っている〉と同じように違和感ありありです。心臓は打ちません。打つのは鼓動でしょう。P305下段〈サックスがライムの推理を目立つように書き加えてあった〉は、〈加えて《いた》〉でしょう。

 P337下段〈しかし、彼が向きを変える前に、ダンスは衝撃的に手を伸ばしていた。片手を彼のうなじに当て、もう一方の腕を背中に回して、彼を引き寄せた〉って、〈衝撃的に〉って、なんだよおお。〈素早く〉とか〈我知らず〉とかだろう。P360下段〈ケイリーはひどい咳をし、唾を吐いて苦い味のする灰やすすを口から追い出しながら、ポーチの階段を下りた〉って、〈口から追い出しながら〉って、なんだよおお。せめて〈唾を吐いて苦い味のする灰やすすを口から一掃して、ポーチの階段を下りた〉くらいでしょう。

 P365上段〈まぶたがゆっくりと閉じた〉って、ここは〈まぶた《が》ゆっくり《閉じられた》〉か、〈まぶた《を》ゆっくりと閉じた〉かでしょう。P394上段〈『ママに何かされる前に止めて!』サリーは泣きじゃくっていた〉って、〈ママに何か《する》前に〉でしょう。日本語の文章として、いろいろ気になることがありました。次回を期待します。
シャドウ・ストーカーAmazon書評・レビュー:シャドウ・ストーカーより
4163826300
No.3:
(1pt)

カバーが。

カバーがなかったです。
商品の詳細には記載がなかったと思います。
ガッカリしました。
シャドウ・ストーカー 下 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:シャドウ・ストーカー 下 (文春文庫)より
4167907410
No.2:
(2pt)

一番の駄作

長編はほとんど読んでいると思うが、これまでで一番の駄作です。同じ作者とは思えない。展開に緻密さがなく、粗さばかり目立ちます。この作品が例外であることを願っています。
シャドウ・ストーカー 上 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:シャドウ・ストーカー 上 (文春文庫)より
4167907402
No.1:
(2pt)

物語の求心力に乏しく、冗長で凡庸の感を免れない作品

「リンカーン・ライム」シリーズのスピン・オフ・シリーズとなったダンス心理分析官を主人公とした三作目の作品。色々と工夫はしているが、冗長で凡庸の感を免れない印象を受けた。

ケイリーという十代の(天才)女性カントリ・シンガー・ソング・ライターが居て、そのケイリーに付き纏うストーカーの素性が冒頭から読者及び警察に明かされる。そして、ケイリーの<your shadow>という曲の歌詞に載って、あたかも"見立て殺人"であるかの様に連続殺人事件が起きる。これでそのストーカーが連続殺人の犯人だとしたら、"お笑い草"という他はないが、そこは流石に工夫がしてある。しかし、作中、ダンスの心理プロファイリング(キネクシス)が活きていると感じた箇所は皆無で、全編を通してスリルやサスペンスが感じられない。これは読者へのサービスかも知れないが、微細証拠を分析するためにライムやアメリアの力を借りるとあっては、何のためにダンスを主人公としたのか皆目不明である。上で冗長と書いたが、ダンスの私情やアメリカの音楽業界事情に関する記述が多過ぎて物語の求心力が乏しいのである。

ラストを読むと、"家族の絆"の大切さをテーマとしている様だが、読者が期待するのは捜査側と犯人との丁々発止の知恵比べである。この意味において、本線の「リンカーン・ライム」シリーズの最近の不調振りを見ると、作者も"ネタ切れ"ではないかとの心配が募る。その心配が杞憂となる様な快作の発表を期待したい。
シャドウ・ストーカー 上 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:シャドウ・ストーカー 上 (文春文庫)より
4167907402

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