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死を啼く鳥
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死を啼く鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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「喪失」(ハヤカワポケミス)でアメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を射止めたイギリス人女流作家モー・ヘイダーの処女作である。 この作家、本国ではベストセラー作家だとはつゆ知らず本書を読んでその実力にうならされた。 原題「バードマン」。ファーストショットはまるで、映画のオープニングを思わせる流れるようなロンドンの情景描写から始まる物語はすばらしく面白いサイコパス警察ミステリである。しかしその描写たるや残虐、グロテスク、細部まで緻密で腐臭が鼻について離れないようなシーンが500頁にわたって連続する。しかも登場人物たちは皆、トラウマをかかえており、殺人犯にいたっては完全に壊れている。 トマス・ハリスより俗ではあるが「羊たちの沈黙」の<バッファロー・ビル>よりも怪物、いや化け物である。 ロンドンで5人の腐乱死体が発見される。身元は全員娼婦。事件を捜査するのはロンドン警視庁のジャック・キャフェリーと同僚たち。捜査が進むと死体は全員犯人により解剖され、心臓に「小鳥」が縛り付けられているのがわかる。 事件は二転三転。キャフェリーの過去にも暗い影がありそうだし、恋人ヴェロニカもどこか精神的におかしい。さらにキャフェリーの隣に住む男も不気味な奴でと物語は異様な世界にはまり込んでゆく。 犯人は医者かそれともあいつか。ジャック・カーリーのカーソン・ライダー刑事シリーズ「百番目の男」「デスコレクター」を思わせるが、とんでもない奴が姿を現してからのラスト100頁は、アクションシーンの連続で結末をむかえる。 デヴュー作とは思えない大長編サイコスリラーの傑物であり、読者は第二作目の「悪鬼の檻」でさらなる恐怖を味あわないと「喪失」にたどりつけないのである。 | ||||
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エドガー賞を受賞した「喪失」がシリーズものなので、1作目である本作から読みことにした。 ジャンルとしてはサイコスリラーであるが、遺体を解剖し、小鳥を胸腔内に縫い込んだ猟奇的な連続殺人事件が事件の幕開けとなる。 5人の娼婦が被害者だが、動機も不明で証拠も少ない中、キャフェリー警部の奮闘が始まる。 前半のゆったり感と後半のスピード感のギアの切り替えが巧みで、読者を飽きさせないテクニックは秀逸。 猟奇的な連続殺人の謎、幼少期のトラウマ、ゆがんだ愛憎劇などサイコスリラーとして面白いのだが、キェフェリー警部自身も含めて登場人物のほとんどが、何らかの形で病んでいるので、読後感はあまりよくないのが、残念なところ。 とはいえ、精神的に病んでいる登場人物ばかりでそのゆがみ具合がすごいが、サイコスリラーとしては十分な水準にあるので、「喪失」(シリーズ3作目)を楽しむためにシリーズ1作目から読むことをおすすめしたい。 | ||||
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