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長い家の殺人
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長い家の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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歌野晶午のデビュー作。学生バンドが集中練習するために張った合同合宿のロッジが舞台。忽然と消失したり出現する死体や荷物。 まるでリモコンで操作しているかのように簡単至極成し遂げられているのに、まったく方法が判然としない。絶対的な不可能性を 帯びたメイントリックが鮮やかだ。 また、歌野と言えば先鋭的なのにどこか懐古的な物語構成が特徴。処女作となる本作は余計にそうかも。社会問題を先見の明をもってして 組み込んでいるのに、それ自体を軽蔑しているような混沌性がつきまとう。ここでは音楽ネタなんかも顕著だ。一見すればただの味付け のようで実は深いテーマに繋がっている。そしてそんな矛盾した感覚に橋渡しするのが探偵役の信濃なのかもしれない。 どうしようもない野郎なのよ。でも魅力的。だから魅力的。個人的には好きだ。社会的観念からは絶対に成立を許されないけど、こんな 奴がいない社会はどうしようもなくつまらない代表みたいな男。変な表現だが(笑)。 まあ何だかんだで実践してるからなぁ。詭弁ではない。 さてそれはさておき、この作品ミステリー上級者にも初心者にもお薦めだ。両者に薦めるのにこんなピッタリの作品もそうそうない。 結局は斬新だから。故に結構読み込んでいる上級者も楽しい。古臭くカビの生えたような古典には中々手が伸びない初心者も楽しい。 興味ある方は手に取ってみてください。とんでもないアイデアに驚いてみてください。 | ||||
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歌野晶午のデビュー作。学生バンドが集中練習するために張った合同合宿のロッジが舞台。忽然と消失したり出現する死体や荷物。 まるでリモコンで操作しているかのように簡単至極成し遂げられているのに、まったく方法が判然としない。絶対的な不可能性を 帯びたメイントリックが鮮やかだ。 また、歌野と言えば先鋭的なのにどこか懐古的な物語構成が特徴。処女作となる本作は余計にそうかも。社会問題を先見の明をもってして 組み込んでいるのに、それ自体を軽蔑しているような混沌性がつきまとう。ここでは音楽ネタなんかも顕著だ。一見すればただの味付け のようで実は深いテーマに繋がっている。そしてそんな矛盾した感覚に橋渡しするのが探偵役の信濃なのかもしれない。 どうしようもない野郎なのよ。でも魅力的。だから魅力的。個人的には好きだ。社会的観念からは絶対に成立を許されないけど、こんな 奴がいない社会はどうしようもなくつまらない代表みたいな男。変な表現だが(笑)。 まあ何だかんだで実践してるからなぁ。詭弁ではない。 さてそれはさておき、この作品ミステリー上級者にも初心者にもお薦めだ。両者に薦めるのにこんなピッタリの作品もそうそうない。 結局は斬新だから。故に結構読み込んでいる上級者も楽しい。古臭くカビの生えたような古典には中々手が伸びない初心者も楽しい。 興味ある方は手に取ってみてください。とんでもないアイデアに驚いてみてください。 | ||||
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この人は推理物など、もう何冊か出してますが、そんな中でもやはり最初に歌野晶午さんの作品を読むのなら断然、自分はこの作品を進めます。 トリックなんかは、こういう類の物を読み慣れている人であれば、案外100%でなくとも、これに近いことなんかは容易に想像できてしまうと思います。元に島田荘司さんなんかは原稿を見て、答えがわかってしまったみたいだし・・・。ただ、それは別に悪いことではない。むしろ、内容が捻くれておらず、読者に対して非常にフェアであり、かなり好感が持てました。 ヒントを出すタイミングなんかも新人とは思えないほど、ばっちりだし、トリックの質なんかもなかなか素晴らしいと思います。 そして、所々、音楽に関するネタ(ビートルズの世代なんかを語り出したり、探偵役の人が作業用のBGMに取り出したのが、キングクリムゾンのクリムゾンキングの宮殿だったり)なんかが練りこまれており・・・いや、元々、バンド物の話なので必然といえば必然なんでしょうけど、ここら辺、チックコリアなんかをよく持ち出してくる、島田荘司さんとすごく被った。 最後に薦を島田荘司さんが書いており、この作品が出版されるまでに起きたエピソードやどういった形で2人が出会ったのかなど書かれていて、島田荘司ファンは見逃せません。 | ||||
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これでデビューできたのは幸運だったなあ。 「トリックを思いついたので使ってみたくて書きました」という典型的な作品だと思う。とても「葉桜・・・」と同じ作者だとは思えない。 一番ひっかかるのが、だれもこんなトリックを使って犯罪を行おうとはしないだろう、と思われることだ。だって、冷静に状況を考えてみたら、偶然犯罪が露見する確立が高いもの。もちろん多少の偶然があったから登場人物の推理が可能になるわけだけど、もっと決定的に、ばれる可能性があるじゃないか、と思った。 探偵役が唐突に現れて、一人でばんばん推理していって、それまでストーリーテラーだった人物も、読者も置いてけぼり。 登場人物の会話も言葉遣いも、気色悪い。特に女性のキャラにはあまり好感が持てない。 ずいぶん糞みそに書いたけど、このデビュー作から今の作品に至るまで、随分成長されたと思います。歌野晶午はこの本が初めて、という人、この作品だけで評価しないでくださいね。 | ||||
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この連休中に1冊読もうと実家に持って帰り、1日目の夜に読み始めたら終わるまで眠れなくなってしまった。。。 それくらい面白いです! 大学卒業を控えたあるバンドのメンバーが、いきつけの避暑地で合宿を行います。そこで殺人は起こるのです。 夜から行方不明の友人、窓に映る謎の人物、翌朝の捜索を経て、初めて見つかった絞殺死体。 しかし警察の検視からは、死亡推定時刻は行方不明になった直後の時間帯が示されます。 さて、メンバーが一人欠けたラストライブ。 そこで今度はメンバーの女性がライブ中に殺され、発見されます。 失意の中警察からの執拗な取調べを受け、疲弊するメンバー。 そんな中、かつてメンバーだったドラムの天才児が帰国します。 (この天才児のキャラクターが非常にナイス) 事件は部屋の構造、2枚の写真、ライブハウスのトイレから究明されるわけです。 まずテンポがよい! 謎とヒントがすばらしいタイミングで配されているので、途中で止めることが難しい(笑)。 また、場面が浮かびやすいように描かれているのは、筆者の性分かと思われます。 トリック自体よりも、そこにもっていくストーリーが良かった。 動機を解き明かす際の「A7」のくだりも、ミステリーファン、読書好きのツボをくすぐります。 やはりこの作者は面白い! 今注目しています。 | ||||
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この連休中に1冊読もうと実家に持って帰り、1日目の夜に読み始めたら終わるまで眠れなくなってしまった。。。 それくらい面白いです! 大学卒業を控えたあるバンドのメンバーが、いきつけの避暑地で合宿を行います。そこで殺人は起こるのです。 夜から行方不明の友人、窓に映る謎の人物、翌朝の捜索を経て、初めて見つかった絞殺死体。 しかし警察の検視からは、死亡推定時刻は行方不明になった直後の時間帯が示されます。 さて、メンバーが一人欠けたラストライブ。 そこで今度はメンバーの女性がライブ中に殺され、発見されます。 失意の中警察からの執拗な取調べを受け、疲弊するメンバー。 そんな中、かつてメンバーだったドラムの天才児が帰国します。 (この天才児のキャラクターが非常にナイス) 事件は部屋の構造、2枚の写真、ライブハウスのトイレから究明されるわけです。 まずテンポがよい! 謎とヒントがすばらしいタイミングで配されているので、途中で止めることが難しい(笑)。 また、場面が浮かびやすいように描かれているのは、筆者の性分かと思われます。 トリック自体よりも、そこにもっていくストーリーが良かった。 動機を解き明かす際の「A7」のくだりも、ミステリーファン、読書好きのツボをくすぐります。 やはりこの作者は面白い! 今注目しています。 | ||||
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作者のデビュー作。本作のアイデアを持って島田荘司氏を訪ねた所、一発でトリックを見破られて泣きながら帰ったと言うエピソードがある程拙劣な作品。 それはそうだろう。冒頭であれだけ執拗に部屋番号の事を説明すれば誰でも気付くアイデアである。こんな作品でも、新本格がブームだった頃は刊行されたのだ。 その後、本格ミステリは諦めて別の方向に走ったのは正解だと思うが、そちらでもマトモなものは書いていないようだ。作者の力量不足を如実に示した低劣な作品。 | ||||
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1988年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。 著者の長篇デビュー作。若さとアイデアを感じさせる作品だ。 歴史に残るトリックとも言われている本書だが、私にはそんなに良いとは思えなかった。確かにすごいけど、なんだかなあという印象。ただ、トリックを二重に使っているところは感心させられた。著者の誠意と工夫を感じた。 ミステリファンなら読んでおくべき一冊だとは思う。 | ||||
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塩野七生氏がかつてこのようなことを言っていた。 『デヴュー作に表されるその全てが、その後の作家を決定付ける』と。 本作でデヴューした著者の心意気や生きざまを語るに相応しい作品で、 リズム感やロジックのその全てが生き生きとしていて、 読んでいて高校球児のような清々しさを感じた。 これから多くの大御所先輩たちやうるさい読者の目を欺いていかなければならない。 そういう覚悟が感じられた作品で、 完成された『葉桜の季節・・・』よりもむしろ、 こちらの未完成の魅力にとても惹かれている自分がいた。 絶品である。 | ||||
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本作における建物の構造を利用したメイントリックは、 ある程度ミステリを読み慣れた人なら、直感的にわかるレベル。 よって、そのトリックだけで物語を牽引していく中盤の 展開は、いかにも単調で、冗長にすら感じてしまいます。 しかし、ホワイダニットのために仕掛けられたプロローグの叙述トリックや、 被害者が残した曲に隠されていた暗号などの冴えた小技は見逃せません。 特に、叙述トリックに関しては、現在の著者の作風に 通底するものの萌芽がうかがえ、興味深かったです。 | ||||
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たしかに、このトリックはちょっと用地かも知れません。しかし、ボカァ予想もできなかったので、つまりボカァ幼稚以下というレベルみたいでう(溝! 長い家に平行してたくさんお部屋が並んでいる舞台であります。たくさんの部屋〜〜たーくさんの部屋〜〜1個や2個はどっぴっぴ〜!て歌を思い出しました。 | ||||
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出版社の内容紹介によると『コロンブスの卵にも比すべきトリック』ってことでしたが… さて、一体どんなトリックが仕掛けてあるのか? 期待を込めて本書を手に取った …… う〜〜ん…このトリックどっかで見たことあるぞ(汗) コロンブスの卵にも比すべきトリックって随分、おおげさな書かれ方のわりに見覚えのあるトリック…残念!! まあ歌詞に隠された暗号は良い方じゃないすか? …とはいっても話としては悪くないので、デビュー作としては無難な一歩だと思います | ||||
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「葉桜の季節に君を想うということ」など、話題になった作品から歌野作品に興味を持って、これを読むと厳しいと思うかもしれないが、新本格登場の一人としての出現は間違ってなかった。バランスの悪いミステリだが、「家」シリーズ3部作の出だしでしかないので、続きを読んでもらいたい。 | ||||
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作者の一作目。今(2004)にして思うことは、歌野晶午の力量を見抜いた島田荘司の慧眼の凄さか。本書は無難といえば無難。大仕掛けといえば大仕掛け。読み手がどれだけミステリを読んでいるかによって感想も変わってくるだろう。私見では、ミステリ入門書に適しているように感じた。この後、着実に力を伸ばし発揮する作者。成長が楽しみな作家、と云うのも希有な存在かもしれない。 | ||||
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私にとって推理小説読む上でハウダニット(トリック)は二の次なんですが(読ませる文で、ホワイダニットが納得できればそれで良し的なところあり)、ここまで簡単に分ってしまうのもなんだかなーと思います。 まあ、「え!?こんなすぐ分っちゃうもの?間違えてる?」という思いがあって、謎解きはそれなりに楽しく読めましたが。 それにしてもハウダニットものを読む時感じることが多いのですが、どうしてこう推理小説の会話文はステレオタイプのが多いんでしょうか。実際にこんな会話してる人間いますか、この世の中?聞いたことないんですけど・・・。 非常に、非常にストレスの多い1冊でした。 あるいは、デビュー作ということで、これ以降どんどん面白い作品を出されているのかもしれませんが、どうにも次の作品に手を出すことができず・・・。 歌野晶午初見の方にはお薦めしません。ファンになった後、「そうか、デビュー当初はこんなの書いてたのね」の方が幸せな気がします。・・・あくまで、個人的な感想ですが。 | ||||
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歌野晶午氏のデビュー作で、「家」三部作の一作目です。実は、この作品の評価は難しいと思います。読者の皆さんが、ミステリ、特に新本格の熱心なファンなら、この本には皆さんに訴えかける何かがあるはずですが、一方で作者の仕掛けが分かってしまうかもしれません。正直言って、最初読んだ時には薄々予測していた通りのトリックに多少失望したものです。しかし、巻末の島田荘司氏の推薦文がその失望を補って余りある感動的なものだったので、気を取り直して次の「白い家の殺人」を読んでみて驚きました。明らかにうまくなっていたのです。そして、「動く家の殺人」、「ガラス張りの誘拐」。もう確信を持ちました。歌野晶午氏は成長する作家です。この作品はその原点、そう考えると星5つでもいいのか!も!…本当に評価が難しいのです。 | ||||
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