■スポンサードリンク
月と蟹
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
月と蟹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 61~80 4/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
グイグイ読ませますね。 残酷な子供の遊びもいつしか真剣味を帯び、 終盤は展開が気になり一気に読み進めました。 ものすごく嫌な読後感を覚悟していたのですが、 読み終わってみればそんなに悪くなかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
成長期の少年たちの心の動きを丁寧に描いた作品です。 少年たちは、学校で家庭で遊びの中で、様々な問題に直面し考えてゆきます。 そして、それが扱いきれなくなったとき「ヤドカミ様」を生み出します。 その表現のグロテクスさと、意表を突いた視点、それに絶妙のストーリー展開で読ませてくれます。 そして、私たちの心の奥底にある少年期の醜さの様なものを、目の前に表出させます。 直木賞受賞作と言うだけの作品で素晴らしい作品だと思うのですが、子供たちの会話の部分が余りに大人びた表現なのが気になりました。 そのためにリアル感を失い、絵空事の印象が拭えませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞受賞作品という事で興味があり購入しました。 正直期待はずれ・・・つまらなかったです・・・ ストーリー展開がゆっくりすぎるというか、劇的に展開していかないところにイライラ。 「それで?それで?どうなるの?どうなっていくの?」と読み進めたくなる好奇心がわきませんでした。 半分読んだところで断念中・・・ “作家らしい”文章表現には優れているのかもしれませんが、それにとらわれ過ぎな部分もあるような・・・ 批判ばかりの感想で申し訳ありません。 『月の恋人』のドラマはそれなりに面白かったのですが、『月と蟹』が映像化される事はないでしょうね、きっと。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
相変わらず不気味なもの書いたら光るものがあります ヤドカリの描写が不気味、 この作者の書く不気味な子供たちは、ねっとりとした不快感が漂います 締め切りにでも追われてたのでしょうか?中途半端というか拍子抜けな感じで終わってしまった | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何冊か読んだ道尾秀介作品の中では、 ずば抜けておもしろかった。 けっこうグロテスクな描写が多い中で、 この作品の視点が、おもしろい。 一人の少年と、 その友人。 学校では孤立している二人が、 放課後、ある場所で、 秘密の儀式を行う。 小さな遊びだったことが、 次第に、願い事がかなうと言う、 不思議な出来事にかわっていく。 しかしそれもまた、 信じること、そのものもまた、遊びである。 子どもたちの間にあるそのバランスは、 危うく、そして微妙。 少年の日常にある、 悪意とか、嫌悪感とか、 もっと単純な、好きだとか、嫌いだとか、 多くの負の感情を丁寧に描き、 その弱さをさらしてしまう少年という、 誰もが愛すべき、 期間限定の時代の話。 重さや事象の違いこそあれ、 誰もが抱える心を押しつぶすような問題。 そして、弱い心。 大人だと、つい男と女とか、 単純な問題になり、 そして、ずるさも含めた計算になるのだが、 子どもたちはむっとピュア。 その無垢な心の、 ディテールにこだわった作品だった。 懐かしさとともに、 苦さの残る秀作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あなたは10歳の頃何を考えてましたか、と聞かれてすらすらと答えられる人はなかなかいない。断片的に覚えているとしても、今度はそれが12歳なのか8歳の記憶なのかの区別がつかない。道尾さんは少年の心を覚えているのか、世の中が微妙にわかり始めて、でもまだ子供らしい残酷さを残す年頃の心のひだを、繊細に描き出していく。 そんな筆者にほだされて、たぶん多くの人が慎一に感情移入しながら読み進めるのだろう。慎一を思えば切ない。父を亡くした悲しみが癒えてないだけでも切ないのに、母は恋人をつくり、親友は虐待され、気になる娘は友達に笑いかける。やがて孤独な心は暴走を始め、ここに至って道尾さん得意のサスペンスが展開される。筆者は恐怖を操り、最終盤に慎一が恐怖に耐えられなくなるまで続く。 道尾さんが珍しく文学してると思ったら意外なところから恐怖が飛んでくる。それに耐えられなければ後味の悪さが残るのだろうが、私は恐怖を操る道尾さんの技術を秀逸と思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
道尾さんはミステリー作家だと思っていたのですが、本書はほとんど純文学です。 ただ純文としては人物造形はかなり浅いです。キャラクターは本の中でのみ存在しているようで、とくに主人公のおじいさんに至ってはまるで過去を想像できませんでした。 登場する子供たちは、それぞれに弱さや残酷さから行動するのですが、それがどうも「確固たる」弱さや残酷さに見えてしまいます。常識や空気に流される、ということは見受けられませんでした。 キャラクターが物語のために行動しているように見えるのです。 それはミステリーなら良いのですが、純文ではどうかなと思います。 本書で直木賞を取ったのは本人にとって良いことだったのでしょうか? あまり純文学は向いていないように思えるのですが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読めば廃れるような流行りの娯楽重視の作家とは違う。それは確かだと思う。 心理描写も、比喩も、情景描写も上手い。 まるで自分が、慎一と春也の傍でたたずみ、事のすべてを固唾をのんで見ているような気になった。 特に何が起こるわけではない、比較的淡々とした小説なのだが、心の底からぞわぞわする気持ちを味わった。 子どもの世界は、大人が考えているほどきれいで純真ではない。 子どものとき、自分も、この小説の登場人物のように狂気におかされていたことを、 まざまざと、思い出させてくれた。 大人の事情に振り回されながら、いじめや虐待に惑わされながら、それでも強く生き抜いて、 だんだんと狂気を強めていく少年少女。 その緩慢で、ゆったりとした事の成り行きが、ヤドカリの気味の悪い描写、暗い海辺の町の描写、 義足の祖父の描写と重なって、独自の世界観を作っている。 私は女性読者なので、主人公が少女なら、もっと強く感情移入できたかもしれない。 しかし、少年の傷つきやすい心にも十分呼応して、苦しくなった。 ミステリーや感動小説、恋愛小説など何かのジャンルに分類できるような分かりやすい作品ではないが、 非常に文章が上手く、良い意味で気味の悪さを残す小説だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まったく感情移入できませんでした。そもそも虐待されている子供は友人などできません。ストーリーが破綻しています。それでも最後まで読みました。「時間を返してください」。以上。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
3人の子どもを軸に話は展開していくのだが、子どもが主人公の話にあるようなサッパリさはなく、いつも曇り空が続くどんよりとした日々のように話は進行して行く。食べるなと言われた「月夜の蟹」を食べることなく、最後まで唯一の友人の嘘に救われる主人公。決して救われて明るい未来があるわけではないのだけれど、最後はなんだかホッとする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人的には、重松清の「疾走」に似た激情を見出だせました。 少年期の複雑な感情を見事に表現しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表現の繊細さが取り上げられているが、アマチュアが文学賞を目指して捻り出しているような、腑に落ちないものが多いように思われた。ストーリー展開も単調で、とにかく地味な作品。率直に、つまらなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
子供から大人に近づきつつある年頃の言葉に表せないような心情がとても綺麗に描かれていて、幼い頃のやるせない気持ちとか歯がゆさとかが思い出されて、読んでいると言うより過去の時間を巡っているような気持ちにさせて貰える作品でした。 向日葵の咲かない夏を読んで納得いかずなんだかちょっと腹立たしい気持ちになった方でも楽しめる一冊だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二人の少年と一人の少女の心理が、丁寧に描写されている。漁港のある町へ転校してきて二年経った小学五年生。 同じく転校してきた者同士の濃密な寄り添い。そして因縁のある少女。 うちとけられないクラスで流れる子供たちの時間。 三人の交流が、小さなしぐさやセリフとともに背景にうごめく心情を伴って描かれる。 慎一にいやがらせの手紙を書くのは誰なのか。…読者の誰もが察する通り。 鳴海をめぐって仲良し二人の少年たちの心が騒ぐ。 母の再婚は許せない。 ヤドカリをあぶって遊ぶ残酷な遊びは、徐々に神話性を帯び、少年たちの行動を縛ってゆく。 この遊びは、車のカギを偶然手に入れる設定として、よく練られた場面である。 いくつもの失敗を超え、こうして私たちは成長してきたのだ。 私たち自身、もう思い出そうともしない残酷な失敗を、いくつもしてきたはずなのだ。 殺人やトリックがなく、ただ物語の迫真性だけが読者を離さない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞受賞作ということで、初めて道尾秀介の小説を読みました。読み終え小説全体の印象は人間の陰の部分が書かれてあり、全体的に暗い印象で最初から最後まで淡々と続きます。 あまり登場人物に感情移入できず、共感ができませんでした。なにが言いたいのかがあまり分からなかったです。読み終わったあともすっきりしないまま終わるかんじでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
少年の清んだ心が濁っていく描写が胸を打ちました。近づく心の闇とそれによって道を外しそうな危うさに最後までどきどきしながら一気に読みきれました。少年の心に度々現れる嫉妬心に共感できるかどうかが作品の感想をわけそうです。女性ってどうなのかな?まだ思春期を振り返れる10代、20代の男性が読むのをお勧めしたいです。漫画おやすみぷんぷん好きな方にもお勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
同年代の作家ということで、親近感をもって読ませていただきました。3名の少年少女の描写がとても繊細で、自分も少年期にタイムスリップしたような感覚を覚えました。懐かしいような、苦しいような、悲しいような、そんな作品でした。これを期に、他の作品も読んでみたいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
感動できるか、感情移入できるかといったら、その点は少し難しかった。主人公の慎一達は、小学校高学年の設定。ヤドカリをヤドカミ様と称して、残酷な願い事をする描写は、年齢相応で理解できるが、それ以外の思考や行動が最後まで年齢以上に大人びて、少し違和感を感じた。登場人物たちは、父を亡くした少年、母を亡くした少女、夫を亡くした女、妻を亡くした男、足と息子を失い、自らの過失で人の命を奪った老人、両親の愛情を失った少年、みな自らの大切な魂ともいうべき一部を失っている人々。人は大切な人やものを失ったとき、その理由を探したがる(因果応報に結びつける)、その理由を探しあてて諦観し、心に踏ん切りをつけて救われるのかもしれない、という点に触れたくだりはいいと思った。人の心には誰にも言えない闇があり、嫉妬や憎しみから、相手が不幸になるような残酷な願いを持ってしまう事は誰にでもあるだろう。少年達の心理描写は共感できる。海岸に置きざりにされたナイフ、月夜の砂浜の緊迫感で引っ張られたが、最終章でものわかりがよすぎた少年達と大人の描写で、少し拍子抜けしてしまったのが残念。小説の中では、登場する大人達の明確な心理描写はあまりない。だが、慎一の母、祖父、鳴海の父、大人達の心の中にも、慎一達が祈ったような残酷な「願い」(もし夫が〜、もし義父が〜etc)があり、そうした願いや祈りが不幸の連鎖となり、利己的な欲望や願望の実現との引き換えに失ってしまうものの切なさと儚さも、描きたかったのではないかと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レビューをみてみると賞狙いの作品という感想を抱いた方がけっこういるようですが。道尾氏のこれまでの作品を読んできた方は特に、そう思えても仕方ないかもしれません。情景がしっかり描かれていてそれだけでも直木賞審査員が喜びそうです。ただ、そうやって色眼鏡をかけて読んでしまうのはもったいないぐらい、丁寧に描かれた作品だと思います。まず月と蟹というタイトルに惹かれました。鎌倉の海辺の町が舞台という平凡な設定ですが、展開が面白くあっという間に読めてしまいます。料理に例えると、素材の味を生かして極上のスープが出来上がった感じでしょうか。読み終わった後、この表紙の写真を見たら、最初はなんでもなかった波の形が蟹やぶきみなcancer(癌)の陰影にも見えてきて思わぬ余韻に浸ることができました。普段、直木賞だの関係なく読みたい本を買っていますが今回は正直、タイトル買いです。装丁も見事にマッチした作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小学校5年生の時のことってあまり思い出せないよね?主人公の気持ちがあまりわからなかった。秘密基地とか虫いじりとかはやったけど、もっとカラッとしてた。「向日葵の・・・」も小学生が主人公だったけど、こっちは受身だったからすごくリアルで鮮烈なイメージが残った。登場人物の年齢層をもう少しあげたほうがよかったかも。直木賞受賞はめでたいが、作者の他の作品はもっと面白いのは間違いない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!