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しゃぼん玉
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しゃぼん玉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 61~80 4/5ページ
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乃南アサさんの小説は何冊か読んだことがありました。 人間に対する観察眼は素晴らしいものがあるとずっと思ってきました。 一言で言えば、破滅の人生を送りつつあった若者が再生する話・・・なのですが、田舎の舞台装置が良すぎて、じーんとくることしばしばでした。 今さえ良ければいい、と刹那的に毎日を送っている若い世代の人に読んでもらえたら・・・・ | ||||
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本を読んでこんなにも涙を流したのは何年ぶりだろう 乃南さんの無駄のない文章で、 主人公の痛々しいくらいの気持ちが伝わる。 純粋な村の「おスマ嬢(婆ちゃん)」たちと 親に愛されなかった為に歪んでしまった「青年」との やりとり…そして心の触れ合いや変化がじんわりと実感できる。 「親に愛されている」子供というのは実際、少ない。 だから自分をいつのまにか重ねてしまう。 彼が叫ぶ言葉の端々に「本当はとっても愛されたかった」 という気持ちが詰まっていて、読み手の私たちはいつのまにかそれに 自分を重ねて、涙が溢れてしまう。 | ||||
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いきなり,犯罪,しかもひったくり.そして.ナイフで人をさしてしまうなんて.はっとさせられたのもつかの間.ありきたりな都会のチンピラが,逃げていった先にまつ,人々との出会いでの更正.ストーリーはありきたりで,予想がつくものの,ありがちな,家庭内の不和,親子の不和.どこの家でも陥っていたかもしれないものを心に響かせます.冷めた主人公が,いつのまにか,人の心を持つようになり,自首して,ふたたび.戻ってきたときの人々との再会.最後は,スタバで涙がほろりでした.引き込まれます.時間がかけぬけていくような小説です. | ||||
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ストーリー展開読める話ですが、 それでものめり込んで感動してしまいました。 人物も魅力的です。 最後のほうで登場するヒロインとの展開はもう少し ボリュームあってもいいのでは・・・とも思いますが 乃南さんが描きたかったのは、恋愛ではなかったのでしょうから このぐらいのおまけくらいのボリュームでいいのでしょうね。 「いずみ」のその後の人生を応援したくなるラストです。 | ||||
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荒んでしまった若者が、田舎で人の温かさに触れて更生していく……このストーリーが分かっていても、どんどん引き込まれてしまいます。若者が老婆を助けざるを得ない状況の書き方や、その時の若者の少しの優しさ。それに他人と分かっていながら、周りに他人と悟られないよう若者を住まわせてやる老婆。更には、おせっかいなくらい世話好きな周りの人たち。それぞれの登場人物を細かく丁寧に書いているから、その場面場面での状況がすごくよく分かり、次はどうなるの?その次は?という風に一気に読んでしまいました。最後の20ページぐらいはホントに涙なくして読めません。 | ||||
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愚かであまりにも無知な主人公の青年が、見知らぬ田舎の村で 再生していくお話。 共に住む事になる老婆スマのさりげない思いやりに、 心の深さに、、、優しさに、、、 おばあちゃんっ子の私はすっかり読みふけってしまいました。 大好きな韓国映画「おばあちゃんの家」の構成に少し似たところも あり、感動にあふれた作品でした。 | ||||
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最近の乃南さんは、本当にいいです。 サスペンス物が流行る今日に、とても感動の一冊です。 誰でも一度は人生をやり直したい・・・と思うことがあると思います。 そんな時、自分ひとりではどうにも出来ない事も、誰かの力を借りる事で一歩踏み出し、頑張れる事もある。 核家族化が進み、おじいさん、おばあさんとふれあう事があまりなくなってしまった現代の子供たち。 周りの人間に気を使い、クタクタに疲れてしまった子供たち。 そんな子供たちの側に、おスマじょうやシゲ爺がいたら・・・。 最初は淡々と読んでいたけれど、最後はやっぱり泣けてしまいました。 今の若者、そして子供達にも、ぜひとも読んでもらいたい1冊です。 | ||||
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お金がなくなると軽い気持ちで女性や老人を殴り強盗をはたらいていた青年。 しかし、ある日、物盗りのためにナイフを使い、女性を刺してしまう。 殺人犯になってしまった!とおそれおののきつつも卑怯にも逃亡に及んで 彼がたどり着いたのは宮崎県の小さな村。疲れきって意識を失っているうちに 知らない老婆の家に運び込まれ、皆に老婆の孫だとカンチガイされ、 老婆とそのまま同居を始める彼は、次第に村に溶け込んでいく。 近所のおじいさんと山歩きをしたり村祭りの支度を手伝ううちに、 青年の中で何かが変わる。最初は「目立たない場所にいられて ただでゴハンが食べられてラッキー」くらいにしか思っていなかったのが まあ、簡単にいうと情がわいてきてしまい、愛や生命について まともな価値観を取り戻していく…それは、自分の犯した罪の酷さを 改めて思い知ることにもなるのだった。 「老人や田舎」=やさしくて人を包み込むような感じ 「都会や若者」=空疎で愚かで投げやり みたいなベタな土台の上にこういう話って好きじゃないはずなんだけど 作者の文章力と、青年が最初あまりにも愚かなので「この人何だよ!」と 怒りで逆に読まされてしまった。おばあさんと息子、父親と主人公、という 2組の親子関係のねじれてる感じがリアルに描かれているので、 ある意味ファンタジーっぽい設定なのに地に足がどっしりついていて 読後感もずっしり。同じ作者が描いた「火のみち」も、殺人犯が 出所後、刑務所の中で覚えた陶芸を手だてとして立ち直っていく 救済の物語。あわせてお薦め。 | ||||
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乃南アサは天才だと思う。小説はフィクションであるが、良い小説はさも本当にあったかのようなリアル感がある。舞台になる宮崎県椎葉村は実際に存在し、「平家祭り」や「ラリー選手権」なる行事も行われている。人口を4000人を切ったのは平成9年となっているのでこの物語はその頃の話なのだろう。そうした舞台設定がしっかりしている為に、登場人物ひとりひとりが生きており、椎葉村へ行けば本当に「おスマじょう」や「シゲ爺」がいるのではないかと錯覚してしまう。これは主人公青年の人間回帰の物語であるが「人生をやり直す為のけじめ」ということでは多くの人に共感が持てるテーマでもある。乃南アサの「音道シリーズ」のようなユーモア作品ではなく終始綱渡りをしているような緊迫感があるが、読後は喉越しのよい爽快感があり「読んで良かった」と思える一冊。読み終わった後に映画やドラマ化をするなら、俳優は誰が良いだろうと思わず思ってしまった。空○やホ○ム○ス中○生を映画化する予算があるなら、こうした実のある小説を映画化すれば世界にも十分打って出来られるのに!!…と強く思う。何はともあれ宮崎県椎葉村の平家祭りに行ってみたいものだ。東国原知事、映画化すれば宮崎県の宣伝になりますよ!! | ||||
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ありきたりなストーリーですが 読み始めると止まりませんでした。 最後は泣いてしまいました。 | ||||
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この小説の帯には・・・ 「手元が狂ったのだろうか。今まで通り、軽く斬りつける程度で良いと思っていたのに。 何しろ、こちらの目的は相手のバッグだ。金だ。だから相手が怯み、ついでにいえば、 ちょっとした悲鳴でも上げてくれれば、それで十分のつもりだった。 背中越しに聞く女の悲鳴は良いものだ。ほんのわずかでも、キャッとか、イヤッとか、 そういう声を聞いただけで、頭の中がすうっとする。(本文より)」 オイオイ。かなり危険な主人公ではないかっっっ。 現実の世界にも、こういった主人公がいるのではないか、と思わせる世の中。 やはり更正の道はないのだろうか? しかしそんな主人公を優しく包み込む出来事があって 涙なくしては読めない心理サスペンス感動の傑作!! でた〜!! ワタシの苦手な「涙なくしては読めない」という、うたい文句。 これに何度、だまされたことか。 しかし、この本は本当に心洗われる気持ちになりました。 先の展開が気になり2日間で読み終えてしまいました。 | ||||
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久しぶりに読後に大泣きした本 確かに都合のいいストーリーの部分も見られるし そんな事あるか〜なんて思う部分もある でも、「人ではなかった」翔人が「人」になって 誰かに「必要な人」と思われる 翔人ほどじゃないにしても、思春期などに 自分は必要ではないかもって思うのはよくあること そこからの脱却方法は人それぞれだけど こういうファンタジーな方法があっても良い 大団円で終わるのも良い! 本当にさわやかな気分になれる1冊! | ||||
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乃南アサの小説を読んだのは本作が初めて。サスペンス作家だと思っていたが このような作品もあるとは、ちょっと意外だった。 心に残るのは、シゲ爺の云った「自分のことだけの奴は、人の心が分からねえ」 や「諦めたら人生なんかやり直せねえ」といった言葉。翔人が人生をやり直す きっかけとなった言葉だが、読んでる私自身にも強く訴えかけてきた。 とかく自分のことばかり考えている人間が多い昨今、シゲ爺やスマのような 他人を思いやることができる生き方は、純粋で素直に美しいと感じる。 また、美知の「いちばん自分らしい生き方の出来る場所を、見つけたいだけ」 という言葉も印象深かった。 那須与一の弟大八郎と平家の末裔にあたる鶴富姫の哀話は非常に興味深い。 800年以上も昔の平家の落人部落が今でも残っていて、平家と源氏の両方の血を 引き継いでいる人間がいるということを知り、歴史好きの私にとっては2倍 楽しむことが出来た。 | ||||
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乃南アサは冷徹に人間を観察させたら第一人者と思いますが、 そういう筆致だからこそ、このおとぎ話のような話も あり得ない、などと思わずにひきこまれて読めます。初期の「再生の朝」はそのものズバリタイトルでの再生ものですが、 よく読むと乃南さんははさいごまで泥沼のような作品(「暗鬼」など)も書いていらっしゃる一方で、何らかの形で登場人物が再生する、 という作品も多々ものしていらっしゃいます。 暗い面を書くとき容赦ない筆致だからこそ、再生の物語が 現実味をもって描き出されるのだと思います。この作品の主人公は通り魔をして逃走中、というところから 物語は始まりますが、もしこれが現実の話でその後すぐ 逮捕されニュース画面で私たちの目の前に現れたとしたら、 彼にこれほどの再生の可能性が残されている、 と誰が思えるでしょうか。最後だけは若干確かにおとぎ話度が高くなりましたが、 でも読者100%が願う結末であったと思います。 すばらしい作品でした。傑作、とかそういう語句で ほめる種類の作品ではなくて、読後感のすばらしさで 群を抜いている、と思います。私も(他に誰か同じようにレビューしていらっしゃいますが)この作品と出会えて嬉しく思います。 | ||||
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人生に希望などなく、しゃぼん玉のように漂って、いつかどこかでぱちんとはじけて消える・・・。自分をそんなふうに考えていた翔人。だがたどりついた山奥の村での生活が、彼の心を少しずつ変え始める。そこには何もない。朝起きて、ご飯を食べて、仕事して、そして寝る。単純な生活だけれど、そこには確かな手ごたえがあった。誰かに頼りにされる。ありがとうと感謝される。そんな積み重ねが、彼の存在に意味を与えていく。翔人の人生は決してしゃぼん玉のようではない。そのことを誰よりも分かっているのは、彼自身なのだろう。 | ||||
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最近の子供は何を考えているのかよく分からない。 案の定、ニュースなどで見かける子供たちは「金が欲しかった」とか「気に入らなかった」とか1人の人間をあやめるにはあまりに理不尽な理由でそれらを行なったことが報道されています。 誰しも1つや2つの不満はあるものです。普通の人ならそれを何かしらの方法で解消していくことが出来るもので、例えば誰かに愚痴をこぼしたり、趣味に没頭したり、あるいはカラオケなどではっちゃけたり。 でもそういう事が出来ない環境にいる人も少なくないと思います。そういう人はどんどん心身に不満が溜まっていきます。 不満が溜まると自分以外考えられなくなり、周りが見えなくなり、見境がつかなくなる。 こうなってくると後は溜まっていったものが爆発するだけです。 基本的に人間というのは何かを探求したくなることを身をもって知っています(トリビアなんてそのいい例です)。でもここまできてしまった人にとってそれは“どうでも良い事”や“関係のない事”になってしまうのです。これはもう自身1人ではどうすることも出来ません。しかしそれは決してそのままでもないように思われるのです。 真に自分のことを思ってくれる人がたった1人いるだけでそれは違ってくることでしょう。たった1人といいましたが意味合い的には=ではありません。 今まで“どうでも良い”と思ってきたことが自分以外の誰かといるだけでそれは忽然と形を変えていくことでしょう。 この物語の主人公、翔人もまたそうであったように。 | ||||
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主人公「翔人」は世間で言われている今の・・ってスタイルと思われます。 自分の都合の良い考え・行動を取り放題!と思われます。 ですが、ちょとしたきっかけ・土地に留まりいろんな人々と交わり行動していく内に気持ちが変わりつつあった思う。 そんなんだから、勇気?正しい行動に出来た事でしょう! 小説上だからっと言ってしまえばそれまでと思われがちですが、そんな簡単にかたづけられないと強く強く思いますし、思いたいです。当作者の作品は人間関係を身近な視点で取られていますので、のめり込んで読める作品の一つと思います。 この作品に出会いに感謝します。 | ||||
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主人公翔人は、人を傷つけることに罪悪感を感じていない 故に生きる術として選んだ引ったくりで人を刺し、逃亡生活を余儀なくされる そんな翔人が逃亡の成り行きで人里離れた村に住む老婆スマと知り合う スマの住む村で翔人はスマの孫として滞在することになる 根本的な感情や生き方を見失っていた翔人が、衣食住を約束されたスマ婆さん宅に住むことで、心の葛藤をしながら自分の心と向き合ってゆく。 いつも人生を楽な方へ逃げていく生き方 楽な選択をして生きているにも関わらず翔人の心に渦巻く不安 自分の未来に希望が持てず、漠然としゃぼん玉のように消えていく将来を自分に重ねて憔悴する 「いつか消えてしまう」故にどんなことにも責任を負わず、投げやりにもなる きらびやかではないけれど、日々の大切な時間の過ごし方が旨く描かれた作品 それは、翔人がそういう生活の良さに気付く展開にも繋がる 又、脇役のスマ婆さんにシゲ爺がとてもいい味出してます。 読後温かい気持ちに浸れる一冊です。 | ||||
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家庭が複雑なのが理由なのか、犯行に手を染め人を刺しても罪悪感もない青年が、 逃げ延びた山村で老人と出会い変わってゆく・・・。 なんだかありがちな話で、いい青年に変わっていくんだなぁ・・・。 と、読んでいたのですが、作者の力量というのか・・乃南アサはすばらしい!(^^)!ありがちな展開を、読むものをグイグイと引き込み、好きになれそうもない主人公の内面を引き出し、読者を納得させてしまう。 主人公とからむ老人が、読んでいて癒されてしまいました。 題名のしゃぼん玉というのも、読んでいて「あー、そういう意味だったの」と、納得してしまう内容です。読みやすく、読後にすっきりした、おすすめの本です。 | ||||
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脇役がいい。(特にシゲ爺の傍若無人なところ)今時こんなに素朴な人や、地域があるの?と思いつつも、引き込まれてしまうほど魅力的に脇役が配置されています。 帯にはサスペンスとあり、巻頭では、通り魔を繰り返す主人公の話が出てきますが、中盤以降は、完全にヒューマンタッチに一変します。 サスペンスとして読むと拍子抜けするかも知れませんが、読後の良さで4点をつけました。 | ||||
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