■スポンサードリンク
あなたの呼吸が止まるまで
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
あなたの呼吸が止まるまでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
純文学作品を読むと、日本の場合、どうしても、これは私小説だろうか、それとも半私小説だろうかと考えてしまう。これは仕方のないことであって、田山花袋以降、純文学の主流が私小説であったからである。さて、この『あなたの呼吸が止まるまで』はどうだろうか? 最初のほうで、小学生の主人公が父親が所有するやらしい漫画を見て、変な気分になり、布団に股をこすりつけるという描写がある。これが「オナニー・フラグ」なのだろうか? そして中盤になると、夢の中で、母親から「あなたの左手は汚れている」と言われる。これは結末への伏線であった。 この小説の白眉は、ドレッシングを振るような動作という表現だった。小学生が主人公なので、あえて、稚拙な文体になっているが、ところどころ、大人の計算が垣間見えて、したたかな感じがした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単行本のほうと比べて、表紙の雰囲気が大分変わりました。 女の子っぽいような大人っぽいような感じで綺麗だけど、作品全体の暗いイメージが足りないのに少々違和感。 作品紹介でも触れられている“暴力”というテーマは、最近発売された『アンダスタンド・メイビー』でも扱われていました。 正直気持ちよくないし、読み終わった後も疲れます。 決して“お勧めしたい作品”ではありません。 でも、クラスメイトの鹿山さんに惹かれる気持ちや、田島君への憧れが不意に醒めてしまう身勝手さなど、思春期特有の感覚には物凄く共感できました。 そういう普通の感覚だからこそ、こういう出来事って“突然”なんだなぁ…と、感じます。 男の人は本当に罪悪感がないのだろうか? 男性読者に感想を聞いてみたいところです。 朔が最後に導き出す復讐のかたちは、これからの彼女の人生を思うと、少々怖い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
・・・・思い出した 息苦しくなるくらいの苦い記憶・・・ ランチくらいはしていいけれど どうしてオトコはそれで済まないのか? って思う。 あたしら女子は 一緒に話せるだけで幸せで ステキ〜って思えるだけで幸せなのに。。。 ステキな男性から 急に ただのオトコに成り下がって幻滅しちゃう・ 【朔ちゃんは淋しい子なんだね キスしていい?】と 大人っぽい6年生の朔に迫った30オトコ。 幾ら大人びていてもまだ成長段階のいたいけな少女だ。 あなたの呼吸が止まるまで は 暗い恋愛の苦しさを思い出させる作品です。 イロイロ思い出してすごく重たい気持ちになったよ↓↓ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
200ページ程度で字も大きかったのであっという間に読み終わってしまった。これから思春期に突入していく小学6年生の少女の恋心や母親がいない子供の気持ちを丁寧に描いた作品だったが、特に大きな事件もなく物足りなかった。ただ、好きな舞踏を生き甲斐にしているお父さんの言葉で「お父さんは娘を可愛がってくれる女の人がタイプ。だって自分の大事なものを相手に大事にしてもらえなかったら愛情なんて抱けない」という言葉を娘に対して堂々と話すシーンは共感できるものがあった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
12歳の少女が主人公でも、やっぱり大人の話だよなあ。 そういうテーマの児童文学も今ではたくさんあるけどね。 「暴力」があると知らずに読みたかったな。 最後の方のセリフで、「主人公=作者(大人)」という線が、 まるで声がだぶって聞こえるように立ち上がってきて、 ぞっとする。(良い意味で) 形は違えど、そういう復讐を抱えているひとは沢山いると思う。 その途中のひとにも役に立つといいね、と思える。 読んでよかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は6年生の朔。舞踏家の父と二人暮らしの彼女は、読書好きの目立たないおとなしい女の子。 友達とは、人を好きになるとは、悩みながらも自分なりの答えを見つけていく。 何事もはっきり物言う、転校生の鹿山さんが羨ましくもあり、恐くもあり。 彼女が朔に寄せる信頼の源は、素直に心打たれた。 あえて、大人の性的暴力を盛り込まなくても、 12歳の女の子の微妙な心の揺れを描いた小説としても良かったと思ってしまった。 嫌な方へ行ってしまうなあ〜の予想通りになり、 復讐の仕方もう〜んという感じで、呼吸が止まるまでとはいかず、 読後感は決して良くなかった。 私としては『大きな熊が来る前におやすみ』の方が面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
語り手と主人公は何年間かの時を隔てながら記憶でつながっているのだが、今の視点が強すぎて距離感がつかみにくい。読む僕らもあの頃の記憶を探りながらあの時代に戻ろうとするのだが、ここにある言葉は作者の今だけを反映していて、過去に戻れない。だから主人公の女の子の大人に対する断罪も、自分自身が大人になった今の視点からの断罪にしか見えず、語り手を過去に固着させて病的に見せてしまっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞踏家の父と暮らす少女・朔。大人びたクラスの女友達や 少し話せる男の子もいるけれど、父親やその周囲の アクの強い大人たちと一緒にいる時間が長いこともあって、 どこか、小学校6年生にしては、落ち着いてしまっている部分もある。 そんな朔なりのスピードで思春期の入り口に向かって成長していく日々。 その、ほかとは少し違っているが健やかに成長していく彼女を襲う 突然の暴力。朔は、ある復讐の方法を思いついた… この「突然の暴力」というフレーズは、帯のあおりにも 書いてあったし、島本さんの代表的長編「ナラタージュ」の 脇役のエピソードを思い出すと、こういう感じなのかな、と 予想が読む前からついてしまったのだが、そのせいで いつ、その「突然」が来るんだろう、と、それを気にしつつ 読み進めてしまった。しかし、その瞬間が来てしまうまでの 少女の心の動き、小学校での日常生活、親や周囲の大人たちとの やりとり、など、12才の少女のナイーブさ、したたかさが 丁寧に描きこまれているので、それを堪能するほうがより 深くじっくり読めると思う。なので、帯のあおりやあらすじなどの 「暴力」にこだわらず、ある少女の思春期直前のお話、と思って 手にとってみてください。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!