春にして君を離れ

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評判

春にして君を離れの評価:

4.48/5点 レビュー 244件。 B ランク

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平均点4.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全466件 381〜400 20/24ページ
No.86
(5pt)

淋しくてもこれも愛、移ろう人の心

年を経るごとに変わり行く夫婦の心、そして元来持っている気性はかわるのか?
理想の夫婦を目指して、夫のステイタスや経済面、子供の将来まで自分が計画してきた妻、現実的な事に追われて人の感情面をおろそかにしてきた時、彼女に何が起こり、そして結末は?
真実に悩んだ事のある人にお薦めしたい。彼女の旧友のように生きたい?彼女のように生きたい?女性としてどう生きたいか?
難しく考えもできるし、蜃気楼とも読める。やはり、アガサは好き。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.85
(5pt)

淋しくてもこれも愛、移ろう人の心

年を経るごとに変わり行く夫婦の心、そして元来持っている気性はかわるのか?
理想の夫婦を目指して、夫のステイタスや経済面、子供の将来まで自分が計画してきた妻、現実的な事に追われて人の感情面をおろそかにしてきた時、彼女に何が起こり、そして結末は?
真実に悩んだ事のある人にお薦めしたい。彼女の旧友のように生きたい?彼女のように生きたい?女性としてどう生きたいか?
難しく考えもできるし、蜃気楼とも読める。やはり、アガサは好き。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.84
(5pt)

読み手の自分に驚愕します

怖いですねぇ
何が怖いかって、夫のエピローグです
主人公である妻の話でありますから、
当然妻の行く末ばかりに気を取られているわけではありますが…
弁護士として「有能」な夫に陪審員(読み手)の私はすっかり…
あぁ〜 プアgebara そんな夫の声が聞こえてきます

クリスティーの凄さがわかりました
ぜひご一読を
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.83
(5pt)

読み手の自分に驚愕します

怖いですねぇ
何が怖いかって、夫のエピローグです
主人公である妻の話でありますから、
当然妻の行く末ばかりに気を取られているわけではありますが…
弁護士として「有能」な夫に陪審員(読み手)の私はすっかり…
あぁ〜 プアgebara そんな夫の声が聞こえてきます

クリスティーの凄さがわかりました
ぜひご一読を
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.82
(4pt)

春にして君を離れ

書評でアガサクリスティーらしくないが面白いとあったので早速読みました。大変面白くて、夫を大変愛していて自分は賢く素敵な主婦だと少しでも思っている方・愛する夫が些か物足りないのではと疑問に思っているあなた、是非この本を読んでみてください。目からうろこです。ひょっとしてクリスティの自虐的な体験告白ではないかと思っています。間違えない夫選びの参考にはなりませんが、結婚生活の正しい過ごし方には些か参考になると思います。
幸せな結婚生活を過ごしている方には、まったくチンプンカンで面白くありません。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.81
(4pt)

春にして君を離れ

書評でアガサクリスティーらしくないが面白いとあったので早速読みました。大変面白くて、夫を大変愛していて自分は賢く素敵な主婦だと少しでも思っている方・愛する夫が些か物足りないのではと疑問に思っているあなた、是非この本を読んでみてください。目からうろこです。ひょっとしてクリスティの自虐的な体験告白ではないかと思っています。間違えない夫選びの参考にはなりませんが、結婚生活の正しい過ごし方には些か参考になると思います。
幸せな結婚生活を過ごしている方には、まったくチンプンカンで面白くありません。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.80
(5pt)

現代人の持つ不安と恐怖を見事に表現した傑作

この小説を読むと、生きている自分という人間が一体どういう人間なのかがわからないひとや、まわりからどう自分は見えているのかがわからないひとは、もしかしたら哀れで孤独であり、愚かな人間なのかもしれない。そう思えてくる。また、自分はどうなのだろう。自分は果たして日頃賢く振舞っているのだろうか。自分が考えている自分と、まわりからみえている自分とは同じ評価なのだろうか。まさか、もしかしたら・・・。この本を読むにつれ、読者はそのように考えてしまう。つまりこの小説は、現代人が陥りやすい不安と恐怖=社会のなかでの孤独と疎外感を見事に表現しているのだ。(特に人間関係にナーバスになりやすい日本人にとってこの本はセンシティブに感じやすいだろう。)現代では家族関係すら希薄になっておりそれがもはや当たり前のニュースにもなっているが、アガサ・クリスティは、有名作家になって上流社会の仲間入りをしたり、夫との関係も安定しなかったことから、いち早くこうした孤独や不安と戦っていたに違いない。しかもクリスティのすごいところは、自己憐憫に陥いりながら、そこから抜け出したことである。自分を冷徹に観察し、人間に共通する悩みと苦しみにまで昇華させあまねく表現したところがこの本がいまでも読み続けられるゆえんだと思う。

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.79
(5pt)

現代人の持つ不安と恐怖を見事に表現した傑作

この小説を読むと、生きている自分という人間が一体どういう人間なのかがわからないひとや、まわりからどう自分は見えているのかがわからないひとは、もしかしたら哀れで孤独であり、愚かな人間なのかもしれない。そう思えてくる。また、自分はどうなのだろう。自分は果たして日頃賢く振舞っているのだろうか。自分が考えている自分と、まわりからみえている自分とは同じ評価なのだろうか。まさか、もしかしたら・・・。この本を読むにつれ、読者はそのように考えてしまう。つまりこの小説は、現代人が陥りやすい不安と恐怖=社会のなかでの孤独と疎外感を見事に表現しているのだ。(特に人間関係にナーバスになりやすい日本人にとってこの本はセンシティブに感じやすいだろう。)現代では家族関係すら希薄になっておりそれがもはや当たり前のニュースにもなっているが、アガサ・クリスティは、有名作家になって上流社会の仲間入りをしたり、夫との関係も安定しなかったことから、いち早くこうした孤独や不安と戦っていたに違いない。しかもクリスティのすごいところは、自己憐憫に陥いりながら、そこから抜け出したことである。自分を冷徹に観察し、人間に共通する悩みと苦しみにまで昇華させあまねく表現したところがこの本がいまでも読み続けられるゆえんだと思う。

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.78
(5pt)

自分や自分を取り巻く世界と向き合うことの難しさ

第二次世界大戦を目前に控えたイギリス人主婦の、ミドルエイジクライシスが本書の軸となっています。

文字通り、絵に描いたような良妻賢母の役をこなすことで、人生の難しさから逃れ続けてきた主人公ジョーン。
自分の人生の傍観者として、具体的に人生と向き合ってこなかった夫ロドニー。
それぞれに別々の方法で人生と折り合いを付けてきた三人の子供達。

イギリスから遠く離れた旅先で、ひょんなことから得た内省の時間を活かし、
ジョーンは自分自身、自分を取り巻く世界と正面から向き合うことができるのか?

クリスティー本にしては珍しく殺人事件ではない、と見せかけつつ、
自分の人生の殺人者は自分自身だったのかもしれない、という空恐ろしい物語です。

クリスティーとほぼ近い世代を生きた、アン・モロウ・リンドバーグが、
「海からの贈り物」で、やすやすと内省を行っているのとはあまりに対照的。

ジョーンの一家がどんな結末を迎えるのか、是非読んで確かめて下さい。
文句なしのおすすめです。☆5つ。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.77
(5pt)

自分や自分を取り巻く世界と向き合うことの難しさ

第二次世界大戦を目前に控えたイギリス人主婦の、ミドルエイジクライシスが本書の軸となっています。

文字通り、絵に描いたような良妻賢母の役をこなすことで、人生の難しさから逃れ続けてきた主人公ジョーン。
自分の人生の傍観者として、具体的に人生と向き合ってこなかった夫ロドニー。
それぞれに別々の方法で人生と折り合いを付けてきた三人の子供達。

イギリスから遠く離れた旅先で、ひょんなことから得た内省の時間を活かし、
ジョーンは自分自身、自分を取り巻く世界と正面から向き合うことができるのか?

クリスティー本にしては珍しく殺人事件ではない、と見せかけつつ、
自分の人生の殺人者は自分自身だったのかもしれない、という空恐ろしい物語です。

クリスティーとほぼ近い世代を生きた、アン・モロウ・リンドバーグが、
「海からの贈り物」で、やすやすと内省を行っているのとはあまりに対照的。

ジョーンの一家がどんな結末を迎えるのか、是非読んで確かめて下さい。
文句なしのおすすめです。☆5つ。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.76
(4pt)

彼女の苦悩はよくわかるとおもいます。

女性の視点で描かれた
人生の回顧録、とでも言える作品です。
主人公である彼女は
旅行へと出かけるのですが
そこでさまざまな記憶が彼女の
感情を揺さぶるのです。

そう、自分の人生は
どうにでもなるけど
他人の人生は自分がどうこう言おうが
必ずしも変わるとは変わらないということ。
それは彼女が彼女の長女のある事実を
知ったときによくわかることでしょう。

あの状況下では
頭ごなしに悪いといっても
通用しないものなのです。
その点主人公である彼女は
利口過ぎて彼女の長女に
深い傷を与えてしまいましたね。
そう、あの事件は扱うのが難しいのです。

そして成長していくにつれ
彼女の思い通りには
子供は動いてくれはしないということ、
そして彼女の夫にも…

この本を読むと
ある意味自分の行き方に自信が
もてなくなってしまうかもしれません。
かなり人生の核となる
部分を扱っていますからね。

でもその部分をわかって、
悔いることは重要なのですから。
人って誰しもこういうことは
あるのです…人である以上。

ロマンスものだけど、
非常に心洗われる1冊でした。

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.75
(4pt)

彼女の苦悩はよくわかるとおもいます。

女性の視点で描かれた
人生の回顧録、とでも言える作品です。
主人公である彼女は
旅行へと出かけるのですが
そこでさまざまな記憶が彼女の
感情を揺さぶるのです。

そう、自分の人生は
どうにでもなるけど
他人の人生は自分がどうこう言おうが
必ずしも変わるとは変わらないということ。
それは彼女が彼女の長女のある事実を
知ったときによくわかることでしょう。

あの状況下では
頭ごなしに悪いといっても
通用しないものなのです。
その点主人公である彼女は
利口過ぎて彼女の長女に
深い傷を与えてしまいましたね。
そう、あの事件は扱うのが難しいのです。

そして成長していくにつれ
彼女の思い通りには
子供は動いてくれはしないということ、
そして彼女の夫にも…

この本を読むと
ある意味自分の行き方に自信が
もてなくなってしまうかもしれません。
かなり人生の核となる
部分を扱っていますからね。

でもその部分をわかって、
悔いることは重要なのですから。
人って誰しもこういうことは
あるのです…人である以上。

ロマンスものだけど、
非常に心洗われる1冊でした。

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.74
(5pt)

最後の言葉に全てが…

色々な本を読み漁ると、途中でふとアガサを読みたくなる。
検索すると、あまりにも評判が良いので
興味を持ち、取り寄せてみた。

この本は、ポアロもミス・マープルも出てこない。
出版当時は、アガサの名前ではなく
メアリ・ウェストマコット名で出されたというのに
アガサの意図を感じる。

殺人自体が起こらない。
普通の主婦の、ある意味回想録的な部分が多い。
なのに、怖い。
何故って、殺人事件など そうそう日常的にある訳ではなく
他人事のように、傍観者でいられる。
それに比べて、この本は 否応なしに主人公と同じ目線で
自分を見つめ直させられるからだ。

自分を見つめることなど、人生においてそう度々あるものじゃない。
日々に追われ、時間に追われ…そうして年月が経って行く。

後半部分、ジョーンが自分のことを知り、認め、夫に対して
謝りたいと、ひたすら願う気持ちは感動すら覚えた。

なのに…。結局、人はそう簡単に変われるものじゃない。
最後のロドニーの言葉が、自分自身にも棘が刺さる。

この最後の一言には、読み終わった後もしつこく余韻が残る。
今更ながら、アガサ・クリスティーは天才だと思う。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.73
(5pt)

最後の言葉に全てが…

色々な本を読み漁ると、途中でふとアガサを読みたくなる。
検索すると、あまりにも評判が良いので
興味を持ち、取り寄せてみた。

この本は、ポアロもミス・マープルも出てこない。
出版当時は、アガサの名前ではなく
メアリ・ウェストマコット名で出されたというのに
アガサの意図を感じる。

殺人自体が起こらない。
普通の主婦の、ある意味回想録的な部分が多い。
なのに、怖い。
何故って、殺人事件など そうそう日常的にある訳ではなく
他人事のように、傍観者でいられる。
それに比べて、この本は 否応なしに主人公と同じ目線で
自分を見つめ直させられるからだ。

自分を見つめることなど、人生においてそう度々あるものじゃない。
日々に追われ、時間に追われ…そうして年月が経って行く。

後半部分、ジョーンが自分のことを知り、認め、夫に対して
謝りたいと、ひたすら願う気持ちは感動すら覚えた。

なのに…。結局、人はそう簡単に変われるものじゃない。
最後のロドニーの言葉が、自分自身にも棘が刺さる。

この最後の一言には、読み終わった後もしつこく余韻が残る。
今更ながら、アガサ・クリスティーは天才だと思う。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.72
(5pt)

大人のおとぎ話

子どもの頃の、残酷なおとぎ話を読んでいるかのようでした。

ラストの救いようのなさが悲しくて、涙を流しながら
不思議なカタルシスを体験したような気がします。

帰りの車内で出会った「悟りの人」サーシャが言うように
幼い頃から家庭を知り、大人になり結婚した私達にとって
これは、どこにも誰にでも落ちている話なのかもしれない。

きっと、普遍的な経験で、痛みなのだろう。
そして、それは誰にとっても孤独な体験なのだろう。

「自分を知ってしまうこと」。
「発見した自分が、他人と向き合ってしまうこと」。

愚かな自分を、夫からさえも優しさという名の無関心で
見過ごされていた主人公。今の自分とピッタリ重なりました。

ジョーンという人は、結果的に自分にとっても他人にとっても
「主人公」にはなれなかった。自分が傍観者的であったばかりに。

人はそう簡単に変われない。よね・・・・・。

でもバグダッドの空気が太陽が、彼女に変化を促していた。
帰りの席で同じくした貴婦人が、きっと貴女は変われない、
と警告を発してくれた。チャンスはあったのに・・・。

人生の岐路で、ふと立ち止まって自分を振り返ったとき
過去や現在の事実を直視できるか、そうして変われるか?
それがあまりに不条理な事実だとしても?

「きっと、太陽のせいだわ」と白日にさらされた事実を
妄想として切り捨てようとするあたりが
カミュ「異邦人」の不条理文学に似てると思いました。
時代的に、戦争(第二次大戦)の予感が生々しいです。

都合の悪いことは排除したり見て見ぬフリをする、
ジョーンが戦争をそのように呑気に捉えている下りも象徴的です。
(ナチスをあながち悪くないみたい、と言ってみたり)

この小説の問題提起は、ほんとうに万華鏡のようです。

一人の女性の生き方、夫婦のあり方、親子関係とはなにか、
人類愛とは?より深い孤独とは?人間とは、人生とは・・・

今回は初見でしたが、この本のどこを読んで
涙を流したのか、よく覚えておきたいと思います。


春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.71
(5pt)

大人のおとぎ話

子どもの頃の、残酷なおとぎ話を読んでいるかのようでした。

ラストの救いようのなさが悲しくて、涙を流しながら
不思議なカタルシスを体験したような気がします。

帰りの車内で出会った「悟りの人」サーシャが言うように
幼い頃から家庭を知り、大人になり結婚した私達にとって
これは、どこにも誰にでも落ちている話なのかもしれない。

きっと、普遍的な経験で、痛みなのだろう。
そして、それは誰にとっても孤独な体験なのだろう。

「自分を知ってしまうこと」。
「発見した自分が、他人と向き合ってしまうこと」。

愚かな自分を、夫からさえも優しさという名の無関心で
見過ごされていた主人公。今の自分とピッタリ重なりました。

ジョーンという人は、結果的に自分にとっても他人にとっても
「主人公」にはなれなかった。自分が傍観者的であったばかりに。

人はそう簡単に変われない。よね・・・・・。

でもバグダッドの空気が太陽が、彼女に変化を促していた。
帰りの席で同じくした貴婦人が、きっと貴女は変われない、
と警告を発してくれた。チャンスはあったのに・・・。

人生の岐路で、ふと立ち止まって自分を振り返ったとき
過去や現在の事実を直視できるか、そうして変われるか?
それがあまりに不条理な事実だとしても?

「きっと、太陽のせいだわ」と白日にさらされた事実を
妄想として切り捨てようとするあたりが
カミュ「異邦人」の不条理文学に似てると思いました。
時代的に、戦争(第二次大戦)の予感が生々しいです。

都合の悪いことは排除したり見て見ぬフリをする、
ジョーンが戦争をそのように呑気に捉えている下りも象徴的です。
(ナチスをあながち悪くないみたい、と言ってみたり)

この小説の問題提起は、ほんとうに万華鏡のようです。

一人の女性の生き方、夫婦のあり方、親子関係とはなにか、
人類愛とは?より深い孤独とは?人間とは、人生とは・・・

今回は初見でしたが、この本のどこを読んで
涙を流したのか、よく覚えておきたいと思います。


春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.70
(5pt)

読むことを怖れていた小説

あるTV番組で、この小説が紹介されていて、内容に興味があったが、自分自身と向き合うようで、ある意味怖れていた。
結婚25周年をまもなく迎えようとしている、主婦ジョーン。彼女が娘の家での滞在後の帰り、砂漠の町で足止めをくらい、自分の人生を振り返る一人の時間をもつ。
ジョーンの回想から、今まで、妻として母として、完璧で幸せであったという自己満足が、崩れていく。「自分がいたから、夫も子供達も幸せで上手くやってきた」と思っていたジョーン。だが、徐々に想いを巡らせていくその様子が、実にリアルであり、残酷で哀しい。使用人にも、文句は言うが、褒めたことがなかった女。
彼女は、自分以外の人間の気持ちを慮ったことなどなかった。
孤独を知った人間は絶望の淵に落とされる。
「家庭内の主婦は、ある意味、専制君主だ」という言葉を思い出した。真実を突いた言葉であり、その専制君主は、自分にとって不都合なことには、目をつぶり、気付かふりをする。夫や子供が異論を唱えれば、「こんなに自分はあなたの事を思っているのに」と、切り返す。
ラストも実にリアリティがあった。気付かぬふり、馬鹿なふり、可愛そうなふりをする・・これこそが自分自身を守る手段であることを知っている。これこそ、「女」なのだ。また、夫のロドニーも「男」のずるさ、優しさの中の残酷さがある。
夫も妻も、「人生をやり直す」ことも「真実をあぶりだす」ことさえ、気力もないのだ。
別れやいさかいは、非常にエネルギーを必要とするもの。そんな時代や年代はとっくに過ぎた中年夫婦の姿が現実。情熱的なドラマを求めたりするのは、若いうちの特権かもしれない。
A・クリスティが「女」と「男」が陥りやすい本質を、残酷な切り口で見事に描いた傑作だと思った。

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.69
(5pt)

読むことを怖れていた小説

あるTV番組で、この小説が紹介されていて、内容に興味があったが、自分自身と向き合うようで、ある意味怖れていた。
結婚25周年をまもなく迎えようとしている、主婦ジョーン。彼女が娘の家での滞在後の帰り、砂漠の町で足止めをくらい、自分の人生を振り返る一人の時間をもつ。
ジョーンの回想から、今まで、妻として母として、完璧で幸せであったという自己満足が、崩れていく。「自分がいたから、夫も子供達も幸せで上手くやってきた」と思っていたジョーン。だが、徐々に想いを巡らせていくその様子が、実にリアルであり、残酷で哀しい。使用人にも、文句は言うが、褒めたことがなかった女。
彼女は、自分以外の人間の気持ちを慮ったことなどなかった。
孤独を知った人間は絶望の淵に落とされる。
「家庭内の主婦は、ある意味、専制君主だ」という言葉を思い出した。真実を突いた言葉であり、その専制君主は、自分にとって不都合なことには、目をつぶり、気付かふりをする。夫や子供が異論を唱えれば、「こんなに自分はあなたの事を思っているのに」と、切り返す。
ラストも実にリアリティがあった。気付かぬふり、馬鹿なふり、可愛そうなふりをする・・これこそが自分自身を守る手段であることを知っている。これこそ、「女」なのだ。また、夫のロドニーも「男」のずるさ、優しさの中の残酷さがある。
夫も妻も、「人生をやり直す」ことも「真実をあぶりだす」ことさえ、気力もないのだ。
別れやいさかいは、非常にエネルギーを必要とするもの。そんな時代や年代はとっくに過ぎた中年夫婦の姿が現実。情熱的なドラマを求めたりするのは、若いうちの特権かもしれない。
A・クリスティが「女」と「男」が陥りやすい本質を、残酷な切り口で見事に描いた傑作だと思った。

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813
No.68
(5pt)

メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。

メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。

メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれにもアガサクリスティの性格を持った人が登場する。
本書では、主人公は、アガサクリスティその人のようだ。
イギリスの女性で、表向きには個人的なことを話さない。
ある理想的な幸せは、危険が少ない、確実な生き方。
夫や子供は、こうあるべきという建前で生きている。
きっと、主人公は、ある年代までのアガサクリスティそのものなのだろう。

アガサクリスティは、主人公のような生き方は、最終的にはしなかったようだ。

外国旅行で、ひとりぼっちになり、自分の生き方に疑問を持ったというのは同じかもしれない。
家に帰ったら、夫に謝ろうとしていた主人公。

しかし、本書を読み進むうちに、最後にイギリスに帰ったら、きっと主人公は、また元に戻るだろうという予感がしていた。

アガサクリスティは、脱皮したが、本書の主人公は脱皮しなかった。
本書の主人公は、自分の家に戻ったら、また、元の誤らない妻に戻ってしまった。

アガサクリスティと主人公では結末が違う。
それが、アガサクリスティの言いたかったことなのではないだろうか。

アガサクリスティの本で、はじめて、文学と言える作品に出会ったと思った。
メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、本当の意味での文学だと思った。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫 NV 38)より
4150400385
No.67
(5pt)

メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。

メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。

メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれにもアガサクリスティの性格を持った人が登場する。
本書では、主人公は、アガサクリスティその人のようだ。
イギリスの女性で、表向きには個人的なことを話さない。
ある理想的な幸せは、危険が少ない、確実な生き方。
夫や子供は、こうあるべきという建前で生きている。
きっと、主人公は、ある年代までのアガサクリスティそのものなのだろう。

アガサクリスティは、主人公のような生き方は、最終的にはしなかったようだ。

外国旅行で、ひとりぼっちになり、自分の生き方に疑問を持ったというのは同じかもしれない。
家に帰ったら、夫に謝ろうとしていた主人公。

しかし、本書を読み進むうちに、最後にイギリスに帰ったら、きっと主人公は、また元に戻るだろうという予感がしていた。

アガサクリスティは、脱皮したが、本書の主人公は脱皮しなかった。
本書の主人公は、自分の家に戻ったら、また、元の誤らない妻に戻ってしまった。

アガサクリスティと主人公では結末が違う。
それが、アガサクリスティの言いたかったことなのではないだろうか。

アガサクリスティの本で、はじめて、文学と言える作品に出会ったと思った。
メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、本当の意味での文学だと思った。
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300813