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化身
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化身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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わざわざ活字に目を通して時間をかけるよりも、動画で手っ取り早くしてもらったほうがいいと思うことしきりの昨今、この短編はひさびさに読み物として面白かった。 | ||||
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Amazonの商品ページの説明を見て面白そうかなと思い購入 表題作はもっと極限状態で孤独や餓えから死に直面する恐怖みたいなサバイバル色の強い作品なのかなと期待して読み始めたもののそういうものではなくめっちゃファンタジーでしたw まあこれはこれで面白かったです。 他2作もなかなか良かった。 | ||||
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第16回日本ホラー小説大賞受賞作品。 素晴らしいの一言に尽きる。 一人の男が人ならざる者に変化していく過程を、こんなにも無理なく自然に表現できるなんて。同じ環境に置かれたら私も変化できるんじゃないかと思ってしまいそうになるほどだ。だからこそなんともいえない恐怖感が、読んでいる最中ずっと頭の中に留まっていた。 主人公の男がおかれている状況にそんなに絶望しないで恐怖しないで順応していく。だからこその恐怖。よくある小説なら、主人公の男の絶望に読者を共感させる形で恐怖を与えるのに、この小説は全く逆だ。 | ||||
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一読した際は「文章すごく読みやすく、ただ少し物足りない」という感想だったが 先日再読した際には 圧倒的な文章力にただただ感服し、【化身】は時折コメディーにさえ思えた。面白い! 【幸せという名のインコ】に関しては 久しぶりの鳥肌級な怖さ。夢にまでインコが出てくる始末。ラストのオチを 読書をしない主人に内容を聞かせると「怖!」と言われた。 何だろう・・・なぜ一読した際に この小説の怖さがわからなかったのか、不思議。きっと、自分がそのとき不幸だったからか?平穏で幸せな今、この作者の文章に静かな恐怖を覚えた。背中をドンッと押されるような怖さでなく、腕の産毛をサワサワされるような。人は常に死と隣り合わせにいるのに、その死を まざまざと見せつけてくるのではなく 「ほ~ら・・・お迎えに来ましたよ・・・」と 死に神に いまにも耳元で(いや脳内か?)ささやかれるような、そんな小説。たとえが下手ですね。 とにかく面白かった。 | ||||
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ホラーという括りを越えて純文学作品です。生きようとする肉体の本能を流麗な文章で描写されています。 地味ながらも、不思議な余韻を残し、命の美しさを感じました。 | ||||
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この作者の本は初めて読んだ。 ホラー文庫は結構読んでいるが、基本的に怖い内容を期待して買っていた。 ドキドキハラハラ、迫りくる敵、戸惑う主人公(や読者)というものが好み。 というわけでこの作品も買ったのだが、驚いたことに全然怖くない。 最後までちっとも怖くない(笑) これはホラー風味のSFですね。 怖くなることをあきらめて読んでいても、全く不快感はない。 むしろ、きちんと練られた設定、リアリティを感じさせる文章に引きこまれていく。 例えるなら、星新一さんに似ている。 確実な基礎に裏打ちされた文章力で、異世界を楽しむような感じ。 最後までそれが崩れることなく、とても楽しんで読めた。 (「化身」については☆5、ただ他の話が個人的にいまいちなので☆4にした。 でも、「化身」を読むために買っても損はないと思います) こういった作品がホラー大賞を取るということは、凄くチャレンジングで素敵だと思う。 ホラー文庫を、グロそう、怖そうという理由で敬遠しているかた、一度手に取ってみては? | ||||
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ホラー文庫ということで、もう少し怖い話かとも思いましたが、少し不思議で童話のようなお話が三話。 怖さはを期待すると少し肩すかしですが、落ち着いたトーンで三作とも楽しめました。 驚かせるとかではなく、どこか切なくなる不気味さを堪能したい方におすすめです。 | ||||
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いい。自分がほんの少し、少なくとも眠る場所や家族があって、仕事があるとこんな世界は想像しがたいかもしれない。この本を読んで「自分はまだ幸せな方だ」と感じるならそれもよし。しかし、本質的に社会との絶縁が信念の疎外と結び付かないところがとてもシニカルな「化身」。どっこい、「雷魚」がテーマなのか時勢に伴う放任主義家庭がテーマなのか、とてもノスタルジー溢れる2作め。疑心暗鬼の対象がやはり人間以外に投影され蝕まれていく3作目。個人的には、男性なら「雷魚」を。女性なら依存主義の弱い男の末路を描く3作目「幸せという名のインコ」を。家や財産や家族を失ったことのないアナタには1作目の「化身」を。本作には3つの物語が描かれているが、そのどれもが「違う」結末、すなわち「続き」をアナタが描けるところに素晴らしさが潜んでいる。なぜなら何を隠そうアナタも他人の不幸が好きなはずだから。 | ||||
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日本ホラー小説大賞受賞作の短編集である。『玩具修理者』の小林泰三、『ぼっけえ、きょうてえ』の岩井志麻子等を輩出している同賞であるが、受賞作品の傾向が徐々に変わってきているように見える。以前はストーリー性を重視した(映画化しやすい)ホラーが多かったが、最近の受賞作は文体の個性が際立っているものが多い。エンターテインメント系の作品から純文学系の作品へとシフトしているように思われるが、これが出版社側の意向なのか時代の流れなのかは分からない。 本書冒頭に収められた大賞受賞作「化身」(原題は「ヤゴ」)も、その魅力はストーリーよりも圧倒的な描写力にあると言える。異常な状況設定から始まり、限定された空間内で繰り広げられる悪夢の世界に、読者を引きずり込んで離そうとしないのは、著者の筆力に裏打ちされたリアリティであろう。空想だけでこれだけの描写ができるのは紛れもない才能である。 ただし個人的には三作目の「幸せという名のインコ」が最も好きである。こちらは描写よりもストーリーを重視した作品で、余韻を残す終わり方も上品である。純文学もエンターテインメントもどちらでも書ける著者の、新人離れした力量がうかがえる。 蛇足ではあるが、昨年に引き続き大賞が出た意義も大きい。同賞は今まで二年に一度しか大賞受賞作が出ない(出さない?)ことで有名であった。ジンクスだか方針だかは分からないが、これが取り払われたことは応募する側にとっても読者側にとっても喜ばしい。取り払った著者の今後の活躍に期待したい。 | ||||
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