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情事の終り
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【この小説が収録されている参考書籍】
情事の終りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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友人から妻サラの様子がおかしいと打ち明けられた小説家のベンドリックスは、実はサラと以前、不倫関係にあった。忘れられないサラへの想いと、自分を捨ててまた別の男と不倫をしているサラへの憎しみを同居させたベンドリックスは私立探偵にサラの追跡を依頼した… 第二次世界大戦中のロンドンが舞台で、著者グレアム・グリーンもイギリス人。あとがきによれば、このグレアムも以前熱烈な不倫をしていたそうで、私小説的要素も含んだストーリーとなっています。 本書はグレアム・グリーンの代表作の一つだそうですが、これ以外にオーソン・ウェルズの「第三の男」の脚本も書いた人です。 本書については、私立探偵が出てくるので謎解き的なエッセンスも無くはないのですが、どちらかと言えば、ベンドリックスとサラの内面が描かれた私小説と言っていいでしょう。多分にというか過分に出てくるのが神との対話で、イギリスと言えば英国国教会なのですが、カトリックが二人の禁じられた関係に深く絡みつきます。これも著者のグレアムの不仲になった奥さんがカトリックだったことに関係しているそうですが、二人の悩みをひたすらにこじらせる役割を果たすだけで、ストーリー的な面白さは皆無です。 ただ、当時のロンドンでは毎日ドイツから飛来するV1ミサイルの爆撃で気持ちの収まる時もなく、日常と死が隣り合わせのような感覚だったはずなので、そういったなかで、神への信仰心と信頼が大きく揺らいでいたのではないでしょうか? 神との対話、成熟した男と女の大人の心の内面の細やかな機微を味わうことが好きな方にはとてもオススメできる本ですが、私のように本格的なミステリーを期待している人には正直、退屈な作品でした。 | ||||
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ストーリーはありふれた不倫小説です。 第二次世界大戦下のロンドンで高級官僚の妻が、売れ始めた小説家と不倫を重ね、破局を迎えるまでを描いています。 只の不倫小説でないのはキリスト教の信仰と恋・愛を絡ませている所です。 ですが、この部分が、さっぱりわかリません。 欧米では、このキリスト教を織り込んだ部分が読書人にキックしているのでグリーンは根強い人気です。 ジックリと読みましたが、キリスト教からみのご高説はお手上げです。 冗長で最後まで読むのが苦痛でした。 同じような感じはドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」を読んだ時にも受けました。 欧米人にとって大審問官とのやり取りの部分がこの小説のキモだということですが、こちらもさっぱり理解不能でお手上げでした。 よほどキリスト教の理解と実体験がなければムリと思いました。 もう半世紀近く前ですが、英語の授業でサマセット・モームが読本として用いられていました。 教師はボストン出身の中年のアメリカ人で、メガネはボストン型のアンダーリム、服装は本物のアイビー、時には生徒たちに混じって机に尻を乗せて講義するという映画で出てくるようなアメリカンスタイルでした。 この先生が、モームはもう古い、今の旬は何と言ってもグリーンだ、と言い信仰を巧みに作品に織り込んでいるとの解説です。 グリーンは、映画「第三の男」の原作者で、イギリスの人気大衆小説家としては、モームの次の時代を代表します。 その次は、ル・カレかフォーサイスでしょうか。 グリーン全集はいつか読もうと思って購入済みです。 全25巻です。 気の向いた時に読もうと思っています。 村松友視「大人の極意」を読みました。 「私、プロレスの味方です」でデビューしてもう37年目です。 お年は76才で、このような本を書くにふさわしい年齢になりました。 トニー谷、力道山、水原弘など、時代に輝き、忘れ去られた人を描くのが得意で、ニッチ作家とでも呼べそうです。 この本は、村松さんが接してきた大人の、振る舞い、所作、身だしなみ、言葉を集めたエッセイです。 お辞儀、自然な笑い方、歩き方、葬儀、おごり方、などハッとし成る程と感心させられます。 登場するのは吉田健一、吉行淳之介、山川静夫、幸田文、伊丹十三、野坂昭如、向田邦子、林家三平など昭和に輝いた人たちです。 昭和の香りがプンプンです。 松村さんは、PC、ケータイを持たず、今でも原稿用紙に鉛筆で執筆しています。 これが出来ることが、スゴイ。 | ||||
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主人公は中年の作家・モーリス=ベンドリックス。彼は、グリーン本人がモデルになっているのだろうなというのは容易に想像できます。情事の相手となるのは、美しい人妻のサラ・マイルズ。彼女の夫は高級官僚であるヘンリー・マイルズ。この3人を軸に五部構成の物語が進行していきます。第1部・2部は愛と憎しみ、嫉妬の問題が複雑に絡み合った恋愛小説のように始まり、途中からはグリーンらしくサスペンス的要素が絡み始めるのですが、第3部でサラの日記が公開されるや、主題はカトリックの信仰に力強く移行し始め、これでもかというくらいに何度も神への信仰に対するグリーンの考えが披瀝されていきます。最後には奇跡が起こったりして、物語にそれなりの起伏を生み出して、なんとなく終わるのですが・・・やはり他のレビュアーの方も散々指摘しているように、カトリックに関してどのくらい造詣が深いかによって読みの深さも変わってくるだろうなというのが正直な印象です。そういう意味では一般の日本人には、ちょっとハードルの高い小説ですね。個人的には奇跡を取り扱った部分を興味深く読みましたが・・・★4つくらいです。 2017年2月時点で出版されているのは、2014年に出版された上岡伸雄による新訳です。従って、本書のレビューには新旧訳のレビューが混在しているのでご注意ください。おそらくは原著ではなく翻訳の問題だと思うのですが、上岡訳は日本語があまりこなれておらず若干の読み難さを感じましたので★はマイナス1つ。 | ||||
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翻訳のせいか、文章がすんなりと頭に入ってこない(>_<) なかなか先に進まず読み終えてません(^^;) | ||||
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