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死神の浮力



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【この小説が収録されている参考書籍】
死神の浮力
死神の浮力 (文春文庫)

死神の浮力の評価: 3.97/5点 レビュー 139件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.97pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全139件 101~120 6/7ページ
No.39:
(5pt)

前作を上回る満足度でした。

精度はオムニバスでしたが、今回は一つの話で、とても重いテーマではありますが、死神の存在そのものの可笑しさでバランスがとられ、最初から最後まで伊坂節を満喫しました。
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No.38:
(5pt)

クールで時々的外れな死神

死神にとって普通の返事でも、人間にとっては的外れな答えになってしまう千葉(死神)の反応が笑える。内容は重いが、洒脱な会話が救いとなっている。ただ、ここまでのワルが人間として存在するとするのだろうか。もし存在するのなら、それこそ悪魔的であるとも思う。死神の精度のショートもいいが、こうした長編もいい。
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No.37:
(4pt)

あの死神千葉が帰ってきました。本作は前作の娯楽性を踏襲しつつも、ちょっと考えさせれる

あの死神千葉が帰ってきました。

千年もの長きに渡って人間を観察し、その生死を判定しきた千葉。彼は人間というものを知り尽くしながらも、決して対象者に感情移入などしない。そんな千葉というフィルターを通すことで、読者は人間というもの(この作品の登場人物)に対して、極めて客観的な視点を得る事ができる。言い換えれば感情移入できない。

本作では死生観に関する多くのエピソードが散りばめられています。一人娘の死によって親である自分が生まれて来たことの是非。死への恐怖とそれを意識しないために今に集中する生き方。親が子供に対して死への恐怖を身を以て和らげるエピソード等など。そんな重いテーマを扱いながらも、伊坂さんの作品は何処か力の抜けた、でも軽薄ではない、独特の感覚をもって読み進めることができます。

勿論、本作も前作と同様、人間と死神のどこかずれた、でもクスッと笑える会話も盛り沢山。

個人的には前作の短編集の方が娯楽作品としては楽しめましたが、本作は楽しみながらも自分の人生や死に関して、ハッと気づかされることもあり、有意義な読書になりました。
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No.36:
(5pt)

凄そうだと勘違いされることなく

今作の『死神の浮力』は『死神の精度』の続編なわけだが、『グラスホッパー』に対する『マリアビートル』のように、同じシリーズのようでそうでない趣がある。両方とも第1作目は純然たる娯楽作品だが、2作目は重たいテーマを軽いタッチでそれとなく我々に提示しているように感じる。
今回の作中で「救いがない作品のたちが悪いのは、凄そうだと勘違いされることなんですよ。」というセリフがあるが、まさに救いのないテーマを扱いながら、その中に『死神・千葉』にしか出せない笑いを混ぜ込むことにより、「凄そうだと勘違いされることなく」、それでいて世の中にはこんな理不尽で悪意に満ちた嫌なこともあるのだということを見事に提示してくれている。

『ゴールデンスランバー』で頂点を極めた後、試行錯誤が続いていた感が強いが、ここにきて伊坂幸太郎の主張したいことを物凄く伊坂幸太郎らしく表現することが出来るようになったのではないだろうか?文句なく『ゴールデンスランバー』以降の最高傑作と言えると思う。
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No.35:
(4pt)

安心して楽しめるエンターテイメント

作者の伊坂幸太郎は、時々突拍子もない実験的作品に挑むことがある作家だけれど、『死神の精度』の続編ということで、ハズレはないだろうなぁと、購入。予感は的中で、とても面白く読めた。
 しかし主人公は死神ということでも分かるけれど、「リアリティのあるエンターテイメント」を楽しみたいと思う人には向きません。この作家特有のファンタジックで、ちょっぴり偏屈な世界観が好き!という人はとても楽しめると思います。
 ラストシーン近くで、それにしても、そんなバカな!というシーンが出てくるのですが、そのシーンを読んだとき「高速道路でふと隣を見ると老婆が同じスピードで走っていて度肝を抜かれる」という怪談を思い出したのは私だけではないはず。
 この作品をより楽しむためには、やっぱり前作の『死神の精度』を先に読んでおくことをおすすめします。
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No.34:
(3pt)

閉じられた世界での習作

「死神の浮力」は久しぶりの伊坂氏。氏は自分に擬した主人公もしくはサブをよくお使いになる。感情移入がし易いからか。又、小説の場面が閉じられた世界で限られ、同じ作家としては、小説の取材には楽だろうなあと思ってしまう。筆力は流石だが、やはり、感動は余り覚えない。
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No.33:
(2pt)

前回の作品の方が良かったかも

短編だった『死神の精度』の方が、格段におもしろかったです。千葉の存在、そして結末の驚き。短編ながらも、話が繋がっているところ・・・。その前回作を読んだ後で期待が高かっただけに、今回は復讐の念が強くて、読み進めていくと気持ちが重くなりました。結末も・・・頷けなかった、私個人としては・・。
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No.32:
(4pt)

こんな暗いテーマの作品で、こんなに笑えるとは・・・

「死神の精度」の続編です。しかも長編!
そのせいかな、なーんか長いような間延びしてるような印象が・・・。
面白いんだけど、なかなか進まねーっていうかね、そんな気がした。

復讐に人生を捧げる決意をした夫婦の話しなんて、これ以上ないほど暗いはずなんだけど、
千葉のすっとぼけたようなキャラ(でも、本人は大まじめ)のおかげで、
クスッとさせてくれるようなユーモアと軽さが生まれている。実に痛快。
しかも、いつもの伊坂作品同様、いたるところに伏線がちりばめられているから気も抜けない!
ママチャリで疾走する場面は緊迫の場面のはずなのに笑えました。
こんなにダークなテーマなのにこんなに笑えるなんて、やっぱすごいです。
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No.31:
(4pt)

ハードボイルドおとぎ話

この作家さんの作品に時々出てくる
本当に悪い奴、それもきれいな人間の皮をかぶった悪魔…キャラが登場します。

この悪魔と作家夫婦との対決に
対決自体には興味のないけれど、真面目に仕事する死神が関わり、物語りはすすみます。

実はありえないような設定で
会話や出来事の一つひとつが、何かの比喩だったり暗示だったりする
『ハードボイルドな現代のおとぎ話』といった感じがします。

とても楽しめました。
死神の仕事や習性を知るために『死神の精度』は読んでおいた方が、より楽しめると思います。
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No.30:
(5pt)

私は気にいりました

伊坂幸太郎さん人気作家なのですが、私は合わないようです。
でも、唯一好きなのが「死神の精度」。
なので、期待して読みました。
「死神の精度」のような気のきいた感覚とはちょっと違って、途中冗長に感じる時もありましたが、結末にやられました。
すっごい!
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No.29:
(4pt)

読み応えはあります

伊坂氏の死神シリーズが好きで購入しました。長編なので読み応えはありましたが、短編で後々の話にリンクする方が「千葉」の色々な顔が見えるので面白いかと。続編にも期待します。
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No.28:
(5pt)

親子でファンです

前作の死神の精度に続きずっとファンでありたいと思わせてくれる作品です。
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No.27:
(4pt)

ママチャリに二人乗りする、クールな死神・千葉

『死神の精度』の死神・千葉の、なんだかゆかいな7日間を描く、
ボケあり、笑いあり、ツッコミなしの長編小説。

今回、千葉が担当することになったのは、
とある事情を抱えた、小説家夫婦。

小説家夫婦は、娘をサイコパスに殺されており、
犯人への復讐に燃えて、ピリピリした空気。

ところが、
千葉がとぼけた会話で、彼らと絡みだすと、

暗い雰囲気は一変、なぜか明るい雰囲気へ。
(天気は、雨だけど)

物語も、なんだかおかしな方向へと進んでいく。

ミュージックに気を取られた千葉のせいで
犯人を目の前でとり逃がしたり、

やはり雨の中、ママチャリに二人乗りして、
犯人の乗るライトバンを追いかけたり。

ラストは、伊坂さんらしい、
和やかなエンディングになっており、
すっきりした読後感を味わえる。
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No.26:
(3pt)

まあまあ楽しめる

娘を殺された山野辺夫妻は、犯人に対し復讐することを決意していた。周到な準備がなされる中、
夫妻の元をひとりの男が訪問する。
「大事な情報を持ってきたんだが、中に入れてくれないか」
それは、死神の千葉だった。山野辺夫妻と千葉の七日間を描いた作品。

「死神の精度」の千葉が帰って来た♪「可」か「見送り」か?千葉の七日後の判断が気にかかる。
山野辺夫妻は、七日の間に復讐を果たさなければならない状況だ。だが、夫妻は千葉が死神だと
いうことも、期間が限られていることも知らない。そんな状況の中で思いは遂げられるのか?
一方、山野辺夫妻の娘を殺した男本城の残虐性は、読んでいても腹立たしいかぎりだ。人の命を
もてあそび、人が嘆き悲しむ姿を見て喜ぶ。こんな人間は絶対に許すことができない。山野辺夫妻の
本城への復讐に関わることになった千葉。感情がまったくない千葉の言動はユーモラスな面もあるが、
ときにはゾクリとするほどの冷たさを持つ。「千葉が少しでもいいから山野辺夫妻に対し同情して
くれたなら。」死神にこんな期待をするのはやはり無理か?感情を持たない者が物事を判断すると
こうなってしまうのか?ラストのまとめ方は、ちょっと意外だった。真実を知っているのは死神
のみ・・・。個人的には山野辺夫妻にもう少し救いがほしかったと思う。読後はほろ苦さが残ったが、
読んで楽しめる作品だと思う。
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No.25:
(3pt)

短編連作のほうが良かった

金城武主演で映画化された「死神」ものの長編である。
このキャラと設定は、やはり短編連作向けだったのでは。

『突然死の決まった人間を、死神が一週間観察して生死を決める』という設定だ。
対象人物の善悪を見極めるわけでもなく、死神に損得があるわけでもなく、ただ単に眺めているだけなのだ。
短編ならアイデアの面白さに押し切られて気にならなかったが、長編だとどうにも不自然で説得力に乏しい。
千葉と夫婦の噛み合わない会話は笑えるけど、途中で飽きてくる。
とは言え、子供を殺された夫婦とサイコパスの対決は、それなりにスリリングで読みごたえがあった。結末の捻りも上々だ。

「嫌な話を書きたがる作家が多いのは、それが安直に凄く見えるからだ」。
賛成。最近の外れ本は、そんなのばかりだよ。本作は少なくとも嫌ではない。
むしろ結末は気持ちいい?かな。
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No.24:
(3pt)

長ければいいというものでもないな

あの【千葉が長編で読める】オビを見たとき期待感で小躍りしてしまった。
最高の態勢で臨むべく休日まで大事にとって置きました。
なにせ「死神の精度」は私の中で「グラスホッパー」と並ぶ伊坂作品のベストなのです。

そんな気合い十分、半端じゃない期待をこめて読み始めたのですが
あれれ。。。

半分過ぎる頃には(自分のなかで)なにやら雲行きがおかしくなり
ページをめくる手はあまりよくない意味でどんどん早くなり
千葉と小説家とその妻との会話もお約束的かけ合いに感じられ
伊坂真骨頂の仕掛けもなんだか小ぶり。

と こうまで千葉の不死身が延々と(長編だけに)表面に出てくると
読んでる方は、だんだん無気力になってしまい
脳内で 千葉→ドラえもんポケット、小説家→のび太 まがいの構図までできてしまった。

やはり死神はあくまでクールな傍観者のスタンスをとって欲しいものだと思うのは
私の勝手なリクエストなのでしょうか。
実際、今回の作品が死神千葉のデビューならば十分満足していたと思う程度の完成度ではあるのです。

山のような期待の結果の☆3つです。
ごめんなさい。
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No.23:
(4pt)

浮力と精度

「死神の精度」を読んだ人は分かると思うが、ある気象的なエピソードのため、
こちらの「死神の浮力」の方が時系列的には前の話であることが分かる。
精度を読んでいない人は、浮力→精度の順で読むのが絶対的におすすめである。
この浮力によって、極めて素晴らしい精度のラストが更に際立つだろう。
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No.22:
(4pt)

憎んであまりある敵役だが・・・

『死神の精度』で楽しませてもらったので、こちらも期待して購入、短編集だった前作とは異なり長編ものだが、読み始めて途中で区切ることができず、結局夜中になるまで読み続けてしまった。ストーリー展開はとても面白いし、まじめに「仕事」をしているのに、どこかズレている死神・千葉の言動に笑いを誘われたりしながら、本筋のストーリーにぐいぐい引き込まれていった。ストーリーの骨格は、子どもの誘拐殺人を犯した犯人に対して、子どもの両親が復讐を行おうとし、それに千葉が絡むというものだから、結構重い話なのだが、あちこちにちりばめられたユーモアがある意味での潤滑油ともなって、ストーリーにひきつけられていく感じが心地よかった。それに加えて、登場人物が「死」について交わす会話が、普段考えずに過ごしている「死」の問題に気づく大事なきっかけにもなったとも感じた。だから、☆五つでもよかったのだが・・・。
 すでに別のレビュアーが書いていることともかぶるが、「ああ面白かった」とページを閉じたところで、生きた犯人像が浮かんでこない感じが残ったのは少しばかり残念だった。犯人は、良心を持たないサイコパスとして描かれているが、良心の働きがなくとも内面はあるはずだろう。もちろん、描き方として、得体の知れなさをベースにして、人を苦しめもてあそぶことにのみ動機づけられて犯罪を犯すような人物として造形するということもありなのだろうが、やはり納得のいかなさを感じてしまった。自分としては、人間の内面がどう育つのかに興味があるため、こうした感じ方になったのだろうし、作品の出来とはひょっとしたら関係ないのかもしれないのだけれど。
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No.21:
(5pt)

悪意いっぱい敵役が憎たらしい

いつものように、伊坂さんの本は、デフォルト購入。

1章ごと(1日ごと)に、語る人が、山野辺氏と千葉に変わりながら、話が進んでいきます。小説としては、このあたりが1つのテクニックです。山野辺氏との差がでる千葉の語り部分が面白いです。一審で無罪になった「サイコパス」本城に対して、山野辺夫妻が復讐をするというプロットで話が進みます。最初のフリも、ほぼ最後に回収されていて、いいです。

「ゴールデンスランバー」までを伊坂氏第1期とするらしいですが、そのあとの一時期の不調を乗り越えて、マリア・ビートル、ガソリン生活、本書とやっと、伊坂さんは、戻ったという実感です。最近の3作に共通していると思うのが、敵役というか、悪役のキャラが、非常に人間として、いやな、悪意のあるやつになっています。1期までは、悪役みたいなものがなかったりした記憶があるので、このあたりの悪意の描き方が変わってきたのではと思います(記憶だけ書いています)。

犯人がPCデータの消去を念入りにする説明は、元SEだなと思います。

最後の千葉の言葉まで、読むとしんみりです。

今年の読んだ小説では、一番のお勧めです。ただ、できれば、「死神の精度」を同時に読んだ方がよいと思います。
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No.20:
(4pt)

「先に行って、怖くないことを確かめてくるよ」

娘を殺された男の一人称から始まる冒頭の重さが、千葉のずれた発言で少しずつ浮き上がっていく。

暗い話のはずなのについつい笑ってしまいながら、ページをめくらせる絶妙なリミット設定とおなじみの見事な伏線回収に脱帽しつつ一気読み。

「先に行って、怖くないことを確かめてくるよ」
このセリフでは、不覚にも少し泣いてしまった。

重たいテーマを正面から扱いながら、きちんと「浮力が働いている」話にできるのは、本当に伊坂さんのすごさだと思う。

(−☆1は、千葉への突っ込みが子どもに死なれた母親にしては軽すぎるような気がしてなかなか納得できなかったから。だけど、この話はこれでいいような気もする)
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