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有頂天家族



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有頂天家族の評価: 4.25/5点 レビュー 167件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全134件 101~120 6/7ページ
No.34:
(5pt)

阿呆の血のしからしむるとろこなり!

狸と天狗と人間の暮らす街、京都。

今は亡き偉大なる狸、下鴨「偽右衛門」総一郎の
四匹の息子たちは、その偉大なる血を受け継ぐには
ちょっと無念な狸であった。

長兄、矢一郎は生真面目すぎて土壇場に弱く、
次兄、矢次郎は蛙に化けたまま井戸にひきこもり。
三男、矢三郎は面白主義を掲げた自由狸、
四男、矢四郎はすぐ化けの皮がはがれる未熟狸。

しかし母は自分の子供たちが残念な子などとは
毛ほども信じていなかった。
父は偉大だったが母もまた、偉大であった。

太陽の塔で「うーん、そんなに好みではないかな…」と
以降の作品を読んでいなかったのですが
狸と京都に惹かれて読んでみたら面白い…!
これ好きだ…これ好きだなぁ…!

飄々としていて温かい雰囲気も良いですし
何より、この愛すべき毛玉たちはなんですか!
阿呆の血のしからしむるとしか言いようの無い
有頂天でご機嫌な登場人物たちがすごく魅力的です。

特に好きなのは「母と雷神様」。
雷を恐れる母のために雷神様がおいでになったら
四兄弟は何をおいても母の元に集まって
糺ノ森の小さな蚊帳の中に身を寄せ合うのですが
これが物語のが進み、本当に一大事の、真っ只中でも
雷が鳴ったら全員が糺ノ森へ戻ろうとする
その姿がいとおしいというか。

夷川一党なんかも憎むべき要素はあるのに
どこか憎みきれない…
愛すべきおばか、いや、阿呆というか
特に金閣銀閣は良いですね…鉄パンツとかなんかもう(笑)

前半ののんびりした展開も好きなのですが
後半の怒涛の展開も目が離せません。
「面白きことは良きことなり!」に涙。
是非この四兄弟(もちろん母も含め)で
シリーズ化して欲しい作品。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840
No.33:
(5pt)

「面白きことは良きことなり!」

以前「きつねのはなし」があったが、今度は狸の話。登場人物(人間はあんまり出てこないけど)もぶっとんだのが多く、また、ストーリーも、壮大なほら話。でもとっても面白い。

続編も出るようだから期待しよう。

「面白きことは良きことなり!」

いい言葉だな。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840
No.32:
(4pt)

愛すべき赤玉先生♪

有頂天になれるくらい、突き抜けた純粋(単純)さと、他人には理解不能の
独特のプライド(偏屈)を併せ持った、タヌキと天狗と人間のバカバカしい笑止千万物語。

登場人物すべてが笑えるほどに個性的ですが、なんといっても魅力的なのが、
もと大学教授で赤玉ポートワインをこよなく愛す天狗の「赤玉先生」。
これが愛すべきエロジジイ♪
神通力を持つ大天狗だったにもかかわらず、少女(人間)に一目ぼれし、
大事な天狗道具をすべて貢いでしまい、今は落ちぶれて商店街裏のぼろアパート住まい。
純粋だったはずの少女は先生を裏切り、天狗並みの力を発揮するすっかり世慣れた(毒を持った)美女『弁天』に成長。(笑)

弁天に足蹴にされていることを気付かない恋に盲目なエロジジイ、
門下生(男)にわがまま言いたい放題の頑固ジジイかと思いきや、
じつは予想も付かない知性を見せる大天狗。
艶(つや)やかなご老人(エロ爺)の話は、寄席のトリぐらい面白い。ぜひ読んで下さい。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.31:
(5pt)

情景が目に浮かぶ

こんなご時勢に読むとなおさらよかった〜、と思える本。
狸一家の情景が目に浮かびとても読みやすかったです。
大人になって、童話的な本は手にしなかったけど、この本はメルヘンでもなく、SFでもない、
ちょうどいい感じで純粋な本です。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.30:
(5pt)

和風ファンタジー

狸・天狗が現代にいるという設定に
読み始めてから一体どんな展開になるのか
見当もつきませんでしたが、
最後の方は怒涛の展開で
お祭り騒ぎのようなラストは
駆け抜けるように一気に読めました。

金曜倶楽部でお父さんが鍋にされるまでの真相が
明らかになるまでの様々な伏線も見事でした!

またこの和風ファンタジーな世界観が
見事なまでに確立されていて
狸4兄弟、金閣・銀閣、元許婚、
弁天・赤玉先生での次回作が読みたいです。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.29:
(4pt)

タヌキも家族思いなんです!

森見登美彦さんの代表作。「夜は短し歩けよ乙女」を読んでとても
面白かったので、本書も手に取りました。

中身は「夜は短し歩けよ乙女」と同様(というか、本書が先なので
すが)の寓話的な話。タヌキ、天狗、人間の関係が面白いです。

家族モノとしても楽しめる、軽快な本でした。続編が楽しみです。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.28:
(5pt)

大好き

こんな話大好きです。
京都と狸なんて・・・ステキだ。
また、それぞれの毛玉(狸)が魅力たっぷり!!
愛嬌・哀愁・恋だの愛だのもういっぱいいっぱい!

楽しいので一度読んでほしい。

続編が出るとか出ないとか。
また、四兄弟に会えるのがすごく楽しみです。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.27:
(5pt)

男気溢れる狸の、不思議で爽快な物語

「京都+四畳半+妄想+痛い恋愛」
が森見さんの本を構成する代表的な要素だとすると、本書はそのうち恋愛要素が「家族」に置き換えられている感じ。

『夜は短し・・・』などを読んでしまうと、「痛い恋愛」要素がないのが寂しく思えそうですが、そこはやっぱり森見本、しっかりと楽しませてくれます。

また、主人公が狸ということで、
「なんだこりゃ」
と思う人もいるかと思いますが、人に化けてどんどん街に繰り出したりと、設定自体は人間のそれとあまり変わらない感じです。

本書のテーマは「家族愛」ですが、個人的にはむしろ主人公狸の「男気」みたいなものにぐっときました。
今までの本の主人公はわりとへなちょこな感じが多かっただけに、そのあたりは少し新鮮だった。

いろいろなどうでもいい感じの要素が、なぜか最後に一つに結びついてクライマックスを迎えるという流れも見事。
他の本に比べてちょっとしたサスペンス要素(?)もあり、一気に読めてしまいます。

偽電気ブランや叡山電車、鴨川デルタなど、相変わらずの舞台設定も健在。
ファンならぜひ。
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No.26:
(5pt)

『有頂天家族』寸評

大学教授だった天狗は落ちぶれて、彼が育てて天狗飛びの術を授けた美女は自在に生き、狸の兄弟同士が妻や子供たちを巻き込み、変幻自在に人間に化け怪物に化けて京都の街に騒動をおこす。四字熟語やら諺(ことわざ)やら文語調の言葉やらが乱れ飛んで、限りなく面白く教養を高めてくれる。京都の地図を片手に、もう一度読み返したくなること必定。著者は京都大学農学部出身の学者兼作家。続刊が待ち遠しい。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.25:
(5pt)

狸、天狗、人間という三つ巴の関係

主人公が狸という奇想天外な発想もおもしろかったが、狸、天狗、人間という三つ巴の関係の中でも、狸同士の確執、狸と人間の愛情物語、狸と天狗の戦いなど、見所が満載でとてもおもしろかった。特に、最後の狸のリーダー偽右衛門を決める会合と、人間界の集まりである金曜倶楽部による狸鍋の乱闘の様子は非常にテンポがよく、手に汗握る展開でおもしろかった。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.24:
(5pt)

いい感じ

この作品によって、森見氏作品はより一般的な(ファンタジー好き以外の)人々にも受け入れられやすくなったのではないかと思います。
私は森見氏の著作をありとあらゆる人に勧めているのですが、先日『太陽の塔』と『四畳半』はちょっと読みにくかった・・といっていた大学の女性の先輩が、『乙女』を気に入り、ついに『有頂天家族』は◎!!面白かった!!と叫んでました。たぶん、初期のとっつきにくさ、偏屈さが薄れ、森見氏が生来持ち合わせているかわいらしさ、可愛いもの好きという面がようやく前面に出てきたからだと思います。
それぞれ毛色の異なる4兄弟の魅力、papyrusで連載再開されて、ますます面白さが際立っています。お勧めです!
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No.23:
(4pt)

京都ギャグ・ファンタジー

天狗と狸と人間が渾然一体となって住む街・京都。この設定を受け入れるかどうかで、楽しめるか否かが決まる。ファンタジーなので条理は当然現実とは違う。そこに異論をはさんでもしようがない。
 森見さんの文体が練れてきて、落ち着いて楽しめた。「ぽてぽて」歩く「ぷつぷつ」つぶやくなど、個性的な擬態語が適度にちりばめられ、好感がます。弁天、金閣・銀閣など、キャラが立っていて面白い!
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840
No.22:
(5pt)

愉快痛快

太平楽と他力本願に生きる狸の生き方にとても共感できるってことは、人間の本質にも繋がるみたいで、読んでいて楽しかったです。特に三男の高杉晋作の信条を地で行くような生き方が愉快でありました。たぶんタヌキの生き方に仮託して人間のあるべき姿を作者は見せているのでしょう。京の街を百鬼夜行が跋扈するファンタジーなのですが、描写が活き活きとして写実的なので、とてもリアリティがありました。同じく京都を舞台にした作品を上梓している万城目氏とのコラボがあると面白いような気がします。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840
No.21:
(4pt)

おもしろかった……けど。。。。

個人的には『夜は短し〜』の方が好きかなぁ。
いつもの森見ワールドをもっとファンタジーにしたような他にはない独特の世界観はすごくよかったんですけど。。。
ストーリーがいまいちでした、個人的には。『夜は短し〜』だってストーリーだけ取り出せばたいしたことない話なんですが、あれはもっとどんどん読ませてくれた気がする。そんなつもりじゃないのにいつの間にかページをめくっていた……という記憶があるので、わくわくして読み始めたのですが、ちょっと期待が大きすぎたのかなぁと思ってます。感動モノ、家族モノ(タイトルがそうなので仕方ないでしょうが)に向かうためにコメディ、ユーモア部分が少なめになっているからでしょうか。文章は相変わらずうまいけれど、デビュー作のような勢いというか、どどどっと迫ってくる新鮮な匂いがやや薄れたような気がします。読み終えたとき、「おもしろかった!!」と声を大にして言えなかったのが残念……。それだけ作者さんが書き慣れてきているせいかもしれません。
でも、相変わらず好きな作家さんなので新作が出たら買うとは思いますが。
次はもっともっと新しいものを見せてほしい。
もっともっと森見登美彦節を見せつけてほしいです。
好きな作者さんだからこそ、安心して読めるものではなく、ワクワクドキドキハラハラして読めるものを希望します。

あと、この作品って映像化したらさらに面白くなるんじゃないでしょうか。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.20:
(4pt)

ただ面白いだけじゃない!

主人公は狸。登場するものたちも、狸、天狗、そして人間と種々様々。
父亡き後、4兄弟は力をあわせて宿敵夷川家と戦う・・・。繰り広げ
られる人間ドラマ、いや狸ドラマの展開は、読み手の想像を絶する。
ハチャメチャなようだが、そこにはピシッとした一本の筋が。作者の
構成力の見事さがうかがえる。父総一郎が命を落としたのはなぜか?
井戸の中の次男はどうなるのか?下鴨家と夷川家の争いの結末は?
天狗の赤玉先生と弁天のその後は?内容はてんこ盛りだが、それらを
きちっとラストでまとめ上げるのは見事!ただ面白いだけではない。
狸の世界を通して描かれている温かな家族関係、親子関係、兄弟関係は
感動モノ♪読後感もよかった。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840
No.19:
(4pt)

狸兄弟の話

不思議な世界でした〜
でも、楽しかったです。
現実にはありえない話ですが、森見ワールド炸裂という感じでした。
私は特に次男狸が好きですねぇ、肝心な時力を発揮するあたりが!

森見ワールドは、好きな人は好きかも知れないけど、苦手な人は苦手でしょうね、多分。
個性的な文章が好きな方にはオススメです。

全部で3部作になるらしいので、第2部が待ち遠しい今日この頃。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840
No.18:
(4pt)

大傑作になるはずだった

ぼんぼりの燈る京都の街、蠢く狸や天狗たち。ファンタジーの世界を見事に創り上げており、うれしくなってしまう。
 しかし、ストーリーは何とかならなかったのだろうか。キャラクターが先に出来てしまい、それをもとに物語を始めてしまったということであろうか。もう少し知恵を絞っていただきたかった。登場人物とストーリーの関係に、アンバランスなものを感じる。残念だ。内容がほんのちょっと良くなるだけで大傑作になるはずだったのに。
 「有頂天ホテル」という映画があった。最高のタレントを集め、タレントごとには良く出来ていたが、全体としては低調子の出来となってしまった。ドタバタになりきれてなかった。たまたま同様のタイトルなので思い起こしたことなのだが。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
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No.17:
(5pt)

この話、すごいと思います

狸でしょ、たかが。狸って、昔話に出てきたり、「平成ぽんぽこ…」に出てくるヤツでしょ。子供じゃないんだから。
ああっ、でもこの作家にかかると、京都の街を背景に、なんともファンタジックで、愛らしいキャラたちに、すっかり魅了されてしまいます。
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No.16:
(5pt)

なんというツンデレ小説『有頂天家族』

既に数多くの素晴らしいレビュウが有るにも関わらず、書いてしまいます。
それ程までに、語る口や書く手が止められない素晴らしい作品でした。
デビュウ作『太陽の塔』から通じ広く認識されている森見登美彦の特徴(魅力)は2つあると思います。

1.如何にも堅い文章で扱われる珍妙な題材(登場人物)。
2.上記の馴染み難い文章を解り易くするための短編的構造。

先ずは1つ目。
デビュウ作『太陽の塔』の序文はこうです。
--
何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。なぜなら私が間違っているはずがないからだ。
--

しかし、語っているのはただ振られた事実を認められない馬鹿な男です。
そして、本作『『有頂天家族』』の序文は以下。
--
桓武天皇の御世、万葉の地を後にして、大勢の人間たちが京都へ乗りこんできた。――(中略)――桓武天皇が王城の地をさだめてより千二百年。今日、京都の街には百五十万の人間たちが暮らすという。だが待て、しばし。
--

歴史を語り、現代(いま)へ導く主人公(一人称小説で語り手)の名は矢三郎。
狸である。
しかも、前述の口上は本編に全く関係ありません。
上記だけで森見登美彦の面白さが何となく伝わるでしょうか。
それでいて──
・父の死による兄弟の擦れ違い(当然だが狸)。
・ある理由から姿を見せられない婚約者(当然だが狸)。
・四字熟語を連呼する憎い敵(当然だが狸)。
・天狗を翻弄し勝手気儘に生きながら月を見ると人知れず泣き出す女(これは人間)。
・神通力を失いながら人間に惚れて無様をさらす天狗(当然だが天狗)。
──と、狸と天狗と人、種族と個人、喜びと悲しみ溢れる登場人物が文字通り、飛び廻り走り廻ります。
上記の説明だと逆に取っ付き難いと感じる人もいるだろうと思います。
その疑念を一蹴するために、私個人が気に入った記述を引用します。

・狸のくせに犬猿の仲であった。
・相手が自分の思い通りに動くことと動かないことの間隙にこそ、惚れるということの味がある
・「まだ分からんか!」偉大なる恩師は叫んだ。「喜ぶ顔が見たいからだ!」
・「喉から毛が出るほど欲しいです」
・獅子は我が子を千尋の谷へ蹴り落とし、狸は我が子を温かい枯葉の寝床から冬の雨の中へけり出す。
・「詭弁上等! 御意見無用!」

──等等。
ひと癖もふた癖もある、仲が悪いのに長年付き合っている連中、誰も彼も男も女も狸も天狗も人間も見事なツンデレです。

2つ目
本作は実際に短編で、以下の7章からなっております。

▼目次
1.納涼床の女神
2.母と雷神様
3.大文字納涼船大合戦
4.金曜倶楽部
5.父の発つ日
6.夷川早雲の暗躍
7.有頂天家族
▲全7章

判るようで解らない副題。
それぞれが1話完結(6と7は完全に続き)で矢三郎の語り(一人称小説)から変わらないながらも、描かれる題材(登場人物)が入れ替わり、それでいて本筋は1本通っています。
それなりに伏線(小ネタ)もあり、連載短編と感じさせない構成力も見せ付けられます。
大衆娯楽として徹底した馬鹿らしさを見せる一方、出会いと別れと云う文学の礎を見事に踏みならしている良作。

思わずニヤリ、不意にホロリ。狸と天狗と人の物語。
正直、夜は短し歩けよ乙女で出し切ったか、と思っておりましたが、いやはや失礼しました。
これからも作家読みを継続しようと思う数少ない作家の一人です
最後に一言──

海星かわいいよ海星。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840
No.15:
(4pt)

愉悦のうそ話

森見登美彦は現代の現代らしい作家です。
少し前の世代だったならば「あたら若い才能を浪費して,若いうちは本腰を入れた小説を書かんか」と説教されそうな小説を,飄々と才気煥発で発表し続けています。

本書は狸と天狗と人と京都の物語です。
偉大なる狸だった父親は今やもう亡く,暢気で芯の太いすっとぼけた母さんと4人のいろいろ困ったところのある息子達が京都の洛内の森で暮らしています。
ミステリあり,青春あり,陰謀あり,家族ドラマありのサービス満点の娯楽小説で,
そしてなによりラストへ駆け抜ける疾走感が魅力です。

心を遊ばせたい時にぴったりな1冊。
有頂天家族Amazon書評・レビュー:有頂天家族より
4344013840

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