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(短編集)

宵待草夜情



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宵待草夜情の評価: 4.75/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(5pt)

书皮很好看

我第一次买实体书,非常好看的一本书
宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)より
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No.7:
(5pt)

珠玉の5篇

「能面師の妻」
一番激しい物語で、アブノーマルな要素も含まれています。
事件のからくりについては、うーん、といまいち理解や納得しかねる部分もあるのですが、能面と桜と人の情念に圧倒されました。登場人物も、怖いくらい迫力があります。
「野辺の露」  
連城作品によく出てくるタイプの男女と、小道具と種明かし。
静かでおとなしい女性は、常にミステリーですね。
「宵待草夜情」
いわゆる大正ロマンの情緒に溢れていて、物語の舞台も男女も文章も、一番叙情性が高い作品だと思いました。5篇の中でも悲壮感ややりきれなさがあまりなく、仄かな温かさと、かすかな希望が残る終わり方も、せつなく美しい余韻が残ります。
「花虐の賊」
時間や水の流れには、逆らうことはできない。
でも、時に人の強い思いは、それら不変のものすら覆す力をもっているのか?と問いかけてくる。
二つの一途な愛が、哀しく縺れ、しかし決して本当に交わることなく、運命の彼方に消えていきます。
「未完の盛装」
時代が戦後の昭和に移っているせいか、他の4編とは少し趣が違うように感じました。
ミステリーを期待するならこれが一番秀逸なトリックかもしれない。
この時代に、すべてを失った女性が一人で生きるのは本当に大変だっただろうと、時代背景にも思いを馳せてしまいました。
宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)より
4101405034
No.6:
(5pt)

この本に出会えて幸せです。

個人的には、同作者の『戻り川心中』が一番ですが、こちらも飛び抜けたレベルで2番手3番手の作品です。日本語の美しさと、日本人の心情を存分に味わえます。
宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)より
4101405034
No.5:
(4pt)

二人の人物の関係性に焦点を当てた作品集

二人の人物の関係性に焦点を当てた作品集で、いずれも騙し絵のように、見た目とは裏腹の真相が判明する。

「能師の妻」
能楽師藤生信雅の死の直前に正妻となった篠と、前妻の子である貢との心理的・肉体的葛藤を描いた物語。技量は秀でているが心が伴わぬ貢がどのようにして「井筒」を見事に舞うことができたのか、貢の遺体の一部だけがなぜ離れた場所に埋められていたのか、といったミステリー要素を持っている。

「野辺の露」
妾を作った夫暁一郎に裏切られた妻杉乃と、杉乃に同情した義弟順吉との道ならぬ恋の顛末を描いた物語。
二人の間にできた不貞の子暁介が暁一郎にいじめられていることを知って順吉が悩み苦しむ、そういう話だと思っていると足をすくわれる。
杉乃の順吉に対する想いを、「あなたの懐に潜んだ一匹の鈴虫の遠い鳴き声」に例えた表現が印象的。

「宵待草夜情」
元画家の古宮と、カフェの女給鈴子の束の間のふれあいを描いた物語。
カフェで鈴子と反目していた照代が殺され、現場の状況から古宮は鈴子が犯人ではと疑いを持つが、鈴子にぜひ見にいってほしいと言われた待宵草の群落を見て、鈴子の秘密、鈴子が何に苦しんでいたのかに気づく。
蛍の蛍光、喀血の血といったアイテムが真相にうまく活かされている、
古宮が友人の白川に対してしたことと、それを再現した鈴子のしたことが印象的。

「花虐の賦」
劇団の主催者で劇作家の絹川幹蔵と女優川路鴇子の二人の、人形師と人形のような関係を描いた物語。
絹川が、自作「貞女小菊」のヒロインとして思い描いていた女性とそっくりな鴇子に出逢う場面が印象的。
二人の関係をもとにした劇「傀儡有情」の祝賀会の夜に自害した絹川、その四十九日に後を追って自害した鴇子、そう思っていると足をすくわれる。
「傀儡有情」で絹川役を演じる片桐の視点でこの作品は語られるが、絹川が自害した理由が謎であり、鴇子が四十九日の日を間違えていたことなどから、見掛けとは裏腹の真相に片桐は気づく。

「未完の盛装」
クラブのママ葉子と、そのヒモのような存在の吉野を中心とした物語で、かなり複雑な構図を持った事件であり、最後まで読むと二段構えの反転構造を持っていることがわかる。
15年前の元夫毒殺をネタにした強請り、警察に届いた時効まであと3日あるとの元刑事からの密告、元夫の死亡日を巡る混乱、死亡日を知っている医師の殺人事件発生等、目まぐるしく話は展開する。
赤松はあることから勘違いに気づき、事件の背後にある真相を推理し、それを確認しようとある人物に接触すると、さらに意外な真相が告白される。犯人が隠そうとしたもの、医師を殺した理由等、すべてが反転する。
15年もの間、犯人が持ち続けていた心情が悲しい。
宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)より
4101405034
No.4:
(5pt)

作者特有の詩情と本格ミステリ味とを加味して、<女の情念>を炙り出した傑作短編集~「夜よ鼠たちのために」に優るとも劣らない出来

表題作の他、「能師の妻」、「野辺の露」、「花虐の賦」及び「未完の盛装」の全5つの短編から構成されるミステリ短編集。<女の情念>をテーマとした連作短編集と言っても良い。<女の情念>をテーマとしながらも、各短編中にミステリ的仕掛けを織り込んでいる辺りは、本格ミステリ作家と恋愛小説家という両面を持つ作者の面目躍如である。時代設定を明治、大正、戦後としている点も作者特有の詩情を更に深化させている。男の書簡体で綴った「野辺の露」の出来がやや劣るものの、他の短編の出来は素晴らしい。全ての短編の作風・構成が各々異なっている点も作者の力量を示している。

安吾「桜の森の満開の下」の狂気を想起させる巻頭の「能師の妻」を読んだだけで満腹感(?)を覚えた程だが、次々と優れた短編が出て来るのには驚いた。この「能師の妻」と「花虐の賦」とは好対照を成している。片や「能」、片や「演劇」を舞台とし、片や圧倒的迫力(狂気)で読者に迫り、片や密やかな雰囲気で読者に迫りながら、双方共に"鬼気迫る"<女の情念>を炙りだしている作者の手腕には感心した。陶然とする程の迫力・酩酊感では「能師の妻」(「能(あるいは能面)」という舞台設定が活きている)、作者得意の"騙し"のテクニックでは「花虐の賦」という両編共に甲乙付け難い秀作である。「未完の盛装」も戦後を逞しく生き抜いた<女の情念>を丹念に描いているが、本格ミステリ味が濃い点が本短編集中では異色と言って良い佳作である。そして、表題作には本当に感心した。薄幸のうらぶれた男女の心理の機微を木目細かく描いて、まさに「連城三紀彦の世界」である。その世界にドップリと浸っていると、ミステリ的趣向など不要と思える程だが、ラストに到ってその趣向が突如として活きて来る辺りは連城作品の真骨頂であり、秀作揃いの本短編集の表題となった事が十二分に首肯出来る傑作である。

本短編集は私が作者の最高傑作と考えている短編集「夜よ鼠たちのために」とほぼ同時期に執筆された由。油が乗り切っている時期の作品と考えれば、その出来の良さ(「夜よ鼠たちのために」に優るとも劣らない)もまた十二分に首肯出来る。「新装版」とあるので、復刻版なのだろうが、こうした傑作の復刻版をこれからも期待したい。
宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)より
4101405034
No.3:
(5pt)

最高傑作

宵待草夜情は連城三紀彦の最高傑作である。
連城の最高傑作は何かと聞かれれば、戻り川心中をあげる人が多いだろう。
しかしこの作品は戻り川心中を超えている。
戻り川心中を気に入った人は是非とも読みましょう。
この短編集に入っている作品はどれもかなり質が高い。
中でも花虐の賦はファン人気が高い一作。読まずには死ねない。
文章も言うまでもなく美しい。
古きよき日本の香気が伝わってくる。

まとめ。
レベルの高い推理短編を読みたい人、美しい文章を読みたい人、明治大正浪漫を味わいたい人、
そんな人たちにおすすめする一冊です。
宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情(よいまちぐさよじょう) (新潮文庫)より
4101405034
No.2:
(4pt)

女性の生き様

5編からなる短編集です。いずれも女性が主人公であり、各短編の副題にはその女性の名前が掲げられています。明治から昭和中期にかけてを舞台にした作品が時代順に並んでおり、大げさに言えば日本の近代の歩みを背景に女の生き様を描いたという感じでしょうか。推理小説なトリックのある作品もあるが、基本的には各々の女性の心理が「謎」として提示され、それが明かされた時にはある種の感動が胸をよぎります。

中でも殺人ではなく自殺を扱った『花虐の賦』には深い感銘を受けました。自殺の真相を追うというそれだけの作品ですが、世間に理解された自殺の理由と真相との間の隔たりがとんでもなく大きく、真相の露見によって構図が正反対になってしまうというすごい作品です。タイトル作の『宵待草夜情』も、トリックは何てことないのですが主人公の女性のけなげさが良いです。
宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション (ハルキ文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション (ハルキ文庫)より
4894564319
No.1:
(5pt)

血って、悲しくて鮮やかで・・・

貢への《能》の稽古中、過度の罰を与えた篠。
 身を焦がすほどの愛情を持った心は、我が身の最期に文字通り、その身を焦がした。
 『能師の妻』は、なんと熱く、そして篤い。
 出棺の時に泣いていた多加を想うと、なんとも辛い気持ちになります。

 又、この『能師の妻』は、花村えい子さんの『白蓮の寺』でマンガに描かれています。
 文で読んで、絵で感じて、とても深く深く、心に沁みいる作品へ。

 『宵待草夜情』を読んだとき、ふと三島由紀夫氏の《金閣寺》が頭に浮かんできました。
 ・・・・生きよう、生きよう・・・・
 なんて、、、胸に刺さる言葉でしょうか。

 表紙の女性の絵は、
     とても切なげな表情で、
           その眼は何を見てるのか?
宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション (ハルキ文庫)Amazon書評・レビュー:宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション (ハルキ文庫)より
4894564319

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