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あなたの呼吸が止まるまで
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あなたの呼吸が止まるまでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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島本理生先生の作風の変化が感じられる一冊かなぁと思います。まだ、少女時代の傷付きやすい時代かなと。 | ||||
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後半が面白く読めました。 | ||||
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主人公の“方法“を今、手に取っている。後味の良い話ではありませんが、私はスッとしました。 | ||||
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「夏の裁断」の落選で怒った勢いで五点つけるが、これは芥川賞の候補にすらなっていない。間違っている。これで受賞したっていいくらいだ。 小学六年生で舞踏家の父を持つ女の子が、30歳の男に性的にやられてしまう話だが、「復讐」の方法というのが、私がいつも考える復讐の方法と同じなので大変嬉しかった。私はこういうのがいい小説だと思っている。 | ||||
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小一時間の移動時間で読むのに、ページ数がちょうど良かったので買いました。 主人公も含め、かなりとがったキャラクター達が繰り広げる物語です。 展開がどんどん、どろどろしてきて、途中から読み進めるのがかなり苦痛になったのですが、まあ、ページ数も少ないしと、最後まで一気に読んだのですが・・・。 ラストで、気持ち的に救われました。作者は、このシーンが書きたかったのだなとも思いました。 小一時間で読めるし、値段も安いので、是非、このラストの作者のメッセージを、多くの人に受け取って欲しいです。 | ||||
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「暴力」と「復讐」がキーワードの物語であるのは知っていたものの、 「ですます調」で科白が多いので、そんな過激な二文字を忘れていまい、 途中までは、青春成長物語として引き込まれます。 「ですます調」の文体で、小学生の復讐を扱った内容の小説というと、 真っ先に山田詠美の『風葬の教室』を思い出しますが、また違った復讐劇です。 「どんなに大きな出来事も、風化して、すぐに忘れ去られてしまう-152P」 という心理描写があります。 作中で12歳の主人公を襲った類の「暴力」は、 多少かたちは違えど、現実に生じてきた問題ではないでしょうか。 世間には表面化しにくい事件を可視化しています。 文庫化にあたり、大幅に改稿している旨が、巻末に記されています。 単行本を読んで、文学的によかったと思える人は、 文庫も読んでみてはいかがでしょうか。 | ||||
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冒頭から、随分と朴訥とした文体に驚かされる。 12歳の主人公、野宮朔の視点から物語が書かれるのだとしても、そうした作品の文体までもをその年代の少女の語り口を模倣するのはあまりにも素朴過ぎはしないか? もし仮にそのように素朴な「リアリズム」観を主張する者がいたとすれば、そのような態度は想像力の欠如として非難されて然るべきであろうし、本作の叙述のスタイルは、そうした反論をまず喚び呼び起こしかねない危うさがある。 実際、拙速に判断を下して途中で頁を閉じてしまうならば、この作品を失敗作と断じてしまうことにもなりかねない。だが、これが随分と思い切った挑戦だということに気づかされるのはさらにもう少し後のことで、読み進めていけば、これが極めて文学的実験精神に満ちた問題作であることが理解されるだろう。換言すれば、この文体でなければならない確たる理由がたしかにあり、その選択に対する作者自身の自覚こそが、この作品のひとつの核となっている。 朔の小学校最終学年の日々が、三つのそれぞれに位相の異なる「社会」を重畳しつつ淡々と語られる。そして終盤近く、ある出来事に襲われることによって物語は転轍し、望みもしなかった「秘密」を背負わされた朔は心身の失調という後遺症を裡に抱えながら、再生へと向かう結末へと導かれていく。 傷ついた生/性を抱えて生きる人々の人生(=意味)の救済という同時代的かつ困難な課題が、主人公の一人称的視点による叙述によって浮かび上がってくる。 そのようにして、作者は現代に生きる困難と対峙する人々の現実の側へとこの物語を開いた。むろん、そこに容易な問題の解決は見出し難いことは、この結末が癒しと同時に、黄昏時に向かう両義的な光で満たされる描写からも暗示されている。だが、そうであるにせよ、それは未来へと預けられた賭けとともに、生き直されるべき現在として贈与された、可能性の物語であると言えるだろう。 | ||||
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好き、嫌いじゃなくて、 どうして島本さんは、こんなに分かってるんだろうと思いました。 少女時代にこういうことがあると、 どんなに明るく毎日を生きていても、心のどこかにポツンと 黒いシミみたいに消えずに残ってしまって、 何かのときに思い出すと、非常に残念で悔しく、腹立たしいんだけど、 自分の非力さや、何も知らない家族のことを考えると、 結局誰にも言えなくて、またしまいこんでしまう・・ 私も(朔ちゃんほどじゃないけど)そういうことがあったので、 非常に感慨深いストーリーでした。 途中出てくるセリフや、エピソードもいちいち心にひっかかるというか。 最後のやりとり、それを“彼”に見守ってもらうところはハラハラしながらも 後味は悪くなかったです。 朔には大事な人がたくさんいるから、それが救いだと思うし、 「こどもは何もわかってない」「覚えてない」なんて思ってる人に 読んで欲しいと思います。 | ||||
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若々しい完成で描かれた青春小説。 それだけ十分に面白いはずなのに、 なぜこの作家はその裏に潜む暗さを描くのだろうか。 一味違う青春小説。その味わいに虜になってしまいそうだ。 | ||||
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子供と大人の境目の中で見た、弱い大人の姿。 弱い大人の感情を理解できてしまう人は、読了後 「理解できてしまったが、自分はこんなことはしない。」と云いたくなってしまう 後味の悪さを感じることになる。 人によって異なるが、この後味の悪さが気持ちの揺れになり、気持ちが揺れることが物語を読むことの醍醐味であるともいえる。 文体は、平坦。内容も、一本筋。文章は、上手いか下手か、よくわからない。 ただ、ハッピーエンドでも、振り切った明日でもないという点が、私は好きだ。 救いがないわけでもないが、イヤなことがあるたびにこんなことを思い出すんだろうなと感じさせる点に、共感はしないが頷いてしまう。 この作者は『ナラタージュ』の時もそうだったが、男の隙・いい加減さ・我儘さを感じさせる行為の描写は上手い。 嫌々ながら、共感させられる。 他人に薦めて、ドンビキされる可能性もある本。 いろんな意味で取扱注意な感じが、私は好きだ。星4つ。 | ||||
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島本理生の作品は、読み始めは、幼いな、拙いな、背伸びしているなって感じで、ナメた対し方をしちゃうんだけど、読み終わると、してやられた、というか、ひっかかるものがなんか残るんだよな。 「ああファザコンなんだね」とか「いまどき珍しい文学少女なんだね」ってのは、ある種の引っ掛け問題であって、そこで留まっちゃうとこの作者を読み違える。もちろん、「主人公=作者」って読者の錯覚を逆手に取るほど老練でも戦略的でもなく、どっちかっていうと、素の荒削りなところが文学的っていうのかな。なんか、腑に落ちなさ、整合性のなさ、とか、読んでて恥ずかしい表現、場面とか、そういう青臭さ、切なさが、もうおっさんには想像し得ない失われた文学であって。 小学生描いていても、年齢がまだ近いから、相対化出来ていなくって、そこが逆にいいかも、って言う。きっと小学生の女の子のリアルに近いんだろうなっていう。ああ、小学生からしたら「ノルウェイの森」はこうなんだ、「奥田民生」はこうなんだってのも面白いし、もちろん「シベールの日曜日」の読みかえも、「テヘランでロリータを読む」を彷彿とさせて、「ロリコンなんていい気なもんだよ」っていう、その謙虚さを常に忘れちゃいけないなって、大人は自戒しなくちゃいけない。どっち側からの物語が正しいかなんて、もちろん断定は出来ないけど。やっぱ、自らが幼ないからって、弱い存在の子供に擦り寄って、支配しようとする、それはサイテーなことだよね。自らの妄想に留めるか、実存の他者に手を出すかって、その一線は全然違うことであって。 同級生の田島君の非力はしょうがないけど、31歳の佐倉の非力は、子どもに迷惑かけずに克服するなり、ごまかしごまかし発散してもらうなり、しないとね。 最後の大地に爪を立てるシーン、あの何とも合理的じゃない、説明のつかない行為で締めくくったのが、とってもよかった。 | ||||
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