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西巷説百物語
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西巷説百物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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面白い。林蔵の話 | ||||
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一気読み。登場人物と一体化するほど面白かった。 | ||||
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第4作『前巷説百物語』で大分存在感が増した、靄船の林蔵を主役に据えたスピンオフ的な第5作。第6作『遠巷説百物語』を含め他は6編構成なのに対し、本作は例外的に7編構成となっています。本作第1編「桂男」からして第1作第1編「小豆洗い」のオマージュのような雰囲気が有、本シリーズ特有の妖しい世界観にのみ込まれて行きます。林蔵が「これで終いの金比羅さんや」と決めれば、喪黒福造(笑ゥせぇるすまん)のドーンよろしく、ターゲット or 依頼主の「運命」が定まります。第7編「野狐」は「帷子辻」に並ぶくらいにもの哀しく…。 | ||||
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今までの巷説百物語でちらほらと登場していた林蔵が主人公の物語群です。これまでの”前”巷説や”後”巷説のように時代を以前に遡ったり、または先に進んで江戸から明治になり、山岡百介の思い出物語になったりするのではなく、時代は同じで、事の起きる場所が江戸から大阪に変わっています。これまでのような大掛かりな仕掛けはなく、数人で芝居を組んで物事を解決するといった話ばかりで、その分確かにスケールが小さくなっているので、物足りなく感じる人もいるかもしれません。 この物語でなんといっても特徴的なのは、会話のすべてが関西弁になっていることです。京極氏の文章は、会話と他の部分の繋ぎ方に独特のリズムがあるのですが、その流れが読んでいてなんとも心地よいです。自分は関西の人間なので特にそう感じるのでしょうが、他の地方の方はどうなのか気になりました。京極氏は北海道生まれなのでほぼ標準語のイントネーション育ちだと思いますが、この作品の関西弁はほぼ完璧なので、すごいなと思いました。 この「西巷説物語」が今のところシリーズの最終作になっていますが、「後巷説物語」で時代は明治になり、すでに主要メンバーのほとんどが亡くなっているであろうことが暗示されているので、もし続編が書かれるとしたら、スピンオフ的なものでないと無理、ということになると思います。とても気に入っているシリーズなので、ぜひ続けていっていただきたいのですが・・・。最後の「これで終いの金比羅さんやで。ほなさいなら」の文章に、なんだかしみじみとしてしまいました。 | ||||
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怖がりの私ですが、 怖いのにゾクゾク・ビクビクしながら読んでます。 夜中なトイレは電気点けまくりで、ヒンシュク物ですが!! | ||||
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大坂屈指の版元にして、実は上方の裏仕事の元締である一文字屋仁蔵の許には、数々の因縁話が持ち込まれる。いずれも一筋縄ではいかぬ彼らの業を、あざやかな仕掛けで解き放つのは、御行の又市の悪友、靄船の林蔵。亡者船さながらの口先三寸の嘘船で、靄に紛れ霞に乗せて、気づかぬうちに彼らを彼岸へと連れて行く。「これで終いの金比羅さんや―」。第24回柴田錬三郎賞を受賞した、京極節の真骨頂。 | ||||
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巷説百物語シリーズはとても好きな作品です。今回は中心人物を変えての話でしたが、 おなじみのメンバーの登場もあり、私的に楽しく読ませていただきました。 | ||||
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昔読んだ記憶があり、もう一度読んでみたいという衝動に駆られて探して購入しました。 安定した、京極ワールドです。 | ||||
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星3.5くらいという感じでした。 林蔵が主役の物語。誰もが持ちうる闇の部分、けれど通常は超えないであろう一線を超えてしまい、善悪の判断、愛すらもわからなくなってしまった人をさばいていく。又市がしかけるような大がかりなものではなく、潜入し、信頼させ主として会話の中で対峙していく。 最後にオールスターの登場はあるが、又市ファンとしてはやっぱり物足りなかった。 続きを出してほしいけど、終わりなんでしょうね、、。 | ||||
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恥ずかしながら、京極夏彦さんのシリーズはこれまで読んだ事がなく、 この西巷説百物語で初めて世界に入り込んだのですが、想像以上の面白さですでに虜です。 六百頁以上にもおよぶボリュームですが、一頁として退屈することがありませんでした。 本書では七つの異なる面妖な物語がおさめられており、共通の登場人物が柱となって全体を支えています。 それぞれの物語で違った面白さ、驚きがあるのですが、 なんとも言えない、色気、匂い、湿り気のようなものが物語全体から漂っていて、 読んでいるときの心地よさを覚えました。 特に、最終話”野狐”は、すごい。 すーーっと心の深い奥まで入ってきて、読んでいて自然に涙がでていました。 女性の、というか女の、言葉には出来ない渦巻くような葛藤と淋しさを どうしてこんなに自然に描けるのか、素晴らしくて圧巻です。 | ||||
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“女ァ怖ぇ” このハナシの仕舞い『野狐(のぎつね)』読了後に感じやした。 巷説シリーズのはじまり『巷説百物語』の仕舞い『帷子辻(かたびらつじ)』とこの『野狐』は対をなす物語に思えたンで。 男の情は 惚れた女を失ったとき 地獄の底まで追い求めてその乳をねぶるの願うモノ 女の情は 惚れた男が振り向かぬとき 地獄に落としてでも振り向かせたいと願うモノ と云う構図になってるようで。 いえ、 しあわせな相方との付き合いをなさってる時はこの世の極楽でしょうし、この世の人口が70億を越えてるってぇコトは大概のお方がしあわせな相方を持ってらっしゃると云うコトでやしょう。 でも、 ちょっと何かがオカシクなったら............修羅の道 と恒に怖れてないでやすかね。 いやいや、 アナタの生きる荒波を解決するようなハナシはございません。 けれど、 今の心持ちをかえてくれるモノとも思えやす。 おっと、アタシの語りたい口が日ィ暮らしちまいそうで。 雑誌『怪』に連載されたハナシ6話に書き下ろしの都合7話。 各話80頁ほどの読み切りでやす。 それぞれ章立てが『壱』『弐』『参』『肆』『後』。 読み始め 暗がりン中ボゥと蝋燭の灯りで始まりやす。背筋に冷たいモノ感じたと思いきや、いつの間にか仕掛けに嵌まって 心の臓ォ掴まれており............ですが、最期ォ街中の雑踏......この世に皆さまを戻してくれる、 そんな造りになっておりやす。 巷説シリーズ5作目でやすが、前作知らずとも ちゃあんと彼岸と此岸を往き来できやす。 むしろ巷説シリーズの始めにおあつらえむきかとも。 読んで間違いなしの太鼓判ですぜ | ||||
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主人公が代わって、靄舟の林蔵である。 だから、御行の又市のような、 痛快な妖怪仕掛けを期待すると裏切られる。 巧みな口述でターゲットの本音を引き出すという手口は、 かなり地味ではある。 しかし、それこそが林蔵の技。 又市と比べてはいけない。 この作品は、 林蔵の技を楽しむための作品なのだから。 後半は又市ばりの大掛かりな仕掛けも出てくるが、 最後にオールスターで百介まで出てきてしまうのは如何か。 いいところを持っていってしまわれた感もある。 おもしろいのはおもしろいが、 これまでの巷説シリーズの固定観念を解いて、 新しい作品、サイドストーリーとして、 力まずに読むのが良いと思う。 | ||||
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好きになったので無条件買いです。 好き/嫌いで別れそうですが、前作を気に入ってるならアリだと思います。 | ||||
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久々の巷説物語だけど、主人公が変わってる! しかも、語られる時期がシリーズ初期と同時期 登場人物も益々増えて、原点回帰なのか? 仕切りなおしなのか? 内容も、シリーズ一冊目とよく似てるけど、 語り口が円熟味を増した分、むしろ一作目より面白く読めた気がする 作者は百作で百の妖怪を主題にするつもりだそうなので、 こりゃシリーズの最期は東西の登場人物総登場の百鬼夜行になるのかなあ? と妄想が膨らむ一冊 | ||||
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『巷説百物語』シリーズの上方版です。 本作は,シリーズの読者か否かで好みが分かれるかもしれません。 既刊シリーズと登場人物が大きく異なることに加え,作品の雰囲気が少々異なるからです。 また,本巻では,既刊のキーパーソンの一人である「山岡百介」が一話を除き登場しません。彼のようなニュートラルな立ち位置にいるキャラクターをあえて登場させないことで,「しかけ」がストレートになっており,「林蔵」の存在が際立つともいえます。これも好みが分かれるところでしょう。 ちなみに僕は全巻を読んでいますが,本作は本作なりの味があって良いのではないかと思っています。 ただ,『遺言幽霊 水乞幽霊』『鍛冶が嬶』のように,「それはないかな」と思わせるような,やや強引な筋立てが見られる作品もあり,評価を下げる方もおられるでしょう。 なお,最終話『野狐』で「又一」や「山岡百介」が登場するのは,シリーズ読者へのサービスといったところでしょうか。 最終話では,続編があるともないともいえないニュアンスのエンディングになっていますが,個人的には続編を期待したいです。 | ||||
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まだまだ続くと思っていた「巷説百物語」のシリーズ最終巻らしいです。 以前仕掛けや話の中等で少し出ていた又市の相棒「靄舟の林蔵」が主人公のシリーズなのですが、他の方が書いていたように、又市の仕掛けと林蔵の仕掛けは違いますね。 なんというか、又市の仕掛けだと読後感がしんみりしたり、ほっとしたりしたものですが、林蔵の仕掛けは何処か突き放すというか、ただ哀しいといった印象があります。 話毎の主役がその場からいなくなるからそう感じるのかもしれませんし、比較的サクサクと話が終わっていくからかもしれません。 嬉しかったのは最後の「野狐」で又市や百介を見ることが出来たことです。 もう会えないと思っていたキャラクターに会えたのはとても嬉しいのですが、これで終わりと言うにはあまりに寂しい気がします。 最終巻はてっきり「終(ついの)巷説百物語」と勝手に思っていたので… 話の大筋はついたけど、ケリはついてないように思えるのでもう一度「御行奉為」を聞きたいなぁ…と。そう思うのは贅沢なのでしょうけれども。 | ||||
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今度の舞台は関西。 仕掛けを行うのも、いつものメンバーではなく新しいメンバー。 話の組み立ても仕掛けも、ちょっと今までとは違う。 これまでは事件発生して、仕掛けを行って成敗(本人たちにその気があるかは別として)という必殺仕事人のような流れだったが、 どちらかというと「死ねばいいのに」のように、仕掛けによってあぶりだされる人間の罪といったところが描かれている感じ。 そういう意味では、やはりサイドストーリーといった趣きが強いかもしれない。 やはり又市を主役に読みたいというところだろうか。 | ||||
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シリーズ最終作らしいです。 角川MOOK『怪』零号から読み続けている者にとっては寂しい限り。 単発でも好いんで、思い出したように?復活とかしてくれないでしょうかね。「語られざる話」みたいな感じで…。 というか、又市が初登場したのは『嗤う伊右衛門』でして、この「百物語」シリーズは謂わばスピンオフ風に始まったというか。 「江戸噺シリーズ」(勝手に命名。気にしないで下さい)はまだ続くようですので、厳密には又市一味の姿は消えてない、と思いますけど。 楽しみにしてます。 で。 又市の義兄弟こと〈靄舟の林蔵〉を主人公として紡がれた、これぞ所謂スピンオフ、かも。 単行本書下ろしの最終話に又市ゲスト出演してます、因みに。 はい。 又市と、林蔵の遣り方は、口車に乗せてどうにかするという意味で共通項はあると思いますが、 実はそのベクトルは対照的という気も。 又市が、八方塞の状況を解きほぐして再構築するという過程《プロセス》を辿るのに対して、 林蔵は、「なるように為してしまう」というか。 必ずしも改「善」はされてないですが。 でも好いんです。前に進めます。 なんなら人情噺っぽくもあります。 これで最後かリクエスト殺到か。 勿論、続篇を心から望む所の一ファンなのでした。 | ||||
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「巷説」シリーズも五作目。 今回は、舞台を大阪に移しての物語です。 主人公は、靄船の林蔵です。 月の魔性を扱った「桂男」、死人の供養を怠るとどううなるかという「遺言幽霊 水乞幽霊」、狼の血を引く刀匠を扱った「鍛冶が婆」、夜の楽屋の人形争い「夜楽屋」、骸に踊らされた庄屋の凶行「溝出」、赤子を育てた豆狸「豆狸」、そして奸計を巡らし自分の首を絞めることになった「野狐」の7作品が収められています。 このシリーズの魅力は、何と言っても摩訶不思議な世界の様に見えながら、人間の「業」を見事に描ききっているところでしょう。 しかも、そこに登場するキャラクターが魅力的です。 そのあたりが、どちらかと言うと暗くなりそうな話を、それほどでもなくさせている大きな要因でしょう。 どの一編を取り上げても読みごたえのある面白い話ばかりです。 流石「京極ワールド」。素晴らしいです。 | ||||
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元々巷説シリーズは愛読しておりましたので、今回も期待して購入致しました。 読了して感じたのは、又市と林蔵の仕掛けは似ているようで違うものなんだなあということです。 又市は、なんとか人死にが出ないように気を配り、そういう図面を引いていたような記憶がありますが、林蔵はあまり人死ににはこだわってはいないように感じました。仕掛けにも性格が出るのだなぁと。 上手く言葉にできないのが恐縮ですが、今作の林蔵に対しては「無常感」とでもいいましょうか、そんなものを感じました。 前巷説の時の彼より、かなり深み(暗さ)があるキャラクターに成長しています。 本当に巷説は魅力的なキャラクターばかりで、京極先生のお力には脱帽ですよ。 まだまだ続きがありそうな巷説ですが、これからも追っ掛けていきたいと思っています。 取りあえず、「千代田の大鼠」に関わる仕掛けのお話が早く読みたいです←これが出たら完結してしまいそうですが(笑) | ||||
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