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はだかの太陽
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はだかの太陽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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この本は図書館で読んで知っていましたが、購入したのは新訳版。 この作品はロボットシリーズの二作目で、この後、夜明けのロボット、ロボットと帝国とつづきます。 同じ訳者なので、続けて読まれると面白いと思います。 | ||||
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アイザックアシモフ 「はだかの太陽」読書感想 人口2万人、ロボット20億台。人間一人当たりロボット1万台を使役する惑星国家ソラリアで、建国以来初めて発生した殺人事件を地球の刑事が捜査する話。 最後の解決パートはシャーロックホームズばりに古典的だが爽快な読後感がある。何より主人公の刑事が魅力的で特に感情的なセリフや、時々ふっとよぎる冷淡な考えが一々たまらない。解決パートの安直さなど些細な事だろう。 お勧めの1冊 地球人と宇宙人。地球と異星。人間とロボット。自分のコミュニティを抜けて、別世界を体験し、自分たちについて新しいことに気づく。そして読者の心にも考えさせられモノが残る。そうゆう小説だ。単に消費されるためだけの小説ではなく、ある種の創造をもたらしてくれる。 有意義な読書体験だったと思う。多かれ少なかれ読書とはこういうものであってほしい。 | ||||
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『鋼鉄都市』の続編。前回の腕前を買われて、惑星ソラリアで初めての殺人事件の捜査へ。人間1人に付き、1万台のロボットが使われ、人はそれぞれの家にいながら3次元遠隔装置で会話するスパース社会。今回も捜査のお相手は人間型ロボットのオリヴァー。いい感じで助けてくれます。 ロボット工学三原則の第一条「ロボットは人間に危害を加えてはならない」にも拘らず、複数台のロボットに分担させれば、殺人ができてしまうこと。さらに第一条を緩和したAI搭載の宇宙艦なら、敵艦に人が乗っていても攻撃できてしまうことが出てきます。たしかに総合的に人間に危害を加えないようにするのは、相当難しい推論でしょう。後者は既に、米軍の殺人ドローンで破ってしまっています。自律的に動く"自動車"も間もなく出てくる時代、第一条をどのように実現するかはなかなか大変そうです。 安楽都市でエネルギー切れを待つのではなく、もう一度宇宙開拓に出ようよ、というメッセージは今回も。続編の本編は安心してさらっと読める感じでした。 | ||||
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復刻ありがとう。おかげで新品で読める。 ベイリとダニールの名コンビが、今回は惑星ソラリアで起こった殺人事件を捜査する。 ソラリア人はごく少数しかおらず、労働やサービスは大勢のロボットの役目だ。広大な土地と邸宅を所有しているため、通常は他人に会うことがない。 立体ヴィジョン電話(映話)ですべての用をすませる。 彼らにとって直接対面は異常事態であり、激しい拒否感を抱く。こんな社会で誰が殺人を犯せるというのだろう。 全国民が対人恐怖症またはコミュ障のようなものだ。でかい屋敷やロボット執事はないけど、現代の引きこもりに驚くほどよく似ていますな。 ドーム都市出身のベイリは、天井が無く空と太陽がむき出しの環境に恐怖感を抱く。異なる世界に住む人には異なるメンタリティが存在する。 SFにしか描けない社会と人の在り様がリアルに描かれていて感心する。 ベイリは天才でもエリートでもなく、ただのくたびれた中年男だ。だが職務に忠実で使命感が強い。親近感の持てるキャラクターである。 完璧で無機的なダニールとの対比が鮮やかで魅力的だ。珍しくグレディアというヒロインも登場する。 「直接じゃないから恥ずかしくないもん」と通信で裸になります。 真相は「鋼鉄都市」に比べると、やや意外性に乏しい。だが犯人を追いつめる手段と結末に唸らされたので、やはり最高点とします。 | ||||
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小尾芙佐氏の訳に統一されたことについてはまったく異論はないし、また、小尾氏でよかったと思うけれど、これの前に少なくとも3種類の翻訳があったので、少し複雑な気分。 最初はまだ早川にSF文庫がなかった頃、ポケット版のSFシリーズに「鋼鉄都市」と一緒に「裸の太陽」として入っていた。「鋼鉄都市」は今と同じ福島正実氏の訳。「裸の太陽」は訳者名を失念してしまったが、とにかく、別の訳者の訳で早川から出ていたのである。 また、福島正実氏が子供向けに訳したバージョンもあった。私が最初に読んだのはこれで、次にポケット版の「裸の太陽」を読んだ。 それからSF文庫が誕生し、「鋼鉄都市」は福島氏の訳がそのまま入ったのに、なぜか「裸の太陽」は冬川亘氏の新訳で、しかもタイトルが「はだかの太陽」に変わってしまったのだ。 正直、ショックだった。冬川氏の新訳に不満があるわけではなかったけれど、前の訳に愛着があったし、なにより、「はだかの太陽」という、なんだか間の抜けたタイトルになったのがものすごくいやだった。 それからさらに年月がたち、小尾芙佐氏の新訳が出たわけだけど、タイトルはまたしても「はだかの太陽」。どうせ新訳を、それも、「鋼鉄都市」の福島正実氏の時代からSF翻訳を担ってきた小尾氏なのだからなおさら、タイトルを「裸の太陽」に戻してほしかったと思う。 なお、福島正実氏は初期の時代にSF翻訳と紹介解説を率先して行った巨人であり、若くして亡くなられたが、尊敬している人は多い。「大人の事情」などという言い方でディスるのは失礼であろう。 作品については、「鋼鉄都市」よりは少し劣るかな、と思うので星4つ。しかし、潔癖すぎる未来人はあたかも現代の日本人のようで、考えさせられる。 | ||||
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絶版のは、訳が冬川亘氏でしたが、今回は小尾芙佐氏が担当。 「われはロボット」「ロボットの時代」と担当していますし、 この本の続編「夜明けのロボット」「ロボットと帝国」(今は絶版) も担当してるので統一したかったのでしょうか。 (「鋼鉄都市」は最近に改訂版を出したばかりなので変更無しとの事が あとがきに書いてあります。大人の事情ですね^^;) どちらにせよ、今回、この作品が復刻して、続編を楽しみにしてたので嬉しいです。 今作でも、前作の名コンビ : ベイリ(地球人)とダニール(ロボット)が 惑星ソラリアの事件の捜査にて復活します。 宇宙国家ソラリアではソラリア人同士が直接会う事は無い ロボットが全てを奉仕する世界。その中での殺人事件。 この裏に隠された陰謀とは如何に? 訳が変わったとはいえ、本質は変わらないので是非、お手に取って読んでみて下さい。 | ||||
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してほしいものです。 アシモフのファウンデーション&ロボットシリーズの中で もっとも気に入っているものの一つで、 何度も読み返しています。 ロボットなのに、人間味がある部分を とても丁寧に描いてくれてあり、 非常に好感が持てる一級品だとおもいます。 話はそれますが、別作品でソラリアが放棄されてしまっているのは 悲しかったですが、そういうものなのでしょうね。 | ||||
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あっという間に読み終わりました。 ダニールの保護者っぷりが楽しいです。セリフがすごく親しみやすい感じで訳されていますね。彼が「あの、ちょっと」とイライジャに呼びかけるシーンは、ロボットなのに人間染みていて楽しいです。 私は小説を読む順番を間違えて、「鋼鉄都市」を読んだあとに「ロボットと帝国」に手をつけてしまいました。 なので、この「はだかの太陽」は、ユーモアのあるシーンでも、すごく切なく感じてしまうという味わいかたをしています。 自由奔放で心配をかけるイライジャと、彼の身の安全を第一に考えるあまり「オカンかよ」と突っ込みたくなるような過保護なダニールが(「明日になさい!」はいいですね(笑))、とてもとても愛おしく、この先もずっと大事に読み返したいと思える物語です。 この小説「絶版」なんですか?こんなに面白いのに、信じられないですね。 | ||||
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震災前のことですが、現代社会は『すばらしき新世界』よりも『はだかの太陽』のそれと似ているという話を聞き、そういうものかと思い、読んでみました。 ところがあれから一気に社会の情勢が変わり、『一つになろう』とか『つながろう』とかいった言葉が飛びかい始めたので、どうもそうでもなくなっているようにも思うのですが、一歩間違うと日本もこのような社会へと向かうところだったのかなとも思います。 面白い話でした。なんてことはないちょっとしたエピソードの中に謎解きの鍵が隠されていました。 読み終わった後で、なんだかいまひとつスッキリしない気もしたのですが、それはこの話が続編だったからなんですね。 これから『鋼鉄都市』を是非とも読みたいと思います。 | ||||
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震災前のことですが、現代社会は『すばらしき新世界』よりも『はだかの太陽』のそれと似ているという話を聞き、そういうものかと思い、読んでみました。 ところがあれから一気に社会の情勢が変わり、『一つになろう』とか『つながろう』とかいった言葉が飛びかい始めたので、どうもそうでもなくなっているようにも思うのですが、一歩間違うと日本もこのような社会へと向かうところだったのかなとも思います。 面白い話でした。なんてことはないちょっとしたエピソードの中に謎解きの鍵が隠されていました。 読み終わった後で、なんだかいまひとつスッキリしない気もしたのですが、それはこの話が続編だったからなんですね。 これから『鋼鉄都市』を是非とも読みたいと思います。 | ||||
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ベイリ&ダニイルもののSFミステリ。舞台はソラリアという遊星。ソラリア人は他人との接触を極端に嫌い、三次元映像でコミュニケーションを取る。そこで、死体とロボットだけが残された殺人事件が起こる。ロボット三原則によって、ロボットは犯人ではあり得ない。それでは犯人は ? 殺人事件の方は底が浅いので謎解きは難しくないが、ソラリア人の特質を活かした"解決法"は笑わせてくれる。それより本作がインパクトを持つのはその風刺性である。ソラリア人のコミュニケーションの取り方は現代の日本に似ているではないか。ソラリアにおけるソラリア人とロボットとの関係は容易に旧宗主国と植民地の関係を想起させる。また、ソラリア内部における保守と革新の対立もリアリティを感じさせる。そして、最後に語られる次の言葉は強烈である。「銀河系宇宙において、ソラリアに似ているのは地球だけだ」。 SF的設定でミステリの風味を味あわせ、更に辛辣な風刺を含んでいるアシモフの傑作。 | ||||
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~有史以来初の殺人事件が起きた惑星ソラリアに派遣されたイライジャ・ベイリ刑事は再び人間そっくりなロボットダニール・オリバーと組んで難事件に挑みます。ソラリアは人一人に対してロボットが1万台、人間同士の接触がほとんどなく、三次元映像で相手を直接“見る”のではなく、”眺める”という特殊な世界です。SFでありながら鋼鉄都市よりももっとミステリ~~ーの要素が強くなり、シリーズの今後の展開への含みも持たせた優れた作品だと思います。~ | ||||
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ロボットが人を殺せるわけがないのに、その部屋にはロボットと死体しかなかった。また、その星の人は”会う”ことによって人と接触することはなかった?では、どうやって死んだか?誰が殺したか?設定を見た限りはどう考えても無理な犯罪なのに、物語が進むにつれ、どんどん可能な案を出していく刑事ベイリの意見が面白く、それを何度も繰り返すことによって読者を飽きさせない手法は、今の作家たちが見習うべき点でもあるでしょう。基本中の基本的な一冊ですが、確実なカタストロフィがあるでしょう。 | ||||
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ロボットが人を殺せるわけがないのに、その部屋にはロボットと死体しかなかった。また、その星の人は”会う”ことによって人と接触することはなかった?では、どうやって死んだか?誰が殺したか? 設定を見た限りはどう考えても無理な犯罪なのに、物語が進むにつれ、どんどん可能な案を出していく刑事ベイリの意見が面白く、それを何度も繰り返すことによって読者を飽きさせない手法は、今の作家たちが見習うべき点でもあるでしょう。基本中の基本的な一冊ですが、確実なカタストロフィがあるでしょう。 | ||||
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SFの設定としちゃ最高のランクじゃない? 個々人が完全に隔離されて暮らす星での殺人……ほとんど全員対人恐怖症でっす(笑)、さすがに伴侶とは会うんですがその伴侶が唯一の被疑者、殺害現場にいたという極めつけ。だがしかし彼女にその記憶はなくて、凶器は一切そこに存在しなかった。なんでか引っ張り出された地球人刑事ベイリ、「鋼鉄都市」での活躍を見込まれたってことなんですが。殺人なんて起こる民族じゃないから外からスペシャリスト、て気持ちはわからんではない(そこはかとない誤解を感じるが。)。 パートナーとして与えられたのがR(ロボット)・ダニール、前作と比べ若干成長してますなぁ。とことことふたりして星を駆けずり回って、とりあえずはその星の雰囲気、空気のようなものを掴もうと苦心し始めたところに起こる──彼らと映像通信をしていた相手の、毒殺。この遠隔殺人のカラクリは比較的簡単にわかるのですが(さすが刑事。)、ところがその意味するところはわからない。 ベイリはその星で、閉じこもったドームで人とばかり暮らす地球人も、人と離れてロボットに傅かれて暮らすその星の人間も、多分どちらも不自然だと思ったのでしょう。活発な被疑者の(苦笑)女性に連れ出されて、彼は空を見上げてしまい、とある物を目にします。端的にいえばこの本のタイトル。 この事件の解決をも引換えにして、彼は地球人の移民を唱えるリーダーとなっていきます。 | ||||
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SFの設定としちゃ最高のランクじゃない? 個々人が完全に隔離されて暮らす星での殺人……ほとんど全員対人恐怖症でっす(笑)、さすがに伴侶とは会うんですがその伴侶が唯一の被疑者、殺害現場にいたという極めつけ。だがしかし彼女にその記憶はなくて、凶器は一切そこに存在しなかった。なんでか引っ張り出された地球人刑事ベイリ、「鋼鉄都市」での活躍を見込まれたってことなんですが。殺人なんて起こる民族じゃないから外からスペシャリスト、て気持ちはわからんではない(そこはかとない誤解を感じるが。)。 パートナーとして与えられたのがR(ロボット)・ダニール、前作と比べ若干成長してますなぁ。とことことふたりして星を駆けずり回って、とりあえずはその星の雰囲気、空気のようなものを掴もうと苦心し始めたところに起こる──彼らと映像通信をしていた相手の、毒殺。この遠隔殺人のカラクリは比較的簡単にわかるのですが(さすが刑事。)、ところがその意味するところはわからない。 ベイリはその星で、閉じこもったドームで人とばかり暮らす地球人も、人と離れてロボットに傅かれて暮らすその星の人間も、多分どちらも不自然だと思ったのでしょう。活発な被疑者の(苦笑)女性に連れ出されて、彼は空を見上げてしまい、とある物を目にします。端的にいえばこの本のタイトル。 この事件の解決をも引換えにして、彼は地球人の移民を唱えるリーダーとなっていきます。 | ||||
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前作『鋼鉄都市』で活躍したベイリ(地球人)とダニール(ロボット)のコンビが、ここにきて復活します。この名コンビ、今度はニューヨーク・シティを飛び出し、惑星ソラリアに向かいます。実は宇宙国家ソラリアでは人間一人あたりのロボット所有台数が一万台と、ものすごく多いのです。毎日おびただしロボットにかしづかれるソラリア人は、お互いの三次元映像をリアルタイムに眺めあうだけで人と交流し、滅多なことでは会ったりしないのです。むしろ直接会うことは忌避される世界なのです。ところが、この世界でひとりのソラリア人が殺害されたというのです。会わなければ凶行にはおよべないはず、しかし会うことがありえない世界――これはそんな特殊な密室殺人をあつかったミステリでもあるのですね!!もちろんSFならではの仕掛けもあります。ロボット工学三原則により、ロボットは人間に直接危害を加えることができないので、犯人が遠隔地からロボットに殺害を命じることはできません。また殺害現場にいた唯一の目撃者はロボットで、殺人を目撃したことで陽電子頭脳が損傷し、まともな証言もできないという具合です。もちろんこの作品のおもしろさは謎解きだけではありません。捜査にあたるうち、ベイリは実に微妙な問題に出くわすのです。宇宙人によってギャラクシーから閉め出された地球人は、鋼鉄の洞穴の中でひしめき合って暮らし、本当の空を見上げることなんて考えもおよばないのです。でもベイリはソラリアでついに見上げてしまうのでした。人類を外へ誘い出そうと宇宙に高くかかげられたはだかの太陽を。 | ||||
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前作『鋼鉄都市』で活躍したベイリ(地球人)とダニール(ロボット)のコンビが、ここにきて復活します。この名コンビ、今度はニューヨーク・シティを飛び出し、惑星ソラリアに向かいます。 実は宇宙国家ソラリアでは人間一人あたりのロボット所有台数が一万台と、ものすごく多いのです。毎日おびただしロボットにかしづかれるソラリア人は、お互いの三次元映像をリアルタイムに眺めあうだけで人と交流し、滅多なことでは会ったりしないのです。むしろ直接会うことは忌避される世界なのです。 ところが、この世界でひとりのソラリア人が殺害されたというのです。会わなければ凶行にはおよべないはず、しかし会うことがありえない世界――これはそんな特殊な密室殺人をあつかったミステリでもあるのですね!! もちろんSFならではの仕掛けもあります。ロボット工学三原則により、ロボットは人間に直接危害を加えることができないので、犯人が遠隔地からロボットに殺害を命じることはできません。また殺害現場にいた唯一の目撃者はロボットで、殺人を目撃したことで陽電子頭脳が損傷し、まともな証言もできないという具合です。 もちろんこの作品のおもしろさは謎解きだけではありません。捜査にあたるうち、ベイリは実に微妙な問題に出くわすのです。 宇宙人によってギャラクシーから閉め出された地球人は、鋼鉄の洞穴の中でひしめき合って暮らし、本当の空を見上げることなんて考えもおよばないのです。でもベイリはソラリアでついに見上げてしまうのでした。人類を外へ誘い出そうと宇宙に高くかかげられたはだかの太陽を。 | ||||
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イギリスSF界の大御所ブライアン・オールディスがかつて「1オンスの脂肪もないSFミステリ」と評した本書は『鋼鉄都市』の続編にあたる。前作に続いて地球人のイライジャ・ベイリと、ロボットのダニール・オリヴォーの刑事コンビが登場し、ロボットに日常生活の大半を依存し、人口が極端に抑制されている惑星ソラリアで起きた、「ロボットを利用しない限り実行は不可能だが、『ロボット工学の三原則』によって、そのロボットには人を殺すことができない」という殺人事件の謎を解く。 地球とはまったく異なる社会体制や文化様式の観察とロボットの行動原理についての考察から主人公が展開する推理のプロセスはそれなりによく考えられているが、逆に、物語の前提となる、このソラリア社会の特異性と「ロボット工学の三原則」の実用性に説得力を見出せないと、それによって立つ主人公ベイリーの推理を含めたすべてが空疎な絵空事にしか感じられないだろう。とはいえ、SFと推理小説を融合させようとする初期の試みとしては高く評価したい。 なお、あなたがアシモフ・ファン、推理小説ファンなら、原書 Naked Sun の目次だけでも覗いてみることをおすすめしたい。この翻訳書の目次から受け取れるものとは違った印象を持たれるはずだ。 | ||||
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イギリスSF界の大御所ブライアン・オールディスがかつて「1オンスの脂肪もないSFミステリ」と評した本書は『鋼鉄都市』の続編にあたる。前作に続いて地球人のイライジャ・ベイリと、ロボットのダニール・オリヴォーの刑事コンビが登場し、ロボットに日常生活の大半を依存し、人口が極端に抑制されている惑星ソラリアで起きた、「ロボットを利用しない限り実行は不可能だが、『ロボット工学の三原則』によって、そのロボットには人を殺すことができない」という殺人事件の謎を解く。 地球とはまったく異なる社会体制や文化様式の観察とロボットの行動原理についての考察から主人公が展開する推理のプロセスはそれなりによく考えられているが、逆に、物語の前提となる、このソラリア社会の特異性と「ロボット工学の三原則」の実用性に説得力を見出せないと、それによって立つ主人公ベイリーの推理を含めたすべてが空疎な絵空事にしか感じられないだろう。とはいえ、SFと推理小説を融合させようとする初期の試みとしては高く評価したい。 なお、あなたがアシモフ・ファン、推理小説ファンなら、原書 Naked Sun の目次だけでも覗いてみることをおすすめしたい。この翻訳書の目次から受け取れるものとは違った印象を持たれるはずだ。 | ||||
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