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夜の国のクーパー
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夜の国のクーパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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いい、すごくいいです。 実は、途中まで、ちょっと読み進みにくさを感じていたのですが(物語の上での状況の困難さに読み進めたい気持ちと読み止めたい気持ちが葛藤してしまって……。決して文章や内容が悪いわけではないです。)、ラスト100 ページの間に目を見開くようなことがダンダンダンッと起こって(明らかにされて)、最後はすっきりと言うか感動というか、ちょっと泣けてしまうほどでした。 役に立たないレビューですみません。でもすごく良かったです。お薦めです。 | ||||
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私の第一印象は「夜の国のクーパー」とは一体なんのことだろうか。ということだった。本書はある動物の視点で進んでいく。それにより、物語にテンポが生まれ、又人間とは全く違う生活による考え方の違いがユーモラスで興味深いものだった。 あともう一人の主人公を挙げるならば、一人の男性だ。彼は妻に浮気をされた冴えない一般男性である。私たちの世界と同じような世界に住んでいた人物。彼の考え方は一般的で共感がしやすく、物語にさらに引き込まれる要因となっているように思う。 本書は多くの視点変換がある。最初は謎が増えるばかりであったが、自然にだんだんと謎が解けていくのが快感だった。 そしてタイトル回収もされているように思う。 本書は童話的だがひどく現実的でもある。 人間の感情や主人公が動物であるがゆえにむき出しな感情。 情景までが思い浮かぶような、ラストまで疾走感溢れる物語である。 現代社会で疲れ、大事なことを忘れている大人たちにぜひ読んで考えてみて欲しい。 自分にとって大切なものはなんであるのか。 くれよん。 | ||||
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著者の作品は平行して進むいくつかの(この作品では3つ)話が最後に一つにまとまり、読了するといつも「やられた」と感じます。この本でも然り。しかも猫と鼠の世界と、人間の世界の相似など、本編にところどころ仕掛けられた伏線が「なるほど」と解せます。 いずれにしてもよくできた作品だと思います。 | ||||
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猫の視点、クーパーの兵士の視点、ある男の視点、それぞれの視点から、ある国の過去と現在が描かれながら物語が展開されていく。 おもしろくて一気に引き込まれた。鉄国との戦争の話し、クーパーの兵士の真実、透明になる話の真相、猫と鼠の駆け引きなど、様々な伏線が見事に収束していく様子が心地よく、最後まで楽しめた。 特に、猫と鼠の話は、鉄国とある国との関係を象徴していて、よく考えられていた。太古からの指令や、鼠からみた猫は災いでと雷や豪雨、病気などと同様に話ができるとは思わなかったいった話は言い得て妙だと思う。酸人の残忍さ、身勝手さも際立っていてよかった。 鉄国の兵士に支配されている状況は大変な状況なのだが、猫が語り手になっていて、人間世界の様子をおもしろおかしく説明していたので、全体的におおらかな雰囲気に包まれていたと思う。 | ||||
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めちゃくちゃ面白い、というのではなかったです。ファンタジーというスタイルを取っているため、他の作品と比べると、会話のテンポや筋の展開に少し物足りなさを感じました。でも、作者が日々考えていることがストレートに伝わって来ました。読みながら、読み終わってからも、いろいろと考えています。とても誠実な小説だと思いました。読んで良かったと思いました。 | ||||
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やっぱり伊坂さんの長編が好きです。 二年半かけて大切に育て上げた感が、しっかりと伝わってきます。 読み終わったあとは、切なさと、感動と、爽快感の入り交じった複雑な 気持ちです。 想像して、予想したことが少しずつ外れていき、また、そこが読んでいて 楽しくて仕方ありませんでした。 作者のデビュー作を思わせる事もあり、初めて読まれる方にもお薦めできる 最高の小説です。 | ||||
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全体のストーリーと様々な示唆が期待通りのストーリーでした。大江健三郎の本は読んでませんでしたが、すぐに購入しました。伊坂ファンにはお勧めかと思います。 | ||||
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あらすじには触れませんが、個人的に好きな類の話です。 他の伊坂作品と同様、気持ちよく読者を騙してくれます。 今回は2つの点で「そう来たか!」と唸らされました。 ストーリーとは別に、猫の描写が素晴らしいですね。 「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」「きょうの猫村さん」を超える 猫描写はもう出ないと思っていましたが、これは完璧。 猫が身近にいる人なら、猫描写でも唸らされること間違いなし。 他作品とリンクがないなど、伊坂ファンにとってはそのあたりが 物足りないのかもしれませんが、コアなファン以外でも楽しめる小説です。 猫や馬は何かの隠喩なのか?登場人物の名前は変わっているが 何かのメッセージが隠されているのか? などと、考えながら読む小説も好きだけど、おそらく、この小説には そういったメッセージ性はないと思われます。 純粋に面白かったな。と思える話。 | ||||
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妻に浮気をされた男が憂さ晴らしに出かけた海釣りで遭難し 漂着した謎の島で人間の言葉を話す猫「トム」に出会う 猫の口から語られた島の人間界での戦争の物語 壁に囲まれた猫の国とその国に侵攻してきた「鉄の国」の兵士たち 国家の危機に対する人々の反応を猫の視点と人間の視点、それを聞く 主人公の男の視点と多角的に語られる事によって起こっている出来事の 違った側面が見えてくる 「自分が真実だと思い込んでいるかもしれない事を疑え」という作者からのメッセージが くり返し流れてくるように何度も覆る「真実(だと思っていたもの)」は 最後には読者さえも巻き込んでいく 伊坂幸太郎のデビュー作「オーデュボンの祈り」を彷彿させるような 寓話的異世界ファンタジー奇譚 | ||||
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物語の主人公「トム」は猫であり、この国で起こった戦争と世界の秘密について猫の視点から語られます。 言い伝えによると八年前、 敵対する「鉄国」との争いに敗戦したものの、トムが暮らす国の国王「冠人」によって平和条約が結ばれ、国民たちは穏やかな日々を過ごしていた。しかし、今になって突然「鉄国」の兵士が自国に攻め込んで来て、国の信頼を集める国王が、国民の目の前で銃で射殺された。そこから物語は始まります。 まるでその場の様子を見たまま描写しているように見せておきながら、あえて大切な実態を描かない。説明不足かな? 少し誇張しているのかな? とさして気にせず読み進めて行くと、勝手に自分で作り込んだ想像とはまったく別の新事実が表れてくるのが、読んでいてすごく面白かったです。振り返れば、確かに そんなことは言ってなかったなぁ と騙されて、とっても心地いい気分にさせてくれます。 主人公が人間社会に溶け込む猫だからこそ、仲間内の猫ネットワークも含めて、人間では知り得ないような俯瞰的な情報が入ったり、逆に猫ならではの余計な視点が入って本筋から脱線していきます。途中、猫と会話のできる人間が登場したり、クーパーという怪物を想像したりと、自分の混乱した頭を整理している間にも、たさくさんの謎が生まれ、その謎を利用するかのように物語に上手く仕掛を作っていきます。 辛口のファンからすれば、ちょっと待ってくれと言いたい部分もあるのでしょうが、僕はこの物語同様、伊坂幸太郎の小説はほとんど面白いと思っているので単純に大満足しています。 | ||||
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伊坂幸太郎のファンであり、ファンタジー好きであり、猫好きである自分としては非常に満足しています。 少し不思議な世界観、ストーリー、テーマ、細かな伏線、読後感、全て良かった。 | ||||
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戦争に負けた小国では民衆が不安と猜疑心に駆られ,クーパーの兵士が助けに来ることを願っている・・・・しゃべる猫を通して語られる不思議な異国の物語。一見,ファンタジーのようにも思えますが,実は現代のイソップ寓話のような小説です。 何が真実なのか,何を信じるべきなのか,どう判断すべきか。ネット社会で,世界中の情報をすぐに入手できる今日ですが,でも,僕たちはどれだけ真実を知っているのでしょうか。それに意外と身近なことでも,当たり前のように見過ごしてきていることってあるんじゃないでしょうか。そう考えさせられてしまいます。 不思議な物語ですが,読み終わった後には,ちょっと清々しい気持ちになれる1冊です。 | ||||
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途中で少し中だるみをしましたが、彼の作品そのものという感じです。最後ラストの終わりかたが?という感じもありましたが、まあ80点評価は出せると思います。 | ||||
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デビュー作「オーデュボンの祈り」以来の寓話的作品だが趣きがやや異なる。戦争で敗れた国に住む猫のトム(人語を解する)の一人称、その国に伝わる怪物「クーパー」退治に向かった兵士達を描いた伝記的三人称、そしてその国からいったん逃げ出したトムが偶然知り合った公務員の一人称の3つの部分から構成される。物語の意匠は朧げに分かっても、各エピソードの関連性や着地点が良く見えず、特に公務員の存在意義が不明のまま読み進めて行くと、終盤急に視界が開けるという構成手法が鮮やか。物語の骨格がある古典に基づいている事に途中まで気付かせない点も巧妙(勘の良い方は公務員の初登場シーンで分かるかも)。 扱っているテーマは、大きくは国家・平和・リーダー論、個人レベルで言えば、どんな状況でも希望を持つ事や相手を信頼する事の重要性。後者は作者が良く採り上げるテーマだが、本作では特に鼠(猫と会話可能)が猫と平和交渉する辺りにその象徴を感じると共に笑えた。そして、鼠には優れたリーダーが居て(猫にはリーダー不在)、このリーダーの下で鼠が纏まっている点は前者のテーマにも通じる。また、この猫と鼠の関係は立場が異なれば考え方も全く異なるという人間心理への皮肉にもなっている。更に、信頼を強調するだけではなく、"表面的真実"を疑って見る事の重要性も再三言及されている点も見逃せない。 前者のテーマを採り上げたのは、現代日本の状況への憂慮の反映ではないだろうか。テーマは大きくて重いが、子供から大人まで楽しみながら読める様に描かれているので安心して手に取れる。作者の新境地を開いた秀作と言って良いのではないか。 | ||||
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たまたま人からもらって読みました。 書き手の発想がぶっとんでいるため、「何の物語なの!」って最初はわからなかったのですが、除除につかめてきたら、すらすら読めます。 戦争と人間の醜さとか弱さ、また優しさとか思いやり、そういうものを姿を変えて届けてくれる。 そしてエンタメ性もあって楽しいですよ。 | ||||
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人間はいつも大義の押し付け合い。平行線。 本作の猫や鼠のように歩み寄ろうという姿勢が大切だと思った。 ネタバレになるので詳しくは書けないが、誰にも知られずとも誰かを救おうとする、 その見返りを求めない愛こそが問題解決の糸口に成り得るのではないだろうか。 小さな国のガッツリとしたファンタジー要素いっぱいの作品だが、終盤に近づくにつれ考えさせられる言葉がぽろぽろと出てくる。 やや設定に入り込みにくい気はするが、飽きずに読み続けることで最後には飛び切りの爽快感をもたらしてくれるだろう。 「出かけたら、ちゃんと帰る。」 単純で当たり前のような文字列であるが、これが当たり前にできる幸せを今一度噛み締めたい。 | ||||
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最近の伊坂作品の中ではストレスを感じずに読めました。 出だしはガリバー旅行記みたいに、「私」は気がついたらぐるぐる巻きにされてた。 それなら(?)タイトルのクーパーは車のミニクーパーから?(新聞連載小説も連想し)と最初は想像しながら読んだ。でも違うか 「私」と同じく猫が胸に乗り状態で読書すると、トムの冷静さや思慮深さに脱帽し、猫のしぐさの描写には微笑んでしまいました。「仙台暮らし」に猫の話しもありましたね。 本来の性質や所属や種族、本音と建前と、中と外、利害、価値観 夜の闇に紛れ込んで真実は見えない。でもかすかな光でも捉える猫の眼があれば・・・ 半分も杉れば、なんとなくカラクリは見えてくるけど、オーデュポンの祈りを読んだときのような、気がつくと何か心の中に祈りや願いが、少しずつ少しずつ重なってくる小説でした。 そして読後感は自分にとっては「ミュージック!」 個人的には銀行強盗さんたちの演説もまた聞きたいなあ。 | ||||
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久しぶりに、伊坂さんの小説を読みました。長編でしたが、3日ほどで読みました。まず、20歳の息子が読み、次に私(50代)が読み、さらに15歳の息子も読みましたが、3人そろって(タイミングはずれましたが)「凄い」と興奮しました。 不思議な世界のお話でしたが、どこか懐かしく気持ちがしんみりとなり、だんだん正義に燃えて元気になり、ラストは爽快感100パーセントになりました。 半分あたりまでは、このバラバラの線がどう絡まっていくのか、どれが伏線でどれが伏線じゃないのか、とても掴みにくく、仕方がないからとりあえず先に進もうと読んでいくだけでしたが、後半からの展開はもう息がつけないほどの面白さで…その頃には、本をテーブルに置いておけない状態でした。 伊坂さんがこれほど猫の生態に詳しいということも驚きでした。猫のトム君は至って自然で、特にヒーローの資質が備わっているわけではないのだけど、そんな普通の存在が普通に世の中に反応しているうちに、大事な場面に遭遇すると知らず知らずにガッツリ関わって他の存在を助けることになる、人間もこんな風に普通にしていたら良いのかもね、と素直に思いました。 ファンタジーはリアルであればあるほど、面白いもの。それを伊坂さんは知り尽くしていらっしゃる。この作品は、世代を超えて、時代を超えて、楽しまれる名作です。 | ||||
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どんどん読み続けたくなる。 なのに、あの、すべてが繋がる時間になると、 終わらないでー、 と、思いながら、最後のページを迎えました。 今回も、楽しかった。 わたしは書評できるほど、読書家ではないので、一個人の単純な感想レベルですが、小説に期待するエンターテイメントとして、わたしにとって、伊坂さんの本は抜群に楽しい。 そして、いろんな事を考えさせてくれる。 下手なビジネス本より、刺激になります。 トム君がかわいくて、「私」や町の人に移入し、社会への思いを抱く。 今回も、期待どおり、楽しくてステキで、考えて。 愛する本がまたひとつ増えました。 | ||||
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エンターテインメントの皮をかぶった純文学のような小説。ジャンル分けもほとんど意味をなさない、伊坂幸太郎の小説です。 伊坂幸太郎は、どこかの談話かエッセイで「これからは書きたいことを書く」といったことを言っていたように記憶しています。最近の作品では、徐々にそうした様子が表に出てきている印象がありますが、「夜の国のクーパー」は、中でも「舵をきった」作品です。そもそもオフビートな伊坂作品の中でもとりわけオフビートな作品です。あとがきで「同時代ゲーム」の読書体験を思いおこしながら書き綴ったことを控え目に吐露しています。これまでの伊坂作品の系譜の先に位置づけようとすると若干の戸惑いがあるかもしれませんが、大江健三郎の、なかでも「同時代ゲーム」を愛する作家が書いた作品として眺めれば、すとんと腑に落ちます。「同時代ゲーム」をオマージュしても、伊坂幸太郎が書くと、こうも読みやすくなってしまうのか、という感じです。 個体どうしが関わりあうことで、家族、コミュニティ、国家といった繋がりが生じ、やがて繋がりそのものが生き物のように振る舞って、時に個体を脅かす。近年の伊坂作品で繰り返し語られているテーマが、浮気した妻と現実逃避する夫、敵国の兵士に蹂躙された町、猫と鼠といったな道具立てで重層的に語られます。非常に魅力的ですが、軽やかな語り口と語られるものごとが、きっちり噛みあっていたかといえば、若干の違和感も覚えます。 それでも、今後の伊坂幸太郎がますます楽しみになったので、☆5つにしました。 それにしても、本作の腰巻も、内容を伝えようというよりは「売れればよし」という情けないもので、この腰巻に釣られてがっかりした読者は少なくないと思います。 | ||||
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