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月と蟹
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月と蟹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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背表紙の不具合って記載ありましたっけ?本として読めるので問題ないので良いですが、少し残念。 | ||||
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最初はあまり入り込めずに読んでいたのですが 展開が進むにつれ引き込まれていき、すぐに読了しました。 同作家の「向日葵の咲かない夏」を読んでから 今作品を読んだため いつどの登場人物が残酷な死に方をするのか… また具合が悪くなるような描写が出てくるのか…と ハラハラしながら想像を膨らめていましたが 完全な邪推でした笑 「向日葵の咲かない夏」と比べると 人間の内面的な、心の残酷さ、弱さを より表現されたように感じました。 また、作品内でお祖父さんが孫に向けて 『女は女の子んときから女だけどよ、 お前はいましか男の子じゃねえ』 と話した言葉通り、今作品を通して 映画「秒速5センチメートル」を 何度か思い出すことがありました。 | ||||
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数年前、話題になってたので購入しました。 心理的描写は上手いと思いますが、そこに至るまでの経緯や動機付けが小説にしてはやや普通過ぎる印象を受けました。 タイトルの月と蟹も途中で意味が分かり、物語の終盤からは想定の範囲内で結末を迎え、ある意味読み易さはありますが、読み応えは物足りなかったです。 | ||||
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「泥の河」を思い出しました。 残酷で脆い少年の心情を描いています。 | ||||
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道尾作品はこれで三冊目。直木賞を獲得したということで手に取りました。 道尾作品で少年ものというと『向日葵の咲かない夏』が思い浮かびましたが、この鬱々しい空気感はそれに通じるものがある気がします。 『向日葵の咲かない夏』『カラスの親指』のように大きな事件が起こるわけでもなく、客観的に見れば主人公の身を取り巻く出来事は至って平坦ともいえる日常なのですが、その中で主人公が大きく揺れて狂気に傾く描写がリアル。 春也と先に友達になったのは主人公、春也に鳴海を紹介したのも主人公、でもいつの間にか主人公が放置され春也と鳴海が仲良くなっている。この蚊帳の外の感じ、あーあるある…と自分まで幼い頃に戻って主人公に共感してしまいました。 母親が自分の母親じゃなく他人の女になってしまうことに嫌悪感と焦りを覚える描写も上手いです。いじめ、虐待、ヤドカミ様など、胸が痛くなるエピソードもてんこもり。 手紙に関しては春也の「お前に嫌われたら、俺もう、行くとこないやん」という言葉に動機のすべてが詰め込まれていると思いました。結果的に主人公はいなくなるわけだけど、もう春也を脅かす虐待はなくなって、多分これからは鳴海が春也の傍にいるんだろうと思うと彼の先行きも明るいような気がします。 中盤までは『向日葵の咲かない夏』を彷彿とさせるような方向にどんどん進んでいくので、きっと同じような終わり方をするんだろうと思っていましたが終盤でまさかの巻き返しでした。 じわりと胸に沁みていくラストには感動しましたが、文体が既読二冊と比べると少し読みにくかったのと話が大きく動く中盤までは退屈だったため☆3です。 | ||||
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正直、何故ここまで批判されているのか分からない。この作品はもっと評価されていいと思うし、直木賞受賞も頷ける。 どの本にもは必ず作家の≪癖≫が出る。 色濃い個性で書かれてる作品もあれば漠然とでしか意識できない作品もある。 ≪月と蟹≫も然り。道尾秀介の≪癖≫が出ている作品にもかかわらず、私には他の誰かが書いたのではと節々感じました。 確かに物語の波は浅いが起承転結とともに整っており、その分作者が言い表せるありったけの表現でリアルで繊細な文体に仕上がっています。 このような作品を生み出せるのは恐らく道尾秀介だけでしょう。 ただ、感情移入としては個人差がありますし、人によっては一体なにを伝えたいか分からないでしょう。 しかし、道尾秀介での作品では稀にみるミステリーでもサスペンスでもないこれは小さな世界で広げられる社会や人間の脆さを描いた一種の風刺小説に属すると思います。 長文失礼。 | ||||
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時期によって、作者のタッチは違うけれど、複雑な心理、殺意が膨れていくが、クライマックスには救いがあるのは作者らしい感じ。 カラスの親指のような、トリックを楽しみたい人には他の作品か、ちょっと違う気持ちで読んだ方が良い。 | ||||
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神奈川県の鎌倉に近い漁港に暮らす小学生の主人公は母親と父方の祖父と3人で暮らしている 物語とはいえ、小学生なのに本当に可哀相な複雑な人間関係で・・・ 母親はこれまた説明すれば長くなる複雑な関係の男性と交際し、主人公はそのことで悩み苦しむ・・・ 文章としては飽きさせないし、母親が別な誰かの男性に奪われしまうような気持ちになる主人公の胸中に入り込んでしまっりもするが・・・ でも 特別な感想というものが頭に思い浮かばない・・・ 最後に「大人になるのって、ほんとうに難しいよ」とのとある少女のセリフ・・・ それだけは今もって大人になりきれない自分に思い知らされたような・・・ | ||||
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とても巧い作家さんなんだとは思う。 かつてのような大きなどんでん返し・仕掛けを用意しているわけではないが、自然と引き込まれていくだけの筆の力を持っている。 だが本当に興味のある面白い話だったかと問われれば、それは残念ながら違う。 ひねくれた見方と思われるかもしれないが、今まで何度も直木賞候補にノミネートされながら受賞を逃してきたので、「受賞用の小説を書きましたよ」臭がプンプンとしてしまうのだ。普段はミステリー書いているけれど、書こうと思えばこのくらいの小説はいつでも書けますよと。 また、文章表現が過剰というか、くどいように感じる。テクニックに走り過ぎていないか?あのくどい言い回しを一冊の中で延々とやられると、お腹一杯だ。 小学生が主人公なのも、もう結構。 | ||||
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情景描写はよく清々しい青空や風の涼しさ、水の透明感、幼い頃の懐かしい開放感なんかを感じることはできたが、人物に魅力が乏しく感情移入できなかった。話の展開も別段驚かせるものがなく…読ませる話としてはスケールが小さい。主要人物6人の内一人でもぐっと際立つ魅力があれば良かったかなと思う。 | ||||
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本作でも道尾氏特有の「子供の無邪気な残酷さ」の描写は見事。心理描写もリアル。 また、将来国語の教科書にでも載せたいのか?と勘ぐるほど純文学的な描写が多い。 主人公の少年の葛藤・嫉妬・怒り・迷いなどには胸を締め付けられるほどの共感をおぼえた。 しかし、結末に至っても少年の中のそういったものが何一つ解決していない。他の方の指摘の通り ページ数や締め切りの都合で無理やり打ち切ったのかとさえ疑ってしまう。 直木賞受賞作という事で多くの人が今後も手に取るだろうが、あまり過剰な期待をぜずに読めば良作です。 | ||||
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子ども時代を懐かしいと思い出すか、はたまた、あの頃から人生と向き合う大変さを感じ始めたと思うのか、人それぞれだと思っていたが、存外、誰にも共通した心情が流れているのではと、この本を読んで感じた。 この主人公のように、田舎暮らしだった子どもの頃、自宅近くの森の中にあった水辺で本を読んだり、犬を遊ばせたりしたことを、なつかしく思い出した。 読み始めは、一体、どういう風に展開していくのか、少々、じれったく感じたし、状況描写がすっとなじまず、違和感があったが、作者がまだ若く、試行錯誤の途上だからと思うことにした。両親がいても家庭環境に恵まれない子ども、片親でも暖かい家庭の子ども、気風のよい祖父。暴力を受けている子どもの鬱屈した感情。誰もが直接、間接にこうした感情と向き合った経験があるのではないか。いつ晴れるのか定かではない靄に覆われたような現代の世相を切り取り、「穢れなき悪戯」のような郷愁を感じさせてくれる余韻の残る作品だ。 | ||||
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読み手を引きつけるストーリー展開があるかと言われば難しいが、 一度読めば廃れるような流行りの娯楽重視の作家とは違う。それは確かだと思う。 文章が緻密で臨場感があるので、まるで自分が、慎一と春也の傍でたたずみ、 事のすべてを固唾をのんで見ているような気になった。 特に何が起こるわけではない、比較的淡々とした小説なのだが、心の底からぞわぞわする気持ちを味わった。 子どもの世界は、大人が考えているほどきれいで純真ではない。 子どものとき、自分も、この小説の登場人物のように狂気におかされていたことを、 まざまざと、思い出させてくれた。 大人の事情に振り回されながら、いじめや虐待に惑わされながら、それでも強く生き抜いて、 だんだんと狂気を強めていく少年少女。 その緩慢で、ゆったりとした事の成り行きが、ヤドカリの気味の悪い描写、暗い海辺の町の描写、 義足の祖父の描写と重なって、独自の世界観を作っている。 私は女性読者なので、主人公が少女なら、もっと強く感情移入できたかもしれない。 しかし、少年の傷つきやすい心にも十分呼応して、苦しくなった。 ミステリーや感動小説、恋愛小説など何かのジャンルに分類できるような分かりやすい作品ではないが、 文章が繊細で独特の魅力があり、良い意味で気味の悪さを残す小説だった。 | ||||
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感動できるか、感情移入できるかといったら、その点は少し難しかった。主人公の慎一達は、小学校高学年の設定。ヤドカリをヤドカミ様と称して、残酷な願い事をする描写は、年齢相応で理解できるが、それ以外の思考や行動が最後まで年齢以上に大人びて、少し違和感を感じた。登場人物たちは、父を亡くした少年、母を亡くした少女、夫を亡くした女、妻を亡くした男、足と息子を失い、自らの過失で人の命を奪った老人、両親の愛情を失った少年、みな自らの大切な魂ともいうべき一部を失っている人々。人は大切な人やものを失ったとき、その理由を探したがる(因果応報に結びつける)、その理由を探しあてて諦観し、心に踏ん切りをつけて救われるのかもしれない、という点に触れたくだりはいいと思った。人の心には誰にも言えない闇があり、嫉妬や憎しみから、相手が不幸になるような残酷な願いを持ってしまう事は誰にでもあるだろう。少年達の心理描写は共感できる。海岸に置きざりにされたナイフ、月夜の砂浜の緊迫感で引っ張られたが、最終章でものわかりがよすぎた少年達と大人の描写で、少し拍子抜けしてしまったのが残念。小説の中では、登場する大人達の明確な心理描写はあまりない。だが、慎一の母、祖父、鳴海の父、大人達の心の中にも、慎一達が祈ったような残酷な「願い」(もし夫が〜、もし義父が〜etc)があり、そうした願いや祈りが不幸の連鎖となり、利己的な欲望や願望の実現との引き換えに失ってしまうものの切なさと儚さも、描きたかったのではないかと思った。 | ||||
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小学校5年生の時のことってあまり思い出せないよね?主人公の気持ちがあまりわからなかった。秘密基地とか虫いじりとかはやったけど、もっとカラッとしてた。「向日葵の・・・」も小学生が主人公だったけど、こっちは受身だったからすごくリアルで鮮烈なイメージが残った。登場人物の年齢層をもう少しあげたほうがよかったかも。直木賞受賞はめでたいが、作者の他の作品はもっと面白いのは間違いない。 | ||||
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22日放送の王様のブランチでもこの作品を絶賛し、言葉の表現が綺麗と触れられてましたが、その部分だけが1人歩きしてないだろうか?すごく簡潔でさらっとした文体で有名な宮部みゆきや東野圭吾が、ただ若い世代だけでなく年配にも支持されるのは、簡潔な言葉なのに非常に美しい言葉の表現が巧みなのです。この作品は、あえて泉鏡花や乱歩的な昭和浪漫な文体をやたら意識しただけであり、非常に綺麗な言葉とはなにか違う気がするのです・・・?蛇足ながら、最近の作家で非常に綺麗な言葉を書くのが上手なのは、「相棒」の脚本家の1人の櫻井武晴だと思っています。 | ||||
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