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この世の涯てまで、よろしく



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【この小説が収録されている参考書籍】
この世の涯てまで、よろしく

この世の涯てまで、よろしくの評価: 4.40/5点 レビュー 5件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.40pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

ピアノとそれ以外の楽器を弾ける人でないと書けない小説

面白かったです!一気読みしました。
幽霊が主人公で、幽霊の視点で書かれているのがよい。
舞台がオーストリアの学園都市というのも新鮮で珍しい。
音楽学校が舞台なので、どんなに羽目を外して荒れても上品なんです。
冬に炬燵に入って熱いコーヒーとケーキでも側において読みたい小説。
ただし、この作者は建物や部屋の情景描写が下手くそです。
アクションシーンでは音楽ホールの構造がよく分かりません。
マイナス★1つ。
ですが、肝心なのは1940年代に青年だったオーストリア青年の視点にオーバーラップ出来るという事。
読後は無性にクラシック音楽が聴きたくなる事うけあい!
この世の涯てまで、よろしくAmazon書評・レビュー:この世の涯てまで、よろしくより
448801335X
No.3:
(5pt)

ピアノを弾く人にお奨めの1冊

この本は、かなり奥が深かったと思います。
最近の和書は、ブログ感覚の読みやすい本が多く
ちょっと物足りなく思っていたので
久々に何度も読み返したいと思える本と出会えたことを嬉しく思います。
宮崎アニメのように、一見、読みやすく、しかしその底には
深くて重たいテーマが最初から最後まで流れています。
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No.2:
(5pt)

プレゼントしたくなる本

綺麗なカバーに引き寄せられ、
思わず手に取ったのがこの本でした。
愛らしい女の子の指先から本当に音楽が聴こえそうで、
背後に立つ不気味な男性とのコントラストも不思議に素敵で、
すぐ傍に在りながら、
まるで違った次元に存在しているかのような描き方が印象的だと感じたのですが、
それが意図的であった事を読んで行くうちに納得しました。

またストーリーの方も、突拍子もない展開にも関わらず、
読み始めからすぐに惹きこまれました。
クラシック音楽に苦手意識のある私でしたが、
特に知識や興味が無くても充分に楽しめるものでした。
音楽家が小説を書くとこうなるのか、と、
登場人物の扱い方や、展開に新鮮味を覚えましたし、
突然の始まりに相応しい突然の終わりと長引く余韻には、
なんとなく音楽的なものを感じます。

正直、このカバーで無ければ手が出なかった作品でしたので、
読み進める途中でも改めて眺めるうち、
描かれた小さな人間たちをどうにか特定してやりたくなりました。
読み進め、カバーを眺め、また読み進み…と、
作品を読みながら、カバーも読み解ける、
今までにない読書の楽しみ方を提供してもらった感じです。

これがもし、イラストレーターや編集者の思惑であったなら、
彼らの本に対する愛情に感服しますし、素敵な革命だと思います。
すっかり魚住幸平氏のファンになりました。

帯に隠れた部分や、
隠れていないのに隠されている仕掛けに気付いた時の楽しさを
すぐに誰かと共有したくなって、

訳者あとがきに、
本屋の主が「気に入った人にプレゼントしている本」だと書かれて居た事を思い出し、
深く頷いてしまいました。

勿論、私も友人の為に
こちらでも数冊注文させて頂きまして、大変喜んでもらえました。
この世の涯てまで、よろしくAmazon書評・レビュー:この世の涯てまで、よろしくより
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No.1:
(5pt)

時を超えて生き延びていく音楽のしたたかさを楽しむもよし。

ピアニストのアルトゥアは、カフェでコーヒーを飲んでいた。
 ん?
 ちょっと待て。自分はもう死んでいるはずだ。何故まだ生きている?
 そうではなく、また、生きている! それも五十年後の世界で。
 幽霊としてよみがえったアルトゥアは、音大生たちと親しくなり彼らと暮らすことに。
 でも、彼のモラルでは信じがたいことばかりが蔓延しているし、演奏の解釈も違うし、居心地がいいわけではない。とはいえ、ピアノの腕一本でサロンを渡り歩いていた身としては、寄生虫のような生き方は慣れっこ。
 親友だったパヴェルもよみがえっていることを知る。一緒に殺されたはずなのに。でも、親友もよみがえったのは心強くあるのだが、ショパンをエロティックに解釈した演奏をした若きピアニストが殺され、彼らはもう一人がよみがえっているのを知る。戦時下、戦後と逃げ回って結構おいしい生活をしていた彼らと違い、戦い抜いて死んでいった彼が……。
 これを機会に、様々な解釈のクラッシック演奏を聴くもよし。
 時を超えて生き延びていく音楽のしたたかさを楽しむもよし。
 音楽ミステリーです。

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