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Mr.クイン
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Mr.クインの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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犯罪プランナーが主役の悪漢小説。 主人公のクインは、極悪非道の完璧な悪党で、人間味のかけらもない。被害者となるのが善良な人々であるがゆえに、余計に非情さが際立つ。 不動産会社を乗っとろうと、その家の次女をたぶらかした男の手引きで、一家を事故死として葬ろうと企てるクインと、ビジネスパートナー?の麻薬王…というのがストーリーの主軸(不動産会社社長はアルツハイマーの妻を献身的に介護する好人物、長女はご懐妊という幸せな家族)。犯罪そのものは気分が悪くなるのだが、その計画の綿密性はとても優れている。 見かけは一般市民のクインは、浮気がバレて妻に離婚を突きつけられている。二人の子供を連れ去られ、妻の強行さに業を煮やしたクインは、犯罪プランナーとしての顔を見せる…という展開が、不動産会社乗っ取りと並行して語られる。 少しでも禍根を残しそうな者たちを、徹底的に排除していくクイン。なので、亡き者にされる登場人物は、とっても多い。おまけに、肥溜めに死体を放り込むなど、顔を顰めてしまう残酷なシーンがちらほら見られるので注意されたし。 クインの犯罪は、果たして成功するのか。最大のライバルは、クインの裏の顔に迫る女性ジャーナリスト(妻の姉)。これまた彼女を徹底的に叩き潰す計画が凄まじい。 本作品はクインの視点で犯罪の進行が語られる。独特のユーモアはあるものの、あくまで物語と割り切れないと厭な気分だけが残ってしまうだろう。 | ||||
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犯罪グループのブレーンであるクインを描いたストーリー。 最初のシーンからの構成は緻密で圧巻のテクニック。 思わず痺れてしまうほどの技巧派でありながら堅苦しさを微塵も感じさせないのはやはりクインのブラックでユーモラスな語り口によるのが大きい。 ストーリーもメインの犯罪ストーリーとクインのストーリーが絶妙なバランスで配置される。 外道のようなストーリーだがグロなどの胸糞の悪さはなくにやっとさせられるウィット。 クライムノベルの傑作であるのは譲れないところ。 | ||||
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天才的な頭脳を持つとことん悪い男ジャード・クインが主人公。 彼は犯罪プランナーとして、表舞台には立たず、裏から悪逆非道な計画を立て実行させる。 彼の仕掛けは、すべて最初は何に使われるのか全く分からない。それが話が進むに つれてジグソーパズルのピースが1つ1つがぴたりとはまって一つの絵になるかのごとく、計算されつくした犯罪の全貌が浮かび上がる。 すごい悪人だが、彼の仕掛けがぴたりとはまるたびに思わず、「なるほど!」とうなってしまう。 犯罪小説で相当アクドい話なのだが、クインのあっけらかんとした態度と、あまりに、ぴたり、ぴたりとクインの計画がハマりすぎるために、 かえってブラックユーモアがたっぷりきいたコメディを読んでいるような感覚にもなり、読んでいて救われる。 魅力的か魅力的でないかといわれれば、品性を疑われるのを覚悟で魅力的だと答えたい。 果たしてここまで悪い主人公がどんな結末を迎えるのか? | ||||
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天才的な頭脳を持つとことん悪い男ジャード・クインが主人公。 彼は犯罪プランナーとして、表舞台には立たず、裏から悪逆非道な計画を立て実行させる。 彼の仕掛けは、すべて最初は何に使われるのか全く分からない。それが話が進むに つれてジグソーパズルのピースが1つ1つがぴたりとはまって一つの絵になるかのごとく、計算されつくした犯罪の全貌が浮かび上がる。 すごい悪人だが、彼の仕掛けがぴたりとはまるたびに思わず、「なるほど!」とうなってしまう。 犯罪小説で相当アクドい話なのだが、クインのあっけらかんとした態度と、あまりに、ぴたり、ぴたりとクインの計画がハマりすぎるために、 かえってブラックユーモアがたっぷりきいたコメディを読んでいるような感覚にもなり、読んでいて救われる。 魅力的か魅力的でないかといわれれば、品性を疑われるのを覚悟で魅力的だと答えたい。 果たしてここまで悪い主人公がどんな結末を迎えるのか? | ||||
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とにかく面白い。主人公のキャラも強烈だし 小説の構成としても、すごく良くできていると思う。 そして、内容はとことん悪趣味で胸くそ悪くて モラルに欠けていて、それでいて目が離せない。 主人公にちょっと魅力すら感じる。 まじめな人は読んじゃだめ。誰かに買った事を知られるのも ちょっといや。1人でひっそりと楽しみたい。 言ってる意味わかるか? | ||||
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とにかく面白い。主人公のキャラも強烈だし 小説の構成としても、すごく良くできていると思う。 そして、内容はとことん悪趣味で胸くそ悪くて モラルに欠けていて、それでいて目が離せない。 主人公にちょっと魅力すら感じる。 まじめな人は読んじゃだめ。誰かに買った事を知られるのも ちょっといや。1人でひっそりと楽しみたい。 言ってる意味わかるか? | ||||
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目が活字を追う速さでよどむことなく読みとおせる話。 悪党ジェラード・クィン、通称ジャードの一人語りで話は進む。 自らは基本的に犯罪の実行には手を染めないが、一小市民を装いつつ陰で犯罪プランナーとして暗躍する。 とことん虚無的な男である。 親子夫婦の関係、愛人関係についてもこれと同じ外面と内面の隔たりをもって接する。唯一信頼関係らしきものは麻薬王パディ・トナーとの間に認められるものの、これは相手を汚れ仕事や矢面と見立てての共生関係なのだ。 父親をゆえなく殺害されたことが引き金となって自ら悪党ゲームの達人になろうと決めたらしい。人が傷ついたり死んだりしても自分は痛くないから平気なのである。もっとも、自分が痛い目に会った場合はまったく話は別で、大変情けない。 この男には善き生きる目的はない。あえていえば、ちょっとしたいたずらから殺人まで含めたゲームそのものが目的なのである。 スターリンやヒトラーのような正面切った大悪党ではない。 あくまでも裏に回って悪さをする小悪党なのである。 クィンは、人が悪くなるのは周囲の環境や育ちのせいではなくて、あくまでも自分自身の意志によるのだと言い切る。 つまり、善くなるのも悪くなるのも思い通りにできるということになる。 この意味で、クインは徹底した都市的犯罪者であり、現代小市民・中産階級の悪意の総代、いや映し鏡である。 読んで溜飲を下げるもよし、後味の悪さを覚えるもよし。 | ||||
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目が活字を追う速さでよどむことなく読みとおせる話。 悪党ジェラード・クィン、通称ジャードの一人語りで話は進む。 自らは基本的に犯罪の実行には手を染めないが、一小市民を装いつつ陰で犯罪プランナーとして暗躍する。 とことん虚無的な男である。 親子夫婦の関係、愛人関係についてもこれと同じ外面と内面の隔たりをもって接する。唯一信頼関係らしきものは麻薬王パディ・トナーとの間に認められるものの、これは相手を汚れ仕事や矢面と見立てての共生関係なのだ。 父親をゆえなく殺害されたことが引き金となって自ら悪党ゲームの達人になろうと決めたらしい。人が傷ついたり死んだりしても自分は痛くないから平気なのである。もっとも、自分が痛い目に会った場合はまったく話は別で、大変情けない。 この男には善き生きる目的はない。あえていえば、ちょっとしたいたずらから殺人まで含めたゲームそのものが目的なのである。 スターリンやヒトラーのような正面切った大悪党ではない。 あくまでも裏に回って悪さをする小悪党なのである。 クィンは、人が悪くなるのは周囲の環境や育ちのせいではなくて、あくまでも自分自身の意志によるのだと言い切る。 つまり、善くなるのも悪くなるのも思い通りにできるということになる。 この意味で、クインは徹底した都市的犯罪者であり、現代小市民・中産階級の悪意の総代、いや映し鏡である。 読んで溜飲を下げるもよし、後味の悪さを覚えるもよし。 | ||||
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主人公(兼語り手)のジャードが、とにかく頭がきれる。 こうやって、ああやって、こうすれば、 きっとこうなる というのと、きっちりと読み切る。 まあ、やってることが、全部悪いことなんだけど。表だって姿をなるべくあらわさず、裏で糸をひいて、 「現象」をコントロールする。 そのコントロールぷりっと、 ジャードの信念というか、ワイドショーでは決して発言されないだろう正論が 愉快だ。現実に、まわりにジャードみたいなやつがいたら、 絶対に嫌だけど。文体がというか、ジャードのぶっきらぼうな語り口に、 慣れることができれば、一気に最後まで読めると思う。教訓どちらとも選びたくないものの、どちらかを必ず選ばなければならないようなときが、人生にないほうがきっと幸せだ。 | ||||
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主人公(兼語り手)のジャードが、とにかく頭がきれる。 こうやって、ああやって、こうすれば、 きっとこうなる というのと、きっちりと読み切る。 まあ、やってることが、全部悪いことなんだけど。 表だって姿をなるべくあらわさず、裏で糸をひいて、 「現象」をコントロールする。 そのコントロールぷりっと、 ジャードの信念というか、 ワイドショーでは決して発言されないだろう正論が 愉快だ。 現実に、まわりにジャードみたいなやつがいたら、 絶対に嫌だけど。 文体がというか、ジャードのぶっきらぼうな語り口に、 慣れることができれば、一気に最後まで読めると思う。 教訓 どちらとも選びたくないものの、どちらかを必ず選ばなければならないようなときが、人生にないほうがきっと幸せだ。 | ||||
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アイルランド発というちょいと珍しい作品。犯罪コンサルタントを自称する悪党の一人称で話が進むが、この語り口は独特のウィットに富み小気味良い(ちょうど映画「スナッチ」の独白を思いだす)。でもやっていることはぜんぜんえげつなくて、善良な市民や無関係な市民を容赦なくばたばたと犠牲にする部分は、冷静に見るとかなり衝撃的。一歩間違えるととんでもないストーリーになる部分が、紙一重で救われているようにも思える。浮気がばれ壜でなぐられた腹いせに妻に麻薬所持の疑いがかかるように仕向け、かわりに愛人を自宅に連れ込むところなどやれやれ、と思ってしまう。 第二作があるのであれば読んでみたいとは思うが、何度も読むかといわれるとちょっと遠慮しておく。でも一読には値する。 | ||||
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この小説の主人公ジャードなんですけど、本当に悪いやつです。普通、ピカレスク小説の主人公と言えば悪いことはしても、根っこの部分には正義とか愛とか、そんなものがあるものですが、ジャードはそんな立派なものは一切持ち合わせていません。 しかし、読んでる間はこの悪党の味方になって、ハラハラドキドキ、完全犯罪の夢に浸れます。洒落の分らない人は読んじゃだめです。 | ||||
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この小説の主人公ジャードなんですけど、本当に悪いやつです。普通、ピカレスク小説の主人公と言えば悪いことはしても、根っこの部分には正義とか愛とか、そんなものがあるものですが、ジャードはそんな立派なものは一切持ち合わせていません。 しかし、読んでる間はこの悪党の味方になって、ハラハラドキドキ、完全犯罪の夢に浸れます。 洒落の分らない人は読んじゃだめです。 | ||||
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読んでいて「殺人戦略系コンサルタント」という言葉が頭をよぎった。冷静な戦略、論理的な交渉力、戦略を実現するプロセスの見事さ、すべてコンサルタントとして求められる要件を満たしているではないか! 多少のハプニングがあっても、それを活かして別の戦略を練って立て直す。こういう人間って、表の世界に出ても活躍できるんだろうなぁ。うらやましい。 内容の残酷さに反して、楽しく、かつ、深く考えさせられる小説でした。 | ||||
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読んでいて「殺人戦略系コンサルタント」という言葉が頭をよぎった。冷静な戦略、論理的な交渉力、戦略を実現するプロセスの見事さ、すべてコンサルタントとして求められる要件を満たしているではないか! 多少のハプニングがあっても、それを活かして別の戦略を練って立て直す。こういう人間って、表の世界に出ても活躍できるんだろうなぁ。うらやましい。 内容の残酷さに反して、楽しく、かつ、深く考えさせられる小説でした。 | ||||
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これがクールなのだろうか?私はライトでポップで楽しい、と感じたのですが。主人公のジャードのしゃべり口調で書かれた地の文は、キザったらしくて、自信満々で、鼻持ちなら無い男の独白のようなのだし。オレ様は超クールだぜ!賢くて仕事が出来て洗練されててオンナにもモテて皆に頼りにされて、最高のオトコってオレ様のことじゃないか?!というような調子。 もちろん、罪悪感や良心という余計な感情に邪魔されない犯罪っぷりは見事だけれども。 全く、面白いヤツだよ、ジャードって。 | ||||
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