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PK
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PKの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 1~20 1/3ページ
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「PK」「超人」「密使」の三篇を収録。それぞれの短篇はゆるやかに繋がっていて、不穏な雰囲気を醸し出す一つの作品を構成しています。 特に最初の短篇「PK」がそうなんだけど、パーツを切り離して話を並べているので、視点がくるくる切り替わるし、時系列がばらばらになってるから、話の全体像が見えづらいんですね。 逆に、ばらばらな時系列を頭の中で再構成して読むのが苦にならなければ、謎めいたサスペンス・ドラマが楽しめるかと思います。 それと、作品の中に二箇所、チャップリンの映画の台詞が出てきます。 《ひとりひとりはいい人たちだけれど、集団になると頭のない怪物だ》講談社文庫 p.29、p.153 チャップリンのこの台詞と、先日読んだ著者の『チルドレン』に出てきた次の台詞が、ダブる気がしました。 《「子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ」》講談社文庫 p.115 個人では問題ないのに、それが集団になると別の化物じみたものに変わるってところがね、恐いし不穏だなあと。 | ||||
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特に最後の「密使」が読みにくかった。タイムパラドックスとパラレルワールドの説明がくどすぎる上に難解で、ここで目がつまづく感じがした。伊坂作品では、最後に霧が晴れるように伏線を回収するものと、放置プレイに近いものとがあるが、この作品は明らかに後者。著者の作品には珍しく、あまり読み心地がよろしくなかった。 | ||||
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一風変わった伊坂作品。新境地、といっても過言ではないかもしれません。 ・・・ 先ず構成は三部構成になっているのですが、第一部『PK』、第二部『超人』、第三部『密使』とあり、それぞれ別個の世界として構成されています。 第一部は、その名の通り、ワールドカップ出場をかけた日本の代表戦でのPK時のちょっとした選手の会話がテーマ。当時の会話がどうしても気になる某議員とその周辺の話。 第二部は、将来の悪事を察知出来て、その悪事が起こる前に『処理』してきた本田青年の話。なお一部で出てくる議員は、議員一年生の時にこの本田青年がマンションから落下するところを助けたという連関があります。 第三部は、握手をするとその相手から6秒時間を盗める『僕』と、世界の平和のためにひょっとしたら犠牲になるかもしれない『私』の独白の応酬。 ・・・ 伊坂作品の特徴として、時間の設定が明示されておらず、読中はもやもやするも、次第にこの繋がりが分かってくるという事があります。 例えば『アヒルと鴨のコインロッカー』でもそうでしたが、複数のストーリーが並行していると思ったら、実は過去と現在の話が交互に語られていた、みたいな。 本作でもそのような重層的構成を味わう楽しさがあります。詳細は是非読んで味わっていただきたく笑 一部、二部、三部のクロスオーバーは、読んでいる最中に徐々に分かってくると思います。 ・・・ また、痛快だけに留まらない「余韻」「余白」も楽しむことができると思います。 これは『魔王』や『モダンタイムス』などで顕著ですが、不穏な雰囲気、その雰囲気に吞まれゆく世間、そして決してハッピーエンドとは言いかねる陰鬱さ。ある意味イヤミスというか、晴れ晴れとしない結末。 それは、一種不完全さやいびつさに美を見出すような気持ちかもしれません。 ・・・ あと、一つ驚きましたが、今回は仙台が舞台ではありません。 何と三軒茶屋とか二子玉川とか東京の街が登場します。ちなみに30年前、高校生の時、二子玉川のマックでバイトしていました!まあ、どっちでもいいですね。 ・・・ ということで、新年に読んでもやっぱり面白い伊坂作品でありました。 初期のエンタメ路線から比べると、徐々に苦味のエッセンスを感じる作品に変化しつつある気がします。それでもやはり面白い。今年も伊坂作品を読んでまいります。 | ||||
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一読して???となりましたが、後書きで丁寧に解説してくださったので、なんとか理解する事が出来ました。ネタバレになってしまいますが、勇気と出すと言うのはなかなか大変なことかもしれませんが、一歩踏み出した後に波が広がっていくように周りにも響くものなのだなと。逆もまたしかりですが。 | ||||
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数多くの伊坂作品を読んでいるにも関わらず、どことなく旧パッケージは地味な印象で、どことなく読んでみたいとの意欲が高まらず後回しとなっていた本作、新装版文庫としてポップな表紙が目に入り、発表から10年以上遅れての初読となりましたが、いやあなんたる不覚、無茶苦茶面白いじゃないですか! 何してるんだよ自分、と今まで読んでなかった自分を叱りたい。 そして、やはり良いものは、年月が経っても、今回のように、パッケージを維新する等して、しっかりもう一度売りにかかる、講談社の今回の姿勢に拍手したい。 というわけで、本作、個人的には伊坂幸太郎の隠れた名作と呼びたい。 もともとは文芸誌に発表された独立した短編「PK」「超人」、ここにSFアンソロジー雑誌に掲載された「密使」を加え、全体として長編として読めるよう、少し手が加えられたとのことですが、この手法、伊坂幸太郎が得意としているもので、今回もこの3つの作品の結びつきに「伊坂幸太郎、やっぱり天才だわ」と感嘆の声が出ました。 いい本を読むとホント気分が良いです。 「PK」と聞くと、私はまず「サイコキネシス」を思い出すのですが、冒頭いきなりサッカーグラウンドの描写から始まり、ああサッカーのPKだったのか、と妙に感心してしまう自分。 この「PK」だけでもページ数は少ないながらも、複数の視点、複数の時間軸で構成されており、読後感も「お見事!」と手を打つほどの痛快感。 「勇気とは、勇気を持った人間からしか学ぶことができない」 「人間には選択を迫られる瞬間がある。その時試されるのは勇気の量だ」 「臆病は伝染する。そして勇気も伝染する」 こんなテーマで書かれた「PK」。 「PK」を読んだ時点で、もう本書は絶対に面白いと確信しました。 次の「超人」では、「PK」登場の人物を別の視点で見ているようで、それでいてどこか設定に微妙な違いあるなと思わせ、珍しくかなりSFよりの作品「密使」で「おお、そう来たか!」と見事な収斂を見せてくれます。 「小さな変化の積み重ねが、まったく予想しない、世界の変化に繋がる」 これは伊坂幸太郎の他作品でも重要な視点として作品に取り込まれていますが、本書はまさにそういった物語です。 大好きな『フィッシュストーリー』もそんな作品でしたが、本作はより長編的な構成となっており、読後感も爽快です。 | ||||
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1回読んで理解できず、続けて3回も読んでしまいました。 こんな経験初めて パラレルワールドは分岐するだけで繋がっている、あたかも高速道路のように それぞれの事象も蟻によって影響し合っている 勇気は時を超えて伝わり、全て大団円 これは大臣と青年の勇気の物語 飽くまでも私見ですので、みなさんもいろいろと考察してみてください。 | ||||
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伊坂先生の本が好きでたくさん読んできましたが、この作品はいまいち残らなかったです。通勤の数分でしか読まなかったため読了するのに結構時間を要しました。だからか内容もよく分からずじまい。時間を作って一気に読んだら☆5にかるかも?もう一度読んでみようと思います。もしかして何度も読ませるために…?これを狙っての内容ならあっぱれです。 | ||||
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「PK」「超人」「密使」の共通する登場人物の3つの中編から構成されており、それぞれの各章は殺し屋シリーズ「マリアビートル」のように主観が移り変わる。 1本の長編と思って、先入観なく読むとこの3作はドラマの展開スピードや構成のダイナミズムに大きな差があるので戸惑うと思う。 超展開順だと、密使>超人>PK となる。日常性のPKから、SF展開の密使は手触りが違う。 これはあとがきを読むと「PK」と「超人」は別の話として2010年に執筆され、「密使」は2011年3月の震災を挟んで書かれたとある。 最後の「密使」を読むとき、読者の中にスピードと小説のトーンが違う2編を同居させながら、回収できるような出来ないような、答え合わせのような、どれも嘘のような、不思議な体験をすることになる。 この読み進めることで分かっていく部分と、分からなくなっていく部分の蓄積は、「クラウド アトラス」「インセプション」といったワーナー系ダークSFサスペンスと手触りが似ている。 でも、本作では難解ではなく、伊坂幸太郎読者なら他の作品で何度も確認したような、主人公像を感じる。 PKで大臣が語る「人は時折、巨大な何かに、試されるときがある」 超人での本田の逡巡、「これこそ、大きな力が、「今がその時!」と伝えてきたアイズなのではないのか」 密使で青木所長の、「私たちはそうなるように、膨大な、まさに膨大としか言いようがない計算をしました」 別の場所、別の時代でバラバラな境遇の登場人物が、大きな流れの中で使命を主体的に感じ、そしてそれぞれが、良いと思える方向になるよう思い悩み、勇気づけを探している。 読み終わると爽快さを感じた。 細かな時間軸の理解を考え始めると、本作の大柄なテーマが損なわれるような気がするので軽い気持ちで読むことをお勧めします。 | ||||
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大きな権力に襲われるも信念を貫こうとする生き方がいくつか描かれていること、政治家の男に奥さんが、子どもに誇れる選択をしろ、と言うところなど、現代のマスコミや広告や消費活動でごちゃごちゃの状況で、ハッとするような場面があって私はとても気に入りました。 | ||||
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伊坂幸太郎さんの書く本はいつもレビューが分かれるなって思うけどそれだけ感じ方が違うってことだと思う。 私はこの本が率直に好きで、伊坂さんの本の中で一番面白いと思った。どこか不気味なんだけど希望を感じさせてくれる言葉とかシーンもあって、ワクワクする。 勇気は伝染するっていい言葉だなと改めて思う。 | ||||
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伊坂幸太郎さんの本です。 なんか、リンクするような、リンクしないような、そんな感じのバラバラの話からはじまるんですが、 最後の最後にそれらが鮮やかに繋がる、という話でした。 とはいえ、出勤途中とかにぶつ切りで読んでいましたので、 「どうつながっているか」というと、いまいち曖昧ではあるのですが、 できたら、もう一度読み直す必要もあろうかとは思いましたが、 でも、こんな情報化時代で忙しい時代でございますから、 もう一度読むのはとてもキツイので、 できましたら、みなさん、ちゃんと気合いを入れて、読み直してみてください。 読み直すのは、みなさんだと思います。 なんなら、最後の章から読み直すと、すべてが繋がって読めるかもしれません。 なかなかおもしろい読後感が残った本でした。 | ||||
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何の予備知識もなく読み始め、似たようなテイストだが、全く別の短編を集めたのかと、思っていた。始めの2作品は同じ設定らしく、登場人物もかぶってるけど、何かちょっと違う。ラスト作は全然独立した作品なのかと思い、大森望の解説を読んでビックリ。タイムトラベルものの、連作SFだったとは。なるほど、だから登場人物が同じでも、年齢が合わなかったり、齟齬があったわけだ。解説で初めて、意義のある作品群である事がわかった次第。 だが、再度読み返して確かめる気にはならなかった。いつもとジャンル違いであるのを意識したか、エンタメ度を抑え、純文学寄りに書いてるためだと思う。微妙な評価とせざるを得ない。 | ||||
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全体として繋がって行くのは解るのですが、その過程や展開がまどろっこしくて読んでてて飽きてきます。薄い本にもかかわらず、せっかちな私にはストーリーがひどく冗長に思えました。 | ||||
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3部作の短編集。 う〜〜ん。凄く評価が難しい!今まで伊坂幸太郎作品は散々読んできたけど、ここまで自分の中で評価の分かれる作品(?)は初めてじゃないかな。 構成は非常に面白くて、読んでいて興味をそそられる。「風が吹けば桶屋が儲かる」をどでかくするとこうなってこうなるみたいな。 ただ結末が思ってたんと違う〜!っていう。やられた!って感じでもないし。 こうやって感想書いてる間も何かふわふわした不思議な読後感。気持ち良いわけでもないけど悪くもない。結局この本は面白かったのか……? | ||||
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ある程度、現代科学で解明されつつあることに想像力を加味して、もしかしたらそんなことが起こるのかもしれない、いや起こればいいな、ということを拠り所に構築された物語だと思います。そういった意味では、2年前の大ヒット映画『君の名は。』と同じテイストを感じました。 評価目線でなく、素直に作品世界の出来事を受け入れれば、自分も誰かに勇気を伝えられるかもしれない、と前向きな気持ちになれます。 | ||||
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きっと低評価だろうと思ってのぞいたら案の定だったので、高評価の立場でコメント残しておきます。 普段、小説を読み終わってすぐ2度見することなどないですが、これはすぐ2度見しました。 そして3つの話の関係性、キーワード、この本が伝えてくれること、色々と想像を巡らせました。 この小説は素晴らしい、少なくとも自分はそう思います。 どうしようもないこと、何をしてもうまくいかないとき、不快な話ばかりのニュース、そんな現実から一瞬離れて、 希望とか信じる気持ちとか、奇跡といった言葉でイメージされるプラスの気持ちを充電してくれる素敵な小説です。 子供の頃、ピンチの時にいつも助けてくれるヒーローに憧れていた気持ちを思い出しました。 毎日、幸せな夢を見ては、朝起きてちょっと残念な気持ちになりつついつものように学校に向かっていた、そんな感じ。 自分が小説に求めるものがここにありました。 | ||||
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短編よりは少し長めの小説が3つ収録された中編集である。 ・PK 主人公は○○、と言いたいのだが、なぜかこの小説の登場人物は個人名で呼ばれない。サッカー選手の「小津」と「宇野」を除いては。小津は、勝てばワールドカップ出場が決まる試合で試合の勝敗を決定するPKを蹴る。その直前に小津に話しかけたのが宇野である。宇野が何を言ったのかについて、様々な憶測がなされている。この場面が話のメインなのかと思うのだが、それだけではない。 名前の出てこない登場人物の作家が、印象に残ることを言うのだ。世の中は大きな力が物事を動かしており、個人の決断はあまり影響しない。ならば、その作家の子供に自慢できるほうを選べばいいと。もっと一般的な言い方をすれば、自分の好きな道を選べばいいとも読める。さて、果たして小津はPKを決めることができるのか?スラスラ読めるが、考えさせる言葉も含まれている作品である。 ・超人 小説家の三島とその友人の田中のもとに、本田という特殊能力を持った(と本人は信じている)青年が現れる。本田は警備システムの営業で来たのだが、相手が小説家の三島だと知ると、相談に乗ってほしいと言う。話を聞くと、とても事実とは思えないことだ。さて、彼の特殊能力は事実か、単なる妄想か。 そして、この物語は「PK」とつながっている。同じ登場人物が出てきたり、前作のエピソードが明らかになったりするのだ。「PK」のいろいろな話が絡み合い、発展していく。 ・密使 特殊能力を持った大学生の「僕」と、パラレルワールドの説明を受ける「私」の話が交互に描かれていく。「私」の話では、より良い結果を出すためにあるものを使って少しずつ変化を起こし、望む結果を得ようというのだ。 「僕」の話では「僕」が特殊能力を使えば世界を救える、という話になる。そして、「私」と「僕」の別々の話がつながり、ある結末を迎える。 3作品とも、著者らしさが十分出ており、伊坂ワールドを満喫できる中編集になっている。 | ||||
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伊坂さんの殺し屋が出てくるのは面白いのに、この系統のはなんか、、、 若手お笑い芸人が、わけわからんネタのコントをやって、自分のセンスの良さをひけらかしている、そんなのに似てるように感じてしまいます。 それを分かった気で面白いとは、なかなか感じることができないです。 歳食って、ばばぁ、になりすぎたからかな。 | ||||
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私はこの文章が好きですが、悪い点をつけている方が結構いるのが意外でした。 読むと、伏線が全部回収できてないからモヤモヤしたとのことですが、私は許容範囲だと思います。 直前に貫井徳郎の微笑む人を読んで唖然としましたが、こっちは種類の違うモヤモヤ。 | ||||
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これ、面白いですか? こんなに薄い本なのに、 めっちゃ、疲れる。 ページめくる手が止まる。 途中で放棄。 この本が面白いと感じる人、 ある意味、尊敬に値する。 | ||||
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