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長い家の殺人
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長い家の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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昔、TBSでやってた「ケイゾク」という刑事ドラマが、本書のトリックをパクりました。 ケイゾクというドラマを観た人は見る価値が無いかというと、そんなことはありません。 トリックは分かるものの、「動機」がサッパリ分からない。 最後に「動機」が明かされて、予想外過ぎて驚くことが出来るでしょう。 歌野氏のデビュー作ということもあり、 少々稚拙な展開があったりすることは否めませんが、 むしろデビュー作でこれというのは天才性が光ります。 まあ、一回読めば再読する事も無い一発芸的なミステリではありますが、 この驚きは知っておいて損は無いでしょう。 本書を読むときは「動機の解明」に照準をあてて頭を唸らせて読んでみて下さい。 | ||||
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「葉桜」がとてもおもしろかったので手に取りました。 著者のデビュー作です。 他のレビューでも指摘されているとおり、トリックはわりかしすぐに判ってしまいます。 さらには、キャラのかき分けが甘く、中盤までは人物の把握に骨が折れました。 しかし、それら難所を吹き飛ばすほどにおもしろかったというのが全体の感想です。 ストーリー運びが自然で、読めば読むほど話にぐいぐい引き込まれますし、 なんといっても、著者が精魂込めて創ったであろうことが随所から感じられるため、非常に好感度の高い作品でした。 処女作ならではの「勢い」が読んでいて心地よかったです。 島田荘司氏のあとがきも一読の価値あり。 | ||||
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歌野氏のデビュー作で、自分は本書が歌野氏の著作初体験でした。 トリックの実現性にかなり拘って書かれており、真相編での犯人の密室作成時の行動を想像しているとほぼ日曜大工状態でちょっと笑ってしまったが、こういうのがいわゆる新本格派と言われる作家陣の作風なのか・・・とちょっと勘違いしてしまったところもある。 メインの物理トリックの他に音符を使った暗号のトリック(はっきり言って分かりずらい)もあり、トリックにかけるこだわりは本作からも十分感じられた。 何だかんだ言って本作読後、片っぱしから歌野氏の著作を読んだんだから面白かったってことでしょうね。 | ||||
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かなりよくできている作品。著者がこの作品を書いてデビューするまでのいきさつは、巻末の島田氏の推薦文でよくわかる。かなり練りに練って作られた作品のようだ。この後の第二作はあまりよい作品ではなかった。話の流れが不自然な気がした。しかし、その後この著者は年間ナンバーワンのミステリー作品を書いたりして活躍している。この本の中で、大麻(マリファナ)好きの若者が出てきて「大麻はタバコより害が少ない」という持論を述べている。本書の初出は1988年だが、その頃大学生が大麻を吸うという事件はまったく(私の)記憶にない。しかし、2000年代になって、大学のスポーツ選手や一般学生が大麻を栽培したり、吸引したりする事件が盛んに報道されいてる。おそらくそれらも氷山の一角にすぎないのだろう。その面で、本書はそのような薬物にはまる若者の、未来を予言したものにもなっている。 | ||||
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かなりよくできている作品。著者がこの作品を書いてデビューするまでのいきさつは、巻末の島田氏の推薦文でよくわかる。かなり練りに練って作られた作品のようだ。 この後の第二作はあまりよい作品ではなかった。話の流れが不自然な気がした。しかし、その後この著者は年間ナンバーワンのミステリー作品を書いたりして活躍している。 この本の中で、大麻(マリファナ)好きの若者が出てきて「大麻はタバコより害が少ない」という持論を述べている。本書の初出は1988年だが、その頃大学生が大麻を吸うという事件はまったく(私の)記憶にない。しかし、2000年代になって、大学のスポーツ選手や一般学生が大麻を栽培したり、吸引したりする事件が盛んに報道されいてる。おそらくそれらも氷山の一角にすぎないのだろう。 その面で、本書はそのような薬物にはまる若者の、未来を予言したものにもなっている。 | ||||
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歌野晶午のデビュー作。学生バンドが集中練習するために張った合同合宿のロッジが舞台。忽然と消失したり出現する死体や荷物。 まるでリモコンで操作しているかのように簡単至極成し遂げられているのに、まったく方法が判然としない。絶対的な不可能性を 帯びたメイントリックが鮮やかだ。 また、歌野と言えば先鋭的なのにどこか懐古的な物語構成が特徴。処女作となる本作は余計にそうかも。社会問題を先見の明をもってして 組み込んでいるのに、それ自体を軽蔑しているような混沌性がつきまとう。ここでは音楽ネタなんかも顕著だ。一見すればただの味付け のようで実は深いテーマに繋がっている。そしてそんな矛盾した感覚に橋渡しするのが探偵役の信濃なのかもしれない。 どうしようもない野郎なのよ。でも魅力的。だから魅力的。個人的には好きだ。社会的観念からは絶対に成立を許されないけど、こんな 奴がいない社会はどうしようもなくつまらない代表みたいな男。変な表現だが(笑)。 まあ何だかんだで実践してるからなぁ。詭弁ではない。 さてそれはさておき、この作品ミステリー上級者にも初心者にもお薦めだ。両者に薦めるのにこんなピッタリの作品もそうそうない。 結局は斬新だから。故に結構読み込んでいる上級者も楽しい。古臭くカビの生えたような古典には中々手が伸びない初心者も楽しい。 興味ある方は手に取ってみてください。とんでもないアイデアに驚いてみてください。 | ||||
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歌野晶午のデビュー作。学生バンドが集中練習するために張った合同合宿のロッジが舞台。忽然と消失したり出現する死体や荷物。 まるでリモコンで操作しているかのように簡単至極成し遂げられているのに、まったく方法が判然としない。絶対的な不可能性を 帯びたメイントリックが鮮やかだ。 また、歌野と言えば先鋭的なのにどこか懐古的な物語構成が特徴。処女作となる本作は余計にそうかも。社会問題を先見の明をもってして 組み込んでいるのに、それ自体を軽蔑しているような混沌性がつきまとう。ここでは音楽ネタなんかも顕著だ。一見すればただの味付け のようで実は深いテーマに繋がっている。そしてそんな矛盾した感覚に橋渡しするのが探偵役の信濃なのかもしれない。 どうしようもない野郎なのよ。でも魅力的。だから魅力的。個人的には好きだ。社会的観念からは絶対に成立を許されないけど、こんな 奴がいない社会はどうしようもなくつまらない代表みたいな男。変な表現だが(笑)。 まあ何だかんだで実践してるからなぁ。詭弁ではない。 さてそれはさておき、この作品ミステリー上級者にも初心者にもお薦めだ。両者に薦めるのにこんなピッタリの作品もそうそうない。 結局は斬新だから。故に結構読み込んでいる上級者も楽しい。古臭くカビの生えたような古典には中々手が伸びない初心者も楽しい。 興味ある方は手に取ってみてください。とんでもないアイデアに驚いてみてください。 | ||||
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この人は推理物など、もう何冊か出してますが、そんな中でもやはり最初に歌野晶午さんの作品を読むのなら断然、自分はこの作品を進めます。 トリックなんかは、こういう類の物を読み慣れている人であれば、案外100%でなくとも、これに近いことなんかは容易に想像できてしまうと思います。元に島田荘司さんなんかは原稿を見て、答えがわかってしまったみたいだし・・・。ただ、それは別に悪いことではない。むしろ、内容が捻くれておらず、読者に対して非常にフェアであり、かなり好感が持てました。 ヒントを出すタイミングなんかも新人とは思えないほど、ばっちりだし、トリックの質なんかもなかなか素晴らしいと思います。 そして、所々、音楽に関するネタ(ビートルズの世代なんかを語り出したり、探偵役の人が作業用のBGMに取り出したのが、キングクリムゾンのクリムゾンキングの宮殿だったり)なんかが練りこまれており・・・いや、元々、バンド物の話なので必然といえば必然なんでしょうけど、ここら辺、チックコリアなんかをよく持ち出してくる、島田荘司さんとすごく被った。 最後に薦を島田荘司さんが書いており、この作品が出版されるまでに起きたエピソードやどういった形で2人が出会ったのかなど書かれていて、島田荘司ファンは見逃せません。 | ||||
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この連休中に1冊読もうと実家に持って帰り、1日目の夜に読み始めたら終わるまで眠れなくなってしまった。。。 それくらい面白いです! 大学卒業を控えたあるバンドのメンバーが、いきつけの避暑地で合宿を行います。そこで殺人は起こるのです。 夜から行方不明の友人、窓に映る謎の人物、翌朝の捜索を経て、初めて見つかった絞殺死体。 しかし警察の検視からは、死亡推定時刻は行方不明になった直後の時間帯が示されます。 さて、メンバーが一人欠けたラストライブ。 そこで今度はメンバーの女性がライブ中に殺され、発見されます。 失意の中警察からの執拗な取調べを受け、疲弊するメンバー。 そんな中、かつてメンバーだったドラムの天才児が帰国します。 (この天才児のキャラクターが非常にナイス) 事件は部屋の構造、2枚の写真、ライブハウスのトイレから究明されるわけです。 まずテンポがよい! 謎とヒントがすばらしいタイミングで配されているので、途中で止めることが難しい(笑)。 また、場面が浮かびやすいように描かれているのは、筆者の性分かと思われます。 トリック自体よりも、そこにもっていくストーリーが良かった。 動機を解き明かす際の「A7」のくだりも、ミステリーファン、読書好きのツボをくすぐります。 やはりこの作者は面白い! 今注目しています。 | ||||
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この連休中に1冊読もうと実家に持って帰り、1日目の夜に読み始めたら終わるまで眠れなくなってしまった。。。 それくらい面白いです! 大学卒業を控えたあるバンドのメンバーが、いきつけの避暑地で合宿を行います。そこで殺人は起こるのです。 夜から行方不明の友人、窓に映る謎の人物、翌朝の捜索を経て、初めて見つかった絞殺死体。 しかし警察の検視からは、死亡推定時刻は行方不明になった直後の時間帯が示されます。 さて、メンバーが一人欠けたラストライブ。 そこで今度はメンバーの女性がライブ中に殺され、発見されます。 失意の中警察からの執拗な取調べを受け、疲弊するメンバー。 そんな中、かつてメンバーだったドラムの天才児が帰国します。 (この天才児のキャラクターが非常にナイス) 事件は部屋の構造、2枚の写真、ライブハウスのトイレから究明されるわけです。 まずテンポがよい! 謎とヒントがすばらしいタイミングで配されているので、途中で止めることが難しい(笑)。 また、場面が浮かびやすいように描かれているのは、筆者の性分かと思われます。 トリック自体よりも、そこにもっていくストーリーが良かった。 動機を解き明かす際の「A7」のくだりも、ミステリーファン、読書好きのツボをくすぐります。 やはりこの作者は面白い! 今注目しています。 | ||||
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塩野七生氏がかつてこのようなことを言っていた。 『デヴュー作に表されるその全てが、その後の作家を決定付ける』と。 本作でデヴューした著者の心意気や生きざまを語るに相応しい作品で、 リズム感やロジックのその全てが生き生きとしていて、 読んでいて高校球児のような清々しさを感じた。 これから多くの大御所先輩たちやうるさい読者の目を欺いていかなければならない。 そういう覚悟が感じられた作品で、 完成された『葉桜の季節・・・』よりもむしろ、 こちらの未完成の魅力にとても惹かれている自分がいた。 絶品である。 | ||||
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本作における建物の構造を利用したメイントリックは、 ある程度ミステリを読み慣れた人なら、直感的にわかるレベル。 よって、そのトリックだけで物語を牽引していく中盤の 展開は、いかにも単調で、冗長にすら感じてしまいます。 しかし、ホワイダニットのために仕掛けられたプロローグの叙述トリックや、 被害者が残した曲に隠されていた暗号などの冴えた小技は見逃せません。 特に、叙述トリックに関しては、現在の著者の作風に 通底するものの萌芽がうかがえ、興味深かったです。 | ||||
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作者の一作目。今(2004)にして思うことは、歌野晶午の力量を見抜いた島田荘司の慧眼の凄さか。本書は無難といえば無難。大仕掛けといえば大仕掛け。読み手がどれだけミステリを読んでいるかによって感想も変わってくるだろう。私見では、ミステリ入門書に適しているように感じた。この後、着実に力を伸ばし発揮する作者。成長が楽しみな作家、と云うのも希有な存在かもしれない。 | ||||
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