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恋文の技術
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恋文の技術の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全97件 81~97 5/5ページ
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森見登美彦氏のファンならば迷わず読むべし。 さすが、登美彦氏。 思わず吹いてしまったくだり多数。 更にファンになりました。 | ||||
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未読者はただ書簡小説ということだけ知って、あとは前知識なく読むことを薦めたい。 手紙とモラトリアムはよく似合う。 京都の大学から、遠く北陸の能登半島の臨海実験所に飛ばされたひとりの男子大学院生、守田一郎。日々、鬼軍曹なる渾名の研究所の先輩、谷口さんに罵倒されながらローカルなうら寂しい実験所の日々を過ごす。そんな折、京都からの電車の車窓から見た美しい虹と赤い風船の風景を思い出し(かっての思い出を重ね合わせ)、文通の腕を磨くことを決意する。ゆくゆくはいかなる女性も手紙一本で籠絡できる技術を身につけ、「恋文代筆業」のベンチャー企業の設立を夢見て。 携帯電話やメールですぐに連絡がとれる現代のこの時代に、敢えて文通というアナログな手段を用い、かっての仲間たちに手紙を書きまくる守田。しかしその実、本当に一番手紙を送りたい相手に手紙を送ることができない。 彼の書き綴る数多の手紙から仄見えるのは、優柔不断でひねくれた自尊心を持ち、偉そうな口を利くいっぽうで本当の自分に自信がなく、少し卑屈、就職という目前にある世間の荒波に飛び込むことに躊躇いを覚える心優しきいまどきの不器用で素直で小心な若者の姿。いや、それは決して「いまどき」だけではない、自分に自信を持つことのできない普遍の若者の姿なのかもしれない。 手紙は、返事という結果がすぐその場で現われるものではない。返事が来ないこともまた手紙。そうした手紙という手段、それはモラトリアムとよく似合う気がする。 全部で十二話からなる書簡集の形態をとった小説。遠く知り合いも少ない鄙びた土地に飛ばされ、無聊を慰めるためかっての仲間たちに手紙を書きまくる守田の手紙を、相手先ごとにまとめてある。同じ時期に書かれた相手の違う手紙を通し、守田や仲間たちの行動が明らかになる。前半の強がるような守田の姿勢が、後半へ、こと就職を意識し、自らの矮小さを意識し、素直に自分を見つめていくようになる様子が、情けなくも、微笑ましい。 こと後半四章の手紙は、前半の手紙を受け、とても微笑ましく心地よい。恋に、就職に、現実にモラトリアムたる青年の物語。まさに若者の成長の物語。恋、成就するといいね。 とても可愛らしい小説。読み終えてなお、心地よさがふわふわと漂う。これに似た感覚は、越谷オサムの「陽だまりの彼女」に似ている。 読んだことで何かがある、何か変わるというものではないが、こうした小品佳作的な温かさ、気持ちよさも読書の魅力であろう。バカバカしくも微笑ましく、そしてオモチロイ。 蛇足:ところで勿論この手紙は手書きだろう。そうでなければ味がない。たぶん、この書簡小説という形態、ひとりの作家で二度と同じ手は使えないだろう。ならば、いっそ、手書きの文字で出版したほうがよかったのでは。こと「失敗書簡」は、手書きで反故にするぐちゃぐちゃとかも表現したら、リアリティがあるだろう。あるいは、内容によって文字の勢いが違う、とか。活字小説に対する挑戦!とかね。 | ||||
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「夜は短し歩けよ乙女」に続き森見作品2作目。 う〜ん、やっぱり私はこの人の文章が好きだ(笑)! あらすじなんてほとんどあってないようなもの(笑)。 この言い回し、この表現を楽しめるか否か、それが別れ道♪ 好きな人はたまらなく好き、という世界。 ただ失敗書簡集のとこ、私は退屈だった(笑)。 (繰り返しが多かったので。) 小学生のまみや君あての手紙が一番好き。 そしてラストの伊吹夏子さんへの手紙は、なんて清々しいんでしょう! こんな手紙をもらったら…、少々へもくてもオッケーしちゃいそうな…(笑)、そんなことはない? そして、私も手紙を書きたくなりました。 | ||||
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森見作品を数冊読みましたが、その中でもお気に入りの作品です。 読んでる時はニヤニヤ笑ってしまうので、人前で読めないのが難点です(笑) 本作も個性的かつ魅力的な人たちが次々と登場し笑わせてくれます。 その中には「偏屈作家・森見登美彦」さんも! 私は"伊吹夏子さんへ 失敗書簡集"がお気に入りですが、 それぞれ好みで好きな部分が分かれそうです。 この作品を読む前に、他の森見作品を読んでおいた方が より楽しめる内容だと思います。 | ||||
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『夜は短し歩けよ乙女』の森見登美彦さんの新作。全編、主人公 から廻りの友人達への手紙(文通)のみ・・・なのですが、結構ちゃ んとストーリーがあるのがすごいです。しかも、最後はちょっとだ けいい話。 著者の他の作品同様、本書でもどこまで真剣か判らない軽〜いノリ と軽快なテンポは全開です。例えて言うならば「少女マンガっぽく ない少女マンガ」っぽい感じ(『動物のお医者さん』と同系統な感触)。 主人公は悩みます。「恋文を書くという工事そのものが気持ち悪い のではないか。だとしたら、そもそも恋文とは何なのか。役に立つ ものなのか、それとも、役に立たないものなのか。書くべきものな のか、書くべかざるものなのか。もうわけが判りません。」 恋文がちょっと書きたくなる物語です。 | ||||
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初めて森見さんの作品を読みました。 超笑えます。 電車では笑いすぎて読めません。 手紙でつづられる作品ですが、 構成もしっかりしているし、 どの手紙のどの順番が逆であっても うまく全体が成り立たないと思います。 表現の仕方にクセはあるけれど、 そのクセがはまれば これほどおもしろい作品はないのではないかと 思いました。 私のオススメは主人公がかつて家庭教師の教え子と文通するシーンです。 小学生に真面目に文通を書いているんだけど、 小学生に合わせすぎて読んでいて 爆笑ですね。笑いが止まらない。 是非読んでみて下さい。 | ||||
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密室で、一番気持ちいいところを、くすぐられて、うふうふとしているような、極めて個人的快感に浸れる森見ワールドが、この作品で、ぐっと落ち着きが出て、しみじみとした雰囲気に出来上がってました。技が大人になってきているようで嬉しいです。これも実は就職し、結婚し、高等遊民を上から見下ろす余裕の人生を歩みだしているところから醸し出されるものでしょうか。いずれにしても喜ばしきことであります。いろいろと目眩ましはありますが、読後感は爽やか。結婚記念本としてしるされてしかるべき素敵な本といえます。 | ||||
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書簡集という形式が苦手で、もちろん作者がヒントを得たという漱石の書簡集も読んだことがない。 だから、買うのも、読み始めるのも、読むのにも時間がかかったけれども、のんびりと穏やかな七尾湾の景色を思い浮かべるひと時は存外に心地よいものとなった。 往復ではないけれども、主人公守田の書いた手紙だけで、彼を取り巻く人々の人物像、相関関係、その中での守田の位置づけ、時間を追うごとの様々な出来事が透けて見えてくる。 失敗書簡集のあたりが私は面白く、それを経てたどりついた最後の手紙は、主人公の愛すべき人となりが滲み出ており、自然に笑みが広がった。 この作者は、同じようなことを文体を変えて何度もリライトするのが好きだなあ。書き直しながらまったく別のものに見せていくヴァリエーションの豊かさ。 その点、技の見せ所が随所にあるし、渾身の力をこめて阿呆をする遊び心の精神は健在である。 書簡集が苦手な人でも、結構、読みやすかったことを付け加えておく。果たして、恋文の技術を会得できるかどうかは別にして。 | ||||
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ほのぼのとした感じです。 手紙という形の内容と文体ですが、読み易いものでした。 よく笑いました。 | ||||
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最後までずーっと書簡の形式です。往復書簡の形ではなく、あくまで主人公が書いた一方的な手紙のみという独特なもの。 片方側の手紙しか読めないのに、出てくる人たちの人間関係や個性が鮮やかに読み取れるからすごい。 読み進めるごとに各エピソードがどんどんつながり、起こった出来事の全貌が見えてきて、 まるでパズルがきれいに埋まっていくようで気持ちが良いです。 今の日本からはなくなったと思われる“文通”を題材とするところも、古き良き懐かしチックな香りのする森見ワールドにピッタリ! 私の大好きな“パンツ総番長”の話題が出てきたり、森見ワールドを愛する人には嬉しい小ネタもたくさん散りばめられています。 阿呆ばっかで、どっかヘンで、・・・森見さんのこのゆる〜いバカバカしさがいいんですよねぇ。 実は私もかつては文通ガールでした。 10代の頃は雑誌の文通コーナーに載ってる人に手紙を出したりしたもんですよ。 毎日郵便受けをのぞいて、いつ届くかいつ届くかと手紙を待つという行為は今のメールとはまったく違って、もどかしくも本当にワクワクするものだったなぁ あのころを思い出して、もう一度知らない誰かと文通してみたい気持ちがよみがえってくる作品でした。 | ||||
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ワタクシ「夜は短し〜」→「四畳半〜」で 本書を読んだ森見ワールド新参者です。 文通武者修行で書かれた書簡という形式で描かれる本作。 文通といいつつも相手からの返信は出てこないで 主人公が書いた手紙の内容からその直前に来た返信を想像する。 そして同時にいろんな人と文通しているので 自分におこった一つの出来事を誰にどう書くのか。 どのタイミングでどんな手紙を書いていたのか。 主人公の書く手紙を読みすすめる事で送った先で 何が起こっているのかが徐々に明らかになっていき バラバラのエピソードが複雑に絡みあっていく。 時間軸の作り方から各エピソードのつながりまで実に見事な展開。 そして響きだけでも笑えてしまう森見先生の語感は素晴らしいと思います。 そして馬鹿馬鹿しい。森見先生大好きです。 ワタクシまだ3作しか読んでいませんが森見先生の他の作品を 読んでから本書を読んだ方が面白さが倍増する作品だと思います。 未読の作品を読み進めつつ新作をお待ちしております。 オモチロイ新作に出会えますように。なむなむ。 | ||||
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森見さんの描く男はやっぱり阿呆だ。 京都より遠く離れた能登のとある研究所に送られた守田一郎。 そこで彼がやったのは くらげの研究、そして恋文修行。 というよりほとんど文通。 相手は同じ大学院に籍を置く友人。 家庭教師をしていたときの教え子。 大学の研究室の女帝。 妹。 森見登美彦。 そして愛する女性。 それぞれの文通が同人進行で行われるんだだけど、 読むのは守田一郎の手紙だけなので 一方通行の感がある。 守田一郎の手紙で相手がどう返事を書いてきたのか 分かるには分かるけれど、 そして他の人への手紙で詳細が分かったりもするんだけど ちょっとだけ読みにくかった。 守田の手紙だけでも笑うところは十分あるんだけど 往復書簡だともっと面白みはあったかな。 でも、その返事の手紙がどうかいてあったのか 想像して楽しむことは出来るかな。 森見さん独特の文体で なかなか面白かった。 何故に面白かったのか・・・ それはやっぱり自分も文通を同時期に数人とやっていたことがあったからだろう。 それはそれは大変でありながらも 返事が来るのが待ち遠しかったり。 今ではすべてメールで済ませてしまうことが多くなったけれど、 こうやってたまには手紙を書くのも悪くないかな、と思った。 | ||||
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「走れメロス」しか森見作品を読んでいない事が非常に勿体無い、 と読んだ後に結構感じました。 「恋文の技術」…タイトルからは感じ取ることが不可能なくらい、 内容は阿呆満載です。 (作中に森見氏がズカズカ出てくるところ、笑わない方が無理です) でもほぼ主人公が書いた文面しかないのに出来事の筋が分かってしまうあたりは ううん、と唸るしかないのでございます。 そして影響されまくりの私は、遠くの知人へと手紙を書いたのでございます。 | ||||
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いやぁ、面白過ぎるでしょ。 今回もへもかったですねぇ、もう どうしよう(笑) 初めて本屋で目にした時は、正直不安でしたよ・・・ これオモチロイ?って感じで・・・ 正直、なんか実用書かと思いました(笑) この面白さは一部のファンだけにとどめておくのは勿体ないです。 僕はさっそく友だちに薦めましたよ。 でも、全体的におっぱいだった様な・・・ 女子に薦めてセクハラ扱いされないだろうか・・・ 急に心配になってきた・・・ でも薦めたくなるくらい面白かったんです! 分かって? | ||||
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書簡というツールを使って、ここまで面白おかしく書ける作家は森見先生をおいて他にはいないに違いない。 書簡などというと普通の作家であれば堅苦しく、そして真面目にもなろう。 しかし著者はひたすらに恋文の技術をマスターしてベンチャー企業を起こすことと、 おっぱいのことばかりを書いている。 主人公のひたすらにくだらない毎日とくだらない策略(すべて失敗におわる)を書簡の中で描く。それを読者がどう楽しむのか。それを楽しめればきっとすごく面白い本に違いありません。 | ||||
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書簡体形式と言うから夢野久作の影響があるのだろうか堅苦しさや古さはなく深く勘ぐる必要はない 序盤から森見氏の得意なウィットユーモア全開のセンテンス。軽快な韻を踏んだ文、あのフレーズをパロディしたりとページを繰る手が止まらない。 中盤中頃から少し様相が変わり学生時代末期特有の自己変革!?と恋の葛藤や先々への不安が入り混じった手紙(内容)に鮮やかにシフトしていく ともすれば、なセンチメンタルを阿呆な描写で笑わせ心地よさ引き出すワザは見事! いやはやあのような文体でありながら本質を外さず大事な所を散りばめていく所は真に稀有な作家です 兎に角呟きたい科白満載です そして終盤の収束転結も嬉しくなる「手紙」。 果たして阿呆な手紙学生が編み出した恋文の技術とは如何に!? また過去の作品を読んでる方にはニヤリとさせる遊び心もありでファンは絶対買いの一作 | ||||
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連載時に「これは全部まとまってから読もう!」と思っていました。 お待ちしておりました。 前作「美女と竹林」が個人的にイマイチだったため、悩みましたが、買ってよかった。 ニヤリとする場面が数多にちりばめられております。 これまでの作品を全部読んでる方にはさらなるニヤリが待っていることでしょう。 今年はじめにご結婚されたようですし、今年の夏は女性と宵山に行けますね。 よかったですね。 短編小説のように読めます。 短編小説ではありませんが。 | ||||
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