■スポンサードリンク
(短編集)
20世紀の幽霊たち
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
20世紀の幽霊たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
巨匠スティーヴン・キングの息子である事を秘し己の実力のみで堂々と勝負して大成功を収めたホラー小説界の新星ヒルの瞠目すべきデビュー短編集です。本書は解説を含めて約700頁のボリュームで、日本での初紹介長編「ハートシェイプト・ボックス」だけでは掴めなかった著者のさまざまな傾向の作品がたっぷりと収録されていて、まさに豪華料理のフルコースを味わう気分で大満足出来るでしょう。著者の愛するロック・ミュージック(但し日本風)に例えると、先頃惜しまれつつ解散した国民的バンドSASが初期に勢いで出した2枚組アルバムを聴いた時のような驚きと興奮を思い出しました。本書は基本的には怪奇幻想ジャンルの短編集ですが、意外に普通小説に近いテーマの作品も多く含まれています。本書がアメリカの評論家からも絶賛された秘密を私なりに分析しますと、描かれている恐怖の題材その物は古くから先達の作家達によって連綿と書き継がれ、最早完全に新奇なサプライズを望むのは不可能ですので、ホラーの恐怖性よりも寧ろノスタルジーや抒情味溢れる心情描写の語りが読み手のハートに届いたのではないかと思います。それは決して押しつけがましい教訓や説教調ではなく、社会的弱者や敗残者の目線で非難せずに労わるように書かれていると思います。私はそれが恐怖物語の派手さに隠れた著者の本質であると確信し、読者はホラーにしては非情でなく意外に温かな物語の感触に安らぎを見出すだろうと思います。『二十世紀の幽霊』『ポップアート』『うちよりここのほうが』『ボビー・コンロイ、死者の国より帰る』『自発的入院』『救われしもの』の6編が私には優しさが感じられて印象に残りました。怖さという面では思った程ではなく、残虐な描写に走らず冷静で距離を置いた何処か冷めたような風情を感じます。ともあれ、まだデビューして3年目で30代と若く先行きに大きな可能性を秘めた著者の活躍を今後も注目して見守って行きたいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
スティーブンキングの次男とのことで、ホラー作品が多く収録されていると思い読んだが、実際はホラー色は薄く、親子や兄弟について描かれている作品が多いように感じられた。 1、年間ホラー傑作選(ホラー小説の編者が応募作の作者に会いに行き恐ろしい体験をする) 2、20世紀の幽霊(映画館に現れる女の幽霊と主人公の出会いを描いた話) 3、ポップアート(風船人間との交流を描いた話) 4、蝗の歌をきくがよい(朝目覚めたらいきなり虫になってしまった少年の話) 5、アブラハムの息子たち(ある秘密をもった父親と兄弟を描いた話) 6、うちよりここのほうが(野球選手の父親と息子の交流を描いた話) 7、黒電話(太った男に監禁されてしまった少年の話) 8、挟殺(ビデオ店に勤める少年が家に帰る途中にある事件にかかわってしまう話) 9、マント(空に浮くことのできる布を手にした少年の話) 10、末期の吐息(人間の最期の吐息を収めた博物館に訪れた家族の話) 11、死樹(木の幽霊の話) 12、寡婦の朝食(放浪者が婦人の家で朝食を振舞われる話) 13、ボビーコンロイ、死者の国より帰る(ゾンビ映画のエキストラの主人公と昔の彼女との交流を描いた話) 14、おとうさんの仮面(少年が家族と出かけた湖のコテージで不思議な体験をする話) 15、自発的入院(弟の作った段ボールの要塞に迷い込んだ不思議を描いた話) 16、救われし者(父親が遠く離れた娘に会いに行く話) 短編小説の為、詳しく書けないが大雑把にストーリーを書くと上記のようになる。 ミステリー小説ではない為、謎が明らかになったり、結末がはっきり描かれているわけではない。また、内容的にはホラー色も薄いので、主人公が不思議な体験をする短編集として読むのが良いと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ジョー・ヒルはキングの息子だという。 本作を購読した時点ではその事実を知らなかった。 読み終わったときに、グロテスクかつユーモラスな作風は、 「深夜勤務」あたりのキングに通ずるものを感じ、 「このヒルという作家はキングの影響を強く受けているに違いない」と感じていた。 それはそうだ。 だって息子ですから。。。 物語の枠組みの作りかたというか、 恐怖が発生する装置のボタンの位置というか、 ホラーストリーの段取りがお父さんによく似ていると思う。 要は最近珍しい本格派ホラーを書く人だと思う。 特に冒頭の短編は傑作。 文句なく面白かった。 お勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ジョー・ヒルはキングの息子だという。 本作を購読した時点ではその事実を知らなかった。 読み終わったときに、グロテスクかつユーモラスな作風は、 「深夜勤務」あたりのキングに通ずるものを感じ、 「このヒルという作家はキングの影響を強く受けているに違いない」と感じていた。 それはそうだ。 だって息子ですから。。。 物語の枠組みの作りかたというか、 恐怖が発生する装置のボタンの位置というか、 ホラーストリーの段取りがお父さんによく似ていると思う。 要は最近珍しい本格派ホラーを書く人だと思う。 特に冒頭の短編は傑作。 文句なく面白かった。 お勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刊行以来、じわじわとその評判が伝わっている今作、一読したが、じわじわなんてもんじゃない。早急にこの面白さを誰彼となく伝えたくなる傑作だ(笑)。 これは、18篇の短編からなる魅惑的な逸品。身も毛もよだつホラー、悪夢と甘美の薫りが融合する幻想、あまりに奇妙で抒情的な友情、カフカ的なしかしこちらはグロテスクでピカレスクな奇談、、、一編一編のクオリティが高いものが多くて、凄いお値打ち感。それだけに、一気に読み続けると、かなりコアで濃厚なエピソードが多く、翻訳小説特有の言い回しのまわりくどさもあって、どっと疲労感に襲われる。1日2編程度のペースで読み進めるのが健康的か(笑)。9日間に渡って幸福なひとときを過ごせるしね。 レイ・ブラッドベリ、スティーブン・キング、ロアルド・ダールら、かって読み耽った作家たちのアンソロジーの断片が甦ってくる。 誰彼となく、との表現を使ったが、この種のジャンルが苦手な方も居るので、評価は★4つとしたが、ハマル人には堪えられない1冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
完璧と称する書評などありますが、もちろん完璧ではありません。作品間の質のばらつきは見られます。しかし、「ポップアート」などの複数の作品は大多数の作家には逆立ちしても出せないクオリティーを持ちます。恐ろしくなるような才能が垣間見られるのは間違いない。訳のせいかもしれませんが、喚起されるノスタルジアやユーモアのセンスは父親に似た雰囲気があります。 この本はこれでいいと思いますよ。今後の要注意人物として登録します。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!