■スポンサードリンク


妊娠カレンダー



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
妊娠カレンダー
妊娠カレンダー (文春文庫)

妊娠カレンダーの評価: 3.79/5点 レビュー 56件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.79pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(3pt)

すみません、代理購入で直送なもので…

帰省先の母がご所望だったもので、帰省先に直送なんですよ。母は面白かったと言ってましたが…
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.14:
(3pt)

読み方に注意が必要です

本題を含む短編が三件収録されています。
ミステリ的な雰囲気もありますが、結末や謎解きはないので、ストーリーを追うだけでは?で終わります。
主人公の心情を探りながら読む本です。国語の小説を題材としたテストわ思い浮かべると分かりやすいと思います。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.13:
(3pt)

美しい表現がちりばめられたイヤミス未満の純文学作品

以前から気になっていた小川さんの作品ですが、芥川賞受賞作品とのことで、ミーハーな気分で購入しました。

 小川さんの作品は以前『ブラフマンの埋葬』を読んで以来、そのなんとも言えない素敵な文章に魅了されてしまいました。静かで穏やかで、そして何といっても、美しい。本作品でもその美しい表現力がいかんなく発揮されています。なお、本作は3つの作品からなる短編集です。以下簡単にあらすじと感想を。

『妊娠カレンダー』・・・一人称の「わたし」、姉、そして義理の兄の三人暮らしの中で、妊娠と共に変わりゆく姉の姿を描写しています。大きな起伏はないものの、精神科にかかっている神経症的な姉が壊れてしまいそうで、サスペンスとは違った「はらはら」というか気持ち悪さを感じます。その姉に気を使いすぎる私もいつか壊れてしまいそうで、物語の進行中、常にイヤーな緊張感を味わえます笑。
 本作品を読んでいて、嫁が妊娠中のことを思い出しました。とある日、帰宅すると炊飯器がベランダに置いてありました。壊れたのかと思ってよく眺めてみると、ベランダからコンセントが伸びており、窓際のタップにコンセントが刺さっています。聞くと、炊飯器のお米を炊くにおいが臭くて耐えられないと言います。そんなことをぼんやり思い出しました。

『ドミトリイ』・・・こちらもなんとも言えない不安感に包まれた作品。首都圏のはずれに位置する、体の不自由な「先生」(寮長)が営む寮での話。こちらも一人称の「わたし」、が主人公。「わたし」は寮の卒業生であるが、今度は甥っ子がその寮へ入寮することに。ところが「先生」は、かつて「わたし」がいたころとは寮が大きく変質してしまったという。そんな「先生」は日に日に弱ってゆき、「わたし」は先生を訪ねしばしばお見舞いに行くことに。しかし、親戚の甥っ子はいつ訪ねても姿がない。そしてとある日、「先生」の部屋で天井から滴り落ちる粘質の液体。。。これは一体!?。。。。イヤミスチックな作品。

『夕暮れの給食室と雨のプール』・・・こちらの「わたし」もまた、ぶっ飛び系。離婚歴のある、相当年の離れている、高血圧体質で偏頭痛もちの司法試験受験生の男性(つまりお金がない)と、家族の反対(そりゃ反対しますよ)を押し切って結婚、田舎に引っ越してきたという話。そこで出会う新興宗教の信者とその子供との不思議な交流を描いた作品。給食室に熱中するというその信者男性と子供。反応に困る趣味じゃないですか笑。内容全体は決してつまらなくはないのですが、展開が全く読めず、とりとめもないストーリーが淡々と続きます。そして別れは突然にきます。

・・・

 いやあでも、本当に不思議。特段起伏がないのに、何かありそうでついつい読み進めてしまう。そして兎に角、文章が綺麗。ただ、サスペンスなどの娯楽ものでもないし、好き嫌いが分かれそうな作品だと感じました。裏表紙にも「透きとおった悪夢のようにあざやかな三篇の小説」とありますよ。何じゃこりゃって反応が起こるのではないでしょうか。だって本の内容、想像つきませんよね笑 でも私、この美しい文章、嫌いではありません!
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.12:
(3pt)

この物語たちは英語で読んだほうがゾクゾク来る!

アメリカ人からこの本の英語訳版をもらいました。1年以上放置。最近たまたま本棚の奥で見つけて読んでみました。あらら・・・お、面白かったです!とても言葉の使い方や表現が素敵だったので日本語でも読みたいと思いました。で、読んでみたら…あらら・・なんだろう、意外なことに白けてしまいました。安っぽかった。つまんなかった。日本語が彼女の世界観を壊している。なんでなんだろうか。わからない。日本語が英語に負ける時なんてないと思っていたのでとても悔しいです。でも、もし英語で読む機会がありましたらぜひぜひ英語で読んでみて。彼女の世界観に英語がすごくマッチして日本語では感じなかったもの感じれます。いつも聴いていた曲をハイレゾで聞いた時の驚きのように。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.11:
(3pt)

メンヘラ姉妹

表題作の「妊娠カレンダー」は、初出が「文學界」平成二年九月号。第104回芥川賞受賞作だ。で、話の内容は、大学生の妹と妊娠している二十代後半の姉とその夫と三人で一つ屋根の下で暮らしていて、主人公である妹の視点から、妊娠中の姉の様子を観察しているというもの。この姉妹の両親は事故で死んだらしい。時々、姉の夫(主人公から見たら義兄)の両親が三人で暮らしている家を訪ねてくる。
妊娠した姉は、つわりがひどくなり、そのことで妹や夫にひどくあたりちらし、心療内科にも通う。どうやら、この姉は高校生の頃から十年間心療内科に通っているもともとメンヘラで、そんなメンヘラな姉を妹は冷静に見つめている。妹のほうは、大学生で、時々スーパーの実演販売のバイトをしていて、姉と比べてまともだと思ったら、こいつもなかなかのメンヘラだった。ある日、バイト先のスーパーで、そこの店員が棚に商品を並べていた時に転んでしまい、生卵のパックをグシャグシャにしてしまい、近くのグレープフルーツにも生卵がかかっため、妹はバイトの帰り際、店長から、売り物にならなくなったグレープフルーツを大量にもらって帰る。家に帰ると、そのグレープフルーツでジャムを作るのだが、姉は、その頃にはつわりは治っていて、その反動で、食欲が旺盛になっており、妹が作ったグレープフルーツのジャムを、そのままスプーンですくって食べる。しかし、そのグレープフルーツはアメリカからの輸入品で、防かび剤であるPWHに漬けられていてその薬が人体にとって有害であることを妹は知っている。そのことを知っているにもかかわらず、妹は、アメリカからの輸入品であるグレープフルーツでジャムを作り、妊娠中の姉に食べさせ続けるといった内容で、本当に、姉妹そろってメンヘラだな、と思う小説だった。
作品全体の雰囲気は、固有名詞がほとんど出てこないので、透明感のようなものがあります。主人公である妹の名前も姉の名前もその夫の名前も出てこず、唯一、名前が与えられているのは、メンヘラの姉が通う心療内科の二階堂先生だけだ。これは一体なんだろうと一瞬思ったが、まー、書いた作者もあまり深く考えず、こうなっただけだろう。

表題作以外の作品
・「ドミトリイ」               「海燕」 平成二年十二月号
・「夕暮れの給食室と雨のプール」 「文學界」 平成三年三月号

表題作以外の二篇は、勘違いかもしれないが、村上春樹の短編と雰囲気が似ていると思った。同じ早稲田出身ということもあって、作者が意識していた時期もあったのだろうか? それでも「ドミトリイ」はあって当然のものがなくなる、自明の存在が消えていくといった作者がしばしば使うテーマが、話の軸になっている。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.10:
(3pt)

生々しい

静かで淡々とした文体から、気づくと漂ってくる生々しさ。
人間の身体の感触が伝わってきました。どこかリアルな小説です。
とても「女性」を感じる本でした。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.9:
(3pt)

箸休め

なんて気持ちで読みはじめたら、どっぷりはまって一気に最後まで読んでしまった。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.8:
(3pt)

妊娠中に。。。

友人に薦められ、妊娠中に読みました。芥川賞受賞作品だとは知らず、小川さんの作品も『博士の愛した数学』くらいしか知らなかったのですが、純粋に楽しめたと思います。淡々と綴られる日常の空気感は女性らしく柔らかで、それでいて、人のふとした冷たさを感じる冷静な作家さんだと思います。妊娠中の姉も、同居する夫も妹も、人としてクールなところがありますが、中でも“妹”の存在がなんとなくおそろしかった。肉親とはいえ同性である姉妹に平気に“毒盛り”をできる、それは妹という存在であるのかもしれないと、そう感じたのでした。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.7:
(3pt)

日常にありふれている負の感情を描いた作品

いかにも芥川賞受賞作といった類の純文学作品。同居生活を送っている「私」と姉、姉の夫という三人の生活がこの作品の主な舞台となっている。 妊娠してからというもの、「私」の姉はどんどんヒステリックになり、美しかった肢体には肉がつき、二重顎にたるみ始めた・・・「私」から見た「私」の姉や姉の夫の言動をひたすらに描写し続け、「私」の些細な感情の揺れはいちいち描かれないまま、しばらく物語は進行していく。一人称で描かれているが、中心に据えられているのは姉だ。しかし、「私」がアルバイト先のスーパーでグレープフルーツを貰ってきたあたりから、「私」の意図が見え隠れし始める。それはグレープフルーツでジャムを作り、姉に食べさせ続けること。昔、米国産のそれについて叩き込まれたある記憶が「私」にそうさせた。なぜそのような行動に出るのか? 人間が隠そうとする、あるいは気づきたくない負の感情のうちの一つがそうさせているのだろうと予想はつくが、何とも言えず不気味な妹なのだ。姉が産んだ赤ん坊を見に行く「私」は、いったい何を見ることを期待しているのだろう? 小川さん独特の手法にかかれば、ありふれた日常もホラー的な要素満載である。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.6:
(3pt)

心の奥底にあるのは、なんであれかすかに歪んでいる

短編を3編収録。それぞれに共通するのは、白黒の無声映画のような静かな雰囲気。木造の個人病院。さびれた学生寮。雨の小学校。すべてが淡々とひっそりしているのは、「個人的」な話だからだと思う。誰の心の中にもある、正体のわからない奇妙な感情。どんなに親しい人にだって、話すことはない、漠然としたまとまりのないもの。「個人的」なゆえ、うっすらと狂気を帯びているようなもの。それを、言葉に(小説に)変換したとき、個人的だったものは普遍性を持ち、共感を誘い、感興を呼ぶのだろう。そういう風に深読みしなかったら、またはそんな心のわだかまりを意識しない人には、きっと「なんか暗い、ヘンな話」かもしれない。(私はどっちかっつーと、そっちです。だから星三つ)
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.5:
(3pt)

ホラー?

小川洋子氏初読です。ホラー的要素と数学的要素が絡み合った、独特の世界観をお持ちのようで。ご本人はきっと、すごい潔癖な方なんだろうなと思いました。腐敗を描いていても、3篇すべての小説から、消毒薬の匂いが漂ってくるかのような印象でした。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.4:
(3pt)

ちょっと違う印象

妊娠した姉に寄せる妹の悪意、というのがレビューではクローズアップされていたようだが、実際に読んでみるとそれほど悪意は感じなかった。悪意というよりも、妊娠・出産という神秘の領域への興味と懐疑、不安、といったものがちょっと歪んで発露した感じだろうか。なんで歪んで発露するかといえば、神秘の領域を鬱病気味の姉が侵蝕していくからに他ならない。だから本来主人公は潔癖で健全、強いて言えばちょっと精神的に子供、という設定なのだろう。『ドミトリイ』はいろんな要素が生きながら腐敗していく退廃感が悪くなかった。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.3:
(3pt)

けっしてきれいなものではない

博士の愛した数式を読んでから、この本を手に取りました。妊娠という人間の生理的な変化が必ずしも、喜ばしいということだけで片づけられないこと、そして夫や家族にどのように影響を与えるのか...。ねっとりとした、まさにジャムのような、イチゴの甘ったるいジャムを食べたときに甘さだけでなくその奥にかくれた嘔吐を催すようなえごさをふくんだ話でした。他の2つの短編も底辺におなじようなドロドロしたものを感じました。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.2:
(3pt)

極限の状態で人のとる行動

この本から作者の伝えたい事を見つけ出す大変難しいです。それぞれの『わたし』の行動、思考が人間の深層心理、つまり一般的な感覚から離れた倫理観のはたらくところで行われているので、これらの『わたし』の考えを理解して読み進めていくことができるのはその立場を経験したことがある人ではないとかなり難しいです。なのでこの本は周りが幸せのなっていく中で一人孤独を感じ、自我が保てないくらいの精神の極地を体験したようなことがある人にお勧めしたいです。そのような人たちがこの本を読めば楽しんで読むことができると思います。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.1:
(3pt)

ん~、不思議だ。

『妊娠カレンダー』の他に、『ドミトリイ』と『夕暮れの給食室と雨のプール』を収録した作品集。 『妊娠カレンダー』は、妊娠した姉に、防かび剤PWHが付いているかも知れないアメリカ産グレープフルーツで作ったジャムを食べさせる、妹の日記、という形態をとっている小説。 本の裏表紙の紹介文等を読むと、恐怖小説のような感じがするが、実はそうではない。 『ドミトリイ』にしても、途中から、クライマックスにかけては、読みようによっては、すごく恐怖が湧いてくる。が、オチは……。 ある意味、実は、安心して読める、不思議な小説だ。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!