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天を衝く
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【この小説が収録されている参考書籍】
天を衝くの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.59pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 61~71 4/4ページ
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| 「天を衝く」の単行本を買ってから二年近くが経過したが、私は暇さえあれば読み直している。高校生でも簡単に読める内容で、友達や担任をはじめ部活の顧問にまでレンタルしているが、思いのほか速く私の元に返却されてくる。 「つまらなかったんですか?」と尋ねるとおもしろすぎて夜通しで一気に読んでしまったというのである。おかげで夫婦喧嘩になりそうだったとか。 二巻は一巻ほど読み応えがあるわけでもなく、クラマックスの三巻ほど重みがあるわけでもない。しかし、二巻は一巻と三巻をつなぐための重要な場面である。南部晴継の暗殺から九戸党の中陸奥侵攻。大浦為信の独立。これらのことが九戸政実一人のもとに操られて展開されていく。著者の高橋克彦氏の美化、装飾は拭えないが、奥羽を愛する著者の手によって、クセのある装飾でさえも新鮮なものに感じられる。 特に、この小説は全巻を通して東北の人々に読んでもらいたい。東北以外の人々も馴染みのない地名などが登場するが、それなりに新鮮に読めると思う。 是非オススメする一冊である。 | ||||
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| 「炎立つ」「火怨」そして「天を衝く」と高橋克彦さんの陸奥三部作といわれていますが、いずれもプロット、登場人物の造形、行動、ラストでの決断などは類似しています。台詞を二つ三つ入れ替えても見分けがつかないかもしれません。 しかしながら、3作いずれもが概ね高い評価を得ているのは、盛岡在住である作者、高橋克彦さんのまさに情念のなせる業なのでしょう。一言で言ってしまえば、勝者の歴史、中央の歴史、それらばかりが正史だとは努々思うな、或いは正義があったから勝者になった訳ではない、という歴史上、政治上、近年まで軽視されてきた東北地方から中央への痛烈な異議申し立て、これだけは言わせてもらわねばならぬ、という情念のようなものが作品全体から迫り、それが読む人をして、登場人物たちへのシンパシーを感じさせるのでしょう。 | ||||
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| 最後まで読み終えたあと、またすぐに最初から読み返した。 こんな本は久々でした。 最初から最後まで一気に読み返してしまいました。 | ||||
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| 著者の高橋克彦氏は本県の出身で地元の偉人に関する著書を多く出版している。 炎立つは大河ドラマにもなったのでご存知のかたもいるかもしれないが 九戸政実を知っている人は地元関係者以外はほとんどいないであろう。 岩手県北と青森県南(旧南部藩領)の地名が多く出てくるためにストーリーが理解しにくい人が多いとは思うが、 義に生きた政実の生涯を多くの人に読んでほしい。 どれほど前の記憶かは定かではないが関西地区の酒造会社の某氏が「東北は蝦夷の地。文化程度も低い。」 といわれ物議をかもしたことがある。このように東北はいわれのない偏見があるのも事実である。 この本でそのことが払拭されるとは思わない。政実の言動もデフォルメされているであろうし本の内容がすべて事実であったとは思わないがお勧めの本である。 特にも映画で日本アカデミー賞を取った壬生義士伝の中村貫一郎を知る人には読んでほしいと思う。 残念なのは私より遅く読み始めた妻のほうが先に読み終わってしまったことである。 | ||||
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| 岩手県出身の高橋克彦氏は、故郷の東北にこだわった歴史小説を書いている。特に講談社文庫の『火怨』、『炎立つ』とこの『天を衝く』の3部作はどれも読み応えがある。 平安初期に朝廷に反旗を翻した蝦夷の英雄アテルイを描いた『火怨』は吉川英治文学賞を受賞、前九年・後三年の役から奥州藤原氏の盛衰までを描いた『炎立つ』は渡辺謙の主演でNHKの大河ドラマにもなった。そして、今回文庫化された『天を衝く』は戦国末期の東北・南部の武将・九戸正実(くのへまさざね)を描く。とにかく戦(いくさ)の場面が多い。勝てる戦(いくさ)しかしないという九戸正実。相手の裏を読んだ緻密な戦略で、数々の戦いを制していく。しかし、最後には豊臣の軍門に下った主家南部家に見切りつけ、東北平定を目指す豊臣軍に負けを覚悟の悲壮な篭城戦を挑む。正実兄弟を中心にした九戸党の結束の強さ、潔さが強く印象に残る。陸奥3部作を通して読まれることをお勧めしたい。 | ||||
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| 九戸政実。この名をきいて分かる人はほとんどいないだろう。 この男を中心として、斯波、安東との抗争。主家である南部の内乱。大浦為信の独立。中世から近世への移り変わりとともに奥羽の歴史も着実に移り変わっていった・・・・。 全三巻からなる話の最終章は九戸の乱となり政実は天下を相手に大喧嘩を挑む。1ページめくるごとに熱いものが胸に込み上げてくる一冊。 | ||||
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| 剛毅な九戸政実と八戸党との政治的駆け引きがみものである。 戦国大名の中でも、比較的地味な南部氏の配下として争う二党。 最初は地味な局地戦から、やがては中央権力を含んだ争いごとへと発展していく。 著者高橋氏の作品の中では、「火怨」「炎立つ」に続く東北シリーズであり、最終的な小説の構図は中央権力者vs東北自治勢力である。しかし、前者二作品比べると、東北文化の独自性や伝統といった部分は登場せず、局地的権力闘争が中心に描かれている。 南部氏自体は、鉄器や騎馬飼育の技術など、優れた文化を形成してきたお家柄、お国柄である。 そのあたりの内容が充実していれば、より中央勢力との確執や東北文化のプライドを強く打ち出せたように思われ、減点一点である。 | ||||
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| 東北出身の方が読んでいたらたまらないだろうなと思いながら読み進んでいった。 読むほどに先を知りたくなる。こんなに面白い作品に出会ったのは久しぶりのことだった。 戦国時代を舞台にした作品だが、戦乱だけを扱った作品ではなく、政治的なかけひきの部分も重厚に描いているのが面白さの秘訣なのかもしれない。 | ||||
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| 上下巻というボリュームだが飽きることなしに読み終わることができた。 東北の大地に命をささげた人々の潔い姿が脳裏に強烈にのこっている。 時代的な背景があるとはいえ、その姿はある意味では悲しいものがある。 秀吉に喧嘩を売ったのは個人の意地だけだったのだろうか?見方は様々だろうが、私はもっと広い意味合いでの意地を示すためだったと思う。こういう人物のことがもっと広く知られても良いのではと読了後に強く思った。 本当に面白い作品なので一度読まれることをお勧めします。 | ||||
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| 『火怨』『炎立つ』にしびれた人なら、避けて通れない本でしょう。これらの作品同様、本書も実に熱い! 日本史の陰に埋もれた豪傑を見事に活写しています。 大河ドラマ『炎立つ』『時宗』がイマイチだったので、この作品がドラマ化されることは難しいでしょうが、誰が九戸政実を演じるかを考えるとなかなか面白いですね。上下巻合わせて1000ページを超えるボリューム。少々中だるみするところがあったため(特に下巻)、星ひとつ下げました。 | ||||
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| ほぼ天下を手中におさめた秀吉軍10万に対して5千!では戦の結末は明らか(?)ですが、しかし単なる損得勘定だけではないのが武将の気骨。この辺は、何か「楠木正成」を連想してしまいます。そして南部宗家に対する九戸分家の意地、中央に対する地方の意地。そもそもは源氏の流れをくむ南部氏ですが、陸奥国に土着して数百年。「我らはもはや蝦夷だ」みたいなことを言うシーンがありますが、この辺は「火怨」にも通じるものですね。まさに高橋克彦ワールドです。ちなみに私は物語の舞台となった地の近くの出身ですので、自讃せぬよう、星の数は控えめにしました。 | ||||
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