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転生
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転生の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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感想を述べるのが、なかなか難しい作品でした。冒頭のスラップスティックさが、もっと持続するのかと思っていたら、チベット問題はシリアスで、パンチェンラマもどんどんまともになってくる。 著者が伝えたかったのはいうまでもなく、中国によるチベット及びチベット人の取り扱いの酷さであり、入り口を喜劇的にすることで多くの読者を政治的主題に引きずり込むという意味では、大成功作でしょう。 しかし、愉快痛快娯楽作として読むには無理があり、結果として笑うことも感動することも、私にはできませんでした。解説でも述べられているとおり、本書登場の「奇跡」はミイラ蘇りの一点のみで、それなりに重たい気分になることを覚悟した上で読むべき本だと思います。 | ||||
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実在したチベットの転生活仏パンチェンラマ10世は、死後布を巻かれ金箔を貼られミイラにされていたが、なぜか蘇り、金ピカのミイラのビジュアルのまま現地の少年と共に冒険をし、巨悪を目論む大陸の共産国と戦う…という壮大なフィクションです。 短くまとめると何が何だか分からないですが、これを最後まで読ませる著者の筆力は物凄いです。 そして、ダライラマと同じ転生活仏というよくわからない存在を私達にも共感できる聖俗を行き来する存在として描いており、何度もくすりとさせられます。この活仏はモモというチベット料理にいつまでもこだわったり、急に女性に見境なく触ったりします…ただ最後は、宗教指導者兼政治指導者らしく、巨悪を叩き一時の平和をチベットにもたらします。 最後の演説のシーンには、涙させられました。いつでもどこにでも現れる姿は、現世に再訪されたお釈迦様や困った人をたちどころに助ける観音菩薩のようです。ただ神通力ではなく、人とトラック等で移動しているのが余計に良いです。 仏教やチベット問題についての知識がある方は複雑な気持ちになりながらも楽しめると思います。そうでなくても十分楽しめ、考えさせられる作品です。 | ||||
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復活したパンチェンラマが3人の従者を引き連れ、シナ(中国)のヒマラヤ縦貫計画の策謀をぶっ潰す! それにしても、パンチェンラマとかダライラマだったら、本当にチベット女性は何されても怒らないのだろうか? | ||||
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復活したミイラ・パンチェンラマ十世が、自身が安置されていた寺の小僧ロプサン、行商人サムドゥ、やり手の青年サンポの3人のチベッタンを従者にシナ(中国)政府の核を使ったヒマラヤ縦貫大工事計画をぶっ潰す!シナが核爆弾で崩そうとしているのはあのゴサインタン(シシャパンマ) ふざけて書いてるようでテーマはシリアス。一気に読みきった。まさに大活劇。 | ||||
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チベットに安置してあるパンチェンラマのミイラがよみがえった! 少年ロプサンを主人公・狂言廻しとして、パンチェンラマのミイラが中国政府を相手に大立ち回りを演じるというドタバタ劇。 特にひねったストーリーではないが、中国とチベットの関係がうっすらと分かるような作品。チベットの人たちが漢民族を見下しているような発言をするシーンも多々あるし、中国人がチベットの人たちを徹底的に管理したり痛めつけたりする話も出てくる。決して一方的にチベットを支持する反中物語ではない。もちろん、誇張もあるだろうし、他国の人間には分からない事情もあるだろう。 ドタバタ劇なので、肩の力を抜きながら、中国とチベットの緊張関係に触れるという読み方で良いのだろうと思う。 | ||||
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この手の宗教ものは篠田さんは本当にピカイチと思います。 パンチェンラマと中国の問題、 そしてダライラマのインドの亡命政府・・・ すごい触れてはやばいんじゃないのって話を バチェンラマがミイラに乗り移ってゾンビ化したという、 コメディフィクションにすることによって、 反対に深く切り込めたのだなと。 で。 この本は、チベット問題にある程度の興味のない人には ちんぷんかんぷんと思います。 でも、面白い人にはとんでもなく面白いと思います。 | ||||
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チベットとパンチェンラマに対する興味が沸いた。 原子力に対する警告もその通りだと感じた。 物語の途方も無い展開に、はらはらどきどきしながら読んだ。 最後の収束のさせ方は、それで何がいいたかったのか少し見失ったかもしれない。 3度読んだら、おもしろみが涌くかも。 参考資料のURL一覧を作りかけ http://researchmap.jp/joig169z1-45644/#_45644 すぐに出てこない資料を捜索中。 | ||||
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篠田節子はもうチベットには永久に行けないだろう。。。 表面上は、 まるで、主人公達がナチスに追われるレジスタンスのように 中国の監視から逃げるアクションロードムービー小説です。 “自分のミイラにされた体に再び魂が戻ったパンチェン・ラマ10世”は、 寺の小僧少年ロプサンと ヒマラヤ登山のベースキャンプに物資を運ぶ仕事をしている 中年トラック運転手のサムドゥと 携帯電話を持ち長髪をなびかせバイクを乗り回す 若者サンポの3人に助けられながら、 復活した当初は食欲と色欲に笑いましたが、 中国の目をかいくぐりチベットの各地で説法をして行きます。 途中、彼らは中国の荒唐無稽な超自然破壊の計画を知り、 命がけで阻止しようと大活躍します。 最後は、ロブサンと同様に優しいパンチェン・ラマ10世との別れに涙するでしょう。。。 でも、随所に彼の言葉にかえて 作者は現在も続いている中国のチベットに対する非業に激しく抗議しています。 | ||||
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チベットの指導者は観音菩薩の化身とされるダライラマと、阿弥陀如来の化身とされるパンチェンラマがおり、お告げにより地方に行き探し出された子供が選ばれる。1956年中国がチベットに進駐し、あらゆるものを破壊し、その様子が作者に「弥勒」を書く動機となったらしい。当時のダライラマ14世はインドに逃れ、パンチェンラマ10世は国内に残り、中国に反対する言動によってか、不可解な病死となる。 この作品は、そのパンチェンラマ10世のミイラが復活する話だ。復活しても一辺死んだ身なので、撃たれても平気だ。そしてパンチェンラマを崇めるチベットの人々に守られ、各地に出没騒動となる。パンチェンラマの人間臭い設定が面白い。やがてヒマラヤを核で壊し、インドの空気をチベットに入れる無茶な計画を知り、これを阻止する活躍が後半となる。とにかく荒唐無稽といってもよい壮大な活劇だが、基調は信心深いチベット人と乱暴な侵略者中国の姿であり、情勢は現在も何ら変わっていない。 作者は「弥勒」の時は取材しなかったが、今回は現地を訪問している。こんな作を出したからには、もう中国には入れないのではないか。晩年の毛沢東の誤った文化大革命は正されたが、チベット進攻は色々理屈を付け正当化している中国。ダライラマも最近は勢いが無くなって来ており、作者はパンチェンラマに「亡命者に何が出来るのだ」と言わせている。 活仏を信じる遅れた国を、変えてやろうとした中国の気持ちは分らないでもないが、所詮他国の事では。今チベットを初め周辺民族の抵抗に手を焼いているが、資源や原爆実験場とも絡み、悪化の一途を辿る情勢は複雑で解けそうになく、中国の自壊を待つしかないのであろうか。 | ||||
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「痛快」とレビューをはじめようとして、他の方もまったく同じ単語を使っているのには驚いた。 内容を知らずに手に取った1冊だったので、冒頭の荒唐無稽な設定には度肝を抜かれたが、その後のラマの行動にも…「これどうなるんだろう…このエロオヤジ(失礼)が何しでかすんだろう」と 先の読めない展開で、面白すぎました。 チベット、ラマ、中国共産党、漢人、私の日常生活では耳慣れない言葉が並び、政治や社会問題にも言及しているのですが、それでもその痛快さはまったく損なわれず、最高級のエンターテインメント本だと思います。ラマに再び出会える日を心待ちにしていますよ! | ||||
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レビューが微妙だったので期待してなかったのですが チベットとか ラマとか?ナニコレって でも 読み始めて あれ、 面白いって思いました 痛快 篠田ファンより | ||||
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パンチェンラマと世話係(?)の幼い少年がチベット全土を疾走する描写は、さながらロードムービーのよう。 こずるかった少年が、パンチェンラマをはじめとする大人の男たちと旅をする中で精神的に成長してゆく姿も微笑ましい。 全編にわたり非常に映画的(お色気、悪者との対決、カーアクションまである!)で、そこかしこにクスッと笑う ようなユーモアもある一方で、シリアスな問題(某国との)もバシッと押さえている。 読後は爽快であったかい気分になれます。 | ||||
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もっとも好きなをひとり挙げなさい、と言われたら 自分は答えるであろう篠田節子。 ファンタジーなのに人間の本質的なところをうまく書くのがうまい作家だと思う。 しかも今回の題材はチベット。 自分の長い旅行暦のなかでも特に思い入れが強い国だったので、 かなり期待していた。 結果的には期待をし過ぎたからか、 思ったほどは世界に入り込めなかった。 題材となっているパンチェンラマの問題はチベットに行ったことのある人なら 必ず考えさせられる問題だし、ダライラマのインドの亡命政府にも 行ったこともあるので、非常に親近感?の沸く内容ではあった。 それでも篠田節子が得意としているファンタジーを織り込みながらも、 現実感との組み合わせ方がイマイチのような気がして、 話の持って行きかたもちょっと???ということが多かった。 とはいえここまで触りにくいチベット問題について取り上げて 小説を書いたことはさすがだと思うし、まったく興味のない人でも 読みやすくは出来るていると感じた。 | ||||
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中国工作員により捕らえられ、獄死してミイラにされたパンチョンラマ十世が復活するところから、物語は始まる。 信じ難い事だが、チベットと周辺の宗教的背景を想像すると、あながち非現実的ではないという気すらする。 この、復活したラマは、高僧とは思えないくらい、振る舞いが随分俗っぽい。 物語の舞台はチベットだが、ラマが中国共産党の近年の歴史に、実名を使って深く言及する下りが、いくつかある。 ここで語られるラマの言葉は、いちいちなるほどと思う。 そして、いったんはインド亡命を目指したラマは、チベットを駆けめぐる。 駆けめぐるのは、ラマの平和への祈りだけではない。 煩悩までもが駆けめぐるのだ。 ラマをマスコミが追い、政治が動く。 物語は、この地域が抱える諸問題に、大きな疑問を投げかける。 何より、復活ラマの行動が痛快だ。 大変面白く、かつ、色々な事を考えさせられた。 | ||||
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