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化身
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化身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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わざわざ活字に目を通して時間をかけるよりも、動画で手っ取り早くしてもらったほうがいいと思うことしきりの昨今、この短編はひさびさに読み物として面白かった。 | ||||
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Amazonの商品ページの説明を見て面白そうかなと思い購入 表題作はもっと極限状態で孤独や餓えから死に直面する恐怖みたいなサバイバル色の強い作品なのかなと期待して読み始めたもののそういうものではなくめっちゃファンタジーでしたw まあこれはこれで面白かったです。 他2作もなかなか良かった。 | ||||
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え、これで終わり?とあっけにとられたまま小説は終わってしまった。 読んでいる最中、ずっとホラー小説として展開していくことを 期待していましたがそれがないまま終了しました。 ホラーの展開、面白さを期待して読んだのですが。 | ||||
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第16回日本ホラー小説大賞受賞作品。 素晴らしいの一言に尽きる。 一人の男が人ならざる者に変化していく過程を、こんなにも無理なく自然に表現できるなんて。同じ環境に置かれたら私も変化できるんじゃないかと思ってしまいそうになるほどだ。だからこそなんともいえない恐怖感が、読んでいる最中ずっと頭の中に留まっていた。 主人公の男がおかれている状況にそんなに絶望しないで恐怖しないで順応していく。だからこその恐怖。よくある小説なら、主人公の男の絶望に読者を共感させる形で恐怖を与えるのに、この小説は全く逆だ。 | ||||
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短編集、三編所収。 「化身」はモダンホラーというよりも幻想小説。「雷魚」もホラー小説の体をとってはいるが青春小説である。文章自体は巧みだが、展開と問われると下の上。もっと読みたいと思わせる力が足りない。リーダービリティは巧みの域で、今後の活躍に期待できる。 「幸せという名のインコ」これが本短編集の中で頭一つ抜けている。 バブル崩壊後からリーマンショックを生きた人間であれば、この恐怖は身に染みるものがあるに違いない。自分は何もしていないのに海の向こうの経済崩壊が日本にも飛び火、主人公自身の職業であるデザイナーの仕事にも悪影響が及ぶように。そんな中、娘が買ってきたインコが予言を始める。 主人公が苦悩する描写には身が引き裂かれる想いが伝わってくる。下手をすると主人公自身が殺人犯になっていた可能性だってある。インコにはそういう未来が見えていた。舞台としては家、外出先。登場人物たちも主人公、妻、娘、そしてインコと最小限だ。改変すれば密室劇にもサイコスリラーにもなったが、絶妙な塩梅でホラーというジャンルに踏みとどまっている。「猿の手」を彷彿とさせると言えばピンとくる読者も多いか。事実、追い詰められ、苦悩を抱え込んだ主人公の姿は読者(特に働き盛りの男)の胃を追い詰め、世間のシビアさを容赦なく突き付けてくる。現実世界が苦しめられている「不況」。これをホラーのネタにした作品は存在するが、多くが貧困や、社会情勢を背景にしている。本作の様に貧困が目の前にあり、それをどうにか回避しようとする様を、精神状態を細やかな筆致で描写し、ホラーとして昇華した作品は珍しい。一読の価値ありだ。 | ||||
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一読した際は「文章すごく読みやすく、ただ少し物足りない」という感想だったが 先日再読した際には 圧倒的な文章力にただただ感服し、【化身】は時折コメディーにさえ思えた。面白い! 【幸せという名のインコ】に関しては 久しぶりの鳥肌級な怖さ。夢にまでインコが出てくる始末。ラストのオチを 読書をしない主人に内容を聞かせると「怖!」と言われた。 何だろう・・・なぜ一読した際に この小説の怖さがわからなかったのか、不思議。きっと、自分がそのとき不幸だったからか?平穏で幸せな今、この作者の文章に静かな恐怖を覚えた。背中をドンッと押されるような怖さでなく、腕の産毛をサワサワされるような。人は常に死と隣り合わせにいるのに、その死を まざまざと見せつけてくるのではなく 「ほ~ら・・・お迎えに来ましたよ・・・」と 死に神に いまにも耳元で(いや脳内か?)ささやかれるような、そんな小説。たとえが下手ですね。 とにかく面白かった。 | ||||
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まったくホラーでもなんてもない。面白くない。なぜ選ばれたのか解らん。オイラは福澤徹三先生の大ファンなので、この作品が、まったく解りません。 | ||||
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他の方々の感想欄ですでに言い尽くされている感はあるが、ホラーを怖い話でなければならないと決めつけて読む者にとっては、は?どこが怖いの?という話である。 私の場合はホラーは恐くなければならない、という持論は特にないので、この作品はつまらなくは無かった。 ホラーに関しては海外のモダンホラーから入った口なので、ホラーに求めるものが一般とは少しずれているのかも知れない。まあ、一概にホラーと言っても千差万別だからね。 むしろあえてジャンルという檻に閉じ込められる事で、作家の個性が潰されるのであれば、ホラー大賞という枠そのものが作品にとり害でしかない。 何が言いたいかと言うと、私にとっては、要するに読んでる間が楽しめれば良いのだ。 で、この作品。ラストの蟻のシーンはホラー的恐怖を微妙に感じはしたものの、 ディーンrクーンツほどのスリルもサスペンスも感じられなかった。 確かに読む前にレビューをちら見していた通り、恐くない。 恐くないからつまらない、というかと言えば、決してそんな事はない。 私としてはそこそこ楽しめる作品であったと言わせてもらおうか。 他の人はまだ指摘してはいないが、主人公が転落した池の構造を、私はなんとなく女性の子宮のようにイメージした。 その子宮にイメージされる池の中で変態する主人公の姿は、夢野久作のドグラマグラ作中で描かれた胎児の夢を彷彿とさせる。 それは淫夢に似てどこか甘美なものを感じさせる。 私がこの作品を読んでいて感じたのは、始終そんなものであった。 他の方々のレビューでよく指摘されている、主人公の心理にまるで恐怖や不安が感じられないというのは、生々しさのないそうした夢のようなぼんやりした感覚が、作品の通低音として流れているためだろう。 あえてジャンルにこだわる人に言わせてもらうならば、そう、これはホラーではない。幻想小説なのである。 ぼんやりした甘美なる夢の浮揚感をこそ、楽しむべき作品である。 そしてそうした演出のために作者が意図したのか、しないのかはわからないが、 この作品が主人公の一人称で書かれている事が効果をあげている事は、確かだと思う。 人生に対してどこか捨て鉢になって熱帯のジャングルへ踏み込む自体、すでに主人公の心理は通常の感覚ではない。 池に落下してもそれほど恐怖を覚えなかったのも、恐らくはそのためであろう。 しかしさりとて自殺をする勇気はなく、とりあえず空 腹になれば、何か食べたいという生命の根源的衝動のみが主人公の心理を支配していたのだろう。 そうした精神状態が肉体を変化させたのならば、当然それに伴い精神も変貌しておかしくはない。 あえて恐怖たこだわるならば、主人公の恐怖を感じないそうした心理状態をこそ、恐怖とよぶ事が出来るのではないか? だからこの作品を一人称ではない、三人称的な映像で表現したなら、作品のイメージは随分と変わるだろう。 | ||||
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ホラーという括りを越えて純文学作品です。生きようとする肉体の本能を流麗な文章で描写されています。 地味ながらも、不思議な余韻を残し、命の美しさを感じました。 | ||||
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第16回日本ホラー小説大賞を受賞した本作であるが、読了後これはホラーなのか?という問いがまず自分の中で浮上した。 主人公が徐々に異形と化していく流れはどこか穏やかであり、格別の悲愴もなければドラマもない。本作において作者が描こうとしているものは、一切の飾りを取り払った生々しいまでの「生」、あるいは生命そのものに対する原色の美しさである。極限状態に追い詰められる「生命」、追い詰めるものもまた自然という「生命」、その中で「生命が生きるために進化した」――その過程や現象は明らかに異常で奇妙ではあるが、恐怖感はなかった。 そう、本作にハラハラドキドキゾワゾワガクガクといったものは「ない」。テーマとしてはもはや純文学に近いのではないかと思う。ゆえに自分としてはこれはホラー小説では「ない」。 一般的な感性(あるいは期待)でホラー小説を読もうとして本作を手に取った場合、読者は拍子抜けするだろう。なぜなら怖くないから。ホラーを見たい・読みたいという欲求に本作はこたえてくれない。 前述したように純文学的なテーマとストイックな文章は評価に値するが、これまで貴志祐介や岩井志麻子等を輩出してきた賞に求められるべき驚きや感動、そして恐怖が圧倒的に弱いことが残念である。べつに異常者や化物や幽霊が出てきて暴れ回るものだけがホラーだというつもりはないが、「こういうホラーもあるんだ」と主張する前にせめてまず「怖さ」を磨いた作品が読みたかった。 評価はおまけして☆3つ。作品自体を軽んじているわけではないので悪しからず。ホラー小説大賞という冠を外して読めばそれなりに興味深く地味に面白かった。 | ||||
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この作者の本は初めて読んだ。 ホラー文庫は結構読んでいるが、基本的に怖い内容を期待して買っていた。 ドキドキハラハラ、迫りくる敵、戸惑う主人公(や読者)というものが好み。 というわけでこの作品も買ったのだが、驚いたことに全然怖くない。 最後までちっとも怖くない(笑) これはホラー風味のSFですね。 怖くなることをあきらめて読んでいても、全く不快感はない。 むしろ、きちんと練られた設定、リアリティを感じさせる文章に引きこまれていく。 例えるなら、星新一さんに似ている。 確実な基礎に裏打ちされた文章力で、異世界を楽しむような感じ。 最後までそれが崩れることなく、とても楽しんで読めた。 (「化身」については☆5、ただ他の話が個人的にいまいちなので☆4にした。 でも、「化身」を読むために買っても損はないと思います) こういった作品がホラー大賞を取るということは、凄くチャレンジングで素敵だと思う。 ホラー文庫を、グロそう、怖そうという理由で敬遠しているかた、一度手に取ってみては? | ||||
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ホラー文庫ということで、もう少し怖い話かとも思いましたが、少し不思議で童話のようなお話が三話。 怖さはを期待すると少し肩すかしですが、落ち着いたトーンで三作とも楽しめました。 驚かせるとかではなく、どこか切なくなる不気味さを堪能したい方におすすめです。 | ||||
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最近のハードなホラーが好きな人には駄目だと思う。表題作のタイトルはグロテスクな描写や自分の体が変容する恐怖を期待させるが、そういうものは何も無い。描写力はあるがグロテスクでなく綺麗と感じさせるものだし、恐怖でなく楽しい感じだ。逆に、最初から楽しいものを期待して買うと表題作は楽しめると思う。他の二つについて。表題作で見られた発想の良さが少しでも感じられる第2編・3編を期待してたらあてが外れた。どこかで読んだようなありふれた話で、がっかりした。でも筆力は相当なものなので、安心して読める。文庫版で気楽に読むには良いかもしれない。 ・「化身」 特殊な環境に遭難した主人公が、日々を生きる中、体が環境と生活に適応し、どんどん変容していく話。生態系の最下位にいた主人公が、その頂上にまで達する話で、楽しい。特に○○を食べるためにジャンプするシーンなどわくわくした。体が変容していくが、それに対する主人公の苦悩など一切無い。むしろ環境に適応してウェルカムと感じているよう。読み物としてのレベルは申し分ないが、日本ホラー小説大賞という肩書きは似合わない。設定だけはホラーであるが、ホラーとして進行していかない。というより、最初から読者を怖がらせようとすらしていない。 ・「雷魚」 池に現れる「女の人」の話。少年の心はよく書けているが、ややありきたり。 ・「幸せという名のインコ」 飼っていたインコが様々な<お告げ>をする話。オチは見え見えだが、最後のインコの言葉自体はなかなか面白かった。だが、これもよくある話。新しさはない。 今のところあんまり次を読みたいとは思わないが、「化身」に匹敵する怪作なら是非買いたい。 | ||||
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日本の外れにある島で、一週間の休暇を過ごそうとした主人公は地上から距離のある池に落ち、絶体絶命の窮地に陥る。しかし、体は次第に水に順応するように変化していく。――化身―― どの短編もオチが秀逸で、そこに至るまでの紆余曲折も面白い。それぞれホラーの趣旨が違い、作者の人並みはずれた才能が窺える。 ただ、文体にくせがある。一つに、最初に事件の結論を書いて、その後にその顛末を書く手法を執っている。こういった小説を読みなれていない為、最初は戸惑ってしまった。 しかしその文体といい、発想といい江戸川乱歩を彷彿させた。もちろん、その領域にはまだ達していないが、化けてくれることを祈る。 | ||||
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皮肉ではないし、不幸でもない。それに怪奇でもない。小説の形をとった体験型の遊具施設だと感じた。作者は「どす黒いもの」ではなく「美しさ」を描こうと腐心しているし、皮肉な表現を交えつつも常に「前向き」だ。主人公の執念などは大した事がなく、むしろ達観している。確かに「何か」に身を委ねて化身してゆくが、最終的には元に戻るだけ。立ち去り際も、ちょっとしたアトラクションを楽しんだ後のような雰囲気が漂っている。実際、最後の一文を「さて、次はどこを楽しもうか?」という言葉に変えても、それほど違和感がない。結局のところ、主人公は、命の摂理・進化を模した「遊具施設」で遊び終えただけ。絶望的な状況ばかりであるのに、その実、主人公の心の内に絶望などどこにもない。変容を冷静に見つめ、受け入れ、利用する。単に「主人公が遊んでいる」感しかない。もし、これを読んで「絶望」を感じるなら、ひどく安い「絶望」だ。生きる糧は、揃ってる。現実世界への執着もないしねぇ。すべてお膳立てされた状況に「絶望」もクソもない。読後感もジェットコースターや、お化け屋敷となんら変わらない。小説なんてどこかしらそんな物だが、これほど安心感のある物語もない。純粋に異様な状況を楽しめる作品だ。恐怖するような状況を読者に愉快に思わせる、非常に珍しい作品ではないかと思う。選評の「孤高」という言葉もその点でなら、うなずける。表現が美しかったり、ニヒルだったりするが、最終的には良く出来た異世界を体験して、出口のゲートをくぐってお終いになる。異様でどこか切羽詰まった状況を「楽しく」読むには最適な物語ではないだろうか。まあ、何がこの「アトラクション」を作ったのか考えるとちょっとばかしホラーにはなる。ただし、怪異や人間の心理を期待するなら、拍子抜けかな。怖くはないし感動もない。ただひたすら「異様」を体験できる。非常に貴重な作品。---化身以外は、内容も表現もありきたりで使い古された感が・・・。うーん。とても器用だけど素人小説では?とさえ・・・。特に3つめは私小説のようで苦痛。全く同じ心理描写が延々と続き、メリハリも無ければ、目立ったエピソードやシーンも無い。単に辟易するだけで、オチも見えすぎた。期待しただけに落胆も大きい。星2つさげる。 | ||||
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密林にぽっかり開いた池に落ちてしまったら・・・この状況は確かに怖い。そして現代の不安な社会を暗喩しているのだろう。ただご都合主義的な話の進め方がどうも腑に落ちない。もっと徹底的にリアルに描いた方が良かったと思うんだけど。 | ||||
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いい。自分がほんの少し、少なくとも眠る場所や家族があって、仕事があるとこんな世界は想像しがたいかもしれない。この本を読んで「自分はまだ幸せな方だ」と感じるならそれもよし。しかし、本質的に社会との絶縁が信念の疎外と結び付かないところがとてもシニカルな「化身」。どっこい、「雷魚」がテーマなのか時勢に伴う放任主義家庭がテーマなのか、とてもノスタルジー溢れる2作め。疑心暗鬼の対象がやはり人間以外に投影され蝕まれていく3作目。個人的には、男性なら「雷魚」を。女性なら依存主義の弱い男の末路を描く3作目「幸せという名のインコ」を。家や財産や家族を失ったことのないアナタには1作目の「化身」を。本作には3つの物語が描かれているが、そのどれもが「違う」結末、すなわち「続き」をアナタが描けるところに素晴らしさが潜んでいる。なぜなら何を隠そうアナタも他人の不幸が好きなはずだから。 | ||||
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日本ホラー小説大賞受賞作の短編集である。『玩具修理者』の小林泰三、『ぼっけえ、きょうてえ』の岩井志麻子等を輩出している同賞であるが、受賞作品の傾向が徐々に変わってきているように見える。以前はストーリー性を重視した(映画化しやすい)ホラーが多かったが、最近の受賞作は文体の個性が際立っているものが多い。エンターテインメント系の作品から純文学系の作品へとシフトしているように思われるが、これが出版社側の意向なのか時代の流れなのかは分からない。 本書冒頭に収められた大賞受賞作「化身」(原題は「ヤゴ」)も、その魅力はストーリーよりも圧倒的な描写力にあると言える。異常な状況設定から始まり、限定された空間内で繰り広げられる悪夢の世界に、読者を引きずり込んで離そうとしないのは、著者の筆力に裏打ちされたリアリティであろう。空想だけでこれだけの描写ができるのは紛れもない才能である。 ただし個人的には三作目の「幸せという名のインコ」が最も好きである。こちらは描写よりもストーリーを重視した作品で、余韻を残す終わり方も上品である。純文学もエンターテインメントもどちらでも書ける著者の、新人離れした力量がうかがえる。 蛇足ではあるが、昨年に引き続き大賞が出た意義も大きい。同賞は今まで二年に一度しか大賞受賞作が出ない(出さない?)ことで有名であった。ジンクスだか方針だかは分からないが、これが取り払われたことは応募する側にとっても読者側にとっても喜ばしい。取り払った著者の今後の活躍に期待したい。 | ||||
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はっきり言えば、つまらなかったです。主人公の感情も伝わらなかったし怖さもわからなかったです。人間が主人公だけなので、もっと心情やその人の恐怖を表わさないと共感できない気がしました。ラストも「で?」って感じです。 | ||||
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「端正な文体で完璧な世界を生みだしたホラー大賞史上最高の奇跡 」なんて大仰なコピーはもういいかげんにやめてほしい。 誰も信じていないのだから。「奇跡」なんて1000年に一度も起きないようなことを言うのです。ホラー大賞受賞作は次に何が起きるのだろうと思わせ、変身が始まると皮膚の下がぞわぞわするような感覚を覚えてなかなか興味深く読めたが、他の書きおろし2作は残念ながら凡作。今後どういう物語を紡いでいくのか期待して待ちたい。 | ||||
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