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レッド・スパロー
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レッド・スパローの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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落ち着いた語り口、無駄のない文章、翻訳も読みやすい。なによりリアリティに引き込まれる。アクションシーンもなく、超人的な人間も出てこない(主人公の女性は能力は高いが)が、スパイの世界、情報戦って、こんな感じだろうと、描写の真実味を楽しみながら読める。何より大人の世界である。読書の楽しみを味わえる一冊。おすすめです。 | ||||
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フィクションですが作者のCIA勤務経験に裏打ちされたものでノンフィクションの感覚で読みました 実際にこのような事がこの世界で行われていることが十分に理解できます | ||||
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状態がよかった。対応も迅速丁寧。 | ||||
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久しぶりにスパイアクション物を読んで大変満足した。 スパイ訓練の様子などをちょっと書くと以下のとおりである。 特別技術学校(通称スパロースクール)は、ハニートラップ要員を訓練するための施設である。主人公(ドミニカ)もスパロースクールの実体を知っており、娼婦になる訓練など受けたくないと拒否するが情報機関幹部の伯父から脅され仕方なく入校することになる。 このスパロースクールでの訓練が実にえげつない。男女の体や性交に関するあらゆる知識を叩き込まれるだけでなく徹底的に実技を仕込まれる。ちなみに訓練生は、女はスパロー、男はカラスと呼ばれる。 まず見知らぬ男女の性交シーンの映像を長時間見せられるところから始まり、その後あらゆる性技を実地で仕込まれる。内容は日ごとに恥辱に満ちたものになっていく。基本的に羞恥心を無くしていく(麻痺させる?)方向に訓練が進み、羞恥心が残っていると悲しい結末が待っている。 一通り性交技術を習得すると、軍の士官候補生たちが訓練所にやってきてスパローたちは性接待をやらされる。翌日、いつもの性交の映像を見せられると思ったスパローたちは、それが自分たちの性交の映像と知って驚く。各スパローの性交シーンを順々に全員に見せながら教官が欠点や改善点を指摘していく。それも何度か映像を止めながら具体的に。自分の性交シーンが映される順番になって動揺する訓練生もいる。並みの精神力ではとても持たず恥ずかしさのあまり首をつって自殺する訓練生も出る。ドミニカは、平然と自分の性交シーンを見つめる。 ここまでが言ってみればプロローグで、以降、スパロースクールを卒業したドミニカの活躍が本格的に始まる。映画はまだ見ていないが、訓練シーンを小説そのままに表現すれば並みのハードコアポルノよりすごい映像になるだろう。 主人公のドミニカには、若く、美貌であることはもちろんだが、全裸の写真や性交中の動画が流出しても堂々としているジェニファー・ローレンスが確かに適役だ。 話は飛ぶが、このスパロースクールの内情は、かつてのソ連におけるKGBのスパイ訓練所をモデルにしているといわれる。そういえば、ボンドシリーズの最高傑作と言われる「ロシアより愛をこめて」では、ボンドとタチアナ(ダニエラ・ビアンキ)の性交シーンがあった。盗撮されてたね。そのシーンの直前に、いじの悪そうな女上司がタチアナに「あっちのほうの訓練はちゃんと受けてきたんだろうね」と問い、タチアナが「はい」と答えるシーンがあった。タチアナはこういうすごい訓練を受けてきたわけだ。それでもボンドの性交テクニックには勝てなかったわけだが。 やはり、映画を見に行こう。「ロシアより愛をこめて」も数十年ぶりにビデオで見たいと思う。 | ||||
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著者がCIAの諜報戦線の現場で経験してきた者にしか描けないディテールを披瀝しているのが本書の最大の魅力になっていることは間違いないだろう。 例えばロシア側の「もぐら」になった上院議員のステファニー・バウチャー(暗号名スワン)が、自分の地位を利用して入手したアメリカ国防総省の最高機密である最先端の地球周回宇宙機関開発計画の情報をコピーしたディスクを、ロシア側スパイのゴロフに手渡したページを読んでいたら評者が最近新聞で知った記事を思い出してしまったのである。 その記事には、アメリカ空軍が擁する謎の無人宇宙機「X−37B」が帰還、22ヶ月地球を周回、任務は不明と書かれていた。 こんな記事からも著者が如何にして本書に現実感を持たせるか苦心していることを知ることができた。 ただ、このストーリーに荒唐無稽な違和感を覚えてしまった大きな欠点一つある。 それは、女主人公「ドミニカ」が特殊能力の持ち主であったことである。 対峙した人間の発する色彩で悪意や善意など、あらゆる感情を読み取るという特殊能力である。 このような特殊能力など排除して「ドミニカ」という人物像を描くことも可能だったのではなかったのでは、と思うと少々残念であった。 フィクションのスパイ小説に完璧を求めるのは、まぁ、野暮の極みかもしれないが、諜報活動の最前線を、著者ならではの経験から臨場感あふれる描写で書き上げていたから楽しく読ませてくれた。 | ||||
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かつてCIAで実際に諜報活動を指揮していた著者のジェイソン・マシューズだけあって本書『レッド・スパロー』上巻を読み終え、フィクションでありながらストーリーの背景描写に現実に起きた事件などを挿入しているからリァリティ感を誘い、読み手を惹きこんでまう。 例えば、中国共産党幹部であった薄熙來が中国共産党常務委員会の権力闘争で、2012年9月に更迭されてから、ロシアSVRの中国に関する報告書に、プーチン大統領は関心が高いことに触れていたこなどである。(P285) 薄熙來と同じ時期に更迭された李源潮の二人が習近平のライバルだったことは事実であり、本書のストーリーの中にさりげなく挿入するなど心憎いプロット構成だと思いながら上巻を読み終えた。 本書の帯に、20世紀フォックスが映画化するとしてあったが、ロシアの女性スパイ「ドミニカ」を、よほどの美人を起用しなければ小説のイメージを毀してしまうだろうと思ってしまった。 まぁ、なかなか面白いスパイものの上巻を読み終え星4ヶ進呈しておいて下巻を読むことにしよう。 | ||||
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かつてCIAで実際に諜報活動を指揮していた著者のジェイソン・マシューズだけあって本書『レッド・スパロー』上巻を読み終え、フィクションでありながらストーリーの背景描写に現実に起きた事件などを挿入しているからリァリティ感を誘い、読み手を惹きこんでまう。 例えば、中国共産党幹部であった薄熙來が中国共産党常務委員会の権力闘争で、2012年9月に更迭されてから、ロシアSVRの中国に関する報告書に、プーチン大統領は関心が高いことに触れていたこなどである。(P285) 薄熙來と同じ時期に更迭された李源潮の二人が習近平のライバルだったことは事実であり、本書のストーリーの中にさりげなく挿入するなど心憎いプロット構成だと思いながら上巻を読み終えた。 本書の帯に、20世紀フォックスが映画化するとしてあったが、ロシアの女性スパイ「ドミニカ」を、よほどの美人を起用しなければ小説のイメージを毀してしまうだろうと思ってしまった。 まぁ、なかなか面白いスパイものの上巻を読み終え星4ヶ進呈しておいて下巻を読むことにしよう。 | ||||
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「ジャッカルの日」や「雪の狼」を読んでスパイ小説が好きになったのですが、 まるで自分がスパイやスナイパーになったかのように心ゆくまでドキドキしたい、そんなことは現代では叶わない夢だと思っていました。 ところが、この小説にはすっかり入り込んでしまい、気がかりな展開の続くところでは、怖くてなかなか読み進められないくらいでした。 そして後半(下巻のこと)、ドミニカがすぐそばに同志がいることを知るあたりから物語は佳境に入り、 そうなると、胸の締めつけられるラストシーンまで一気に読みきってしまいました。 ただ米国サイドはみんなナイスガイ、ロシアサイドはどこまでも苛酷という設定が 物語としてはシンプルすぎることと、 携帯電話だとかSIGINTだとか小道具ではなく、双方のお互いに対する見方やイデオロギーの点で 「そうか!ポスト冷戦の両国はこんな感じなのか」と新たな視点を与えてくれるような 新しさや現代らしい切り口がなかったことが残念で、星は4つとさせていただきました。 でも、次が出たらまた買っちゃうことは間違いなしです。 | ||||
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21世紀のEUを舞台にした、米ロのスパイ合戦。 元CIA職員によるフィクションというだけあって、スパイ技術や実際のオペレーションの細部にまでリアリティが感じられる。 また、スパイ組織も所詮役所にすぎず、水も漏らさぬ周到さとお役所仕事的ずさんさが共存しているあたりも現代的だ。 しかし、全体を通して感じるのは、ロシアという国の変わらなさだ。 ロシアという国が持つ独特の息苦しさ、抑圧感はイアン・フレミングの「ロシアより愛をこめて」の頃とほとんど変わらない。 生きた時代が違う、2人の作家が全く同じようなロシアを見ている現実にに改めて愕然とする。 処女作とあってか、ストーリーの緩急のつけかたや 主人公のキャラクター造形がいまいち未熟な感もある(主人公たちより脇役の方が立ってる)が、 ずっしりした読後感は見事というほかない。 | ||||
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長い間われわれは新刊のスパイ小説に失望し続けてきた。 近年「このミス」にランクインした主だったスパイ小説は、 『震えるスパイ』(31位 2009年) 『ツーリスト』(17位 2011年) 『ベルリン・コンスピラシー』(25位 2011年) 『甦ったスパイ』(45位 2014年) といった辺りだろうが、個々の出来映えに多少の違いはあれど、映画で言えばトニー・スコットの『スパイ・ゲーム』のようにスリリングな作品は皆無である。 コミカルな作風の 『狂犬は眠らない』(18位 2009年) 『ぼくを忘れたスパイ』(21位 2011年) といった作品もまた然りである。これまた映画で言えば、コーエン兄弟の『バーン・アフター・リーディング』ほどにも面白くない。 ところが本作は違う。久方ぶりに満足のいくスパイ小説であった。訳者あとがきによれば、「著者はインタビューに答えて、本物の諜報技術、用語、スパイ用具、場面を盛り込んだ小説を書きたいと思ったことが、執筆の動機だと言っている」とあるように、CIAに33年間勤務し海外支局長を歴任したという著者の経験が存分に発揮された本書は、リアル極まりないディテールに満ち満ちている。その複雑微妙な諜報活動の面白さは、三度映画で言えばエリック・ロメールの『三重スパイ』並みと言ったら褒め過ぎだろうか。 いずれにせよ、本書が2014年版『このミス』で完全にランク外(アンケート回答者で本書を挙げているのは、何とたったの一人!)なのは、あまりにも不当であることだけは確かである。 | ||||
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