ねじれた家
評判
ねじれた家の評価:
4.02/5点 レビュー 60件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 41〜60 3/5ページ
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ねじれた家の評価:
4.02/5点 レビュー 60件。 B ランク
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思えばつまらぬ人生を送ってきました。
それはさておき、少し前に『スタイルズ荘の怪事件』を読み「さすがクリスティ!評判にたがわぬ大作家だ!」と思ったものでした。
子供の時にホームズを読んだ程度でミステリーにさほどの造詣もない私でも、初めてのクリスティに大きな期待を持ち臨み、そうした期待をはるかに上回る感動を味わえた傑作でした。
さぁ、次は何を読もうか?引き続きポワロシリーズ?と思っていたところアマゾンからレビューの催促があったこの作品を読みました。※Kindleのクリスティフェアで買いだめしましたので。
「スタイルズ荘の怪事件」で心構えはできたつもりだったので、「さぁ来い!」とばかりに意気込んで読みましたが「そ、そう来たかぁ!」と、なるほどクリスティは生半可な心構えでは到底太刀打ちできない作家でした。
別段、私はミステリーファンではありません。最近はいい年こいてライトノベルばかり読んでいます。
そんな私がクリスティのこの2冊に感心したのは、ミステリー・トリックもさりながら物語への人物の織り込み方の巧みさにです。
人の所業とは思えぬ“巧妙な殺人”を前に、登場人物たちは狭い世界でつながる身内であり、容疑者は全員が関係する人であり、身内の中で疎まれているもの・嫌われているもの、行動・発言・思想に問題があるものなどに嫌疑がかかっていきます。
隠されていた各々の本心がつまびらかにされていき、読者を作品世界にぐいぐい引き込んでいくストーリー運びは見事です。
ミステリーに限らず物語を作る作業では人物描写に無理が出てくることが往々にしてあると思います。
この2冊のクリスティ作品からは登場人物すべてに対する作家の愛を感じました。
つじつま合わせのために存在するような人は一人もいないと感じます。
誰もが必然をもってそこにあり、誰もが信念をもってそこで生き、誰もが誰かに疑念を持ち、状況に無関心ではありません。そして物語の進行とともに、登場人物たちの心の闇、隠しておきたい過去が暴かれていきます。
「これじゃぁ犯人が分かっても残される人たちの間に遺恨が残るじゃないか。。」などとは両作品ともなりません。
クライマックスでは悲しい現実を踏まえつつも、人間愛に基づいた謎解きが展開されます。
犯人を含めた全員に救いがもたらされます。救いの対象には殺人の被害者も含められます。
いつしか「巧妙に仕組まれた殺人は、いずれそうなっただろう必然を伴う事故」のように昇華されて描かれて終わります。
事故ならばあきらめがつきます。必然であれば納得もできます。
そうして愛すべき登場人物たちはすべて救われ、読者もまた救われます。
「最初から悪人などはいなかったのだ。善良な個人がなすすべもなく巨悪の前に命を散らしたのではなかったのだ。その殺人に絡み悲劇に陥った人もいなかったんだ」
トリック・ミステリーの軸がぶれることもなく、読者の心の機微までをも読み通したかのようなクリスティの筆運びには脱帽の限りです。次は何を読もうかな~^^