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神は銃弾
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神は銃弾の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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養老孟司氏の著書にこの本が登場し、お褒めになっていたのでKindleでトライ。久々に超カルトと暴力に満ちた世界にどっぷりだった。これをブレずに書ける作者はすごい。絶望と恐怖の中で、誘拐された娘を取り戻そうとする男と、ジャンキーから立ち直った女のチェイスと鉄の意志が凄まじい。圧倒的な暴力が描かれる裏で2人の人間描写は繊細であり、切なく、最後2人が生きてくれてよかった(たぶん)と思った。次のテランを読むにはちょっとインターバルが必要なくらい満腹。 | ||||
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なんとも難しい話だ。筋書きは、カルト教の教主に拐われた娘を探しに、警官である父親が、元教徒で麻薬中毒者の女を案内役として追跡する話である。 登場人物の話す言葉に毒があり、品がなく、気分が悪くなる。暴力描写の場面にも、ここまで書かなくてはならないのか、と嫌悪感を覚える。最近、ボステン・テランの小説を読み始め、最初の作品だと言うこの本にたどり着いた。この本に出てくる表現は、この本の前に読んだ、「音もなく少女は」に似ているが、「音もなく少女は」も悲惨な話ではあったが、希望が見られた。しかし、この話には、希望があるのだろうか。 ちなみに、なんとしてもボストン・テランの小説を原文で読もうとしたが、この本も十数ページで挫折した。翻訳者の田口俊樹氏は「訳者あとがき」で、「本書ほど訳出に難渋した作品もない。」と述懐していた。私にも読めないわけだ。しかし、欧米の人たちはこの本を、アメリカ探偵作家クラブとイギリス推理作家協会、で大きく評価されているところを見ると、難解な小説ではあってもちゃんと読みこなしていると言うことだろう。 | ||||
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ボストン・テランのこの一冊から大ファンになりハマった思い出の一冊でした。 何処に無くしてしまい買い直して全冊コンプ出来ました。 | ||||
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レビュー評価が極端に分化していたので逆に興味を惹かれて読了。 カルトにドラッグ、レイプに凄惨でど派手な暴力シーン。 身内もみな罪を隠匿してる輩ばかりで四面楚歌。 そんな中で、デスクワーク中心の冴えない保安官が、脱カルトのジャンキー女と、 カルト教壇に拉致されてドラッグ漬けにされている一人娘を救い出せるのか? と逆に悲惨すぎておもしろく読了できた。 テランのデビュー作ということもあり、文章修飾に懲りすぎの感は否めないが、 デビュー作らしい荒っぽい勢いで最後まで読ませる。 冴えない保安官ボブとヘロインの離脱症状に苦しむケイスのコンビが、けっこういい。 | ||||
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すさまじいまでの暴力シーンやセックスシーン、そして麻薬に犯されたジャンキーやカルトの教祖が出てくるノワール小説である。しかし、 この作者はこれは処女作であることを全く感じさせないほどの、抑制の効いた文体とそして、ある意味難解なまでの表現 で作品が決して、暴力を売り物にしたビジュアルな作品でないことを証明している。主人公の元ジャンキーでありカルトの犠牲に なった女性、ケイスの魅力も抜群だ。最後自分ひとりでカルトの教祖であるサイラスを殺しに出かける。保守的なボブともだんだん 心を通じさせる描写もなかなかいい。 | ||||
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設定がシンプルで話に入りやすいですね。 すさまじい悪意と暴力の氾濫する異常な 犯罪ワールドの描写が、 これでもかというくらい執拗で、 読みつづけるのが嫌になるくらい凄いです。 でも面白かったと思います。 | ||||
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最初から度肝を抜かれる展開でした。 読み始めて、あまりの展開に、「え?そんなむごい展開になるの?」と何回も読み直してしまいました。 「神は銃弾」というタイトルを何回も、確認しながら中身を読み進めていきました。このタイトルはうまいな〜と思いつつ・・・。 物語は、救いようのない残酷さが満ちています。しかし、その中に希望があることが、一番すごい。 かなり強烈な読書体験でした。久しぶりのヒット作品でした。 映画化は無理だと思いますが、それでいいと思います。こんなすごい作品が映画化されたら、なんだか残念。 | ||||
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ノーテンキで大雑把なアメリカ人にこんな深い作家がいたのか! 本書で言及されている単純な二元論の悪の間違いを更に追求したい人は、 オクタビオ・パス か山本七平 の著作を薦める。 哲学的文学的なノワールなので、 純文学ファンによりいっそう受ける作品。 エンタメとしては、比喩表現がやり過ぎでうざい。 比喩地獄というギャグを自分で言ってるので、 許してやりたい気もするが、鼻につくので許しません。 比喩を刈り込んで2割ボリュームを落とせば、 完璧な作品になったろうに惜しい。 ノワールだがヒロインの方が多く人殺しするのが新鮮。 ヒーローはデスクカウボーイと揶揄されるヘタレだしなw ヒーローの為にヒロインが活躍する異色作。 ヒーローの方が足手纏いであるww プロットは単純だが、人間関係の描写が巧い。 ヒロインは犯されまくるが、 ヒーローとは恋仲にはならないのも新鮮! セクースも武器の一種に過ぎない。 人間関係で大事なのは心の関係ざんす。 これを読んで心が揺すぶられない奴は読書する意味がない。 | ||||
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カルト集団にさらわれた娘を取り戻すために、娘の父親とカルト出身のヤク中女が手を組んで復讐の旅に出る、 という単純極まりない話のはずなのに・・・すごく読みにくい。 どこかのハードボイルドの登場人物が言いそうな小憎たらしい台詞を更に濃くしたような文体がひたすら続く。 更に、作品で書かれる「病んだアメリカ」とバイオレンス描写がきつくて、 冗談ではなく本当に体力を消耗する(笑)。 疲れているときは読まないほうがいいです。 もともと、「復讐」とか「銃弾」とかの方面に期待してたのでだけど、かなりあっさり終わってしまって肩透かし。 でも、この物語で一番面白かったのは、ボブとケイスが会話をしている場面だった。 「宗教は白人がこの世を支配するために生み出したシステム」だと言い、「宗教も政治も、銃弾という神には敵わない」と豪語する、ひたすら現状認識の女であるケイスと、 人を殺めながらも常識や神にすがろうとする男であるボブとの心の交流が、 このひたすら容赦がない世界観の中で唯一の「救い」に見える。 カルト集団のボスで、存在感ありまくりのサイラス。そしてフェリーマン。 どいつもこいつもかっこいい! | ||||
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現在形で語られる散文詩的な文体が凄まじい。暴力と凶器の凄惨な世界に神はいない。全てに怒りが満ちあふれ、苦しみだけが支配しる状況での極限状態の人間関係。希望を求め、絶望から逃れるために地獄へと向かう二人。 読んでいるだけでこっちの精神もすり減ってしまいそうな厳しい小説だ。アクションシーンで生死の瀬戸際を渡るシーンも多いが、読みどころは精神的に生きるか死ぬかの争いう部分だろう。正義(神)を信じる主人公と、現実世界の闇を生きてきた元ジャンキー、悪の化身のようなカルト教祖、それぞれの世界観が衝突する。 そして、とにかくヒロインがカッコいい。 | ||||
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日本製のハードボイルド原「りょう」や藤原伊織、旧き良き時代のハードボイルドの逸品。勿論これらも素晴らしい。 しかしながら、ただ普通の人が生きているだけで「ハードボイルド」な今のアメリカなら、この作品位の悲痛さがないと、もはやハードボイルドとは呼べないのかも知れない。 圧倒的な暴力、原則信用し合わない人間関係。これもリアリティだろう。 読みながら戸惑う事すらある、短いセンテンス。現在形の多用。(文体のクセは読んでもらわないと伝えにくいが) 原文のテンポを、うまく訳し出している和訳も見事な出来だ。 ただこの作品で一番素晴らしいのは、主人公の1人・ケイス・ハーディンという女性の存在である。元麻薬中毒・暴力カルト集団メンバーという過去を、しっかり引き摺りながら読者には、押し付けない。 にも関わらず彼女の溢れんばかりの、悲しみや怒りは深い共感となり感情移入を招く。 稀有な存在感のある女性主人公を感じるためだけでも、一読の価値が十分ある。ラストシーンも、この作品のテイストを損なわずに、読者の想いを受け止める見事な締めだと思う。 | ||||
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「死者を侮る・・」を先に読んでしまったのが悔やまれる。決してこの「神は銃弾」がつまらない訳ではない。しかし、テンポというか、たたみ掛ける過呼吸みたいな文段は「死者・・」が圧倒的に進化しているので、順番は守った方が良い。されば、「死者」が二倍、三倍と楽しめます。でも、どうして女性がこうも格好がいいんだろう。女々しいのは男、雄雄しいのは女。 テランの母がここに居た。 | ||||
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物語の三分の一まで読むのに一ヶ月かかった。その後は半日だ。こういう暴力小説に慣れていないという事もあるけれど、文体が現在形で、スラングが多く、魅惑的な形容詞がちりばめられ……つまりその世界に浸るには少し時間がかかった、ということだ。ただし、その世界に入れば後は一直線の物語である。単純だし、結論はほぼ見えている。しかしぐいぐいとキャラクターが生きていて、終わった後は不思議な爽快感が残る。小説を読む喜びというものを少し思い出した。 | ||||
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いわゆるハード・ボイルド小説ー主人公が自分なりの規範をもち、それを頑なに守り通す。チャンドラーやハメットにはじまるそういう物語も、現代にたどり着けば様々な形態となり、主人公達が守るべき規範も様々になってきた。それらは様々であっても、ひとつの基準で線引きをされていた。それは「神」だ。女性を守る、友達を守る…彼らの規範は、そういうキリスト教的なものから派生していた。シリアル・キラーやカルトの狂気も、もとをただせば「神」への愛憎だった。ーでは、その基準を取り去ってしまったら?麻薬・レイプ・殺人…本書はそう複雑でないストーリーを追いながら、「神」が基準となっている「われわれの世界」を糾弾する。エンタティメントでありながら、「狂気の基準」を偏執的に掘り下!!げる。その語り口は硬質で、青臭さを感じさせるところもないではない。が、映画の脚本のト書きのような文体は、とてもビジュアルで、サム・ペキンパーとデヴィッド・リンチを合わせたような味わいを持っている。この次は?と期待せずにはいられない。 | ||||
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強引な展開ながら生き生きとした表現は、確かに魅力だが、これが「このミステリーがすごい」の2001年のベスト1じゃあ、このミスベストの投票者の好みを疑うね。せめて8位前後なら理解できるのだがね。ボブ・ハイタワーとケイス・ハーディンのミスマッチコンビは面白い設定だし、娘を探してそれこそ地獄までも赴くのも共感できるのだが。カルトとシリアルキラーの渾然一体もの(こんな表現はふさわしくないとは思うが)テーマは他でもあまりに多すぎてややうんざりだね。 | ||||
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詩を読んでいるかのような叙情的な文体には好き嫌いがあるかもしれないが、 心を掻きむしられるような迫力を感じる。 ローレンス・ブロックでお馴染みの田口俊樹氏の翻訳がGOOD! 主人公の二人が極限状態でぶつかり合いながら、ふっと心を通わすシーンが 痛々しく、思わず涙してしまう。 私が知る限りこのヒロインは、かつて出会った中でサイコーにかっこいい女性。 まるでロードムービーを見ているかのように、情景が目に浮かぶ作品。 | ||||
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血を求めるカルト集団。儀式と殺人。 別れた妻を殺され、実の娘を連れ去られた男が、このカルトリーダーを追う。 陰惨な話である。 なのに、娘を取り戻す為に全てを捨てて突き進む男の凶暴性には、一種の爽快感さえ感じてしまう。 人間の本来の個の力を改めて思い起こさせてくれる、人間復活の物語である。 | ||||
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