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疾走



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【この小説が収録されている参考書籍】
疾走
疾走 上 (角川文庫)
疾走 下 (角川文庫)

疾走の評価: 4.14/5点 レビュー 273件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全215件 201~215 11/11ページ
No.15:
(4pt)

ため息

圧倒的な筆力で一人の少年の生を描いた一冊。その人生は破壊的で絶望的。
それでも、ほとんど突っ走るように読めてしまうのは筆者の実力と、少年が心の底で求めている光を僕が持っているからだろう。その光に彼も辿り着けると信じさせるほど、彼はある意味で純粋なのだから。
それだけに読み終えるとため息が知らず知らず零れてしまう。途絶えた命と新たに始まる命に…。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.14:
(4pt)

一人

誰が最初に言ったんだか知らないけれど「人は産まれるときと、死ぬときは結局一人。」みたいなこと。それって、それ以外のときは一人じゃいられないってこと?この本はそんな気がします。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
4048734857
No.13:
(5pt)

内なる”言葉”

この本には聖書からの”言葉”が数多く引用されている。古のイエスキリストは人間の罪を一身に背負い、それを償うため死を迎え入れた。キリストの”言葉”は彼を囲む弟子たちによって記録され、長い年月をかけて広められていく。彼の”言葉”は世界中の罪に苦しむ人たちの支えとなり、救いとなった。我々と同じ時代に住むこの本の物語の主人公はキリストのような聖人では、もちろん、ない。にもかかわらず、家庭崩壊、いじめ、暴力、セックス、人殺しなど望みもしない罪を次々とかぶせられ身を落とし、悲惨な結末を迎える。彼は孤独の中で聖書の”言葉”を読みつづけ、最後まで内なる”言葉”をもって”にんげん”とつながっていようと苦闘する。その”言葉”と生き様は最後まで彼を見守る人たちによって書きとめられ次の世代に伝えられていく。。。主人公の破局は現代社会に住む我々にとって贖罪の意味をなし得たのだろうか?それは私にはよくわからない。ただこの物語からは、「生きていくためには”にんげん”とつながっていなければならない、そしてそのためにはどんなときでも”言葉”を失ってはいけない」、という作者の強いメッセージが伝わってくる。主人公の”言葉”を受け継いで生きてゆこうとする人たちを描いたラストが限りなく心地よい。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.12:
(4pt)

幸せな人は読まないほうが?

まず感想。とにかく痛い。心がきりきり痛くなる。地域差別といじめが物語の重要な要素になっているが、とても痛いと感じた。地方の差別の皮膚感覚というか、実感のこもった差別がよく書かれていると感じた。舞台は恐らく鹿児島あたりかと推測されるが、差別の構造はどこも似ていて、差別する側とされる側がその地位になんとなく甘んじている感じがした。主人公の少年は自らの意思と関係なく不幸の道を歩まされ、誰かに助けを求めればもう加速度的に不幸になってしまう。結末はうーんんん・・・・そうか・・あああ虚無感・・救いはないのかよーはああ・・。て感じでした。物語の中の神父さんの存在が、本当に救いになります。ホントに神父さんがいなかったら読めませんわ、救いようが無くて。ちなみに感銘も神父さんが届けてくれます。後、読後感は、九州で時折起こる死ぬほど残忍な事件をニュースで見たときのような、怖さですな。たぶんこの本を読んで感じた閉鎖性が日本の正体で、それですべて昨今の年少者の起こす猟奇的な事件から何から、説明できてしまうような曖昧な確信をもってしまう曖昧な日本人の曖昧な・・・・・・
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.11:
(5pt)

live through this

一気に読んだあと体がずっしりと重くなって疲れた。おそらくにんげんの生が剥き出しになってリアルだからだと思う。生きるということがきれにオブラートに包まれて、メディアから、教育から流され続ける僕達の社会。嘘臭くて、反吐がでる人間関係。摩擦係数が少なすぎて、表面がつるつるな偽りの現実を生きている。嘘をついていない物語は疲れるのだろう、そして生きるということも。読んだら自分の中で何かが変わりそう。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.10:
(5pt)

これだから読書ってやめられない

重松清は初めて読んだ。暗くて重い、気がめいるようなストーリーは好きではない。なのに目が離せず、タイトルのように読みぬけてしまった。ラスト2~3ページにさしかかるとそれまで全く無かった感情が突き上げてきて泣いてしまった。本当に人間とは愚かで悲しい存在で、だからこそ心を動かされるのか。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.9:
(4pt)

心の励みにはなりました

強い、強すぎる15歳。孤独に対して、ここまで強く立ち向かえる人間が実際にいるだろうか?私などシュウジやエリの足元にも及ばない。
話的には、ヤクザの新田と絡みだしたころから、そこまで展開しなくていいのにと個人的に思いました。
でも面白かったです。好きな作家の好きな小説の一冊です。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.8:
(5pt)

この小説は装丁の表情そのものだ

装丁を見て衝動買い。主人公シュウジ、エリ、兄シュウイチ、牧師、殺人者の牧師の弟、夜逃げした父、ギャンブルに堕ちた母、ヤクザの鬼ケン、友人徹夫、アケミネエさん・・・誰もみな深いを背負い深い淵から這い上がれすもがいている。この小説は装丁の表情そのものだ。この世の中に幸せなヤツなんていないし誰もが自分の不幸と戦うことだけで必死だ。希望は新しい命だけ、子供たちだけがこの世の中を良くする可能性を持っていると思わせる。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
4048734857
No.7:
(5pt)

重松清の新境地

本書は、これまでの重松作品とは一線を画した、狂気と死とが濃縮された物語。瀬戸内の干拓地で、家族や地域からもはみ出した少年・シュウジは、聖書と、2本の足で走ることのみで孤独という地獄に耐えている。しかし、バブル景気のあおりが故郷を直撃し、彼の運命も大きく狂っていく……。 まず、これまで作風が一変し、人間の醜さをえぐり出すよう展開に驚きましたが、新たな重松ワールドとしては評価したいと思います。同じく少年犯罪をテーマにした『エイジ』とは対極の重苦しさがありますが、他人との繋がりを渇望する主人公の心情はよく表現できているとも思いますし、重苦しい展開だったからこそラストが活きています。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.6:
(4pt)

悲痛の極み

ここのところ、寂れゆくニュータウンを舞台に、物語を展開してきた重松氏。今回は目先を変えて地方都市のベイエリア。語り口も、父親が語り部となる従来のスタイルかと思いきや、読み進むにつれ、第三者であることに気づかされる。「街」が壊れ、「家族」が壊れ、「にんげん」が壊れてゆく。救いようのないストーリーは、重松氏の作品史上最も悲痛を極める展開を見せる。一筋の光明を求めて疾走する主人公と並行して、彼への救い願う読者はいつの間にか陰の伴走者となる。長編ながら一気に読ませる筆者の力量は本作でも確かである。故郷へ帰る主人公、読者にもかすかな期待を抱かせる。なのに…。ヘビーな読後感を残し、物語は幕を閉じるが、新しい命が唯一の救いとなろう。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.5:
(4pt)

重松史上最も悲惨

海辺のごく一般的な家庭が、ほんのちょっとした躓きから暗闇に落ちていく物語です。
今までの重松さんの作品はごく一般的な人間を主人公にしてきましたが、「疾走」では新聞に載るような犯罪を犯してしまう人間を主人公にしているので、トワイライト・流星ワゴンとは「重さ」が桁違いです。読む方は覚悟してください。しかし、悲惨が故にラストでは目に涙をうかばさせられます。前半は間延びしてしまった傾向があるのと、聖書が引用されているのですが、その部分が難解なので星4つとさせて頂きました。聖書の引用の部分は深く理解しなくても問題ないので、難解と思われる方は流し読みしても良いと思います。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.4:
(5pt)

「ひとり」

深さ、種類の差こそあれ、誰もが抱える「不幸」。
しかしシュウジのそれはあまりにも悲惨で救いの無いものです。短く、絶望的な人生を「駆け抜けて」いったシュウジの物語。
最後に自分でも予想しなかった程の涙があふれ、とまらなくなってしまいました。時間をおいて「また、読まなければ」と思わせる一冊です。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.3:
(4pt)

絶望の果てに心に残るもの。

誰かとつながりたいと望みながら暗闇を生きる少年。その少年のまえに現れるいくつかの希望の光り。しかし、それは少年がつかもうとするとサッと消えてしまい、さらに暗闇に拍車をかける。こうまでして次から次へと不幸が押し寄せてくると、読みながら次もまた上手くいかないんだろうなと分かってしまう。最後まで重苦しい雰囲気が漂っていますが、最後の文章を読み終えたとき、読者はその重苦しさの中に何かを得るはずです。是非、一度よんでみてください、お勧めします。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
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No.2:
(5pt)

リアルだからこその痛み

この物語を一言で表現するなら「痛み」。
単なる少年犯罪でもなくて、家庭崩壊でもない。
その少年のあまりにも強烈で速く駆け抜けすぎた生が突き刺さります。本の帯には「現代の黙示録」とかかれていますが、現代の日本にいくつでも転がっていそうなリアリティを持つ分、聖書の「ヨハネの黙示録」よりもよほど怖いです。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
4048734857
No.1:
(5pt)

人と人とのつながりをみごとに描ききった意欲作!

毎回重松清の作品にはホロリとさせられ、読後に爽快感が残る。今回もそんな期待を持って新作を読んで見たところ…これが大違いでびっくりした。作品は短い人生を疾走した少年を中心に描かれている。
仲が良かった兄は精神に異常をきたし、父は失踪、母はギャンブルにはまった上に借金漬け。主人公はいじめに合い、やがて…。家族や人と人とのつながりを深く、そして温かい目で見つめるその姿勢は変わらないのだが、主人公、そして彼の周囲で起こる事件はあまりにも暗く、せつない。時には新堂冬樹ばりのダークな描写もあり、「これが重松清の作品?」と思うような場面もあったが、その暗さとはうらはらに一気に読むことができる。読後に爽快感が残るとは言いがたいが、この手のテーマを描かせたら!この作者はやはりうまい。みごとな意欲作であると言うことができると思う。
疾走Amazon書評・レビュー:疾走より
4048734857

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