虐殺器官

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評判

虐殺器官の評価:

4.03/5点 レビュー 369件。 B ランク

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平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全747件 561〜580 29/38ページ
No.187
(5pt)

不世出の天才ではないが……。

作家が夭折した故に、過大評価されているのではないか。
そう偏見を抱いて本書を読みました。

やはり伊藤氏は不世出の天才ではなかったと思います。
知識も深そうに見えて浅いですし、『虐殺器官』についても説得力を持っていません。

しかし、だからと言って、面白くないわけではなく、氏の小説に対する誠意と熱意がひしひしと伝わる良書でした。
SF小説や硬派なライトノベルが好きだという男性には、特にお奨めです。

出版社の思惑にのって、売り上げに貢献したくないと思っていては損です。
泥中にありながらも、本書はダイモンドの光輝を発しています。
迷っている方こそ、是非購入して下さい。




虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.186
(5pt)

天才っています

わたしは乱読でジャンルとか文学とかワカリマセン。映画、音楽、アート、家具やプロダクトデザイン、
コムデギャルソン、宝島とかカルチャーなもので育ったオリーブ長女(R)です。残念ながらゲームは抜け落ちてる。
SFというか「ブレードランナー」観てF・K・ディック読みました。もちろん有名なSF映画はだいたい観てます。
そういえば、子供の頃にレイ・ブラッドベリも好きで読んだ。この小説はSFとかミステリーとか確かにそうですが、
本を超えた客観的な社会感、オンラインやソーシャルメディアの世界がある。
怖くて観に行けなかった展覧会、小谷元彦ー幽体の知覚や偶然観て大好きになったサスキア・オルドウォーバース、
それから今っぽいなら、やくしまるえつこさん相対性理論の歌詞とかをハードにしたイメージ。遅くなっちゃったけど
伊藤計劃さんの本に出会えて良かった。確かに小説として小松左京さんの落選評通りですが、読み手の想像力を鍛えようと、その先は任せたよ!っていう潔さなんではないかと支持。本を読むと頭の中に映像が広がる。
死体の描写が鮮やかで怖いので健全な女子にはススメマセン。天才って、いる。
だれか映画にしてよ。日本で実写は無理か。アニメもいいし、黒沢清さん?
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.185
(5pt)

こんなにハマるとは。

タイトルから想像するに、描写がエグそうなので読むのに躊躇していたけれどそんなにエグくない。
ハイテクノロジーな武器や航空機などはリアリティがあり、読んでいて面白い。

暗殺部隊に所属しながらも「殺す」という行為に、その意味の所在に悩む主人公。
この話は哲学的な要素も含んでいるから面白い。

何故虐殺を誘発しているのか、その動機に納得させられたことに驚いた。
そして主人公のエピローグでの行為。その着地点には圧巻。

「ゼロ年代最高のフィクション」と謳う帯。それは間違いじゃなかった。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.184
(5pt)

天才っています

わたしは乱読でジャンルとか文学とかワカリマセン。映画、音楽、アート、家具やプロダクトデザイン、
コムデギャルソン、宝島とかカルチャーなもので育ったオリーブ長女(R)です。残念ながらゲームは抜け落ちてる。
SFというか「ブレードランナー」観てF・K・ディック読みました。もちろん有名なSF映画はだいたい観てます。
そういえば、子供の頃にレイ・ブラッドベリも好きで読んだ。この小説はSFとかミステリーとか確かにそうですが、
本を超えた客観的な社会感、オンラインやソーシャルメディアの世界がある。
怖くて観に行けなかった展覧会、小谷元彦ー幽体の知覚や偶然観て大好きになったサスキア・オルドウォーバース、
それから今っぽいなら、やくしまるえつこさん相対性理論の歌詞とかをハードにしたイメージ。遅くなっちゃったけど
伊藤計劃さんの本に出会えて良かった。確かに小説として小松左京さんの落選評通りですが、読み手の想像力を鍛えようと、その先は任せたよ!っていう潔さなんではないかと支持。本を読むと頭の中に映像が広がる。
死体の描写が鮮やかで怖いので健全な女子にはススメマセン。天才って、いる。
だれか映画にしてよ。日本で実写は無理か。アニメもいいし、黒沢清さん?
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.183
(5pt)

こんなにハマるとは。

タイトルから想像するに、描写がエグそうなので読むのに躊躇していたけれどそんなにエグくない。
ハイテクノロジーな武器や航空機などはリアリティがあり、読んでいて面白い。

暗殺部隊に所属しながらも「殺す」という行為に、その意味の所在に悩む主人公。
この話は哲学的な要素も含んでいるから面白い。

何故虐殺を誘発しているのか、その動機に納得させられたことに驚いた。
そして主人公のエピローグでの行為。その着地点には圧巻。

「ゼロ年代最高のフィクション」と謳う帯。それは間違いじゃなかった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.182
(3pt)

説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う

要人暗殺任務を担当する部隊の1人を主人公とするSF小説。

かなり評判が良い作品のようだが、個人的にはそこまでの魅力は感じなかった。
SFとしての近未来の装備や武器の設定は面白いが
それらの説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う。

序盤の作戦行動はミリタリー系に詳しくない人にもわかるよう、
かなり親切に説明されているが、その分、少し幼稚に感じてしまったし、
中盤以降は近未来の社会を表現する情景描写がくどく思えてしまった。

設定的に軍事関係の要素が入っているのはもちろんとして
さらに政治や社会情勢までトッピングされていて
内容が非常に濃く、そういうのにどっぷりとハマる人はいいのだが、
サクサクと展開していくスピード感を重視したい私は
話の本筋をたどろうとするだけで読み疲れてしまった。

終盤はなかなかに盛り上がるし、
タイトルにも挙がる「虐殺器官」というアイデアはすごく刺激的。
映像化に向いている素材だと思う。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.181
(3pt)

説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う

要人暗殺任務を担当する部隊の1人を主人公とするSF小説。

かなり評判が良い作品のようだが、個人的にはそこまでの魅力は感じなかった。
SFとしての近未来の装備や武器の設定は面白いが
それらの説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う。

序盤の作戦行動はミリタリー系に詳しくない人にもわかるよう、
かなり親切に説明されているが、その分、少し幼稚に感じてしまったし、
中盤以降は近未来の社会を表現する情景描写がくどく思えてしまった。

設定的に軍事関係の要素が入っているのはもちろんとして
さらに政治や社会情勢までトッピングされていて
内容が非常に濃く、そういうのにどっぷりとハマる人はいいのだが、
サクサクと展開していくスピード感を重視したい私は
話の本筋をたどろうとするだけで読み疲れてしまった。

終盤はなかなかに盛り上がるし、
タイトルにも挙がる「虐殺器官」というアイデアはすごく刺激的。
映像化に向いている素材だと思う。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.180
(2pt)

ゲーム世代の小説か・・・・・

結論から言うと期待外れだった。
何か、リアリティが感じられない。描かれている凄惨な場面に血肉が通っていないというか・・・・・
やはりこれは、画面の中で繰り広げられる非常に現実性を追求した架空のゲームという気がした。

そして、何よりも物足りなさを感じたのは、肝心の虐殺の文体、文法が、具体的に語られていないこと。
どういう、言葉が虐殺や、人間の行動を誘発するのかというところに裏付けがないから、肌身に感じられるようなぞくっとした実感がない。
着眼点は秀逸だが、今の時代では、それに現実を見失わせるようなディテールが必要だということを感じた。

この小説で語られている神秘的な「ことば」を堪能したければ、山本陽子の詩を読むといい・・・・・
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.179
(2pt)

ゲーム世代の小説か・・・・・

結論から言うと期待外れだった。
何か、リアリティが感じられない。描かれている凄惨な場面に血肉が通っていないというか・・・・・
やはりこれは、画面の中で繰り広げられる非常に現実性を追求した架空のゲームという気がした。

そして、何よりも物足りなさを感じたのは、肝心の虐殺の文体、文法が、具体的に語られていないこと。
どういう、言葉が虐殺や、人間の行動を誘発するのかというところに裏付けがないから、肌身に感じられるようなぞくっとした実感がない。
着眼点は秀逸だが、今の時代では、それに現実を見失わせるようなディテールが必要だということを感じた。

この小説で語られている神秘的な「ことば」を堪能したければ、山本陽子の詩を読むといい・・・・・
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.178
(1pt)

知識の羅列

ストーリーはハリウッド映画的でよくあるパターン。パターン的だが、主人公や敵の行動の動機に、感情的にも共感できず論理的にも納得できない。 特に虐殺をするに至った動機。
その他、主人公がルツィアに惚れたというか心の拠り所にしている理由、政府内の裏切りの理由などについて一応書かれてはいるが、いくらなんでもご都合主義すぎる。もちろん他にも強引な展開は多い。
この世界での先進国でIDを複数持っていたら不審人物としてマークされ日常生活に困るのは明らかだし、死人のIDが使えるままになっているはずがない。

格好をつけている文体はある意味読みやすくはあるけれども心に響かず、度々うんざりする。
テクノロジー機器の数々に関しては科学的に説明しようとするが中途半端が目立ち、あり得無さを強調するばかりで逆に陳腐に感じる。
もちろんSF小説では、ありえないものでも説得力を持つことは多々あるので、これは作者の筆力の無さによるものだろう。
管理社会・言語学・心理学・脳科学・進化論・ゲーム理論・グローバリズム・地域紛争等々いろいろな要素を詰め込んでいるが、どれも表面的になぞるばかりで迫真的に訴えてくるものはない。
作者はいろいろな知識を持ってはいても、深く踏み込んで理解・説明しようとする気持ちがないように感じる。
それともこれも筆力によるものか。

最も重要な「虐殺器官」についての説明はあまりにも理論的裏付けが弱く、まったく説得力がない。言語学を少しかじって小説に使えると思ったのだろ うが、勉強・研究不足が露呈していて(作者自身もそれは感じているようだ)これでは単に「魔法で虐殺に追い込んだ」としているのと変わらない。
全体としてSFというよりはファンタジーと言える。

SFに限らずとも時々このような「知識を羅列」しただけの小説が「深い・格好良い」と思われて流行ることがあるが、いつでも一定の需要があるのかもしれない。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.177
(1pt)

知識の羅列

ストーリーはハリウッド映画的でよくあるパターン。パターン的だが、主人公や敵の行動の動機に、感情的にも共感できず論理的にも納得できない。 特に虐殺をするに至った動機。
その他、主人公がルツィアに惚れたというか心の拠り所にしている理由、政府内の裏切りの理由などについて一応書かれてはいるが、いくらなんでもご都合主義すぎる。もちろん他にも強引な展開は多い。
この世界での先進国でIDを複数持っていたら不審人物としてマークされ日常生活に困るのは明らかだし、死人のIDが使えるままになっているはずがない。

格好をつけている文体はある意味読みやすくはあるけれども心に響かず、度々うんざりする。
テクノロジー機器の数々に関しては科学的に説明しようとするが中途半端が目立ち、あり得無さを強調するばかりで逆に陳腐に感じる。
もちろんSF小説では、ありえないものでも説得力を持つことは多々あるので、これは作者の筆力の無さによるものだろう。
管理社会・言語学・心理学・脳科学・進化論・ゲーム理論・グローバリズム・地域紛争等々いろいろな要素を詰め込んでいるが、どれも表面的になぞるばかりで迫真的に訴えてくるものはない。
作者はいろいろな知識を持ってはいても、深く踏み込んで理解・説明しようとする気持ちがないように感じる。
それともこれも筆力によるものか。

最も重要な「虐殺器官」についての説明はあまりにも理論的裏付けが弱く、まったく説得力がない。言語学を少しかじって小説に使えると思ったのだろ うが、勉強・研究不足が露呈していて(作者自身もそれは感じているようだ)これでは単に「魔法で虐殺に追い込んだ」としているのと変わらない。
全体としてSFというよりはファンタジーと言える。

SFに限らずとも時々このような「知識を羅列」しただけの小説が「深い・格好良い」と思われて流行ることがあるが、いつでも一定の需要があるのかもしれない。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.176
(5pt)

貴重な才能を失った。

ハードSF好きとして、こうした作品を書き上げる才能が失われたことは
本当に惜しいとしかいいようがありません。

911後の世界で、世界に頻繁に起こる紛争・虐殺を追うアメリカの特務機関。
その活動の中で、虐殺の裏に一人の人物の姿が浮かび上がり、主人公をはじめとする
特務機関メンバーはその姿を追うことになります。

暴力の描写のリアリティは圧倒的で、回顧シーンのやや冗長な部分を補ってあまりある
表現力です。そして虐殺器官の謎は根拠が曖昧という批評もありますが、私は
その斬新さのほうに軍配を上げたいです。

作品発表当時の年齢を考えると、まだ粗削りなところは否めませんが、それを上回って余りある
寒気のするような表現力、展開力を持っているといって過言ではないでしょう。

もっと多くの作品を残してほしかったと心から思います。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.175
(5pt)

貴重な才能を失った。

ハードSF好きとして、こうした作品を書き上げる才能が失われたことは
本当に惜しいとしかいいようがありません。

911後の世界で、世界に頻繁に起こる紛争・虐殺を追うアメリカの特務機関。
その活動の中で、虐殺の裏に一人の人物の姿が浮かび上がり、主人公をはじめとする
特務機関メンバーはその姿を追うことになります。

暴力の描写のリアリティは圧倒的で、回顧シーンのやや冗長な部分を補ってあまりある
表現力です。そして虐殺器官の謎は根拠が曖昧という批評もありますが、私は
その斬新さのほうに軍配を上げたいです。

作品発表当時の年齢を考えると、まだ粗削りなところは否めませんが、それを上回って余りある
寒気のするような表現力、展開力を持っているといって過言ではないでしょう。

もっと多くの作品を残してほしかったと心から思います。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.174
(5pt)

「我々は知りたいものしか知らないし、見たいものしか見ない」

本書は近未来の世界が舞台だ
 副現実や痛覚マスキングなどSF的なギミックを使用しながらも、既になりつつある緩やかな監視社会をより推し進めた世界を舞台とすることで、現在の世界の矛盾点をあぶりだしている

 主人公は、戦場という極めてリアルな体験をしながらも、科学技術によって現実感を持つことができないでいる未成熟な男である

 その主人公の物語として本書を見た場合、以下のような本書は物語になる

 アイデンティティを確立していない未成熟な男が、大勢の他人を殺すことで理不尽な世界に加担していることに気づき、赦しを請うが、それが得られなかったことで、自分の世界に絶望する
 残った僅かな義憤心が選んだ選択は、自分の世界を守っていた「兵器」を自分の世界(=米国)に使用することだった
 世界の矛盾を解消するために世界を壊す
 彼は、自分の組み込まれている世界を壊すことで、矛盾した世界(≒自分)を再構築しようとしたのだ
 主人公は自らの選択によって確信できる「わたし」を欲したのだ
 

 また、本書を舞台設定という観点から見ると以下の様になる

 既存の社会の仕組みを変えないで、社会の仕組みそのものの歪みによって生まれた副産物(=テロ)を、小手先の変化で改善しようとしても、そもそも問いの立て方、アプローチの仕方が間違っているからうまくいくはずがない
 しかも、そのアプローチの仕方が間違っていたとしてもその間違いに気づこうとしない限り、人々はなんとなく「うまくいっている」と信じ続けてしまう


 本書のテーマは「我々は知りたいものしか知らないし、見たいものしか見ない」ということなんだ

 
 悲しい話ではあるが、社会について自分について良く考えさせてくれる最高のSFだと思う
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.173
(5pt)

「我々は知りたいものしか知らないし、見たいものしか見ない」

本書は近未来の世界が舞台だ
 副現実や痛覚マスキングなどSF的なギミックを使用しながらも、既になりつつある緩やかな監視社会をより推し進めた世界を舞台とすることで、現在の世界の矛盾点をあぶりだしている

 主人公は、戦場という極めてリアルな体験をしながらも、科学技術によって現実感を持つことができないでいる未成熟な男である

 その主人公の物語として本書を見た場合、以下のような本書は物語になる

 アイデンティティを確立していない未成熟な男が、大勢の他人を殺すことで理不尽な世界に加担していることに気づき、赦しを請うが、それが得られなかったことで、自分の世界に絶望する
 残った僅かな義憤心が選んだ選択は、自分の世界を守っていた「兵器」を自分の世界(=米国)に使用することだった
 世界の矛盾を解消するために世界を壊す
 彼は、自分の組み込まれている世界を壊すことで、矛盾した世界(≒自分)を再構築しようとしたのだ
 主人公は自らの選択によって確信できる「わたし」を欲したのだ
 

 また、本書を舞台設定という観点から見ると以下の様になる

 既存の社会の仕組みを変えないで、社会の仕組みそのものの歪みによって生まれた副産物(=テロ)を、小手先の変化で改善しようとしても、そもそも問いの立て方、アプローチの仕方が間違っているからうまくいくはずがない
 しかも、そのアプローチの仕方が間違っていたとしてもその間違いに気づこうとしない限り、人々はなんとなく「うまくいっている」と信じ続けてしまう


 本書のテーマは「我々は知りたいものしか知らないし、見たいものしか見ない」ということなんだ

 
 悲しい話ではあるが、社会について自分について良く考えさせてくれる最高のSFだと思う
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.172
(2pt)

近未来が舞台だが中途半端なリアルさ

かなり絶賛されている作品ですが私にはダメでした。
冗長な文体、難読漢字にカタカナのフリガナ、先の読める展開など、読みにくさだけが印象的でした。
舞台も近未来ですが、バリバリの理系である私にとっては、その描写が細ければ細かいほどそのありえなさが鼻に付き、その世界観にのめりこめませんでした。
肝心の虐殺器官のトリック(というか本質)も、そのアナログ感にちょっとびっくり。
コミック化とかすればとても良い作品だと思いますが、若者向けのこの作品、上手く評価できません。
ファンのかた、ごめんなさい。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.171
(2pt)

近未来が舞台だが中途半端なリアルさ

かなり絶賛されている作品ですが私にはダメでした。
冗長な文体、難読漢字にカタカナのフリガナ、先の読める展開など、読みにくさだけが印象的でした。
舞台も近未来ですが、バリバリの理系である私にとっては、その描写が細ければ細かいほどそのありえなさが鼻に付き、その世界観にのめりこめませんでした。
肝心の虐殺器官のトリック(というか本質)も、そのアナログ感にちょっとびっくり。
コミック化とかすればとても良い作品だと思いますが、若者向けのこの作品、上手く評価できません。
ファンのかた、ごめんなさい。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.170
(5pt)

冒頭から身が震えた。

作者の伊藤計劃(いとう けいかく)さんの早すぎる死が読む前の前提知識とあったので、「どうしても過大評価になるのでは?」と思いながらも読み始めました。
しかし、良い意味でその想定は裏切られました。
冒頭の1ページを読んだ途端に、体が震えました。
小説を読んでこんな感覚になったのは、久しぶりです。
内容としては近未来SFであり、ハードボイルドともくくれるのですが、それでありながら主人公の「ぼく」という言葉使いのギャップも感じさせず、むしろそれが一般読者層の敷居を低くしていると思います。
ライトノベル世代に受け入れやすい、架空の機関・近代兵器はもちろんのこと、最後まで飽きさせることのない緻密なストーリーと伏線。
タイトルの「虐殺器官」の意味。
あのパラサイト・イヴ (新潮文庫)を髣髴とさせるような、科学知識を駆使した内容。
褒めすぎなのかもしれませんが、本当に読んでいて充実しました。
エンターテイメント小説とは、こういうものを言うのだ、と。
振り返ってみると、やはり「惜しい方を早々に亡くしてしまった」というのが正直なところです。
巻末の解説には、伊藤計劃さんの闘病の様子にも触れられており、貴重な1冊ともいえます。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.169
(5pt)

冒頭から身が震えた。

作者の伊藤計劃(いとう けいかく)さんの早すぎる死が読む前の前提知識とあったので、「どうしても過大評価になるのでは?」と思いながらも読み始めました。
しかし、良い意味でその想定は裏切られました。
冒頭の1ページを読んだ途端に、体が震えました。
小説を読んでこんな感覚になったのは、久しぶりです。
内容としては近未来SFであり、ハードボイルドともくくれるのですが、それでありながら主人公の「ぼく」という言葉使いのギャップも感じさせず、むしろそれが一般読者層の敷居を低くしていると思います。
ライトノベル世代に受け入れやすい、架空の機関・近代兵器はもちろんのこと、最後まで飽きさせることのない緻密なストーリーと伏線。
タイトルの「虐殺器官」の意味。
あのパラサイト・イヴ (新潮文庫)を髣髴とさせるような、科学知識を駆使した内容。
褒めすぎなのかもしれませんが、本当に読んでいて充実しました。
エンターテイメント小説とは、こういうものを言うのだ、と。
振り返ってみると、やはり「惜しい方を早々に亡くしてしまった」というのが正直なところです。
巻末の解説には、伊藤計劃さんの闘病の様子にも触れられており、貴重な1冊ともいえます。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.168
(4pt)

今ここにある未来

本格SFという事で躊躇していたが俺の中では『姑獲鳥の夏』『アラビアの夜の種族』『ガダラの豚』等に並ぶ凄い傑作。しかも著者の読書量が半端無いことを窺わせる、資料に使った本も読みたくなる。911から軽やかにサイバーパンクに移行してる世界を描く。
 もし村上春樹がこの『虐殺器官』を読んでいたら、『1Q84』なんてとても恥ずかしくて書けなかったのではないだろうか。伊藤計劃の文章・構成は村上チルドレンを臭わせるけど、細部の設定の未来予測な描写が半端ないくらい現在を感じさせる。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311