半島を出よ

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評判

半島を出よの評価:

4.00/5点 レビュー 320件。 A ランク

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平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全537件 201〜220 11/27ページ
No.337
(5pt)

怖い怖い、これは怖い

実はまだ上巻を読んだところです。
でも、まずここまでのところでも感想を書いておかないと。

経済、政治様々な分野で疲弊してしまった近未来(と言っても時代的にはもう今になっているが)の、仮想日本国はが舞台です。
何もこういうだらしない、国際的に孤立してしまった仮想の我が国ではなくとも、十分に私達はこの国の政治を筆頭とする、社会の仕組みにいい加減うんざりしているのではないだろうか。
その、うんざりかげんが特級に進んでしまった、その日本に、対局ともいえる北朝鮮と言う国の、徹底的に訓練を受け、また彼らの思いの中で大きな希望を持っている兵士達が、この国(福岡)に侵略し、これを統治してしまう。
国の実務的に機能しないシステムを突いて、あっと言ううちに、ごく少数の兵士達に、ものの見事に侵略される。
この為す術もない状況。そして、そうだろうなぁ、と実感できる自分。

いやぁ、怖い。実に怖い。いつあってもおかしくないと思える現実があります。
いったいこの状況はどうなって行くのか。この打開の鍵が、どうやら世の中のはみ出者の若者たち。
国民皆番号制からもはじかれてしまった(「正常」な世の中からは)どうしようもないと思われた若者たち。
ここにキーがあるらしい予感を抱かせつつ、後半に入っていった。

ううう、これは読まずにはおれない。
でも、怖い。ほんと怖いなぁ、これは。
どこか、「希望の国のエクソダス」にも通じる、自分の立つこの国と言うものの危うさを感じる怖い小説です。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.336
(3pt)

挫折してしまった、、、、、完読できず

本書が単行本で出た当時は、時期も時期であったことから大きな注目を浴び、図書館では驚くべき予約の数が入っていたことを思い出す。

文庫本で出版ということだが、とにかく分厚い(しかも上下の2巻)。

期待をもって読み始めたのだが、、、、、、、、、挫折してしまいました。
あまりに長編すぎて、途中で耐えられなくなってしまった。
何とも、ストーリーが重く(特に日本側の登場人物が、難解)こちらの心がもたなくなってしまった。

ただ、作者の想定している近未来の東アジア、日本の情勢というのは非常に興味深い。このようなことにならぬよう、われわれひとりひとりが日々努力をしていくしかないのであろう。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.335
(3pt)

挫折してしまった、、、、、完読できず

本書が単行本で出た当時は、時期も時期であったことから大きな注目を浴び、図書館では驚くべき予約の数が入っていたことを思い出す。

文庫本で出版ということだが、とにかく分厚い(しかも上下の2巻)。

期待をもって読み始めたのだが、、、、、、、、、挫折してしまいました。
あまりに長編すぎて、途中で耐えられなくなってしまった。
何とも、ストーリーが重く(特に日本側の登場人物が、難解)こちらの心がもたなくなってしまった。

ただ、作者の想定している近未来の東アジア、日本の情勢というのは非常に興味深い。このようなことにならぬよう、われわれひとりひとりが日々努力をしていくしかないのであろう。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.334
(5pt)

本当に読みにくいけれど、とにかく読んで!

特に、物語最初のホームレスの件は、
この物語の中で、
これらの人がどういう位置づけになるのかが全く見えず、
本当に退屈。

何度も、途中で放りだそうと思った。

けれど、我が妹が、
「福岡市民なら、絶対読むべき」

と強くいうもんだから、
とにかく読んでみた。

文字数多いし、一章一章の話が長い。

だけど、読み進むにつれ、
全体が見えてくると、
どんどんと物語に引き込まれていく。

しかも、もの凄い取材力!
それに驚いてしまった。

物語は、福岡ドーム(現YAHOOドーム)近辺
を中心に進んでいく。

私は、ホークスタウン
(福岡ドーム・シーホークホテル・ホークスタウンモール)で、
以前仕事に従事していたことがあるが、

村上氏は、このホークスタウンの裏導線まで、
熟知し、物語の中に網羅している。

従業員しか知りえない情報も。

しかも、福岡市内も巻き込んで話が進んでいくので、
福岡在住・福岡出身者には、
物語をリアルに感じていただけると思う。

たまに、博多弁の使い方を間違っているところは、
ちと気になるが(笑。

そして、福岡市民のみなさん、
この物語にあるように、
北朝鮮に制圧されてしまうかも、
または、ミサイルを打ち込まれたりするかも・・・
というこういった危機意識・危機管理能力・・・

この物語を読んで、
考えて欲しいと思います。

この書を教えてくれた妹よ、
ありがとう。

本当に、読み進むの大変で、
時間がかかったけれど、

とても面白い物語です。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.333
(5pt)

本当に読みにくいけれど、とにかく読んで!

特に、物語最初のホームレスの件は、
この物語の中で、
これらの人がどういう位置づけになるのかが全く見えず、
本当に退屈。

何度も、途中で放りだそうと思った。

けれど、我が妹が、
「福岡市民なら、絶対読むべき」

と強くいうもんだから、
とにかく読んでみた。

文字数多いし、一章一章の話が長い。

だけど、読み進むにつれ、
全体が見えてくると、
どんどんと物語に引き込まれていく。

しかも、もの凄い取材力!
それに驚いてしまった。

物語は、福岡ドーム(現YAHOOドーム)近辺
を中心に進んでいく。

私は、ホークスタウン
(福岡ドーム・シーホークホテル・ホークスタウンモール)で、
以前仕事に従事していたことがあるが、

村上氏は、このホークスタウンの裏導線まで、
熟知し、物語の中に網羅している。

従業員しか知りえない情報も。

しかも、福岡市内も巻き込んで話が進んでいくので、
福岡在住・福岡出身者には、
物語をリアルに感じていただけると思う。

たまに、博多弁の使い方を間違っているところは、
ちと気になるが(笑。

そして、福岡市民のみなさん、
この物語にあるように、
北朝鮮に制圧されてしまうかも、
または、ミサイルを打ち込まれたりするかも・・・
というこういった危機意識・危機管理能力・・・

この物語を読んで、
考えて欲しいと思います。

この書を教えてくれた妹よ、
ありがとう。

本当に、読み進むの大変で、
時間がかかったけれど、

とても面白い物語です。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.332
(5pt)

生き延びろ。

この小説は私が今まで読んだ本の中で最も感動したものの一つであるが、だからこそ読み終わった時点は、書評を書くとかそういうレベルのことができない。これは、村上龍氏の小説を読んだ直後に感じる共通の事象だ。いま、かなり長い時間を経てこの小説のことを不意に思い出し”あの、鮮明に印象に残っている文章をもう一度読みたい。”と本棚からこの本を取り出しページをめくり、線を引いた多くの箇所をたどった。その部分は、下巻142ページと159ページに記載されている、スリョン中尉の父親の言葉だった。「スリョン、よい詩を書くことができる人間になりなさい、読む人の側に立った詩を書くんだよ。」村上龍氏の小説には、暗闇の中に細く力強い一筋の光がさす部分がある。その部分に救われたマイノリティーに属する人間の数は、少なくないはずだ。
半島を出よ (下) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (下)より
4344007603
No.331
(4pt)

徹底したリアリズム

私は実は、小説に出てくる病院に勤めているのですが、あまりにもリアルな描写に驚きました。登場人物はもちろん実際と異なりますが、病院の中の様子がそのまま小説に出てくるのです。研究室の並び方が少し違いますが、確かに奥の研究室はホテルシーホークに面しており、クライマックスのシーンでは、ここを視点にするのが最もダイナミックな映像になると計算されているのでしょう。このシーンは自分にも瓦礫が飛んで来るような錯覚に陥りました。シーホークの中の宴会場の名前などもそのまま使用されており、よくシーホークがここまでの使用を許したものだと感心しました。でもここまでリアルだと逆に映画化はしにくいでしょうね。
読んだ後、密告した市役所の女性はどうなったのだろうと気になりました。感情移入しにくい登場人物が多いですが、この女性の行動はさておき、一番自分の立ち位置に近いかもしれないと思いました。残されたこどもたちが気がかりです。
半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344410017
No.330
(1pt)

冗長且つ緩慢

単行本は読んでいなく今回の幻冬社の文庫本を購入。何故か家の近くの本屋では下巻を売っていないので、わざわざお茶の水まで買いに出かけた。読み進む内に「何が主題か、作者のテーマは?」との疑問が湧いてくる。ただただディテイルの描写は異常に念入りで、チームの情報収集力は凄い。が、「What for?」である。各登場人物のバックグラウンド、北朝鮮の生活の凄惨さ、拷問の詳細...これらを自慢げに書き連ねることで単純なストーリーの中編近未来シミュレーション小説が、上下巻1600円以上の(単行本ではそれ以上!)文庫本に化けた。

小説の舞台の百道には会社の支社が、又、その先の警固には姉のセカンドハウスがある。会社の同僚や姉の家族がこの本を読んだ「読後感」はどうだろうか?私と同じく、作者への失望と反感を持つのではないか。

とまれ、出張先のホテルで読み終えた私は迷うこともなく、1800円の投資を「可燃物」と分別された部屋のゴミ箱へ抛り投げた。
半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344410017
No.329
(5pt)

すごい!

時代背景がすでに勉強になると思う、住基ネットや、物流、中央集権、官僚支配など。
アメリカに見放され、逆に反アメリカの日本、さらに大国となった中国に怯える日本。
核武装に走ろうとしている姿は、何気にアメリカ追随すぎるの現代日本を警告しているのかな?
それは、経済や時代に精通している村上龍だからこそかける。

占領軍に立ち向かおうとするのが、いわゆる社会不適合な危ない少年達。

とても凝っていて、壮大なストーリーだと読みながら何度も感心した。
特に福岡が舞台なので、福岡人には描かれている風景が普通に浮かび、現実感が溢れる。

この小説を通して、思想が注入されるようだ。同時に知識量、考え方に圧倒された。

面白い。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.328
(5pt)

すごい!

時代背景がすでに勉強になると思う、住基ネットや、物流、中央集権、官僚支配など。
アメリカに見放され、逆に反アメリカの日本、さらに大国となった中国に怯える日本。
核武装に走ろうとしている姿は、何気にアメリカ追随すぎるの現代日本を警告しているのかな?
それは、経済や時代に精通している村上龍だからこそかける。

占領軍に立ち向かおうとするのが、いわゆる社会不適合な危ない少年達。

とても凝っていて、壮大なストーリーだと読みながら何度も感心した。
特に福岡が舞台なので、福岡人には描かれている風景が普通に浮かび、現実感が溢れる。

この小説を通して、思想が注入されるようだ。同時に知識量、考え方に圧倒された。

面白い。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.327
(4pt)

結構リアル

まったくのフィクションなのですが、「こういう状況はありかも」と思わせる展開がなかなか良かったと思います。
イラク戦争後なかなか収束しない中東情勢からアメリカ経済の弱まり、日本へ波及して弱体化したところへ、北朝鮮の部隊が遠征軍と称して侵攻してくる、それに対して日本政府はまともな対策が取れないといった辺り、リアリティを感じました。
ただ、皆さんも書いてますが、前半(上巻)は「これは」と思わせるのですが、後半になってくると、「それはやはり無理があるだろう」というような感じになってきますね。
まあフィクションなのでそれはそれでありなのですが、前半が良かっただけにちょっと残念と言う感じでしょうか。

でも、平和ボケの今の日本の状況に「日本人よもう少し危機感を持て」という警鐘を鳴らしてるような、そんな作品です。
改めて日本の危機管理を考えさせられます。

【2009/01/20 追記】
本書の冒頭の描写と、この年末年始の日比谷公園の状況を見比べて、だんだん似たような状況になってきたと感じられるのは私だけでしょうか・・・?
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.326
(4pt)

結構リアル

まったくのフィクションなのですが、「こういう状況はありかも」と思わせる展開がなかなか良かったと思います。
イラク戦争後なかなか収束しない中東情勢からアメリカ経済の弱まり、日本へ波及して弱体化したところへ、北朝鮮の部隊が遠征軍と称して侵攻してくる、それに対して日本政府はまともな対策が取れないといった辺り、リアリティを感じました。
ただ、皆さんも書いてますが、前半(上巻)は「これは」と思わせるのですが、後半になってくると、「それはやはり無理があるだろう」というような感じになってきますね。
まあフィクションなのでそれはそれでありなのですが、前半が良かっただけにちょっと残念と言う感じでしょうか。

でも、平和ボケの今の日本の状況に「日本人よもう少し危機感を持て」という警鐘を鳴らしてるような、そんな作品です。
改めて日本の危機管理を考えさせられます。

【2009/01/20 追記】
本書の冒頭の描写と、この年末年始の日比谷公園の状況を見比べて、だんだん似たような状況になってきたと感じられるのは私だけでしょうか・・・?
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.325
(4pt)

よく取材している

話がおもしろいよりよく取材しているなあというのが率直な感想である。
最期には参考文献として様々な書籍がのっている。また現地の人、脱北者の方への取材もかなりしているなという印象。
日本という国を占拠しようと思うなら新幹線テロを起こすんじゃなくて離島を占拠すれば一発だというとこを読んでそりゃそうだなと妙に納得した。
村上氏はこの本を書き今の日本政府に対しての危機意識の欠如を喚起したのであろう。こういう状況になれば取るであろう日本政府の対応が本の中で現実の物としてありありと感じられた。
ただいつも村上氏の本を読んで思うのだがそういった現実を描いている反面妙に出てくる人が漫画チックで浮いている感じがする。今回も主役となる人物たちが現実ではめったにいないであろう個性を持った人物たちであった。
面白かったが少し違和感のある作品であった。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.324
(4pt)

よく取材している

話がおもしろいよりよく取材しているなあというのが率直な感想である。
最期には参考文献として様々な書籍がのっている。また現地の人、脱北者の方への取材もかなりしているなという印象。
日本という国を占拠しようと思うなら新幹線テロを起こすんじゃなくて離島を占拠すれば一発だというとこを読んでそりゃそうだなと妙に納得した。
村上氏はこの本を書き今の日本政府に対しての危機意識の欠如を喚起したのであろう。こういう状況になれば取るであろう日本政府の対応が本の中で現実の物としてありありと感じられた。
ただいつも村上氏の本を読んで思うのだがそういった現実を描いている反面妙に出てくる人が漫画チックで浮いている感じがする。今回も主役となる人物たちが現実ではめったにいないであろう個性を持った人物たちであった。
面白かったが少し違和感のある作品であった。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.323
(4pt)

近未来小説の傑作

「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞を受賞した時に
サイン会で受賞作にサインをもらって以来のファンである。
最近は彼の著作はあまり読んでいなかったが、本作は
話題になった本であり、文庫本になったのを機会に読んだ。
筆者渾身の大作である。日本社会の矛盾を見事に突いた
小説。北朝鮮に福岡ドームをハイジャックされ、観客を人質に
とられた。そして福岡全体を占領され、日本から独立すると言う。
エピソード毎に主役が変わるのがいいのか悪いのか判断できない
が、著者は意図的にそれぞれの立場から事件を描こうとしたと
思われる。ストーリーの展開を違った角度から描き立体像を
浮き彫りにしている。日本社会からはみ出た若者が最も
果敢に高麗遠征軍に立ち向かうというアイロニー。
悪の権化のような北朝鮮の軍隊の兵たちがかえって純粋な
人間であることを知らされる。
息詰まる最後の爆破の瞬間。このストーリーのハイライトだ。
映画化が望まれるが、多分政治的配慮からないと思う。
行間がなくて文字がびっしりで読みにくいのが
唯一の難点だ。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.322
(4pt)

近未来小説の傑作

「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞を受賞した時に
サイン会で受賞作にサインをもらって以来のファンである。
最近は彼の著作はあまり読んでいなかったが、本作は
話題になった本であり、文庫本になったのを機会に読んだ。
筆者渾身の大作である。日本社会の矛盾を見事に突いた
小説。北朝鮮に福岡ドームをハイジャックされ、観客を人質に
とられた。そして福岡全体を占領され、日本から独立すると言う。
エピソード毎に主役が変わるのがいいのか悪いのか判断できない
が、著者は意図的にそれぞれの立場から事件を描こうとしたと
思われる。ストーリーの展開を違った角度から描き立体像を
浮き彫りにしている。日本社会からはみ出た若者が最も
果敢に高麗遠征軍に立ち向かうというアイロニー。
悪の権化のような北朝鮮の軍隊の兵たちがかえって純粋な
人間であることを知らされる。
息詰まる最後の爆破の瞬間。このストーリーのハイライトだ。
映画化が望まれるが、多分政治的配慮からないと思う。
行間がなくて文字がびっしりで読みにくいのが
唯一の難点だ。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.321
(5pt)

作家の腕力が生みだした傑作!、続編を期待するのは欲張りだろうか?

村上龍はデビュー作の風俗的テーマや性的な皮膚感覚がついてまわるようなイメージが先行する作家、という認識だった。しかしいくつかの作品を読んで、実は力でねじ伏せるような書きっぷりができる作家なのだと感じるようになった。そしてこの作品ではさらに進化して、社会的テーマに対して、真っ正面から政治的・経済的事実を踏まえたフィクションを構築した。
 SF作家でもなく、戦記物を得意とする伝奇作家や、軍事や経済社会評論家でもなく「村上龍」が書いたことがすごく衝撃的だった。読んでみてその内容と完成度にももちろん驚愕した。兵器や戦略戦術の細部に拘らずに、反乱軍と市民両者の衣食住に目を配った定量的なシミュレーション的作風が何とも不気味で面白くてたまらなかった。
 日本社会のぬるい感じと、政府の無能さが繰り返し述べられているところは、カレル・ヴァン ウォルフレン「人間を幸福にしない日本というシステム」という本が思い出される。強い憤りに満ちた文章だ。終章、問題は解決し平和が戻ってきたシーンが描かれるが、重要なのはこの国のシステムは結局何も変わらなかったということだ。中央政府を信じられなくなり独自の道を進み始める福岡・九州、そして生き残ったコリョの広報担当官と女性兵士と莫大な資金。地域ナショナリズムが広がっていく日本の中で、残った二人が邂逅し使命に再度覚醒する時、新たな物語が始まるのではないか、と期待してしまうのは欲張りすぎだろうか。
 ところで、共和国では本書はどのように読まれているのだろうか、最後にそれが気がかりだ。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.320
(5pt)

作家の腕力が生みだした傑作!、続編を期待するのは欲張りだろうか?

村上龍はデビュー作の風俗的テーマや性的な皮膚感覚がついてまわるようなイメージが先行する作家、という認識だった。しかしいくつかの作品を読んで、実は力でねじ伏せるような書きっぷりができる作家なのだと感じるようになった。そしてこの作品ではさらに進化して、社会的テーマに対して、真っ正面から政治的・経済的事実を踏まえたフィクションを構築した。
 SF作家でもなく、戦記物を得意とする伝奇作家や、軍事や経済社会評論家でもなく「村上龍」が書いたことがすごく衝撃的だった。読んでみてその内容と完成度にももちろん驚愕した。兵器や戦略戦術の細部に拘らずに、反乱軍と市民両者の衣食住に目を配った定量的なシミュレーション的作風が何とも不気味で面白くてたまらなかった。
 日本社会のぬるい感じと、政府の無能さが繰り返し述べられているところは、カレル・ヴァン ウォルフレン「人間を幸福にしない日本というシステム」という本が思い出される。強い憤りに満ちた文章だ。終章、問題は解決し平和が戻ってきたシーンが描かれるが、重要なのはこの国のシステムは結局何も変わらなかったということだ。中央政府を信じられなくなり独自の道を進み始める福岡・九州、そして生き残ったコリョの広報担当官と女性兵士と莫大な資金。地域ナショナリズムが広がっていく日本の中で、残った二人が邂逅し使命に再度覚醒する時、新たな物語が始まるのではないか、と期待してしまうのは欲張りすぎだろうか。
 ところで、共和国では本書はどのように読まれているのだろうか、最後にそれが気がかりだ。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.319
(3pt)

長かったぁー、活字地獄。

とにかく長かった。
もう私には村上龍を読む力が残っていないのかと何度も自問自答した。
結局誰に感情移入してよいかわからず、くどくどと長い文章の中で、とっとと終われよとばかり思っていた。
内容的には、こんなに引っ張らなくてはならないものかなという疑問でいっぱい。
ディテールにこだわっているんですよというのであれば、住宅ローンを抱えた人たちのローンの支払いがどうなるのかとかというところまでこだわってほしかった。
あまりにも、のんきに暮らしすぎている。
まぁ、村上龍は、住宅ローンなど抱えていない、仮に抱えていたとしても、負担感などないから想像できないんだろうな。
いずれにせよ、若者向きの作家だな。
半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344410017
No.318
(5pt)

傑作

傑作である。

北朝鮮の特殊部隊が福岡に上陸し、市を占拠する、というアクロバティックな設定ではあるが、読ませる。作家の資質というのは想像力と表現力に尽きると思うが、両方が十分に発揮されている。

最近の「経済かぶれ」で誤解されているかもしれないが、村上龍は基本的にラディカルな作家である。ラディカルというか、アナーキーと言った方がよいかもしれない。つまり、国家とか、大組織とかいうものをあまり信用していない。運命は自分で切り開けるし、切り開くものだと思っている(はずである)。経済の知識とかお金というのはあくまでそのためのツールでしかない。

最近では、軟弱な世相を反映してか「人間いくらがんばっても運命には抗えない」みたいな、Yoshi君とか『世界の中心で、、、』みたいな作品群が人気を博しているが、改めてラディカルな作家として村上龍を位置付けてみると、この小説はそういう考え方へのアンチテーゼを示しているとも言える。ちなみに、別に「運命」の箇所は、「家族」でも「国家」でも「組織」でも「遺伝子」でも、何か抗いがたいものであればなんでもよい。「そんなの関係ねえ」っていうのが村上龍の基本的な態度である。

何か困難に対面したときに、人間は何か抗いがたい大きなものへ原因を求めがちである。「運命だから」とか「家のしきたりだから」とか「会社が言うんだから仕方ないでしょ」とか「わたしって何食べても太っちゃう体質なのよね」とか「おれだって生まれつきこの顔だから文句いうなよ」みたいな。そんなの関係ないのである。いや、そう言い切るとちょっと苦しいが、少なくとも、200年前に比べたらあんまり関係なくなってきているはずである。

『半島を出よ』というタイトルは、もちろん半島を出て日本にやってきた北朝鮮特殊部隊員(めちゃくちゃ優秀である)のことを想起させるが、彼らが真に出るべきだったのは、北朝鮮という国家の軛だったのかもしれない。また同時に、「半島」というのは、日本人が知らぬ間にひたっている、なんだか軟弱な運命論のことなのかもしれない。
半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344410017