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黒死館殺人事件
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【この小説が収録されている参考書籍】
黒死館殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 81~95 5/5ページ
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この作品は雑誌 '新青年' に連載され,1935年5月異例にも新潮社から豪華本として発行された.著者序文によれば,"褒められるにも,誹られるにも,悉く最大級の用語を以ってせられた" そうだが,それは現在まで70年以上の間継続している.探偵小説であるかどうかは全く問題ではなく,明治以後この国で書かれた最も衒学的な,謎に満ち満ちた作品で,この方面の達人であった澁澤龍彦氏もどこまでが本当でどこからが捏造かを桃源社版の解説で研究したが,ウィチグス呪法典で挫折した程である.この早川版は旧字旧かなのままで,それが最大の長所である.この作品は解けない謎なのだから濫りに改めては謎がより見えなくなるのだ.私はこの傑作と60年来付き合っているが,今度初めて判った本当が一つあった.それはヴィオラの巨匠テルチスで,今井信子さんの本で初めて知った Lionel Tertis のことだった.この始末なので,うっかり嘘だと言えない恐ろしさがあるのだ.それと,生粋の神田っ子の歯切れ良い戦前の下町言葉.とにかく天下の奇書である. | ||||
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この作品は雑誌 '新青年' に連載され,1935年5月異例にも新潮社から豪華本として発行された.著者序文によれば,"褒められるにも,誹られるにも,悉く最大級の用語を以ってせられた" そうだが,それは現在まで70年以上の間継続している.探偵小説であるかどうかは全く問題ではなく,明治以後この国で書かれた最も衒学的な,謎に満ち満ちた作品で,この方面の達人であった澁澤龍彦氏もどこまでが本当でどこからが捏造かを桃源社版の解説で研究したが,ウィチグス呪法典で挫折した程である.この早川版は旧字旧かなのままで,それが最大の長所である.この作品は解けない謎なのだから濫りに改めては謎がより見えなくなるのだ.私はこの傑作と60年来付き合っているが,今度初めて判った本当が一つあった.それはヴィオラの巨匠テルチスで,今井信子さんの本で初めて知った Lionel Tertis のことだった.この始末なので,うっかり嘘だと言えない恐ろしさがあるのだ.それと,生粋の神田っ子の歯切れ良い戦前の下町言葉.とにかく天下の奇書である. | ||||
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値段の割りにページ数がたくさんあり、黒死館のみならず短編が数編収められており、 かなりお得感があります。しかも短編が普通に本格で、面白いです。 小栗虫太郎はすごいです。何がすごいかといえばこんなの書ける気がまったくしないからです。 現代日本の歴史小説推理小説文学、その他の小説は同時代の文章だからということもあるでしょうが 少しはまねできる気がします。言い換えれば同じ人間が書いた小説と感じられるのです。しかし小栗の 書いた小説ははっきりいって同じ人間が書いたとは思えないし、到底まねすらできそうにないです。 これを読むと平野啓一郎の小説がライトノベルのようにすら感じられます。それぐらい小栗の小説は 衒学的な濃密度が高いです。 | ||||
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「アストロ球団」ってのがありますよね。 ちょいと乱暴な言い方すれば、『黒死館』はそれの推理小説版。かな。 違うかもしれない。 あちらこちらで炸裂する、生身の人間の身体能力やら思考能力やらを超越しちゃうトリック。それに対する、法水の、これまた超人的な推理。そして、本筋から猛々しく脱線しまくって垂れ流される薀蓄。 正面から読むと難解。文学に対して門外漢である私には、チンプンカンプンです、はい。でも、これは『アストロ球団』の世界なんだ、と思ったとき、なんだか一気に作品世界に引きずり込まれましたよ。 こんな読み方、はっきりいって良くない、というより悪いでしょう。でもまぁ、そんな読み方も一応許してくださるこの『黒死館』という書物の包容力のすごさ、きっと100人が読んだら100通りの楽しみ方ができる空前の書だと思いますが。 | ||||
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「アストロ球団」ってのがありますよね。 ちょいと乱暴な言い方すれば、『黒死館』はそれの推理小説版。かな。 違うかもしれない。 あちらこちらで炸裂する、生身の人間の身体能力やら思考能力やらを超越しちゃうトリック。それに対する、法水の、これまた超人的な推理。そして、本筋から猛々しく脱線しまくって垂れ流される薀蓄。 正面から読むと難解。文学に対して門外漢である私には、チンプンカンプンです、はい。でも、これは『アストロ球団』の世界なんだ、と思ったとき、なんだか一気に作品世界に引きずり込まれましたよ。 こんな読み方、はっきりいって良くない、というより悪いでしょう。でもまぁ、そんな読み方も一応許してくださるこの『黒死館』という書物の包容力のすごさ、きっと100人が読んだら100通りの楽しみ方ができる空前の書だと思いますが。 | ||||
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この小説を難解だとか楽しめないとか、一般に良く云われるけれど、推理小説の最右翼とも言うべきこの作品をわたしは存分に楽しむことが出来る。どういうものかちっとも難しいとは思わないし、探偵法水麟太郎の変幻自在の推理はとても魅力がある。この小説を読む時は決して日常生活における常識や光景といったものを求めない事。超俗神秘のゴシックロマンの世界が、黒死館とあだ名される神奈川県の荒涼たる丘陵地に建つ西洋館に見事に造形されている。わが国の文学で、西洋的な幽遠幻想の世界をほぼ完璧に描いた唯一の作品で、単なるミステリーの範疇を完全に超えている。世俗的な志の低いストーリーに飽き飽きした知的な読者には応えられない興奮をもたらす事だろう。この小説は昭和10年(1935年)に発表されたが、全く古さを感じさせないばかりか、膨大な知識を積み上げて物語世界を構築する小説、例えば「薔薇の名前」のウンベルト・エーコや京極夏彦の妖怪小説、その他数え切れないほどのこの手の小説の先駆となっているのではないだろうか。この小説の魅力はなんと言っても常人の理解を超えた黒死館の秘密であり、その迷宮に迷う事の快楽である。事件が起こる。一応犯人がわかって、一応謎が解かれる。そして最後まで読んだ読者は気が付くのだ。謎はますます深まった、と。 | ||||
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現代教養文庫が主要作品を文庫化した時に非常に嬉しかった覚えがありますが、本文庫は更に嬉しい事に挿絵が在ります。(おもわず買いあらためってしまった)まぁけっして読み易い作品ではありませんが推理小説にしては再三再四読んでも飽きませんし理解が深まるどころか、中途半端、解明しきれない部分等がどんどん出てきて読む度に愉しませてくれます。横溝の本格もこれ以降だし発表された年代等を踏まえて読んで頂くとこの作品の先駆性・凄さが解ると思います。 | ||||
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3大奇書(あるいは4大奇書)のひとつと言われる『黒死館殺人事件』を読んでみたくてこの本を手に取ってみました。いやはや。覚悟はしていたものの、「さっぱりわからん」というのが正直な感想です。推理の過程に探偵によるペダントリが披露されるのはヴァン・ダインの得意技でもあり、さして珍しいものではありません。ですが、ヴァン・ダインの衒学が推理小説に現実感を与える為の道具であるのに対し、本作の探偵・法水麟太郎はウンチクを語れば語るほど事件が現実世界のことではないような不可思議な世界に入ってしまいます。しかも、法水は雑談をしているのではなく、天文学や西洋中世史などの知識を用いて大真面目に事件を解こうとしているのです。他の収録作『完全犯罪』『後光殺人事件』『聖アレキセイ寺院の惨劇』『オフェリア殺し』はさほど長くもなく、『黒死館』に比べればはるかに容易に読みこなせる(但し、『黒死館』より後に書かれた『オフェリア』にはペダントリによって謎を解くという同様の手法が採用されています)。特に『完全犯罪』は割と素直な密室もの。但し、なぜかわざわざ舞台を中国にしてロシア人やスウェーデン人を登場人物にしています。つくづく不思議な作家だなあ。 | ||||
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町はずれの洋館。閉ざされた世界の中、高貴で陰惨な生活を送る貴族達。殺人予告があって、密室の殺人事件が起きるのは探偵ものの定石としても、占星術から中世・近代西洋史、医学に薬学に物理学、闇を歩く自動人形に門外不出の謎の四重奏団。さらに注釈があっても俄には理解できない衒学的な登場人物達の言葉の応酬。少なくともゲーテの「ファウスト」ぐらいは読んでからでないと、筋にすらついて行けない。こんなに馬鹿馬鹿しく道具立ての仰々しい殺人事件は他にない。ちなみに、「正統派の推理小説」「ありがちなサスペンス」を期待する人は、反則技の連発に頭に来ると思うのでおすすめしません。 | ||||
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楽しく読めるというより、重苦しい感じのする内容です。文庫としては七百ページ以上あるということもあり、分厚いために読みにくいという欠点はあります。(で、マイナス1点)しかし、虫太郎のデビュー作「完全犯罪」、超有名作「黒死館殺人事件」(これが長い)、と読みごたえはありますし、巻末に虫太郎の息子(小栗宣治)の書いた「小伝・小栗虫太郎」があり、とても参考になります。特に「黒死館殺人事件」狙いで買おうとしている人が多いと思われますが、これは教養文学系における殺人事件にほかならず、一般読者だけではなく、学者にすら厳しいことでしょう。甘く見ないほうがいいと思います。 | ||||
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日本三大奇書の1冊。夢野久作の「ドグラ・マグラ」とならび、読みにくさでは他の追随を許さない傑作。しかし、黒死館の中に充満する暗黒世界の空気を感じる事が出来れば問題ありません。文庫本では内容に相応しくないのでこちらをお薦めします。 | ||||
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日本三大奇書の1冊。夢野久作の「ドグラ・マグラ」とならび、読みにくさでは他の追随を許さない傑作。しかし、黒死館の中に充満する暗黒世界の空気を感じる事が出来れば問題ありません。文庫本では内容に相応しくないのでこちらをお薦めします。 | ||||
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まずなによりも、本書には「黒死館殺人事件」が収録されていることは知っておきましょう。というのも、ほとんど変わらない値段で、「黒死館殺人事件しか」収録されていない文庫があるので、買うときはどちらがお得か、といったことを考える必要があるからです。 本書では「完全犯罪」「聖アレキセイ~」も読める。前者はデビュー作品で扱っている内容は密室モノだが、その密室殺人が起こるに至った経緯が冒頭の数ページで描かれるのだが、その異常に濃密なことときたら!単なる密室殺人を語るのに、ここまで背景を語ってしまうような過剰さに小栗の小説家としての魅力がある。 | ||||
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日本幻想小説史上稀代のペダンチスト、小栗虫太郎。 彼の代表作であるこの作品の最大の魅力は、晦渋極まりない文体から紡ぎだされる黒死館の閉塞感に満ち満ちた世界。そして、名探偵法水が示す博覧強記ぶりと百科事典的知識を元にしたぺダンチックな推理。 とっつきにくい作品ではありますが、作者のリズムに乗ることが出来ればしめたもの。その美的世界に果てもなく浸ることが出来ます。 その分厚さにめげずに手にとってみることをお勧めします。 | ||||
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