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死を啼く鳥
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死を啼く鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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わけあって読んだ本だけど、まあ退屈はしない。女性ばかりの死体が5体発見されて、その検分からはじまる。実際にモルグなど見学したんだろうと思われる死体描写や、じわじわイヤらしいほど長く続く暴力場面など、あからさまな文章表現は賛否両方あるだろうが、そのへんはここでは触れない。主役のキャフェリー刑事がトラウマを抱えているとか、今の恋人の扱いが冷たいとか、このあたりも読み手の見方によるだろう。問題は、そういう場面では熱心に文章で語ろうとするわりに、各人物、特に脇役の設定があまりに稚拙であることだ。ダイヤモンド警部は単純な人種差別主義者、同僚のエセックスは体育会系、いざ情報が欲しいとなると、助けてくれる女性スタッフ、死体検分の医者はちょっと変わり者。そして犯人も、わかってみたら、何の新味もありません。読ませる技量は確かにあるが、それは人物造形でも、台詞でも、雰囲気でもなんでもなく、常に何かが起きているから、というほうが正確だろう。文章は力があり、構成も悪くなく、意外性もないわけではないが、よくよく見れば、ハリウッドの映画から取ってきたような要素ばかり。「フロム・ヘル」とかね。行くなというのに行くヤツ、やらないといけないことをやらないヤツ、みんな途中から読めてくる。クルマの後部座席から○○なんて、古い手だよ。同じ陰惨さでも、PDジェームズあたりと比較しては気の毒だろうな。トマス・ハリスとか好きな人ならいいかも。 | ||||
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イギリスに生まれ、東京でのクラブホステスも含め、アジアとアメリカでさまざまな職業についた女性のデビュー作。訳者あとがきによると「出版当初はフェミニスト団体から批判を受けた」そうだ。被害者の女性たちについて(男たちも同じ筆さばきの餌食になるわけだが)、執拗に詳細な性的かつグロテスクな描写をいとわない筆致から、それも当然と感じる。そればかりであれば、もちろん途中で本を投げ出すところだが、主人公キャフェリー警部と、とりまく人物たちについての書き込みは読みごたえあり、二転三転の筋運びも飽きさせない。物語に不気味な影を落とす、キャフェリーの過去の事件――九歳で行方不明となった兄――の今後のなりゆきについても気がかりだ。コーンウェル作品のような知的洗練とユーモアのセンスには欠ける。ただ、その俗っぽさ、えげつなさが、ヘイダーの魅力なのかもしれない。 | ||||
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