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9・11倶楽部
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9・11倶楽部の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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馳星周の本は常に引き込まれるように一気に読み終わってしまうが、常に読後感は悪い。この本は結末に無茶があるとはいえ、少しだけ救いがあるように感じた。 | ||||
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普段、関わり合うことのない 闇の世界を体感するかのような ただただ、どこまでも容赦ない現実 闘わなければ生きることさえできない 残忍な闇社会がリアル。 主人公である救命士の男性と 残留孤児二世の犯罪少年たちが、 少しずつふれあい 心を開いて行く描写は、 希望が感じられて 割と好きなテーマ。 ただ、自分たちをここまで追い込んだ東京都庁に 復習しようという子どもたちに 9.11サリン事件で家族を失った主人公が 同調する、という点が、どうしても共感できない。 愛する者を失った主人公の深い闇が 私にはまだ理解できないからかもしれない。 しかし彼は「命を救いたい」ゆえに救命士になったのではないか。 命を救う仕事が、生きる理由になっていたのではないか。 一度ふれあい、手に入れた子どもたちの絆を失わないべく、 必然として子どもたちに賛同する主人公。 「子どもたちを止めるべきだった」というのは陳腐な発想でしかない。 けれど、賛同しちゃう、というのも私には共感できない。 わからない人には、わからないでいいいよ。 主人公と子どもたちの声が聞こえてきそうだ。 テロって、結局そういうことなのかもしれない。 | ||||
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作風から見ると異色作だが、作者の頭の中の「ヤワな日本人<-->逞しい在日アジア人」と言う構図は生きている。主人公は救命士の織田と親に捨てられた不法滞在の孤児達のグループ。織田が孤児達に寄せる信じ難い善意を釈明するため、妻と息子を眼前で地下鉄サリン事件で失くしたと言う苦しい過去を用意している。織田の「わたし」と言う一人称形式を採用しているのも珍しく、そうまでして語りたいものは...。 グループ中の笑加が頻発性貧血で倒れたのが織田と明をリーダとするグループの係りのキッカケ。織田の仲介で笑加を不法に診る医師の前園の善意も計り難い。笑加の薬を入手するため、織田と明は故買屋から盗品をするが、結局織田は故買屋を殺す羽目になる。それも自ら実行出来たにも関らず、中国マフィアのボス李に頼み、五歳の中国娘の命を差し出して。織田の精神は病んでいたのだ。少年達とは似た者どうし。笑加の治療費のため、李の下で織田は非合法の仕事に奔走するようになる。明のように性根が据わっていないため、織田の崩れ方は脆い。笑加の兄で、李や明と敵対するトモの出現で増々窮地に。明達を救いたいと言う清らかなモラルを持っている筈の織田が、一番自己撞着と泥沼に陥っている。トモの死の後、求心性のないまま題名に沿うためだけに物語を続けるセンスも<?>。 9.11テロ事件を"対岸の火事"と見ていた日本人の政治的意識の低さと暴力の威力をハードボイルド小説の形に纏めたものだが、メッセージ性とエンターテインメント性が中途半端に混在して今一つの出来。主人公を善意かつ精神衰弱の男に設定してはハードボイルドは成り立つまい。常の如く、ダークな主人公を中心に物語を構成すれば更にインパクトの強い作品になったと思う。 | ||||
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