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疾走
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疾走の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全215件 121~140 7/11ページ
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少年、少女の持つ心の危うさを書かせたら右に出るものはいない (と、私は思っている)重松清さんの、渾身の一作です この、主人公シュウジの物語は、 ものすごくありふれた兄弟の情景から始まります どこにでもいるような兄と弟の会話・・・ しかし、話が進むにつれてその風景がどんどん霞んでいってしまいます 彼の身の回りで起こる、 十代の少年が耐えることのできないほどの凄惨な出来事 それから逃げ出し、時に受け止めていくうちに彼の心は 目に見えて変化していきます 彼の、世の中の理不尽を憎み、絶望する気持ちは それほどドラスティックな少年時代を送っていない人でも なんとなくわかるのではないでしょうか? かつて誰もが持っていたけれど、親に叱られたり 自分自身の将来を案じ、飼いならしていった心の闇 特異な環境に置かれたがゆえに、それを育て続ける道を選んだ シュウジは、読者であるあなたの、もう一つの姿です 「おまえ」という、シュウジを指す人称にドキッ!としながら 救いのない物語を楽しんでください | ||||
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上巻に輪をかけて、主人公シュウジに悲劇が降りかかります ハッキリ言って、今の日本ではありえないほどの状況に置かれます でも、それでいいんだと思います 話が進むにつれ、彼は「シュウジ」という一人の少年ではなく 心の闇に流されていく危うい少年の心の体現者になって行きます 私達にできることは、この小説を通じて自分の一部になった彼が もみくちゃにされていくのを、 心をチクチクさせながら見ていることだけです そして、彼は読者の抱える 少年時代に培った、「心の闇の残りかす」 を引っさらって疾走していってしまいます この物語を読んで、私はなんだか救われた様な気持ちになりました 彼は、きっと私の「ひとり」も抱えて行ってしまったんだと思います そして、最後の締めくくりの一文 この一文に出会えて本当に良かったと思います | ||||
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夏休みに読んでやろうとまとめ買いした中の一作品。 表紙の感じとは裏腹に結構ゆるやかにスタートしていく内容に途中で見事に裏切られる。 今までが助走だったかのように一気に流れていくストーリー。 まさに疾走。本当に久々に時がたつのを忘れて読んでしまいました。 まだ人生経験も乏しい自分です。 けれど、シュウジの生きていく様に、何とも言えない『同調』をしてしまう自分がいることに読みながら気づきます。 作者の使う「おまえ」が結構効いてるのかもしれませんが。 忘れられないのが、新田にトイレで暴行を受けたシュウジが倒れた時にもらした「おかあさん」の言葉。 ずっとここまで走ってきたけど、でも彼は、僕は、まだ子供なんだって。 これからも何度も開いてしまう作品だったと思います。 | ||||
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この小説は重松氏の中でも一番少年を追い詰めた作品であろう。兄の事件、いじめ、数々の災難が主人公に襲ってくる。追い詰められた少年は何を考え、狂っていくのだろうか。彼らに未来はあるのだろうか。 一読の価値のある作品だと思います。 | ||||
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生まれて初めて買った本をその日のうちに読み終えた。哀しい話。だけど読むのを止められなかった。この先どうなるのか?どうなるのか?主人公と共に走っている様な感覚だった。人と繋がってる。普段とても当たり前の事をすごく尊とく感じた。ただ白夜行と少しだぶっている様に感じてたので★が四つです。 | ||||
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映画化され、勝手に「軽い」感じの話だと想像していたら、 かなり重い話だった・・。 そのストーリーの中では、 「生きていくこと」「死ぬこと」を中心に いじめ、孤独、愛、SEX、暴力、罪、・・・など いろいろなテーマがちりばめられて、 話が進んでいく。 その中でもメインテーマになる「孤独」 については、シュウジほどひどくないにしても 考えさせられるところはあった。 正直、エンターテイメント性が薄く、テーマが重いため 読むのは疲れる。娯楽を求めて読むのはオススメできない。 人間関係で悩んだ時に読むと、深く心に残る作品 ★4つ。 | ||||
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どうしてシュウジはそんな運命をせおってしまったのか。 まだ幼いのに一人で重い荷物をせおう。 鬼ケンの変死、シュウイチが赤犬に、母も父も家族を捨てた。 にげおくれたシュウジだけがのこされた。 どうだっていい、ただ俺の目は穴ぼこのような目になっているだろうか宮原雄二は寂しい人間だ。 からからからっぽー・・・・・・・・ からからからっぽで死んでやる。 俺に言葉はいらない。 宮原雄二のようにおれも死のう。 でも死ねなかった・・・。 そうだ この町を出よう。もうこんなところかえってくるもんか。 どこかへ、もっと遠く 。 私にはまだはやい物語だとおもいますが、手越くんが演じているのを 考え、下もよんでいる途中です。 みなさんにもわかってほしい。 シュウジの物語を。 | ||||
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現実を生きる事の苦しさ 起こりうる事の残酷さ まさにこの世の負の部分を描いた作品 人生を楽しんでいる人や、心に深い傷を負った事がない人が読むと ただの暗い話と捉えてしまうかもしれませんが 過去に何かしら死を意識するような出来事に出会った事のある人や トラウマを抱える人にとっては ものすごく共感する事の出来る作品だと思います こういった題材の物でそれでも最後はハッピーエンドという作品が多いですが 実際には現実は酷く残酷なものであるという真実を描いた傑作です | ||||
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ものすごい小説だった。 内容の全てを受け入れきれてない自分がいる。 生きるとはナンダロウ?? 人間は弱くて一人だ。 しかし、一人ぼっちではない。 自分のことを想ってくれる、家族がいて、友人がいて、恋人がいる。 あたりまえに思っていたが、ものすごく大切なものだと改めて考えさせられた。 人とつながることが煩わしく感じられる昨今の世の中だが、果たしてそうなのだろうか? この本を読めばそんなことはないと考えせられるだろう。 重松さんの作品の中で一番好きだ。 この作品を読むと本当にたくさんのことを感じ、考えさせられる。 ぜひ、あなたにも感じて欲しい。 私は、絶望ではなく、光に包まれて生きていきたい。 | ||||
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あなたが子供心を残している人ならば、痛い痛いと心が悲鳴をあげるはず。すべての子供が身近にいる大人にぜひ読んで欲しい。もしあなたがページを括る度に泣いているならば、身近な子供や少年少女たちにあたたかく接して欲しい。 映画化されたと聞いたが、映画を見る前に自分のイメージを駆使して、ぜひ読んで欲しい。それから映画を観ても遅くはない。 そして余裕があるならば、東野圭吾「手紙」、乃南アサ「晩鐘」と現代日本文学の同じ「罪と罰」テーマとぜひ読み比べて欲しい。 | ||||
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中学生の多感な時期のシュウジに次々と襲いかかる不幸。 読んでいて気持ちが悪くなるくらいの不幸にもシュウジは「ひとり」で受け止め、でも心の底では誰かと「ひとつ」になりたくて、あがく。 読み進みながら、何故に人はこんなにも残酷で、無慈悲で、そして無力なのだろうと悲しくなってしまう。 そして、衝撃のラストシーン。 しかし、最後にはシュウジが残した希望が、「ひとり」だった人たちを「ひとつ」にした。 同じく多感な時期を過した男性としてシュウジの気持ちにとても共感でき、 そしていつか多感な時期を迎えるであろう息子を持つ親として現代の中学生の悩みや苦しみを十二分に理解できた。 重松氏の著書のなかでも最高傑作と言えると思う。 読んでいる途中は本当に読むのが辛くなるくらい切なく苦しい物語だが、読破後は心に光が射すがごとく幸福感が得られる。 | ||||
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この著者はなんて残酷だろう… そう思う程、少年達の深い傷と、絶望の連続に心が痛く、苦しくなりました。 それでも最後まで読みきったのは、深い深い悲しみの奥に、 少年の優しさと純真な心ゆえの、美しさが添えられていたから。 重いテーマでありながら、優しく諭すような表現で少年少女の心の叫びが綴られたこの物語こそ、 孤独と向き合い、現代を生きる「弱いにんげん」のバイブルなのだと思います。 | ||||
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私がこの作品を読んだ当時、私はシュウジやエリと同年代でした。 徐々に、まるで歯車の1つが狂ったかのように、 シュウジの世界が崩壊していきます。 少年達や世間の差別に対する意識も、 見事に描き出されています。 そしてあまりに見事すぎて、 私たち読者さえも、傷つけます。 読み進めながら、 もういいじゃないか。 シュウジ、もうやめなよ。 エリ、もう、やめてくれ。 心の中でどれほど叫んだか。 何度、涙を流したか。 シュウジ何故お前なんだ。 できることなら、替わってやりたいほどに、 狂った歯車は容赦なく彼らを痛めつける。 | ||||
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なぜおまえは疾走しなければならないのか?なぜ、そんなに生き急がなければならないのか?じわじわと壊れていく家庭に、何もできず、目をそむけるだけの無責任な親。壊れていく家庭のアリ地獄の中でなんとか生き延びようと、もろい砂にしがみつく主人公のシュウジ。 正直言って、悲しくて、どうしようもなくつらい作品だった。けれど、ページをめくる手を止められず、一気に読んだ。「誰か、いっしょに生きてくれませんか?」これは、思春期の子供たちの悲鳴のように聞こえた。誰か、堕ちてゆくシュウジを救ってやれなかったのか?まわりの大人は手を差し伸べてやれなかったのか?(特に、「おまえ」と呼びかけ続ける神父の無力さが私には歯がゆくてたまらなかった) 未成年の悲しい事件が頻発する現代社会において、本作はフィクションでありながら、フィクションとして見過ごすことのできない、胸に迫る切実なものがあった。 私は、読みながら、白夜行のリョウジとユキホをふと思い出したが、彼らの内面は(小説の中では)よく見えなかったのに対し、シュウジの思いは手に取るようにわかる。それだけに、よけい悲しい。 主人公は中学生だが、中学生に読んでほしいかどうかは微妙。むしろ、中学生を持つ親には、ぜひぜひ読んでもらいたいと私は思った。 彼らの鬱々とした思い、苦しみ、葛藤、あたりまえの性衝動を少しでも理解してもらえるように。 重松清はスゴイと唸らせる作品だった。 | ||||
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荒唐無稽とはいいませんが、非日常的な出来事が続きます。 一歩間違えば、ただの別世界の話として終わってしまう(極道ものなんかがまさにそれ)のですが、 そうはさせないところに、著者のうまさを見ました。 | ||||
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表紙が怖い。読み始めるともっと怖くなる。 別にホラー小説ではないのだけれど、いじめやひきこもり、 少年犯罪など、病んだ現代を象徴する出来事が作り物ではない 恐怖を与えるからだろうか。 つながりたい。と、お互いが想い合わないと家族まで崩壊する現実。 すさんだ心に付け入る凶器に満ちた快楽と、暴力の数々。 それらが痛々しくて、目を覆いたくなった。 最後まで読むのが苦しいが、ラストは一読の価値がある。 暗闇の中に希望の光が灯った、とでも表現しようか。 背表紙にあるとおり、比類なき感動のラストの期待は裏切らない。 | ||||
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読み終えた時は、ただ呆然としていました。今まで、たくさん本 を読んできたけど、ここまで衝撃を受けたことはなかった。 読み終えて、この本のことえを考えているうちに、だんだん涙が あふれてきました。本を読んで泣くことなんて初めてで、泣いてしまった私自身驚きました。誰か一緒に生きてください、というシュウジの 想いに、私の涙が枯れることはありませんでいた。 きっとこれから生きていくなかで、たくさの本を読むだろうけど、 ここまで衝撃を受けることはないでしょう。 主人公と同い年の私は、大人だけでなく、今の中高生たちにも読んでほしい、と思いました。 | ||||
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重松氏のは「その日を前に」を先に読んでしまったので、出だしを読んで、「なあんだ。またこんなかんじ?」なんて思ってタラっと読んでたら、ずんずんと深くなってきて、少しずつ読んでいたペースが、急に手放せないくらい先が気になってしまった作品です。 後半は一気によみました。 映画のように映像がでてくるような文章だったので、ドキドキしながら読めました。「聖書」の文章はあまり興味がないせいか乱読しがちでしたが、それでも話は最後までいけましたよ。 | ||||
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ぼろぼろと崩れていく家庭と社会。上巻の象徴であった「ゆめみらい」がなくなったことはまさにシュウジの夢も未来も破壊してしまった。 彼が頼ったアカネもエリもシュウジと同じであった、「お前はオレ」であるように。下巻全編にあふれる苦しさ切なさはもう読んでいて胸が痛い。底無しの絶望がつつみこむ。まずしさの為に廃棄場で暮らしている子供たちのような絶望をうけいれた瞳を思い浮かべてしまった。若気の至りでもなく、生まれを呪うでもなく、彼らはある決断から光を求めようとした。 「おまえ」と話していた語り部が誰だったのか納得し、「ゆめ」と「みらい」がなくなっても「のぞみ(望)」という新しい命が唯一の光であるようなエンディング。重いけどこれはこれで受け入れよう。 | ||||
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この物語のキーワードは「ひとり」で、「孤立」「孤独」「孤高」と言う三つの言葉のどこに対応するのかが問題になり、それぞれを定義をする場面がある。 主人公は、兄の放火事件から家族が崩壊し、「ひとり」になってしまう。そんな彼が、同じような「ひとり」の人間を見ながら自分のあり方を模索してゆく。その心の裏には「ひとり」と「ひとり」が繋がって、「ひとり」を脱却したいという意識がある。 とにかく、重いテーマの小説であるが、上下二分冊になっている上巻はどちらかというと観念的であるが、下巻は動きがあって読みやすい。物語は、ヨブ記の引用や「ひらがな」表記の利用が効果的に使われており、実際の内容以上に具体的なイメージがしやすい作品になっている。 | ||||
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