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アメリカン・タブロイド
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アメリカン・タブロイドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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アメリカ人はアメリカン・ドリームを心の底から本気で目指すよう、幼い頃から、徹底的に教育されるのだろう。限りない上昇志向ー現在でも16歳の試験で将来がほぼ決まってしまうイギリスがもつ、あきらめにも似た閉塞感を、彼らはこれっぽっちも持ち合わせてはいない。 そして「父親」という存在に異常なほど固執する。この作品、表向きはみなさんが書かれているような、アメリカの暗黒史なのだろうが、読後僕が感じたのはこの「父性」だった。自分の父親に限らず、自分や自分のステイタスやアメリカという自分の国がもつ「父性」を彼らは追いかける。それはギャングのボスであったり、FBIの長官であったり、大統領だったりする。自らは手に入れられなかったアメリカン・ドリームを具現した彼らに、何とか取り入られよう、愛されようとする。それは幼い子どもが父親に抱いてくれーとせがむ姿に良く似ている。これは「アメリカの子供たち」の物語だ。愛されない、受け入れられない、と気づいた彼らはものすごいスケールでの家庭内暴力を繰り広げはじめる。その負のエネルギーはどこから来るのだろう。それはアメリカン・ドリームへと彼らを駆り立てるものと正反対のベクトルをもつ、負のエネルギーなのだ。こういうエネルギーがアメリカを創ったのだなあ、と最近のテロ関連の出来事とあわせて、あらためて痛感させられた。エルロイの描くアメリカは、彼自身の愛憎の対象でもあるのだ。 | ||||
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「LA四部作」に続くエルロイ渾身の新たなシリーズの最初の作品である。 時代は、最もアメリカが輝いていたとされる50年代から60年代である。 ケネディー兄弟、フーバーFBI長官、マリリンモンロー等々、実在の人物も登場し、エルロイ御得意の救いのない真っ黒な話が展開していく。「LA四部作」とは異なり、どちらかというと政治の裏舞台に焦点が当てられているが、魅力的な登場人物の活躍でノワールとして最高の作品に仕上がっていると思う。 救いはないが、決して読んで気が重くなるというわけではない。 極上の読書体験ができること請け合いである。 | ||||
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