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(短編集)
いざ言問はむ都鳥
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いざ言問はむ都鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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《日常の謎》ですが、コージーな雰囲気は希薄で、植物を中心 とした風景を淡々とスケッチしていくような静謐で硬質な作風。 本作は、1990年に発表された作品なのですが、 エコロジーに対する考え方に時代を感じました。 ■「いざ言問はむ都鳥」 休暇を、鳥海山の高山植物群落で過ごした「ぼく」と樋口はその帰路、 早朝の道ばたに点々と散らばている都忘れの紫色の花びらをみつける。 一体、誰が、何のために毟ったのか? 淡々とした筆致とはそぐわない重大な犯罪が扱われている本作。 のちに、本作の事件が再度クローズアップされることになります。 ■「ゆく水にかずかくよりもはかなきは」 夜桜に取り囲まれた人気のない地下鉄の駅で、ひたすら 子ども用の切符を買い続ける、釣り人と思しき奇妙な男。 数ヵ月後、その男の記事が新聞に載っている と、樋口が「ぼく」のところに言いに来て……。 「ぼく」が男を無意識的に“釣り人”と看做していた ことに対するホワイダニットが、なかなか巧妙です。 ただ、冒頭で「ぼく」が嘆いている環境破壊の問題と奇妙な男の謎を無理やり 結びつけるオチは、かなり力業であるため、正直呆気にとられてしまいました。 ■「飛び立ちかねつ鳥にしあらねば」 講座のアイドル的存在・お桂ちゃんの自宅でぼや騒ぎがあった。 彼女の部屋にあった金魚鉢が凸レンズ の役割を果たし、出火原因となったのか? 一方、「ぼく」は、お桂ちゃんの父親が高枝切り鋏を購入して いたのを目撃したのだが、彼らの家には植木はないはずで……。 傍目には、幸福そのものに見える家族が抱える「闇」。 ■「むすびし水のこほれるを」 講座の院生が、車に轢かれて死んだはずの 黒猫が生きて歩いていたのを目撃し……。 「いざ言問はむ都鳥」 の事件の真相(?)が明らかに。 | ||||
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