■スポンサードリンク
悪人
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
悪人の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt | ||||||||
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全301件 61~80 4/16ページ
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 映画を先に観たのですが、とても心に残りました。 小説が原作になっているのは知らなかったのですが、小説の売り込み通り良い内容でした。 ストーリー自体は世の中の理不尽さを感じられずにはいられませんが、人と人との繋がりや心の葛藤を美味く表現できているように思いました。 人を殺めることが悪人なのか、殺められようなことをするのが悪人なのか‥ こんなことを考え始めるとマイケル サンデルを思い出しますが、それはそれとして、人間らしさを思い起こさせる内容に感動しました。 人間の欲望が見え隠れするところをどう捉えるか、そこも面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 吉田修一は,すべての人物描写に手を抜かない。 本書に登場する人物について,その人間が目の前に実在するかのように一人一人実にしっかり掘り下げて書いている。 たとえそれが,警察から事情聴取されるだけの出会い系サイトの利用者の一人であっても,その背景などからしっかり書いており,その書きっぷりは,他の作家なら準主役級の登場人物かと思わせるくらいの描き方で,本作においては,一人たりとも無駄な人物がいないと思わせる。 文体は読みやすく,上下巻あっというまに読了してしまうのですが,かと言って決して文章が軽いというのではなく,何度も読み返したくなるような文学作品としてのテクニックが駆使された文体だと思われ,このあたりに,吉田修一という作家の非凡さが感じられる。 さらに本作は九州が舞台となっていることから,会話文も長崎出身の著者ならではの九州弁が自然で嫌みがない。 「夜の先に,また別の夜があるのだとすれば,そこへむかっている」ような雄一。 「寂しさを紛らわすためだけに,生きていくのはもううんざりだ。寂しくないように笑っているのはもう嫌だ」と気づいた光代。 「自分を余裕のある人間と思いこんで,失ったり,欲しがったり一喜一憂する人間をバカにした目で眺めている」増尾 実にリアルな人間たちの生き様がひしひしと胸に伝わる。傑作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 読みながら、せつなくて苦しくなりました。 自分に置き換えて読めるところが多かった。 登場人物はどれもみんな馬鹿な生き方をしているけど、誰一人として憎めない。 だって、人ってそんなに上手に生きられるわけじゃないから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 読みながら、せつなくて苦しくなりました。 自分に置き換えて読めるところが多かった。 登場人物はどれもみんな馬鹿な生き方をしているけど、誰一人として憎めない。 だって、人ってそんなに上手に生きられるわけじゃないから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| あちこちで評判になっているので★5つを期待したけど、そこまでには至らなかった。 ミステリーのようなカラクリを期待したのもあったから。 でもタイトルがうまいと思った。 群像劇のように展開し、それぞれの人物に裏表があり、悪人にも被害者にも見えるのだ。 生活感のある内容も相まってリアリティもあり、味わいのある作品となった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 緊迫したプロットが最後まで続き、引き込まれて読み終えた。同じ作者の『パレード』ほどの難解さはなく、同時にナゾ解きの推理小説の多くにみられる、「答えは一つ」みたいなシンプルなところもない。いわば、読み手の解釈の余地に幅があり、十分に深みがあった。佐賀や長崎の田舎街で暮らす人々の寄る辺のない様子も克明に描かれていて、リアリティはなかなか。警察から逃げ回る2人は、車を使うのに九州北部にとどまり続け、その辺りも「寄る辺のなさ」を示して、秀逸だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| まだ半分を読んだだけ。習慣的に分冊でも上下、一・二・三などその都度レビューを書いている手前、今回も上巻でまずレビューのページを開いた。上巻は、事件の全体をカバーする多数の伏線の提示が中心。ただ、かつて知ったる福岡、長崎、佐賀の3県が舞台で、3県の方言の微妙な違いも書き分けられているように思えた。20代、30代の若者の言動や心理描写もなかなかにリアルで、物語は次第に緊迫の度を高めていく。期待をもって下巻に入っていくことにした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 秀逸な作品なのは間違いないです。 他の方が書いてらっしゃるように、素晴らしいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| やはり、実写よりも原作。 そう思う人が、大半だと思う作品ではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 海外に住んでますが、この手の、田舎を舞台にした話を読むと、とても田舎が懐かしく、また自分の家族は大丈夫だろうかと、心配になり、いてもたってもいられなくなります。涙が止まりませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| まだ読んでませんが、DVDがすごく面白かったから本を買いました。 映画は限られた時間の中で物語を作成するので、映画の中で伝えきれなかった部分もあるはずと思い、原作を読んでみたくて購入しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| いいです。 妻夫木君で映画化されることを知らずに買ったんですが、引き込まれて考えさせられる描写でした。 切なくて、ずっと持っていたい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 多くの犯罪がおそらくこの物語で描かれているような孤独と、愛を求めて失敗しているうちに自分を蝕むほどに募ってしまった絶望感や空虚感から起こるのだろうし、逆に、人は誰かから本当に大切に思われ、愛されたときに、過去を乗り越え、自分を新しく再生できる。けれど、そこに殺人という一番の罪悪がからむと一体どうなるのか・・・? 孤独と空虚な中で出会い、愛し合った二人。でも、罪は償わなければならない。二人が生きてきた歴史というか人間的な背景を織りまぜながら、息のつまる逃避行が進んでいき、知らず知らずに二人の世界に引き込まれてしまいます。二人が初めて愛し合う姿は良い悪いを超えて美しくさえある。でも、その合間、合間に、被害者のお父さんの行動がものすごいインパクトで描かれて、孤独と絶望の中で見つけた光もまた奈落に落ちてゆく展開。 最後の彼の行動や言葉には彼女をかばう意図があるものと納得できましたが、彼女のほうはどうしてこんな風になるんだろうといろいろ考えさせられました。ある意味拍子抜けだし、ある意味、当然だし、リアルでもあります。いずれにしてもとても切ない話であり、心揺さぶられたことは確かです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 映画より原作がとてもリアリティに書かれており最高です。宝にします | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 警察に追われる主人公、そして彼と逃げる決意をした平凡な女性。社会的にはこの二人が《悪人》であるはずなのに、被害者や被害者に関わる大学生の方が裁かれるべき《悪》ではないのか、と思わせる著者の力量。 吉田修一ファンには堪らない作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| おそらくこの作品の最後のページに至るまで題名の「悪人」の意味を読者はなかなか捉えきれないのではないか。九州の博多のうら寂しい峠で一人の女性が絞殺される。保険の販売員でありながら、時々出会い系サイトで知り合った男たちに体を売っていた佳乃という女性だ。彼女を殺したのは、金持ちの息子でスポイルされた大学生増尾なのか、あるいは幼いときに母に捨てられ、祖父母に育てられた貧しい土木作業員の清水祐一なのか、筆者はうまく読者を引っ張りながらここで作品の題名の意味は増尾を指すのではと思わせる。増尾は、佳乃を真夜中の峠で車から無理やり降ろしたという罪の意識もまったくなく、佳乃の父の憎しみの意味さえ理解できないのだ。祐一は、この捨てられた佳乃を救うべく対処するのだが、逆に佳乃に殺人者呼ばわりされて彼女の首を絞めてしまう。作品のクライマックスは祐一が人生でおそらくもっとも心を通じた女性光代との逃避行に入っていく。やがて警察に捕まる寸前に祐一は光代の首を絞めて、自分が全ての罪を背負い、どうしようもない「悪人」であることを示そうとする。ここでこの作品は終わる。薄幸の人生を送ってきた祐一、そして彼を育てた祖母房江の寂しい人生もまた悲しい。だが、彼女が悪徳商法で高価な薬を売りつけた男たちの所に勇気を振り絞って乗り込んでいくところは何か、この作品で唯一救われそうな気がする場面である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 主人公の祐一は、光代を罪に巻き込まない為に首を絞めます。 あれほど愛し合った2人が、突然首絞めという暴挙に出て、 光代はただただ戸惑います。 これまでのやりとりで彼がなぜ首を絞めたのか、冷静に考えれば 光代を事件から外す為と理解できますが、首を絞められた当の本人 は、「彼はやっぱり悪人だった」という見解に落ち着きました。 佳乃が祐一を訴えるといった時も、冷静に考えれば対処できたはず。 突然佳乃の言葉に追いつめられた祐一は、佳乃を殺してしまう。 悪人とは、冷静な判断ができなかった末に人殺しをした人間に、 否応なくついてくるものだと思いました。 もちろん、健康食品販売のセールスマンや、増尾圭吾なども悪人に 当てはまると思います。不器用な人間が結果として悪人になるのだ と思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 数年前に話題となり、映画化もされたこの作品…これまで巷で話題になった駄作・愚作の類は多くあるので、最初は大した期待もせず読み始めた。 しかしこれは思いがけず秀逸であった。 最初は読者の目線で、軽薄で愚かな者、自分自身は何の力も持たないくせに人を見下し嘲笑う事が当然となっている者、社会的勝者には程遠い冴えない者達を心中嫌悪したり嘲笑したりしているうちに、物語を読み進め、入り込むに連れ、いつしかその嫌悪や嘲笑の刃は自分の中の有る部分に向いているのである。 この小説のプロットはあくまでも一つのケースであるが、事ほど左様に何が真の善悪かという事は実際は分かり辛く、結局は法に触れた者達が「悪人」として世に周知される。 そして、それを世の「善人」達が憎み、嘲笑する。 誰が真の悪人なのか。 私個人の感覚では、祐一のプライドを踏みにじり、更に殺人という「法に触れる」行為に及ぶまで追い込んだ佳乃、そして一人娘を殺された父親の怒りを仲間達と嘲笑する圭吾こそが「悪人」に感じるが、彼らは世では被害者であったり一般人であったりする。 むしろ、彼らは、世の中の、そして読者の大部分である、法に触れる事無く生き、ニュースの「悪人」を嫌悪し、嘲笑い、攻撃する「善人」側に属する者達である。 鶴田が佳乃の父佳男を偶然助け、遂には圭吾の元へ連れて行くプロットは強引ではあるが、彼は我々一般人が心の何処かに僅かでも持っていなければいけない「倫理」や「良心」の象徴で有る様に思う。 偶然にも私の出身地である九州が舞台となっており、故郷の情景もごく自然に、現実感を持って描写されている。 読者を引き込み、楽しませる読み物としての魅力を備えていながら、作者が訴えたい事は明瞭に表現されており、しかも安っぽくなるギリギリで色々な表現が抑えられている。 決して読後にカタルシスや幸福感に浸ることの出来る内容ではないが、それでも多くの読者に何かを考えさせる作品である。 通常滅多に与えない5つ星を献上する価値のある小説であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 数年前に話題となり、映画化もされたこの作品…これまで巷で話題になった駄作・愚作の類は多くあるので、最初は大した期待もせず読み始めた。 しかしこれは思いがけず秀逸であった。 最初は読者の目線で、軽薄で愚かな者、自分自身は何の力も持たないくせに人を見下し嘲笑う事が当然となっている者、社会的勝者には程遠い冴えない者達を心中嫌悪したり嘲笑したりしているうちに、物語を読み進め、入り込むに連れ、いつしかその嫌悪や嘲笑の刃は自分の中の有る部分に向いているのである。 この小説のプロットはあくまでも一つのケースであるが、事ほど左様に何が真の善悪かという事は実際は分かり辛く、結局は法に触れた者達が「悪人」として世に周知される。 そして、それを世の「善人」達が憎み、嘲笑する。 誰が真の悪人なのか。 私個人の感覚では、祐一のプライドを踏みにじり、更に殺人という「法に触れる」行為に及ぶまで追い込んだ佳乃、そして一人娘を殺された父親の怒りを仲間達と嘲笑する圭吾こそが「悪人」に感じるが、彼らは世では被害者であったり一般人であったりする。 むしろ、彼らは、世の中の、そして読者の大部分である、法に触れる事無く生き、ニュースの「悪人」を嫌悪し、嘲笑い、攻撃する「善人」側に属する者達である。 鶴田が佳乃の父佳男を偶然助け、遂には圭吾の元へ連れて行くプロットは強引ではあるが、彼は我々一般人が心の何処かに僅かでも持っていなければいけない「倫理」や「良心」の象徴で有る様に思う。 偶然にも私の出身地である九州が舞台となっており、故郷の情景もごく自然に、現実感を持って描写されている。 読者を引き込み、楽しませる読み物としての魅力を備えていながら、作者が訴えたい事は明瞭に表現されており、しかも安っぽくなるギリギリで色々な表現が抑えられている。 決して読後にカタルシスや幸福感に浸ることの出来る内容ではないが、それでも多くの読者に何かを考えさせる作品である。 通常滅多に与えない5つ星を献上する価値のある小説であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| 私は、ラブコメ小説「横道世之介」から本書に入ったのだが、本書を読み終わって、筆者は何でも書ける本当に芸域の広い人であり、かつ、並外れた筆力の高い人なのだと、本当に感心させられた。 本書は、携帯サイトで知り合った女性の殺害事件を扱った作品なのだが、実は、冒頭のわずか4ページ目で、あっけなく犯人は明かされてしまっている。しかも、それだけでなく、友人のある判断が、その後の捜査方向を狂わせてしまったとまで書いてしまっているのだ。通常、ここまで書かれてしまうと、読者は、犯人に辿り着くまで、ヤキモキ、イライラさせられ、フラストレーションを感じてしまうのが落ちなのだが、この作品には、そうしたことが全くなかったのだ。これは、ひとえに、筆者の並外れた筆力の高さの賜物だと思う。 筆者は、いささかも冗長さを感じさせることなく読者をグイグイと引っ張っていき、下巻の最終ページに至るまで、スラスラと、一気に読ませてしまうのだ。特に、その豊かな表現力は抜きん出たレベルにあり、祐一と光代の感動的な心情(というよりも真情)をメインに、被害者と加害者の関係者の心情が木目細かく描き分けられており、その繊細なタッチは、さりげない情景描写の一つ一つに及ぶまで神経が行き届いているのだ。正直いって、ここまでの豊かな表現力は、「横道世之介」では読み取れなかったので非常に驚いたのだが、考えてみれば、純文学を対象とした芥川賞の受賞歴があるという筆者の経歴を見れば、これくらいの表現力も当然といえるのかもしれない。 そんな本書を読み終わってつくづくと考えさせられたのが、虫唾が走るほど嫌な男がのうのうと羽振りを利かせて生き続け、純粋で真面目な男が不器用であるがゆえに殺人者になってしまうという何とも皮肉な現実だ。もちろん、作者はそうしたことを意図的に描き分けているわけで、人生とは理不尽なものであり、案外そんなものなのだろうと思う。 最後に、一言だけ苦言を呈したい。本書は、上下2巻に分かれているのだが、わざわざ分冊にする必要性が感じられないほど薄く、実際、本書は第三章の途中という中途半端なところで分冊しているのだ。分冊すれば、当然割高になるだろうし、私を含めて、上下2巻という見掛け上の長さに、手を出すことを躊躇してしまう読者も少なくないはずだ。本書以上のボリュームのものを1冊にまとめた文庫本も決して珍しくなく、本書のような折角の好著が、こうしたことで購買層を狭めているとしたら、大変もったいないことだと思う。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!






