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デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士



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【この小説が収録されている参考書籍】
デフ・ヴォイス
デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士の評価: 4.65/5点 レビュー 96件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.65pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全96件 81~96 5/5ページ
No.16:
(4pt)

コーダ(両親がろう者の子どもで健聴者)の悩みと葛藤

コーダ(両親がろう者である子どもで健聴な子ども)の立場をよく理解して、書かれていることに驚いた。ろう者の文化やろう者で日本手話を使用する人たちの生き方、周囲の人達への思いなど、よく研究して書かれていると思います。他の言語と違い、手話を使える、理解できることを人に知られたくない気持ちなど複雑な思いを事件を通して描かれています。実際にこの項権は起こるとは思えないけど、自分たちを理解してくれる人かどうかを常に敏感に区別していく気持ちは理解できる。ろう者について知りたい人におすすめ。
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No.15:
(5pt)

魂を揺さぶられる作品

心を大きく揺さぶられる作品でした。
「犯人は誰?何故?」というミステリーの本質でも、衝撃の事実が待ち受けています。

しかし、この作品の本質はそこではありません。
「コーダ」という誰にも理解されない存在。苦しみ。
そして、大きな矛盾を抱えた巨大組織と戦った男の悲哀。
全てが収束したときに、深く深く引き込まれる物語の展開にはもはや目を離せなくなってしまいます。

障害者と一括りにしてはいけない、恐らく我々凡人が知るすべもなかった「ろう」という世界に引き込まれた後に
読者は何を考えるのでしょうか。
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No.14:
(4pt)

何も知らないことに気付かせてくれます。

そもそも手話が一つじゃないことから、ろう者という呼び方など、自分がこんなに知らなかったのかと、気づかされる作品です。しかも話も読みやすく、手話の説明部分等も違和感なく読むことが出来ました。話の中で進んでいく事件については、途中で真相に気付いてしまったので、星一つマイナスはしていますが、読んで損のない作品です。
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No.13:
(5pt)

久しぶりにいい本に出会った

手話の知識も構成もよくできているし素晴らしい作品だと思う。誰にでも胸を張って進められる作品です。
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No.12:
(5pt)

見かたが変わりました。

この本を読んで手話を勉強したくなり教育テレビの手話の番組を見ています。
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No.11:
(5pt)

「ことば」とは

「ことば」について改めて考えさせられる一冊でした。
 日常のなかで何かを伝えるための手段として用いられるのが言語ですが、その言語の種類が他多数の人たちとは異なるのが「ろう者」。つまりなんら「外国人」と変わらない。
 ろう者ではない私にはそのような考え方を当事者の方々がどう思われるのか想像もつきません。
 結局は、その「ことば」が本当に伝わるかどうかはその言語に関わらず、わかるものではないのかもしれません。
 しかし、この本をより多くの方に読んでいただきたい。
 その想いだけは、ここでことばにさせていただきたいと思います。
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No.10:
(5pt)

理解が深まりました

随所に聴覚障碍者について詳しく書かれており、聞こえない障害について理解できる内容でした。
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No.9:
(5pt)

ばぁ子

手話、手話ダンスでサークルに入れて頂いて、その必要性を感じて居るものにとって、大変意味深く心に響いた一冊でした。
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No.8:
(5pt)

「ろう」について知ることができた

「ろう」について全くの無知であった私に様々な知識を与えてくれた。「手話を使う人には「ろう者」、「聴者で手話を学ぶ人」、「コーダ」の3種類の人がいること。みずからの帰属に悩む主人公というのは、在日等の物語でも語られるテーマですが、この小説を読んで、「手話」が独立した言語であること、何を自身の言語とするかは、その人の生きる上でのアイデンティティであることを感じさせます。ミステリーとなっていますが、真実はどこに? にひかれて読み進むうち、異なる言語を持つ人たち「ろう者」の社会について関心がわきました。
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No.7:
(5pt)

多くの方に読んいただきたい。

久々に読む美しい文体の小説。奇をてらうこともなく自然な文体で始まるストーリーに一気に読み進めてしまいました。ああそうなのかと思いながら知らなかったろう者にとっての手話の捉え方、使い分けなども興味深い。そしてありがちな殺人事件ではあるがその事件を通して書かれているろう者の社会がよりクローズアップされていろいろな点と線が本の中でも私の人生のなかでも繋がりました。泣くような話しではないかもしれないが私は最後のほうで涙が出てきました。映画化されたらいいなと思う小説です。
多くのかたに知っていただきたい作家さん。次回作も期待。
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4163808108
No.6:
(5pt)

コーダについて

手話を使う人には「ろう者」「聴者でありながら手話を学ぶ人」「コーダ」の3種類の人がいることを改めて教えられた本。
三者三様の想いをストーリーを読み進めながら自然と知ることができる。ろう者や手話について興味のある人はぜひ読んでみることをおすすめします。
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No.5:
(5pt)

デフ・ヴォイスって?

実は、最初この題名の意図がよく分かりませんでした。今は分かります。私には生まれつきろうの友人がいます。手話を学習する上で仲良くなりました。彼女には娘が二人いますが、二人とも聴者です。今は二人とも結婚して子供もいます。ほとんど手話を使いません。ろう者の中には子供たちと人前でなかなか手話を使わない人が多いように思います。私とは人前でも堂々と手話で話すのですが、娘さんと話す手話は家族間にだけ通じる暗号のように見えました。娘さんが遠方にいた時のこと、そのころは携帯はなく、ファックスで「電話して」といってきたそうです。彼女には自分の声は聞こえません。「お母さんの声が聞きたい」そういう娘さんに、彼女は電話しました。「元気にしてる?」って。
 ところで、作品は練りこまれた緻密さに惹かれて一気に読みました。ろう運動にも触れる機会のある私には、よく分かっていらっしゃるなあと納得するところがとても多かったです。今度、別な作品で、ろう者の持っているユーモアのセンスにも触れて下さったら嬉しいな、と思いました。
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No.4:
(4pt)

母語は生き方を決める

主人公荒井尚人は、「ろう者(先天的聴覚障害者)の親のもとに生まれた聴こえる子」です。
「日本手話」を使う家族とは異なる言語「音声日本語」を使うため、家族の中で孤独を感じています。
幼いころから家族と世間の間に立ち通訳を務めるのですが、それは、ときにはつらいことでした。
長じてからは、ろう者コミュニティから距離を置いていた荒井は、不本意ながら手話通訳士として働くことになりました。

17年前、通訳を務めたある事件の「犯人」は本当に犯人だったのか?
ある事件をきっかけに、荒井は再び昔の事件と向き合うことになります。
「おじさんは、私たちの味方? それとも敵?」
「犯人」の娘の問いに若き日の荒井は答えられませんでした。
今回、荒井は答えを出すことができたでしょうか?

本書は、松本清張賞の最終選考に残ったということで、ミステリーとなっていますが、真実はどこに? にひかれて読み進むうち、異なる言語を持つ人たち「ろう者」の社会について自然に関心がわきます。
みずからの帰属に悩む主人公というのは、日系人や残留孤児の物語でも語られるテーマですが、この小説を読んで、「手話」が独立した言語であること、何を母語とするかは、その人の生きる上でのスタート地点であることを感じさせます。

次作もぜひ読みたいので、星5つはそのときにとっておきたいと思います。


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No.3:
(5pt)

人が人を思いやる優しさを感じることのできる推理小説

仕事柄”通訳”をさせられてしまう事があるが、観念や抽象的な事を言い手の思う通りに受け手に伝える事は非常に難しい事がよくある。同じ言語を話す人同士でも限られたコミュニティで体感した事を前提とした話は、なんの事かよくわからない言語明瞭・意味不明の状況はよくあるし、こういった暗黙の了解や常識とされる事、文化的な共通項を頼りとした物言いが含まれる場合は、通訳不能に陥るか、恐ろしく長い前置きを必要とする事がある。

この小説は推理小説であり、犯人探しの展開ももちろんスリリングであるが、ろう者の世界に実に読み手を素直にいざなう筆さばきは凄い。さながら今まで知らなかった世界へのガイドブックの様である。「かわいそう」とか「健常・非健常」といった、一面的なものの見方ではなく、ろう者でしか感じえない世界を非常に平等なものの見方で読者に紹介してくれる。著者の心の優しさが滲み出ている作品だと思う。

推理小説マニアだけでなく、コミュニケーションに興味がある人、通訳・翻訳業に携わる人など多くの人に読んで貰いたいと思わせる、良著だ。
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No.2:
(5pt)

「私たちが――私と美和が、あなたたちの言葉を覚える」に感動

2011年松本清張賞候補作。
 主人公の荒井はなぜ手話通訳士になったのか?荒井に関わる二つの殺人事件の因果関係は?「デフ・ファミリー」における「コーダ」とは?
 「ろう」についての徹底した取材に基づいた作品。「ろう者」の世界という聴者にとっては未知の世界に、作者が寄り添って「ことば」が「聞こえる」「聞こえない」という事態は、人間にとってどのような意味を持つのか、という問題と正面から取り組んだ意欲作。
 読みながら「ろう」についての己の無知に恥じ入った。
 また、作中、みゆきが「あなたのこと、知りたい……もっと知りたいの……」と述べる台詞は、ラカンの言うコミュニケーション行為の最大の逆説「伝わらないからこそ継続する」を彷彿とさせる「愛のコトバ」として秀逸。うかつにも涙してしまった。
 いいぞ。いいぞ。この小説家の次回作にも大いに期待したい。


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No.1:
(5pt)

「ろう」についての知識だけではなく、終盤の盛り上がりに注目

娘の保育園時の友達にコーダの子がいた。もちろんコーダという言葉は、本書で初めて知ったが、今振り返るとそのコーダである友達とその両親は、本書で描かれているような宿命と困難さを背負い、懸命に生きていたのだと気付かされた。ただ、本書の魅力は、「ろう」について、全くの無知であった私に様々な知識を与えてくれたことだけではない。特筆すべきはその構成力。様々な話が展開していって、いったい最後はどう収束するのかと思いつつ読み進んだが、終盤で一気に決着をつけるその筆力には感心した。ストーリー終盤におけるそのスピード感やリズム感という点でいえば、まさに村上春樹の「ノルウェイの森」を彷彿とさせる。かなり力のある作家だと思った。
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