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探偵術マニュアル
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探偵術マニュアルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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レビューのタイトルの通りなのですが、いくつか補足を。 もともとの舞台設定が特殊である上に、物語の中盤あたりで明かされる仕掛けが出てくるとさらに入り組んで来るので、読みやすい小説とは決していえません。 ただ雨の続く架空の町を舞台に、巨大ということしか分からず全貌が見えない探偵社の組織、あやしいサーカス団、だれが信用できるか分からない怪しげな登場人物たちといった魅力的な材料をつかって、ゆるゆると先の見えない物語は独特の魅力を持っています。 「パースの城」や「迷宮1000」といった作品に近い感触ですが、もっとミステリとしての決着のつけ方にこだわった作品です。 読者を欺く作者の技を楽しみたい方、奇妙な舞台設定を楽しめる方などにはお勧めできると思います。 | ||||
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10年以上前のマニュアル本ブーム時代の作品のようなタイトルですが、れっきとした海外ミステリー小説です。書店で、あらすじの「雨が降り続ける名もない都市の<探偵社>に勤める記録員のアンウィンは、〜云々」の文章に惹かれて、思わず購入してしまいました。 「雨が降り続ける街」というと映画「ブレードランナー」の酸性雨まみれのLAを思わせ、「名もない町」というと映画「セブン」の舞台となった無名の街を連想しましたが、この作品にそんなに陰鬱な雰囲気はありません。殺人事件が起きますが、物語自体は何処となくまったりとした大人向けの絵本のような感じです。訳者あとがきにもありますが、この作品はあえて区分けするならファンタジー+ミステリーというジャンルになります。 この作品の面白いところは、ほぼ全てのことが特定できない「不確定な世界」であるところです。会社も、街も、時代も、世界も、どれくらいの広さや大きさをもつのか誰にも分かりません。所々、現実世界のある時代(近代ロマン風?)、地域をベースにしているなというのはありますが、それに全てを当てはめることはできません。登場人物以外の固有名詞がほとんど無いですし、出てきても<探偵社><セントラル駅>というように、ほとんど名詞なのか固有名詞なのか微妙なのです。そのくせ、登場人物の役職などはきっちり決まっていたりします。この読者にある程度の世界観の確立を委ねている曖昧さが、日本人読者にピッタリだと思います。 構成も、目次と各章のタイトルも作品名である「探偵術マニュアル」に合わせて教本の見出しのようになっており、「1 尾行について 老練な探偵の尾行が気づかれないのは、目につかないからではない。尾行する相手の影のように、そこにいるのが当たり前のように見えるからである。」といったように各章の冒頭にその教義が記されていて、読者を楽しませる工夫がされており好感が持てます。 コアなミステリーファンには、物語の展開について真新しさはないのかもしれませんが、世界観や雰囲気を楽しむとおもしろいと思います。秋の夜長、あるいは秋雨の降りしきる街の喫茶店でのんびり読むのに良い作品です。助手のエミリーがけなげで笑えました。次回作もあるようなので是非読みたいです。 | ||||
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