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ジーン・ワルツ
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ジーン・ワルツの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 41~53 3/3ページ
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発生学と不妊治療という医療問題とその対応に真っ向から挑んだ話。不妊に悩む女性、苦労して妊娠したのに生まれてくる子供が奇形となる可能性、精子と卵子が混ざり合って新たな命が誕生するという奇跡、生殖とセックスという行為の分離など、医療の現実と真実、そして理想が丁寧に表現されていて非常に読みやすかった。出産の場面についても緊張感があっておもしろかった。 | ||||
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最近産婦人科医療に関して、問題視はされてはいましたが、現場を知らない市民としてどこに視点をおいて解決していくべきかに対する現場のメッセージを受け取ることが出来、大変感慨深い作品でした。 また、同時に断片的でありながら、お茶の間に伝わるニュースと繋ぎより発展した意識をもつことができるように思います。 作品の内容も医療の現状と共に、生命誕生に際する母性と意欲が大きくうかびあがり感銘を受けました。 また、個人的には『デジタルでバーチャルな世界では、複製はオリジナルに極めて忠実だ。だが生物世界では違う。そこには必ずノイズが混じる。再現性という観点から見れば、ノイズは情報伝達の劣化にすぎないが、生物にとってはノイズの発現とは多様性の達成のための必須なステップだ。オリジナルに忠実なコピーしか生めない世界は衰退し、やがて消滅する。』といった単純な真理に関する記述で、論理に埋め尽くされて膨張したいまの社会に対する不安がおおきくよぎりました。 次回作も期待しております。 | ||||
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彼女の持つ信念、そして行動、それはエゴなのだろうか?今の私には判断できない。筆者の意志はどこに向けられているのだろう?それでもこの物語は素晴らしい。私の頭の中は混乱している。でも、こんな小説があってもいいと思う。私の中に何か大事なモノが残った。それは、考え続ける事の大事さ。行動することをおそれない彼女とは異なるが、読む前には無かった何かがある。これからも考え続けるが、答えは得られないだろう、しかし、世界は不完全、答えなど無いものが大部分なのだろう。矛盾を抱えながら人は生きて行く。それでもいいと思う。必要なのは考えることを放棄しない事、生きる事を諦めない事。私にとって大事な小説になりました。それからシリーズ作品とのリンク、これは無視してもいいんじゃないか?と思います(特にラプソディはもう要らないです)。素直にこの物語を感じてみてください。正解などないのですから。皆さんのスタンスで受け止めて下さい。 | ||||
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海堂氏の作品を知ったのは、ご存じ「チーム・バチスタの栄光」。最初、ミステリーとして読んだわけであるが、彼の作品はミステリーではない。ミステリーと言えば、やはり東野圭吾ということになるだろう。 彼の作品の面白さは、謎解きというよりは小説という道具を借りた医療業界への問題提起である。「ジェネラルルージュの凱旋」では日本の救急救命医療への問題提起をしたが、今回は、産婦人科医療についてである。彼の作品をミステリーとして読むと面白くないかもしれないが、エンターテイメント性は十分にある(それは別に笑えるということでなくinterestingということである)。 本作は白鳥シリーズではないが、医療小説としては、ぴか一の面白さであろう。重たい内容ではあるが、読んでいくうちにぐいぐい引き込まれていく見事なストーリー展開、たたみかけるようなセリフ。主人公の大胆不敵ぶりには、爽快感すら覚える。ぜひとも、これを厚生労働省の役人に読んでもらいたいものである。一読の価値は十分にある。海堂氏には引き続き、この路線で小説を書き続けてもらいたい。 | ||||
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あの「チームバチスタの栄光」の海堂さんの作品である。さすが現役の勤務医であり、描写にすごくリアリティがあるのがこの人の作品の魅力なのだろう。今回の作品を通じ、一貫して行政と大学(医局)による我が国の医療と少子化対策の過ちを暗に糾弾している。もちろん小説自体はフィクションで、産婦人科医療に問題意識を抱えたある若きエリート女医兼大学教員が、行政や医局の直接間接の妨害に遭いながらも自分の信念に基づいて理想の産婦人科医療を追求していくというストーリーなのだが、このストーリーの面白さはもちろんのこと、時々新聞などで話題となる医療問題、少子化問題の根底にある病巣について初めて理解することができ、自分としてはすごく勉強になった。チームバチスタよりはだいぶシリアス度が上がっている本格医療小説である。 | ||||
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チームバチスタの大学病院や、これまでのキャラクターは出てくる事もなく(主人公の出身大学として東城大が出てくるくらい)、独立したお話です。 現実にもあった、産科医師の逮捕、そしてそれによって引き起こされた各地の産科の縮小や、赤ちゃんポストそして代理母や顕微授精等、出産にまつわる最近のトピックに触れながら、医療行政の失敗に対しての筆者の怒りが伝わってきます。 『チームバチスタの栄光』が、筆者の死亡時医学検索のアピールを小説という形を用いて行われたのに対して、同様の形で、医療行政の失敗や産科の現状についてのアピールが読み取れました。『チームバチスタの栄光』はまず小説としての面白さがあったのですが、今作はどうしても『チームバチスタの栄光』の本意を筆者のインタビュー記事等を通して知ってしまうと、同じ構造が見て取れて、情報を詰め込もうとしているところや、どこか説教臭さを僕は感じてしまいました。 エンターテイメントとしては星はそんなに高くなく、筆者の怒りのエッセイとして捉えた時には星5つだと思います。 | ||||
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地方における医療崩壊はすでに深刻な問題となっている。特に産婦人科については、医師不足を理由に出産はおろか外来診療まで取り止めざるを得なくなってしまった病院も少なくない。「産みたくても安心して産める環境にない」そんな現状に正面から取り組まずに、声高に「少子化対策」を謳う政府の姿勢はちゃんちゃらおかしいではないか。 そういった現実を踏まえた上で、あくまでも論理的にかつ現場的に、理想に向かって突っ走る「クール・ウィッチ」曽根崎医師の行動力はとても痛快だ。もちろん、現実には医師法や生命への倫理観もあり、ここまで確信犯的に厚労省にあるいは現行制度に楯突く気概がある医師は皆無に近いだろうが、現実には出来ないことを用意周到に、しかも自らの肉体も使って実行してしまうヒロインに「ありえね〜」とツッコミながら、思わず拍手してしまった医師も多いのでは? やはり女性は強い!表面的にはクールだが、曽根崎医師にはまさに熱血教師「ヤンクミ」と同じ血が通っている、とふと思った。清川准教授が大学を辞めるのも時間の問題だろうな〜。 そして現役医師である海堂さん、あなたも立派な確信犯です。今回も傑作でした。 | ||||
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不妊治療や、代理母。若年層の妊娠や、中絶、羊水検査の是非。 そして、少子化対策のいいかげんさ。 そんなことを下敷きに多岐にわたる問題提起をしているミステリーです。 38歳から43歳まで5年間、不妊治療のフルコースの末、 あとは代理母・・・となって、あきらめた私にはとても重い本でした。 遺伝子のワルツかぁ。ちょっと泣いちゃうぞ。 作者の一貫した、現代医療体制への憤りが一番感じられた作品でした。 | ||||
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本作の著書としては、「チームバチスタの栄光」が映画化もされ、一番注目されているようだが、個人的には、この著者の作品の中で、「チームバチスタの栄光」が一番つまらないように思う。海堂が書く作品は、決してミステリーではない。むしろ、医療をテーマにした社会派と言った方がいいかもしれない。「ジェネレルルージュの凱旋」では、日本の救急医療の現状に問題提起をし、本作では、婦人科医療現場の現状に対し問題提起をしている。海堂の作品をミステリーとして読むとがっかりするだろう。海堂の持ち味は、現状の問題提起とよどみない持論の展開にある。日本の産婦人科医療の現状、厚生労働省の無能ぶり・とんちんかんぶりを見事に描いている。ラストの曾根崎と清川のやり取りは圧巻である。最後まで、一気に読める良作である。この作品をぜひ、厚生労働省の役人にも読んでもらいたいものである。今後の海堂の医療ものに期待したい。 | ||||
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医学のたまごの薫くんのルーツがここで明らかになります。ということは他の赤ちゃんも今後いろんな所に?次回作に期待させられます。厚労省が医療崩壊へ誘導して行く施策に相変わらずするどくメスが入ります。私も現役の医者ですが厚労省をこのように批判できる文章力と才能が欲しい。崩壊する医療をどげんかせんと! | ||||
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妻が妊娠中ということもあり、非常に興味深く読みました。 ☆5つというのはそういう思い入れもあってのことですが、 新シリーズへの期待感を裏切らない作品です。 海堂作品に共通しているのはやはり現医療体制への痛烈な批判でしょう。 現場の医師だからこその臨場感あふれる描写は相変わらず冴えわたっており、 一気にラストシーンまで引き込まれていきました。 特に”クール・ウィッチ”理恵の患者を診る目と、まりあの慈愛に溢れる眼差しのコントラストが興味深かったですね。 途中に挿入されていた例の「〜第三者機関」には、ニヤリとした方も多いのではないでしょうか。 とかく専門用語の羅列で鼻持ちならない感じを受けることもありがちですが、 やはり海堂さんの医療ものは読みごたえがありますね。 | ||||
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東城大学医学部を卒業、帝華大学に入学した産婦人科医曽根崎理恵。彼女は、不妊治療を専門とし顕微鏡下人工受精のエキスパートであった。院長の息子の医師がお産中の予期せぬ事故で逮捕され拘留されてしまい閉院を間もなく迎えるマリアクリニックで彼女は、5人の妊婦のお産の担当医でもあった。19歳で父親も知れず中絶希望のユミ、そして34歳の第2子妊娠中の女性、共働きで命を授かり産むかどうかを悩んでいる女性、不妊治療5年目にして授かった39歳の女性、そして同じく不妊治療で授かった55歳の女性。新たなる生命誕生までのお話と代理出産等今話題の不妊治療の現状とは!?★今回ももちろん医療物です。★期せずして母になろうとしている女性、そしてその反対でやっと我が子を授かる事が出来るようになった女性。予期せぬアクシデント等はある中で母としての心情の変化に涙しました。★そして、発展して行く医療の現場…。それなのに古い旧体制の法律や厚生省の考え等、少子高齢化の今改めて考えなければいけない事をギュッと濃縮されていると思う。諏訪マタニティークリニックの院長を彷彿させる理恵のこれからの活躍に期待したいと読者として思う。 | ||||
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いつも楽しみにしている海堂尊さんの新作は、婦人科医療。これまでの軽妙な語り口はそのままに、現代の産婦人科医療や不妊治療、代理母などの問題をクール・ウィッチと呼ばれる新キャラの女性医師が切れ味鋭く語ってくれます。これまでの「医療ミステリー」よりも、より「社会派もの」に傾斜してますが、ぐいぐい読ませてくれる筆力はさすがで、一気読みでした。最後の出産シーンは迫力。立会いの経験のある私は、震えました。お勧めです。 | ||||
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