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隻眼の少女
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隻眼の少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全65件 21~40 2/4ページ
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本格ミステリとは「手がかりから理詰めで推理して真相を 割り出すこと」なんだそうだ。 本書は2部構成である。しかし舞台は同じさびれた山村。 1部で事件を解決したが、18年後にまた惨劇が起こる。 確かに主人公みかげは「不整合」をよく口にし、長口上も 理屈っぽい。 (当たり前だが)口上が長い。それが快刀乱麻を断つがごとく、 ならいいのだがなんだか物足りない。読んでいて退屈だ。 水干装束に隻眼、という演出があるのだから、それに伴うような 切り口で事件を解決してもらいたかった。 それに1部でも2部でも、こういうオチ?という感じは否めない。 特に2部だ。これが「日本推理作家協会賞」、「本格ミステリ大賞」の W受賞なのか? これでもいいのか?これをやっていいのか? 名探偵『御陵みかげ』は、栖苅村の生ける神『スガル様』と同じでは ないか。どちらとも今の身分は親(親族)から継承されたものだし、修行も しているし、作られたモノではないか。 読後感:なんだかなぁ......。という脱力感めいた感じ。 500ページにみっしりと詰まっていて、ボリュームもあったのに。 なんだかなぁ。 | ||||
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一部、推理過程に言及しますが、特にネタバレはありません。 巫女のような水干を着た隻眼(片眼)の少女探偵みかげと、遭遇した種田静馬を主人公とした本格ミ ステリー。つまり、犯人当てや謎解きを主体とした作品。 1985年と2003年と二つの事件が描かれるのだが、人間関係が複雑(割と単純なのだが、似た 名前が多く混乱しやすい)だったり、説明の図がなかったりで、かなり分かりにくい。情景描写で明ら かに間違っているところもあった。たとえば、同じく塀の「内側」という表現を逆の意味で2回使って いるところもあり、まともに読むと混乱してしまう。これなどはちゃんと推敲すれば除去できるミスだ ろう。軽く読み流せば気にならないかもしれないが、構成が複雑だから、見逃さないようにと集中して いる読者は明らかに混乱してしまう。もしかしてこれは作者によるミスリードかと勘ぐったくらいだ。 最終的な犯人が明かされるシーンはかなり衝撃的で、「どんでん返し」とも言えるのだが、それまで につまらないミスや作者の独りよがりがあったりするため、白けてしまって説得力を欠く。たとえば、 「神棚台の右から腕を入れた理由」など、図で示したり、あるいはもっと厳密に書かない限り、人によ って顔の向きは変わるはずなのに、作者はそれを一義的に決めつけている。 とにかく長いばかりで、複雑で分かりにくい上に細かな瑕も多いため、少しも楽しめなかった。本当 なら☆1としたいところだが、受賞作ということに敬意を表して、☆2とした。 | ||||
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※削除申請(2件) | ||||
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正月休みの暇つぶしに本の分厚さのみで選んだので読む気にならず、レビューを見たら予想よりもレビューが多く、こんなマイナーそうな話と作者なのに(私は知りませんでした)賞まで貰っていると知りやっと読み始めました(笑) 第一部は結構面白く読めたのですが、第二部の娘編が娘の性格が地味でパッとしなくて話もグダグダで、後半になるにつれ、屁理屈ばかり言う人の言い訳を延々聞かされているようなウンザリした気持ちになってしまいました(笑) レビューでは評価が低い第一部の少女ですが私は一部の性格の方が好きですね〜。 やっつけのような結末や記憶喪失ネタも結構好きかも。 私は和生が犯人だと思って最初から読んでいたのですが、犯人扱いされた和生の発言に爆笑してしまいました。 笑わせようとして書いてるのかな〜(笑) 対象年齢は中学生、ネタ探しの大人しか楽しめないと思いますが、この作者の作品をもう一冊くらいは読んでみようかと思う面白さはありました。 | ||||
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麻耶さんも、本当に当たりハズレがある作家さんですね。 すべては最後のひっくり返しにかかってるのですが。 この作品は微妙でした。 長すぎる。 死人が多すぎる。 動機が訳分からなすぎる。 タイトルとか表紙などは魅力的なだけに、なんだかもったいない気分になりました。 これはこれで1つのトリックでしょうから完結してますが、続きとか書かないで欲しいと思います・・・。 | ||||
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本格ミステリだと信じて期待して読んだのでいけなかったのだとは思いますが、日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞とのW受賞作品だと聞いたら仕方が無いと思います。期待するなっていうほうが無理です。 まあ最後まではとりあえず読み通せたしそれなりに楽しんだ・・・楽しくは無かったです。 本格ミステリ風ドタバタ殺人劇というのが自分が読み終えて抱いた印象で、本格ミステリって書いた方も意図していたとは思えないような内容です。 それならそれで登場人物とかもう少し魅力的なら楽しめるだろうけれどヤラレル方もヤル方もなんとも印象の薄い魅力の乏しい方々でなんだか盛り上がりに欠けます。せめて少女探偵のみかげちゃんでももう少しキュートならこれはこういう作品なのだと割り切れて自分には不向きだったと諦めもつくのでしょうが。 こういう世界観を楽しめる人が読めば楽しいかもしれませんが本格ミステリを求める人にはとてもお勧めできません。 | ||||
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因習の残る村の閉鎖的な旧家で起こる連続殺人 確かに犬神家っぽいけど 身の回りの人を混乱に導く遺言を残す犬神佐平翁みたいな人がいるでなし 伝承とかをさほど生かしてない感じです なんだかうーんと唸りたくなる事柄が多い印象 そんなに盛り込まない方がすっきりして読みやすいと思いますが ただ作者独特の味付けを気に入れば楽しいのかなぁ 私には微妙でした ヒロインにあんまり魅力感じなかったのもあるし 犯人の動機もへっ?という感じでした 他に「化石・・」も読みましたが小生意気な風変りな美少女 が好きなのかなぁ リアルにいたら困りそうな女の子なんだよねぇ | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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2部構成となっている本書だが、そこまで話を持たせられるほどの魅力はない。 魅力ない、やたらとヒロインぶるキャラクター(ラストのためであろうと、魅力はない) 出てくる人物にも面白みがなく、作者は自分に酔う性格か。 映画の予告で面白そうに思ったが、とんだ駄作だ。 | ||||
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土地の名士が住む館での殺人という状況設定やキャラクターの名前の付け方、あの人物が二人だった、などの要素から、 金田一シリーズの「犬神家の一族」を踏襲した作品だという印象です。 ↓話の核心について触れるんで注意! 前半のヒロインが実は生きていた!というトリックですが、 犬神家の一族でも同じトリックが使われてます。 よって、私はトリックが意外というよりも、「これ犬神家じゃないの?」という疑念を感じました。 ただし、犬神家では状況証拠から、読者たちが件の人物が生存していることを推理できるように構成されてますが、 隻眼の少女の場合は、ヒロインが生存しているということの推察は不可能です。 警察が調べて死亡と断定してますし、実は生存しているというヒントが一切ないのですから。 「推理小説として読まなければ」という意見もありますが、「それなら推理小説として出すな」と言いたいです。 もう一つ、賛否両論の犯人の動機ですが、私は納得がいかない派です。 犯人の動機というものは、トリックの暴露と同じくらい大切な要素だと思います。 その大切な要素が、適当というか、心理描写が無理矢理なため、読み終わった後に残念な気分になりました。 動機については犬神家を基にせず、作者が完全オリジナルで考えてますが、 作者のオリジナルな部分だけが稚拙で、他に比べて浮いてしまっています。 日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞とのことですが、 審査員はもっと他の推理小説を読んで勉強するべきです。 少なくとも、超有名な「犬神家の一族」の二次作品であることくらいは気付くべきでしょうに。 良い要素は犬神家からのオマージュ、悪い要素は作者のオリジナルということに気付いていたのなら、 賞を与えることはしなかったはずです。 最近の審査員の質の低下も浮き彫りになる作品です。 | ||||
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二つの賞を受賞したということで購入しました。 第一部までは面白く読めましたが、第二部のオチは納得できません。 申し訳ないですが、読んだ時間を返してほしいと思いました。 私が年をとったせいかもしれませんね。 | ||||
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本作の読後感は非常に悪く、納得がいかないことだらけ。(31人が好意的―5つ星、4つ星―評価をしていて驚いた)まず登場人物の行動が突飛でリアリティが感じられない。みかげの父親はまったく説得力のない理由で、自分の2歳の愛娘の片目をつぶす。共感の余地のない異常な行為。そしてその娘。2歳からずっと眼をつぶされたことを恨んでいて殺してやろう(恨みを晴らす=殺す しかないのかね?)と15年思い続ける。そのサイコ的執念深さも不気味で嫌だけど、その上その時点で2歳の子が、「将来母親のような探偵になりたいから、殺すほど憎んでいる冷酷な父を師匠として、表面上は信頼している振りをして15年ずっと修行を続ける」って人間的なリアリティを感じられる? 決断したときは幼児だし。 しかも頭がすごく切れるという設定ならば、父親を事故に見せかけて殺すなど色々考えられそうなのにそれをせず、父親が真の狙いなのをごまかすためだけに無関係の中学生を3人殺して首を切断するって?―発想があまりに異常で頭痛いわ。 次に探偵としては(アクション派ではなく)観察して不整合を見つけて論理的に謎を解決していくタイプと思われるのにあの過剰な能力の数々はどうしたことか?まずずっしり重い鉄扇を普通の扇のように自在に扱える、ものすごい筋力と体幹。そしてただでさえ片目で距離感がつかみにくいだろうに、あの短い鉄扇(相当近くまで行かないと当たらない)で次々と一撃必殺で失神させる当て感。これまた琴糸で一瞬で絶命させ、なたできれいに首を切り落とす。(よほど技術があっても経験がないとなかなかきれいに首を切り落とせるものではないのでは?)これはもう暗殺集団で幼い頃から人を殺す修行をした殺人兵器のレベル。その上、まったく畑違いの腹話術もプロ級で、微妙なタイミングの芸を確実にオコジョに仕込む特殊技能まで身につけている。(「よく懐いているから芸を仕込むのも難しくない」って?寝言は寝て言ってほしい)いったいどういう修行をすればこんな様々な特殊技能を17歳までに身につけられるのか? 実に嘘くさい。 ちなみにラストの方の身体能力はさらに進化している。もう残された片眼の視力もかなり低下してよく見えない状態で、門があるのを知っているのに使わず、暗闇で、降りしきる激しい雨の中わざわざ険しい瓦屋根を登って降りる(うまく刑事の背後から忍び寄ることが何より肝心なのに何で余計なリスクを?)その見えない目でも当て感は健在で、柔道の有段者の刑事を二撃?で倒す。 他にも首をひねるところが多い。例えばみかげ(娘)の推理を聞いた和生が「僕がやったんです」とやってもいないのに何度も言い出す不思議。しかもそれを否定されたら「じゃあ、僕は犯人じゃないんですね?」とみかげに聞くところはわけがわからず、何のギャグかと思った。 ひっかかったところはまだまだあって、とても書き切れない。またみかげの台詞には切れもウィットもなく、まったく惹かれるところがなかったし、いったいどこによさがあるのか謎である。 | ||||
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小学生のころ、クイーンやクリスティ、ブラウン神父などを読み、驚天動地の衝撃を受けてから三十年近くミステリーにはまり読み続けてきたけれど、これは‥‥‥。まず、あんまりアンフェアでしょう。いくらなんでもいたいけな少女を次々惨殺する犯人の動機も、あんなことができるバカ力や身体能力があることも、キーとなる特技も到底納得できません。 もちろんサイコミステリーやノワールも読みますが、これはこの犯人のためだけの小説で、他の登場人物は全部捨て駒、ストーリーが全然ないのがひどい。羊たちの沈黙、ブラックダリア、ミレニアムなどの犯人もひどいし、かなり残酷で陰鬱なストーリーですが、その中に何か思想とか哲学が感じられ、崇高な美しささえ感じたものですが、そういう小説を読む感動が全く感じられなかった‥‥ あの長さは全く必要ないです。 発想はすごく面白いと思うのですが、発想に内容がついていってなかったのが残念でした。 | ||||
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どうみても従来ミステリーの枠を外れていないお読み物ですよ、これは。 書店に行くたび、手にとって購読しようかどうか迷って、結局は電子書籍で読むことにしましたが。 第一部。しょっぱな、主人公の種田静馬が寒村で初雪を待っている理由が、 TVサスペンスではありきたりな理由という点でいきなりまずがっくり。 更に第二部の冒頭、18年前に予定通り自殺したはずの種田静馬がひょっこり生き永らえていた理由を読んだ時には、 映画二十世紀少年第三部の誰かさんを見ているようなあまりのご都合主義にバカじゃないのか、と内心呆れ果ててしまいましたぜ。 それでも第二部では、とある親子のじつにわかりやすい名乗りがあるものと期待して読み進めましたが。 するとその前に、なんとまたもや女子中学生の連続殺人が発生する。しかも手口が18年前と同じときた。 ということはこの18年間の間に死んだと思われていた人物が、静馬の他にも生きていて犯行に及んだとしても不思議はない。 なんだやっぱりこれは、従来ミステリーをなぞっているだけの、ただのミステリーパロディとしか言いようがない読み物だったのか。 ここで話は飛びますが、第二部に登場する三代目御陵みかげ探偵さんが世間で活躍することは、 まず世間がけっして許すはずがありません。おそらく四代目御陵みかげさえも。世間はそこまで寛大じゃないから。 でも万が一、三代目が活躍するようなシリーズが書かれるとしたら、作者の厚顔ぶりには舌を巻いてしまいますね。 | ||||
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まず人物が見えてこない、世界観が陳腐、これが「何とか大賞」?はぁっ タイトルや帯に騙されてはいけない典型・・・残念としか言いようがない | ||||
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まず、子供向けの読み物で有ろうと思います。 ミステリ系を読み慣れた方には娯楽作品としてしか読めません。 何故コレが11年度のダブル受賞になったかがとても不思議です。 本格的なモノと比較しての至らない点は、 ・第一に、主人公とも言える探偵さんが犯人というのはセオリーから外れています。 コレではなんのための、誰のためのミステリなのか解らないからです。 無理をするなら、後半の娘のための作品と言うことになりますが。 ・第二に警察の捜査能力を大変過小評価しており非現実的で、あり得ません。 また、警察官が民間人に捜査情報をもらすことはほぼありませんし、 ましてや作中にあるように公然として捜査協力すると言うこともありません。 殺人などの犯行をあのように行えば、必ず多くの痕跡は残り、 それを見のがすような甘い捜査ではありません。 ・第三に状況証拠にもならないモノの積み重ねというか、ただの憶測のみで 物語が進行しています。 誰かをかばって自供するのなら、確定的な何かの証拠を突きつけられない限り あり得ないだろうと思います。 大きく上げれば以上ですが、細かく上げればその都度きりがない位の甘い点があり ミステリに慣れた大人の読み物、とはとうてい言えません。 ただ、ライトのベル等読者層の広がりを考慮し、 ミステリというモノを深く考えない、 読んで楽しければいいじゃん?、 ってノリで読むのなら、ありだと思います。 | ||||
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翼ある闇から20年。 いつの間にか、自分が新本格とは相容れなくなってしまっていた。 そういうことなんだと思う。 以前であれば、おおおおおお!! だったのが 今では はあ? っていうね。 それに気付いたのが収穫。 著者や著作が悪いのではなく。 そう思わないとこの本のために費やした時間が ただただもったいない・・・。 | ||||
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早読み得意、面白い本、好きな本だったらほぼ1日で読破できるのですが、これは2週間経ってもかばんに入ったまま。 読んではいるんですけどね、読もうとはしていたけど、とにかくつまらないのです。 だから、眠くなる。全然進まないし、次に読むときには前の内容を忘れていて、また読み返すという。 とうとう今日、第1部をぺらぺらとなんとなく流し読みしつつ、第2部の最後10ページくらいを読む、という方法で読み終わりました。 感想、とにかくバカバカしいの一言。馬鹿馬鹿しくても面白いものはおもしろいけど、これはつまらない。 ま、帯の文句につられて、ポイント集めのために買ってしまった本なので、自業自得ですが。 近所の中学校の古本市にでも寄付することにしましょうか。 | ||||
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推理が強引だよなぁ。絞り込みもそれじゃ絞り込めないでしょ。 子供がちょっと背伸びして読むような本で、大人が読むような本じゃないよなぁ。 そんな感じを深めつつ、駄作であるという確信も持ちつつも、 折角買ったので最後まで読まなきゃ勿体ないよなぁという思いと、 もしかしたら、このモヤモヤを晴らしてくれるスッキリとした結末を迎えてくれるかも、 という淡い期待と惰性で苦痛を感じながらも読み進みました。 最後まで駄作でした。 第一部を読み終わった後のガッカリ感と、第二部を読み終わった後のガッカリ感が同じくらいでしょうか。 とにかく動機が無茶すぎる。 物語の導入部分だけは少しワクワクさせてくれましたが。 | ||||
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「夏と冬の奏鳴曲」以来、作者の作品の論理が破綻している事には慣れっこになっているが、その代り、その作品は独特の衝撃性を持っていた筈だ。本作はオリジナリティが皆無で、その論理破綻だけが際立った駄作。作中で、"整合性"という言葉が何度も出て来るが、"整合性"を欠いているのは作者の構想自身であろう。 オリジナリティの欠如も目を覆いたくなる程の酷さ。全体の作風は三津田信三氏の「民俗学伝奇ミステリ」シリーズの出来損ないの様だし、物語の基底にある神話の骨子はハチ類等の雌雄を決する倍数体・半数体という遺伝学的性質そのもの。また、親子名探偵という設定は、これまた三津田氏の刀城そのもの。そして、メイン・トリック(と言える程ではないが)は、高木彬光氏の著名作品とクリスティの著名作品を組み合わせたもの。そこに横溝正史氏の著名作品の彩りを加えるという厚顔さ。 既存のピースを単にデタラメに繋げただけで、新規性も面白みもない。作者の欠点だけが出た作品で、読んでいて呆れる他なかった。ミステリ作家としての矜持を全く感じられなかったのは非常に残念だった。 | ||||
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