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風の影
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風の影の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 41~60 3/4ページ
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本屋で平積みになっていたこの作品を、何気なく手にとったら、1ページめから、引き込まれました。他の方のレビューにもありましたが、久々に素晴らしい読後感を得ました。もちろん、感想は読み手それぞれで違うでしょう。でも敢えて多くの人に読んでみて欲しいと思います。゛感動″や゛考えさせられる″といった言葉では表現しえない著者、翻訳者、そして読み手が造り出す感情に出会える気がします。私にとってこういった本に出会えることは、幸せな反面、次いつ出会えるのかと、少し悲しくなります。ともかく、次回作が出るそうなので、楽しみに待ちます。ある著者の作品を待つのも、久々なことで幸せですね。 | ||||
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上巻最後、大勢の中から主要人物が浮き上がり、役者が揃った。 カラックスの身に起こった悲劇が、いよいよ明かされ始めるのか? と、盛り上がって読み始めた下巻だが、あまりの悲惨さにヘコんでしまった。 なぜこんなにも陰惨なのか? 内戦、世界大戦、独裁政治という時代のせい? 先が気になり一気にラストまで読みつつも、最後まで立ち直れず、すっかり物語に置いてけぼりにされてしまいました。 過去の人々にも愛情や友情があった。 けれどもあまりに不幸な人、孤独な人が多すぎる。 もう少し誰か何とかしてやれなかったものか、どこかに希望はなかったのか、胸が痛みました。 一方、ミステリーとして、とても魅せられました。 部分的に語られる過去、見えたかと思えば覆され、死者と生きている人が現れては消え、複雑に絡みあって収拾がつかないと思いきや、破綻なく見事に全容が明かされる。 地の文も会話の読みやすく、とても好みです。 ダニエルと父親、フェルミン、その他の人々の絆は素晴らしく、ハッピーエンドを願ってやみません。 ただ、これは反則では?という箇所もあり。 それにラストがちょっと雑ではないか? など、あれこれ言いたいことのある作品でした。 | ||||
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とてもすてきな物語です。この作品を好きにならない本好きがいるでしょうか。 主人公の少年ダニエルが古い書庫で見つけた謎の小説の作者を探して刑事や亡霊につけまわされながらいろんな人に出会い成長していく、ミステリ要素のある青春物語です。 「忘れられた本の墓場」のあやしく魅力的な雰囲気、謎の過去を持つ陽気な相棒フェルミンを始めとした大人たちがダニエルの成長を見守る温かいまなざし、若くまっすぐな、命をかけた冒険と恋。 なかでも、小話めきますが、養老院への侵入手口と、後日談がほほえましくて好きです。 亡霊に悩まされたり命の危険に晒されながら失踪した作家の過去を紐解き追跡するという暗い長編なのに読後こんなにも爽やかなのは、登場人物の純粋さと、舞台となったバルセロナという街の明るさのせいかもしれません。 | ||||
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久しぶりに素晴らしい小説に出会った気がする。 第二次大戦後の無政府状態から独裁政治へと移行する暗い時代背景の中で、暴力が支配するバルセロナを舞台に、魅力的なキャラクターの登場人物達が、激しい愛憎の中で翻弄される様が描かれる。 タイトルの風の影(The Shadow of the Wind)は、主人公のダニエルが11才の時に、手にした小説のタイトルである。この小説に惹きこまれたダニエルが、作者のフリアン・カラックスについて調べ始めたことを契機に、思いも寄らぬ事件に巻き込まれる。 本書の構造はかなり複雑だ。ダニエルと親友の妹との許されぬ恋と、それに20年ほど先立つフリアン・カラックスとペネロペの許されぬ愛が主題ではある。但し単なる恋愛小説ではなく、特に後者のフリアン・カラックスに関しては、両親との愛憎、友人達との間の深い友情と、それを上回る激しい憎しみと裏切りが交錯する、息詰まるような濃密な関係が描かれる。そして別々に展開していたダニエルとフリアンの世界が、次第に重なり合っていくことになるのだ。 決して気軽に楽しく読める小説ではなく、どちらかといえば重いが、見事に構成されたストーリーと魅力的なキャラクターが揃った本書は、小説を読む醍醐味を味わうことが出来る傑作だ。また日を改めてじっくり読み返してみようと考えている。 | ||||
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主人公「ダニエル」が一冊の本を手に入れたことから物語が始まります。 その本の作者「フリアン」の謎と過去が徐々に明らかになっていきます。 この本は、ミステリー、サスペンス、恋愛等色々な要素が入っており、様々な人生が描かれています。 上巻のテンポが遅すぎて冗長な感は否めませんが、一気に色々な謎が解けていく下巻はテンポ良く読み進めていけますし、丁寧な描写も相まって全体を通して評価すれば優れた作品と言えるでしょう。 上巻は、色で例えるとセピア色で、下巻の後半からカラーになるという感じですかね。 舞台はスペインの内戦後の時代ですが、ある程度この時代の文化的背景が分っている、良く理解しながら読み進める事が出来ると思います。 そういう意味では、訳者のあとがきを先に読んでから、本編を読み始めるのも一興かと思います。 | ||||
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一応ミステリでもあるので、 ネタばらしを避けるため詳しくは紹介しない。 「ローマの休日」等の映画やTV、 画像表現をボロクソに言っている本好きの為の本である。 視覚イメージを惹起する直喩を多用した文が素晴しいので、 皮肉な事に映画化には相応しい作品である。 自分の作品がベストセラーになることをのみ望んでいる 金銭欲と名誉欲の塊は、 本書の(影の)主人公に思い知らされるがよい! そして、風はガルシア=マルケスを読み解くキーワード。 スペイン言語圏が、 セルバンテス、マルケスに継いで、 また一人の天才を生み出した! カルロス・ルイス・サフォンの今後に注目せよ! | ||||
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ストーリーの面白さだけでなく、 読書することの喜びや、知的興奮を感じさせてくれる一冊。 これを読んだ人は誰もがバルセロナに行きたくなるだろう。 (この本に付いてる地図を見ながら街を歩く人もいるのでは?) 海外小説の割には、恋愛についての描写が些かセンチメンタルで甘ったるい感じがしないでもない。(まあ、日本人の好みに合っているかも・・) また、途中ややテンポが遅い感じもあったものの、 お勧めの一冊という点で星5つにしました。 (特に読書が好きな人にはお勧め) | ||||
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母を亡くした少年ダニエル。霧深い夏の朝、ダニエルは父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で『風の影』という1冊の本と出会う。本に引き込まれたダニエルは、他の著作を探そうとするが、作者フリアン・カラックスの本はほとんど焼失していた。フリアンについて調べ始めたダニエルは、次第に彼の生涯にまつわる謎に引き込まれていき... 上下巻読了しました。上下巻で評価すると、「上巻を読めれば、面白い」というところです。上巻の途中で嫌になって投げ出さなければ、下巻は一気に読めるでしょう。下巻は、テンポもよく、展開も速くてどんどん読めます。頑張って、最後まで読んでください、という感じですね。フェルミンとか、ちょっと都合よくないかなーという人物もいますが、戦時の暗さと上流階級の暗部とか社会のもつ嫌な影の部分も織り込まれいて、ラストまでぐんぐん引っ張ってくれます。最初からガンガン面白いというわけではないので、読書好きのひとならよいかも。でも、読書好きの人なら、「●●の方が面白かった!」とか、言いそうだなぁ...というわけで、微妙な本です。 | ||||
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はじまりから劇的である。霧の中少年ダニエルが父親に手を引かれて、たどりついた場所で運命の本に出会う。ここから何が始まるのかわくわく感が高まる。 多くのひとの出会いや感情が人生を作り上げ、愛情や憎しみ、哀しさを抱いてそれぞれが生きていく。 内戦前後のバルセロナ、今より自分の力ではどうしようもない力もはたらく時代に、どうしようもない怒りと哀しみを抱いて自分自身に復讐を図るフリアン。 ダニエルのフリアンに対する探求の旅と、ダニエル自身の青春がだぶって、その重ね合わせと語り口は本当に引き込まれる大作だ。 なによりも、訳者の出来がすばらしいと思う。まるで原著でよんでいるような表現や流れがなくては、この作品がもつ光はここまで輝くことはなかったであろう。 それぞれが夢中になれるものを持っていた青春時代。そしてその後も続いていく人生。 その中で苦しみながらも光と輝きを取り戻していくフリアンの想いが、とても伝わってくる名作でした。 映画になりそうな気もしますね。 | ||||
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翻訳作品は、その内容以前に「文章の読みやすさ」がポイントだと、私は思う。他言語を日本語に置き換えると、リズムがおかしくなってしまう場合もあるからだ。翻訳者の腕の見せ所である。その点、この作品は問題ない。訳者の木村裕美は、とてもいい仕事をしている。 舞台となっているのは、カタルーニャ州の首都バルセロナ。日本では1992年の夏季五輪開催やサッカークラブのFCバルセロナ、ガウディのサクラダ・ファミリアなどで知られる土地。ただ作品の始まる1945年は、スペイン内戦が終わってまだ数年しか経っていない頃。その傷痕が(人々の心や肉体を含め)色々な場所に残されていて、今日のバルセロナとはまた違った印象を受ける。 様々な要素を含んだ作品だ。ミステリー、恋愛、サスペンス、ホラー、そして何より人生を描いている。文章の1つ1つが丁寧に書かれている事が特徴。昨今のテンポの速い作品とは異なり、19世紀文学の香りが漂う。古くさい感じはせず、かえって新鮮。風景や自然の描写が美しいことも、印象に残る。 キャラクターの特徴付けはしっかりとされていて、中でもフェルミンの語り口がとてもいい。中には魅力の乏しい人物も含まれてはいるし、その行動に首をひねってしまう場合もある。だがそれも許容範囲で、作品の魅力を大きく損なってはいない。ただ、フメロの心理描写を組み込めば、更に良くなったかもしれない。 作中で語られる「秘密」には途中で気づくし、最後のオチも読むのは難しくない。それでも飽きさせないのは、構成が巧みだから。非常にレベルの高い作品と言えるだろう。 | ||||
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個人的な意見になりますが、久々に本の中に引き込まれました。 茶色を主体としたモノクロームの映画を連想させられるストーリー。 「忘れられた本の墓場」は本当に実在?するのでは。。。なんて思いました。 と、言うより こんな本の貯蔵庫があればいいのになあ。。。と思いました。 「本」が大きな鍵になるミステリーなんて、本好きには、たまらない!! ロマンス・冒険・ミステリー・人間ドラマありの、読みごたえありの本です。 | ||||
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久しぶりに読み応えのある小説でした。初めから最後まで飽きないしとてもよくできています。著者の作品をまた読みたいと強く思いました。悲しい部分が少しあったので辛い気持ちにもなりましたが、読後感は大満足です。 | ||||
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間違いなく、本年のベスト1(個人的に)! 少年が、大人になって行く成長物語の中に渦巻く、謎、サスペンス、恋物語、そして暗闇に暗躍する謎の怪人! これだけでわくわくなのですが、本当に面白い!上下800ペ−ジ以上を一度も飽きさせずに読ませる、その文体も、しっとりとノスタルジ−にあふれ、質の良いヨ−ロッパ映画を観ているような、夢見心地にさせてくれる。 不幸や、復習に満ちた作品なのに、最後にはすばらしい人生を感じさせてくれる。 本当にこの作品に巡り合えてよかったと思う | ||||
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上下巻、一気に読了。 ダニエルとフリアンの人生が錯綜する。 フリアンの人生を知った後、 同じように進んでいく時間が、 決して素敵な結末ではないことを予感させ、 読んでいて苦しくなりました。 しかし、その人生から目をそらすことはできません。 少年の成長、父と子の愛情とともに描かれる 文学、本の存在意義。 自分自身の読書体験を深く考えました。 この本をガイドに、バルセロナを歩いてみたいです。 | ||||
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とある本をきっかけに進行する小説は確かにいくつかある。そしてそれらのほぼ半数(これは日本の作家になるものではなく海外の作家から生み出されたもので、それらは途方も無い競争に晒されて我々日本人の手に届くからかも知れないが)が確かに面白い。 今回の『風の影』は、本の装填や背表紙を見る限り、そしてその題名さえもが言葉は悪いが陳腐であり、読書家であれば在るほど一度手に取ってさっと裏を眺め、すぐ元の場所に戻すようないでたちの本だ。 だが、中身は相応に深い。バルセロナと言う、サッカー以外にはほぼ知らない土地で繰り広げられるいかにもと言った場面設定ではあるが、プロットが複雑で濃厚。他の本と重ね読み出来ないくらい多数の特徴ある登場人物が重なり合っているが、最後には元いる場所に辿り着く。 これ以上説明の必要の無い、”絶品”の一種である。 | ||||
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上巻では、主人公ダニエルの恋やフリアンの過去、フリアンの本を燃やす「悪魔」ライン・クーベルトとの対峙などが、まだベールに包まれたあやふやな形で描かれていましたが、下巻に入ると、ダニエルと元ホームレスの友人フェルミンの探偵活動が活発になっていきます。 フリアンの恋が始まったと同時に、緩やかに悲劇が始まっていたことがわかっていきますが、親友ミケルがそれに対して心を砕いたことも感じられます。フリアンとミケルの友情、ミケルのやさしさが行間にあふれ、思わず涙してしまいました。 読み進める間、ずっと、「フリアンは生きているの?」「これからダニエルはどうなるの?」という気持ちが胸を占め、本を手放せませんでした。 上巻、下巻を通して、登場人物の息吹、感情が満ちているのもこの物語の魅力です。中でもフェルミンの存在は大きい。ダニエルと物語を、そして読者を回転のいい頭と口で導いていってくれます。 | ||||
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今、読了しました。書店にあふれる書物から、この一冊を選び取った瞬間に、そこは「忘れられた本の墓場」となり、あなたはダニエルになります。 生き生きとした登場人物と、巧緻なプロット。物語や書物、万年筆などの文具を愛してやまない人にこそ、この本を読んでいただきたいと思います。 また、満ちあふれる警句や、あたかも詩歌のような美しい修辞にも心を奪われます。 そしてなにより、この物語の核は、父と息子の物語であると思います。大切なものが父から息子に継承されることの美しさが、何よりも心を打ちます。 本を読む喜びに浸ることができる、文字通りの傑作です。 | ||||
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ダニエルの目を通して描かれる上巻。謎の作家フリアン・カラックスの足跡を辿るうち,ダニエル自身の運命も衝き動かされ,形を変えてゆく。 思春期の淡い恋心,飽くなき探究心,そして心の友との出会い。前半はダニエルの成長を見守りつつ安心して読める。フリアンの著書を片っ端から焼き払う謎の男についても,ある程度予想できつつもその動機については未だ明らかにされない。 口達者なホームレス,フェルミンが物語に果たす役割も大きい。彼の前歴については下巻で明らかにされるが,ダニエルの彷徨える感情を明確なビジョンに導く導師として,存在感はより大きくなる。 | ||||
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久しぶりに、読み始めたら止まらない本に出会いました。 主人公のダニエルは本屋の息子。 本好きにはたまらない設定です。 ぜひ。 | ||||
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ボリュームがある上に、多くの登場人物や場所が微妙につながっているので、読んでいるうちに「この人いつ出てきたっけ?」と気になって前に戻ることが多々あります。それでも見落としている部分があるかもしれないので、全編を一度読み終えてから再度読み直すと、また新たな発見がありそうな気がします。 この本を特定のジャンルに分けるのは、本当に難しいです。すべてのジャンルの要素が含まれているようにも思えます。主人公ダニエルが成長するにつれて少しずつ明らかになる『風の影』の作者、フリアン・カラックスの過去。上巻を読み終えた今は、壮大な迷宮に迷い込んでしまったという感じですので、早く下巻を読んでスッキリしたいです。 | ||||
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