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月と蟹
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月と蟹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 1~20 1/3ページ
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ヤドカリは出てくるが蟹は出てこないなと、題名の意味を考えていたが、小説内の説明では癌を意味する英語のcancerには蟹の意味もあるらしい。しかし、私の家の辞書で調べると、蟹ではなくて星座の蟹座の意味になってしまう。英語で蟹ならば、crabではないか? まあ、細かいことはどうでもいいのだが……。 祖父の昭三が義足生活になったのを因果応報のように語っているシーンは、日本人的な考え方でたぶん欧米人には理解しがたいだろう。ただ、今の若い人には、悪いことをしたら罰が当たると言っても伝わらないのではないだろうか。 慎一と春也と鳴海の微妙な関係は、読んでいて最後までハラハラドキドキした。この三人夫々の心情がよく描けていると思った。結構長い小説なのだが、二日くらいで読めてしまった。ただ冒頭にも書いたが題名には蟹ではなくてヤドカリを入れて欲しかった。なにしろ”ヤドカミ様”と呼んでいるくらいなのだから。 | ||||
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息子がハマっているので購入。とても綺麗な状態です | ||||
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穏やかな前半に散りばめられた出来事や細かな心情の変化が、後半塊になって一気に話を進めていく構成は見事。小学生ではあるが、過去や周囲の影響から、特異な考えや気持ちを醸成した主人公を中心に、大きなうねりを生みながら終末に向かっていく様は、ドキドキハラハラを感じさせるのに十分 | ||||
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直木賞を受賞した本作では、著者の持ち味を存分に活かした臨場感のある文章が全編で綴られている。 成人した大人から見れば、本書で描かれる顛末はどれも大したことがないものばかりである。だが、小学生という多感な、それでいて非常に狭い世界で完結している年頃の子どもたちからしたら、世界を揺るがすような大事件となる。 著者は主人公・慎一やその友人・春也になりきって書いたかのようで、その文章力の高さは本当に関心させられる。 他の方のレビューで退屈だったというものがあったが、普通の感覚であればそうなるだろうと思う。これを退屈な、些細なことだと捉えない視点こそ著者の最大の強みではないだろうか。 「頭上を覆う木々の枝が、夜空に生じた無数の亀裂に見えた。」という一文が特に好印象だった。実際にひっくり返って枝でもかぶらない限り、こんな文章は書けそうもない。 物語そのものよりも、多感な時期のわずかな心の機微を捉えた味わい深い文章を楽しんでほしい。 | ||||
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独特の惹き込み感あります。この方の作品の登場人物は子供率が高く、リアルには「こんな子供いない」とか途中で感じてはしまうんですが、それでも最後まで惹き込まれ続ける力があります。 | ||||
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誰にでもある、少年から青年に差し掛かるときの思い出、母親の恋愛を、重ねて、見事に描ききる。この作家の作品は初めて読んだが、面白いあと何作品か、読もうと思う。 | ||||
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設定がやや強引過ぎましたが、読む価値はあります。 | ||||
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子供時代の思い出したくないような感情描写やヤドカリへの虐待など、苦しくなる場面も多いですが、こういう思いをどこかに抱えて子供時代を過ごした人は多いと思います。終わり方も何かスッキリしないし切ないけれど、だからこそ現実味があって、心に残る一冊になりそうです。 | ||||
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少年の愛憎の日々を描いた作品。友情の脆さと儚さ、恋のときめきと嫉妬、大人への不信といった感情が作品いっぱいにつめこまれている。 気持ちがひび割れていく様の描写の細やかさが秀逸。祈りと称しヤドカリを残酷にいたぶるシーンが繰り返されるのだが、子供ってそういうものと思いつつも、小動物が苦手なので気分がよろしくない。 お話しの内容が暗い上に文章の書きっぷりがどんよりで、読み進めながら気が重くなってしまった。それだけに、子供を卒業する日が近づいた少年の成長物語としてリアルではある。【直木賞】 | ||||
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この作家の作品とは初めての出会い。 期待していた以上の面白さで、一気に読み終えました! 緻密な描写で、映像が浮かび上がるようでした。 | ||||
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好きか嫌いかと聞かれると、ハッキリ好きとは言えない小説ですが、子供の無邪気とも言える残虐性がヤドカリとの関わりを通して独特に描かれている作品で、いつの間にか不思議と引き込まれていました。読み手によって味わい方も違うと思います。最後は完結というわけでも、予想外の帰結というわけでもなく、今までに味わったことのない後味がありました。生き物の生態性と子供を通しての人間性が交互に描かれている辺りは上手だと思います。私的には表現力もさることながら、直木賞受賞受賞作品として頷ける作品です。 | ||||
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初めての作家の初めての作品です。直木賞受賞作品ということで読みました。終始、ヤドカリが出てきましたね。子供たちの繊細さと残酷さとかか絶妙に絡み、終始一貫、興味深く読みました。 | ||||
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前に読まれた方いるのかな??って、思っちゃうくらい、きれいな状態でした。また、よろしくお願いします。 | ||||
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鎌倉の穏やかな遠浅の砂浜、 やどかりやイソギンチャクのいる磯辺、 そこは、こどもでなくてもなぜか夢中にさせる。 浅瀬でゆったりとした時間を過ごしているつもりが 後半その波打ち際から一気に沖合に流される、 離岸流を思わせる小説。 | ||||
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心の中に苦しみを抱えながら生きている小学生3人の物語。少年が母を想う気持ち、少女が父親を想う気持ち、少年が父親から受ける理不尽な仕打ち、生まれたばかりには背負ってなかった気持ちを、成長するにつれて背負ってしまう。大人になるための通過儀礼なのかもしれない。大人になることとはそういうことなのかもしれない。ヤドカリの生き死にを人間がコントロールする様は、背徳な行為が大人になるための儀式であるかのように描かれる。大人になるために必要な悪事。大人になることのつらさ、背負い込むものの重さを感じさせる。と同時に、子供も小さいうちから荷物を背負い込まされる運命にあることも気づかされる。生まれたばかりのヤドカリは貝殻を背負ってないけれど、大人は貝殻を背負っている。いつから背負い出すのだろうか、自分を守るものがいなくなったら必要になるのだろうか、それよりももっと早く必要になるのだろうか。私たちは上手く貝殻を背負う方法を知るべきなのかもしれない。 | ||||
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少しネタバレあります。 都会から田舎へやってきたある少年。 初恋や友達への嫉妬、自分の中に巣食うもう一人の自分の存在、次第に暗く重苦しくなってくる心の壁など、その少年の心の葛藤が繊細に描写されていました。 ミステリーなどの類いではないので、展開の大きな起伏やどんでん返しの結末などはありません。 あくまでも、小学5年生が田舎町で過ごす日常の風景を切り取ったものです。 片親しか居ない子供達が求める親への愛情、両親から虐待を受ける子供が持つ自己顕示欲。読後はとりわけ後者の部分を考えさせられました。 越してきて初めて出来た友達。 唯一仲良くしてくれた友達。 どうにか自分のことを見て欲しい、自分だけが唯一の友達になりたい、そんな絆が欲しくてたまらない。 けれどきっと、愛情をもらっていない彼は全うなやり方がわからなかったんだと思います。考え付いたことが、手紙だった。 そう思うと、切なくてやりきれない。 唯一の救いは、鳴海ですかね。。 都会からやってきた、関西弁を話す少し不良っぽい(←想像です)男の子。 もう既に好きになってるようですし、きっと彼の支えになってくれることを期待します。 | ||||
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子供のすることって時には残酷だなって大人になって思うことがあります。 わざと親を困らせてみたり、好きな人をいじめてみたり、虫を無意味に殺してみたり。 大人になって忘れてしまった自身の少年期と重ねて読んでしまいました。 内容は読みやすく一日で読み終わりました。というか、続きが気になって読んでしまうパターン。 皆さんのレビューの通り読了後気持ちいいものではないですが、私は同時に不思議なカタルシスを味わえましたよ。 作品の根底にある人間のエゴイズムは頷いてしまうのと同時に相反する別の心も存在するものです。 | ||||
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月と蟹、直木賞受賞作という事で大変楽しみにしており、時間に余裕があったので一日で読み終わりました。 感想は見出しに書いて通りです。ラットマン、ソロモンの犬、カラスの親指といった構成かと思っていたので、終盤は盛り上がりに欠けているように感じました。ただ主人公と友人の関係や主人公自身の変化が丁寧に描写されていて大変良かったです。 | ||||
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昭和の終わりの海辺の町 鎌倉を舞台に、小学5年生の主人公 慎一、春也、そして鳴海が、「理不尽と戦う」 中で「子供時代の終わり」を迎えるストーリー。 鎌倉の海や山、鶴岡八幡宮、建長寺、十王岩などが登場しますが、明るさの中にも翳りのある舞台として描かれています。 クライマックスでは、読んでいて息苦しくなるほどの展開に引きづり込まれ、子供だけでなく大人が生きていくことの哀しみも見事に表現しています。 読後感は良くないかと思いますが、慎一たちの姿は子供時代の悩みや迷いを思い起こすと、共感できる部分が多かったです。 | ||||
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直木賞を受賞した本作。なかなかよかった。物語に流れる緊迫感だとか、こころの浮き沈みがうまく表現されていてテンポよく読めた。この中に出てくる主人公たちは、親と友達がすべての世界である。しかし人間関係で傷つき、嘘をつき、嫉妬して、とやっていることはあまり大人と変わらないのだ。迷信めいたものや、不思議なものに対する畏怖は子供時代独特のものかもしれない。 昔、子供時代にこんな大変なことはなかったはずなのに、こういうことに近いことがあったような気がする。そんなノスタルジーも与えてくれる。 | ||||
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