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(短編集)
いざ言問はむ都鳥
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いざ言問はむ都鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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北村薫の衝撃的なデビューで打ち立てられた「日常の謎」派は、その後、若竹七海、加納朋子、青井夏海、光原百合ら多くのフォロワーを生んだ。やや違う作風へと転じていった若竹七海と入れ代わりに近藤史恵の名を加えてもいいだろう。御本尊を除いて女性ばかりというのはともかく、ここでいう「フォロワー」というのはあくまで肯定的な意味である。偉大な才能によって先駆された新ジャンルへの参加者という意味であり、上にあげた作家の誰一人として先人を安易に模倣している者はいない。その意味で、北村のすぐ後にデビューし「北村薫は二人いらない」と酷評を受けたせいか一冊で消え去ることになった沢木喬ほど不幸な作家はいないだろう。外面的な共通点だけでこんな暴言を吐く評論家というのは、要するに印象派の画家もロマン派の作曲家も一人ずつしか必要とせず、微妙な違いなど判りもしないのだろう。また、少し気負った感じを受ける題名で引いてしまった人もいるのではとも思える。 だが、内容は気負いどころかデリケートそのもの。丁寧に、緻密に組み立てられた文章で、ひたひた、ひたひたと小さな謎を盛り上げていく。各篇の読後の余韻もすばらしい。「日常の謎」派の花園に最初に咲いた美しい成果として、まだお読みでない方はぜひ読んでいだだきたい。上にあげた作家たちのファンは特に。最後に作者の復活を切望しておきたい。これがデビュー作なのだからブランクはそう関係ないと思う。もしこれだけの人が沈黙したまま終わったら同時代人の私たちの負う責めは大きい。 | ||||
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