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夜は短し歩けよ乙女



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【この小説が収録されている参考書籍】
夜は短し歩けよ乙女
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女の評価: 3.90/5点 レビュー 594件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.90pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全430件 81~100 5/22ページ
No.350:
(5pt)

天才

『四畳半神話大系』とリンクする場面が多いということを聞いたので、そちらの読了後に拝読した。
 長々とレビューしようと思うので、とりあえず結論から書く。

 最高に面白い作品だった。

 何より大きな見どころは、主人公の「先輩」とヒロインの「乙女」が、あまりにも正反対な人格をしている点だろう。この本の魅力という魅力は、ほとんどこの相違性に集約されている。
 ひねくれ者で日陰者、人望皆無で悪運に恵まれやすい「先輩」。
 心配になるくらいまっすぐで、人望と幸運に恵まれる「乙女」。
 二人は夜の街や古本市や学園祭で奇妙なほど多く巡り逢うが、運命のいたずらに阻まれて会話することもままならない。

 会話できずにやきもきする先輩。
 相も変わらずのんびりする乙女。

 まったく違う人間がまったく違う人生を、まったく違う観点で生きていく。
 そしてひょんなことから糸が結ばれ、最終的には思いがけない形で顔を合わせる。
 この過程を見ているだけでも、面白おかしく、また心温かく楽しめる。

 面白すぎて、時間が一瞬で過ぎる。
 「光陰矢の如し」をマジで擬似体験できるので、ぜひ読んで体感してほしい。

 もちろんキャラだけではない。
 全四編からなるストーリーも、見どころ満載だ。
 本作は『四畳半神話大系』同様、現代を基盤とした世界観にファンタジー要素をふんだんに盛り込んでいる。
「竜巻に打ち上げられた錦鯉が空から落ちてくる」
「地に足をつけない生き方を参考にして浮遊術を身につける」
「二人が竜巻で舞い上がって、天空で再開する」
 など、「あるあ……ねえよ」というしかない珍事が数多く登場する。今挙げたのでもまだまだ一例だ。
 下手をすれば作品をぶち壊しかねないファンタジー描写。
 しかし、「魅力的なキャラ・巧みな文章力・独特なセリフ回し」に裏打ちされて、理想的なスパイスとして働いているのだ。
 これは並大抵の難易度ではない。
 ただただ頭が下がるばかりだ。

 最後に、個人的なオススメを一つ。
 第二編『深海魚たち』は夏の古本市を舞台とした短編だが、これがとても面白い。
 夏の寂れた雰囲気を活かしつつドラマチックな展開を作り上げ、オチも綺麗でロマンチックだ。
 80ページ弱とは思えないクオリティに、舌を巻くこと請け合いだ。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)より
4043878028
No.349:
(4pt)

好きな女に勧められ。

読んでみた。独特の世界観と言葉遣いが興味深い。
文章から、色彩が飛び出してくるような。
久々に小説を読んだ、と思えた。
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No.348:
(5pt)

引き込まれるドタバタ恋愛ファンタジー

登場人物たちはみんな個性豊か。
先輩なのに恋に弱気な主人公と、無邪気なのに底なしの酒量を誇るヒロインに始まり、非情な高利貸しなのにお酒に目がない老人、酔うと人の顔を舐める美女、あらゆる本を知っていて神を名乗る10歳の少年など、皆さん振り幅が大きくて魅力的。

ふたりを取り巻く怪しげなキャラクターと共に、物語は混沌とした不思議ワールドへと入り込んでいきます。

恋心をこじらせすぎて、乙女の姿を追うことしかできない先輩と、そんなことは露ほども知らない天真爛漫な彼女とのすれ違い。
恋愛って、真剣に切なく悩むのは当人だけで、周りから見ると、意外とおもしろかったり滑稽だったりするものですよね。
主人公の不運に同情しながらも、災難続きの展開がおもしろくて、どんどん読み進められます。
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No.347:
(5pt)

「二足歩行歩行ロボット」のステップと「おともだちパンチ」を嗜みとしたい黒髪の乙女へ

"かくして私は呟いたのです。夜は短し、歩けよ乙女。"2006年発刊、第20回山本周五郎賞受賞作にして本屋大賞2位のベストセラーとして漫画やアニメ映画とメディアミックスしている本書は「ナカメ作戦(ナるべくカのじょのメに留まる)」を実行する先輩と天然黒髪乙女の繰り広げるほっこり恋愛ファンタジー。

読者諸君、ごきげんよう。久闊を叙して、ここに私と本書、もとい、私の苦渋の記録と彼女の威風堂々たるお話とも言える本書を長らくすぎる韜晦から発見した事を記念し、ここにつらつらとふはふはとロマンティックエンジン全開にて開陳してみようと思ふ。うわ、なにをするやめr(得体の知れない暴漢に襲われ、ズボンとパンツを盗まれ退場)

「ビスコもパンの一種」と1人ぼっちデモ行進に今日も果敢に挑戦していると、お久しぶりの劇団員の方々が微笑みかけながら私に達磨を差し出しました。パカっと割れた中にはまさかの脚本が、そうです!「偏屈王」です。

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「偏屈王」番外編 舞台:アマゾンレビュー内

ー平和を取り戻した風雲偏屈城にて、しかし憂いた表情のプリンセス・ダルマ。そこに心配そうに偏屈王が近づいてくる。

偏屈王「貴方の物憂げな表情を拝見するに、我が胸は張り裂けんばかり。我らが栄光のキャンパスライフという秘宝を手にし数年、一体どうしたと言うのですか」

ダルマ「今こうして貴方の隣にいるのが夢の様。されど、貴方の想いびとが映画では「女装した学園祭事務局長」と言う心ない噂を耳にし、一体どちらが真実なのかと胸を痛めているのです。」

偏屈王「。。。」

ー突然、閨房調査団から巻き上げた猥褻図書を片手に事務局長があらわれる。

局長「よくぞ気づいたなプリンセスダルマよ。如何にも、お前の隣にいる男は我らがすり替えた替え玉(映画版)に過ぎぬ」

ダルマ「では、我が想い人、偏屈王は今何処?」

局長「教えて欲しくば再び追ってくるがよい!」

ー局長、偏屈王(偽)高笑いと共に叡山電車を積み重ねたような三階建の風変わりな乗り物に飛び乗って逃走

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いのち短し 恋せよ乙女♫黒髪の色 褪せぬ間に♫心のほのお 消えぬ間に♫今日はふたたび 来ぬものを♫(吉井勇作詞「ゴンドラの唄」が流れる中、幕が降りる)

「こうして出逢ったのも、何かの御縁」著書の願望が色濃く反映された独特の言語世界にいざ旅ゆかんとするヘタレ学生と学生だった方へ。「二足歩行歩行ロボット」のステップと「おともだちパンチ」を嗜みとしたい黒髪の乙女にもオススメ。
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No.346:
(5pt)

いわゆる「京都本」の最高峰ではないだろうか。

我々「東夷(あずま・えびす)」にとって、京都はあこがれの地である。だいたい、ふるさと新潟県の旧国名からしても「越後」である。京都に近い方から越前・(加賀をはさんで)越中・越後なのだから。さらに、越後の中でも、京都に近い方から上越・中越・下越である。どれだけ京都が好きなのだ。そして、それは昔の話ではない。新潟市内のデパートで「京都展」と銘打った物産展を開催すれば必ず連日盛況となるのだ。
 京都を舞台に、京都の魅力満載の小説を書く作家といえば、万城目学、望月麻衣、そして森見登美彦ではないだろうか。その中でも、もてない男子学生のあやしい生活を描かせたら、森見登美彦の右に出る者はいない。おそらくほとんどの男子学生(特に貧乏な国立大学生)は、わけのわからない先輩と安酒を酌み交わし、夜の町を走り回り、同じくもてない同級生とおのれの身の不運を嘆くものなのだ。望月麻衣の小説に登場する学生のように、女子高生と仲良くなるやつなんて、少なくとも私の周囲にはいなかった。そういう意味で「リアリティ」を感じるのだ。さらに、一度でいいから京都に行って、自分の足で歩き回りたいと思わせる力を持っている。「そうだ京都、行こう」と決意させてくれる一冊である。
 「マジック・リアリズム」については好き嫌いがあるだろうけれども、延々と続く古書市とか三階建ての叡山電車とか、私は大好きである。
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No.345:
(5pt)

素晴らしいの一言

面白すぎて一日で読み終えてしまいました。夢の世界から帰ってきたようでまだ余韻でフワフワしています。
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No.344:
(5pt)

ここちよい浮遊感

先日ライターさんに勧められた本。登場人物の心理描写、ファンタジーに寄り過ぎないストーリー展開など、ふわ〜っと心地よい浮遊感のある一冊でした。嗚呼、伏見で記憶を無くした夜よ。我の京都の思い出もまたフツフツと。しかしこの人の文体とリズム、中毒性あるなぁ。
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No.343:
(5pt)

ビジネス書しか読まない人に読んでほしい本です

自分がここ暫くそういう状態だったのですが、文面から想像されるアニメ映画のような世界観は
ちょっと意味不明だけどとても楽し気で、まさに文章、文学の醍醐味が発揮されていると感じます。
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No.342:
(5pt)

今更のレビューですが…新しくも懐かしい

黒髪の乙女、追う先輩、古本市、京都の街並み、学園祭、偽電気ブラン…。
斬新でちょっと不思議な世界観なのに、大正風味も感じさせてくれる、何とも味のあるお話です。自分の大学生時代はあまり良い思い出はなかったりするのですが、この話を読むと「大学生活っていいなあ」と自然に思えます。実は読んだのはかなり以前ですが、読後ほんわかした気分になったのを覚えています。普段恋愛ものを読まない人にもお勧めです。
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No.341:
(4pt)

オモシロ京都の大学生

ズッコケ3人組とかそういうのを思い出してしまう 文体はいつも通り上手い、軽くてジョークで上品です 登場人物は多い割にまとまっていて分かりやすい 後はヒロインが可愛い よくこんな様々なオモシロ大学生を描けると思う 京都の大学生と聞けば この作者の作品が頭に出てきてしまう
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No.340:
(5pt)

読んでて楽しいです。

2人の視点で書かれていて、軽快なテンポで話が進んでいきとても楽しく飲み続けることができました。
何年も前からずっと読みたいなと思っていて、やっと読むことができました。期待以上でした。
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No.339:
(4pt)

楽しめました!

冒頭の夜の先斗町の場面、職業が天狗と自称し空間飛翔し口から鯉のぼりを吐き出す超絶技巧の学生、彼のパートナーで酔うと相手の顔を舐め回す癖のあるアルコール好きの30代の歯科衛生士の女性、映画「千と千尋の神隠し」の世界を想起させる<お大尽爺李白>、李白爺は多数のランプ、色とりどりの吹き流し、小さな鯉のぼり、銭湯の暖簾などの満艦飾の深紅の三階建ての花電車で夜の街に出没、偽電気ブランを振る舞う。春画コレクターで錦鯉センター経営の好色爺さん。
これらの個性溢れる曲者たちとの主人公の彼女の一夜の交流、もちろん彼女を追っかける先輩は周囲を徘徊。

女子大学生が主人公の小説と言えば、北村薫フアンの私にとっては「円紫さんシリーズ」の文学好きの「私」なんですが、この本の「私」は言葉遣いは丁寧でお嬢様風ですが、人一倍好奇心が旺盛で、アルコールにも強くラム酒大好き、おともだちパンチの技術の持ち主、射的屋場でゲットした巨大な緋鯉を背負い、ダルマの首飾りをして、ご機嫌の時には二足歩行ロボットのステップ歩を披露。

その天真爛漫の彼女が学園祭のイベント巡りを実施!  
弁論部ならぬ詭弁論部の詭弁踊、韋駄天コタツ、巨大な工作物「象の尻」、恋愛無経験の先輩の胸を撃った討論会「四半世紀の孤独」、一目ぼれした女性に再開するまでは下着を替えないと誓ったパンツ総番長、いかがわしい閨房調査団青年部等。
彼女に一度でも会った学園祭仲間はその魅力にはまってしまい、彼女は学園祭のあちこちに出没する注目のゲリラ劇「偏屈王」のインスタント主役にまで担がれる。

登場人物の織り成すゴタゴタ劇に、最初は山本周五郎賞を獲得した小説とはとても思えずと半ばあきれていたのですが、読み続けていたら学園祭のシーンあたりに来ると、面白さにひたっている自分に気がつきました。要はアニメ風の<キュートでポップな恋愛ファンタジー>と楽しめばいいんですな。
主人公の女子大学生と先輩が交互に日記風に語るという文章の構成も、リズム感覚があり、メリハリを付け読みやすくしていますね。

実は、著者の『夜行』という幻想小説を以前読んでるんですが、それとのギャップに混乱したのかも知れません。著者の森見登美彦氏は最新作の『熱帯』で今回の直木賞候補になっていて、学園ものだけでなく、いろんな味わい、趣向を凝らした文体の小説を書いているんですね。次はホラー小説の趣のあるらしい『きつねのはなし』でも読んでみたいと思っています。
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No.338:
(5pt)

読書初心者にも読みやすい

はじめて森見登美彦さんの本を読みました。
普段あまり本を読まない私でも最後まで飽きずに楽しく読めました。
登場人物もそれぞれ魅力的で素敵なお話でした(^^)
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No.337:
(4pt)

この面白さは読まないと分からない

「私は一体何を読まされていたのだろう…?面白かったけど。」最終ページまで読み終わった直後の感想です。

背表紙の解説には「キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作」と書かれており、「命短し恋せよ乙女」をもじったロマンチックなタイトル。素敵な恋愛小説なのかと思いながら読み進めました。…途中で別の本の背表紙と間違っているのかと思って、5回ほど本のタイトルを確認しました。角川さん、少なくともキュートでポップではないですよコレ。

この物語は二人の主人公が交互に一人称で語ることで進んでいきます。
一人目の主人公<<先輩>>はやたら悩み世の中のあらゆることにシニカルな視線を向ける男子大学生。コイツがとにかく穿った考え方ばかりグタグタとしていて、典型的な持てない男。
そしてヒロイン<<黒髪の乙女>>は主人公とは真逆の、全てを肯定するような、優しいが見ていて心配になるような女子大学生。

この二人は何度もすれ違いながらほぼ同じ場所やイベントを過ごすのですが、視点の違いでここまで世界の見え方や過ごし方が変わってくるのかと思わされます。これは、作者の力量だと思います。

そんな二人が生活するのは、なんとも言えない不思議な京都。天狗や神様としか思えないような不思議な登場人物が、純文学の登場人物のような主人公となぜか仲良く共存します。そして古典的仮名遣いや台詞が織りなす独特なその文体。今までのどんな文学にもなかった「森見登美彦的」としか言いようのない世界観は一度読んでみないと分からないと思います。

この作品の一番凄いところは構成力だと思います。先輩と黒髪の乙女は同じ場所を別々に行動しながら、様々な人と出会います。この二人が出会う人達、最初は全く関係なく見えるのですが、実は密接に関係しており、話を読んでいくとそれが段々と見えてきます。そして最後には見事に大団円(?)を迎えます。この本は4つの話で構成されており、それぞれは100ページにも満ちません。その中で伏線と回収を綺麗に繰り返してく様は見事としか言いようがありません。

とても癖がある作品なので人を選ぶとは思いますが、はまる人はとことんはまると思います。
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No.336:
(5pt)

面白かった

夜、寝ながら読むには陽気な内容でぴったり。
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No.335:
(5pt)

圧倒的な描写力・語彙力とストーリーの組み立てに驚愕

7割くらいが心理描写のように思いますが&ちょっとくどいなぁと感じることもありますが、プロの文筆家の書いた物語を十二分に堪能できるコンテンツでした。爽やか&コミカルな京都在住学生ものの感じが少し万城目学を思い出させました。
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No.334:
(5pt)

上質の落語のよう

時代は21世紀。京都の某大学。
大学2回生になったばかりの 『私』 は、今まで彼女が居た事はおろか、告白した事も無い。
そんな奥手の 『私』 が、部活の新入生に一目惚れをしてしまう。
どうにか、あの子と仲良くなりたい。
片思いに揺れる 『私』 の視点と、その思いに気付きもしない 『彼女』 の視点を交互に繰り返しながら、春夏秋冬、物語がつむがれていく。

物語の中心となる主役達の台詞は、まるで大正浪漫のよう。
現代からは浮世離れして、どこか懐かしく、黴臭くて、甘酸っぱい。

脇役達もまた、浮世離れした変わり者ぞろい。
変わり者がそろえば、オモロイ事が起きる。
まして大学生という年頃、オモロイ事しか起きない。

そんな変わり者たちの周りで起きる、奇想天外オモロイ事件を引き立てるのは、一風変わった修飾語の数々。
作者は一体、何種類の変化球を持っているのか。意表をつく修飾語が、各場面を鮮やかに、軽快に、ユーモラスに浮かび上がらせる。
そして時折ほうり込まれるストレートな言葉が、真っ直ぐ心に突き刺さる。

次々と言葉を重ねながら、決して冗長にならず、むしろ物語の世界に引き込まれる本作。
単語の選び方から、文章構成に至るまで、実に緻密に構成されている。
それでいて堅苦しくなく、何度も笑いに引きこまれてしまう。

まるで、上質の落語を聴いているようだ。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)より
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No.333:
(5pt)

実に面白い

軽妙な言葉づかいで、3秒に1回は笑わせてもらいました。実に面白い作品です。短編集の最初がこのタイトルのものですが、その他の作品も続きものとして楽しめました。電車の中で笑いをこらえるのが大変でした。マスク着用が必須です。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)より
4043878028
No.332:
(5pt)

とても楽しめる作品です

初めてこの作家さんの本を読みましたが、大変満足です。現実にありそうでギリギリないような描写が多く書かれており、実際にイメージがしやすいので読んでいて楽しかったです。表現の方法がとても独特でしたがわかりやすかったです。主人公とヒロインの視点の切り替えるタイミングがとても上手くて、読んでいてあまり飽きがこなかったですが、たまにどっちの視点なのかわからないときがあり、その時は台詞の一人称で判別
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)より
4043878028
No.331:
(5pt)

普段小説を読まないけど面白かった

少し読書をしたいなと思い友達に勧められたこの本を購入。
面白くて買って二日で読み終わってしまいました。
独特な書き方で二人の登場人物の先輩と彼女の視点が交互に書かれてテンポよく読むことができました。
独特な世界観で先輩が彼女に思いを伝えようとするお話です。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)より
4043878028

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